映画『星の王子ニューヨークへ行く』の概要:アキーム王子は21歳の誕生日になり、父が決めた相手と結婚することになる。だが、その相手は王子に従順であるよう育てられており、自分自身を持っていなかった。アキーム王子はそんな相手と結婚するのが嫌で、妃候補を探すためにニューヨークへと旅立った。
映画『星の王子ニューヨークへ行く』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ジョン・ランディス
キャスト:エディ・マーフィ、アーセニオ・ホール、シャーリー・ヘドリー、ジェームズ・アール・ジョーンズ etc
映画『星の王子ニューヨークへ行く』の登場人物(キャスト)
- アキーム王子(エディ・マーフィ)
- ザムンダ王国の王子。父の決めた相手と結婚することが嫌で、妃候補を探すためにニューヨークに旅立つ。貧しい者にも手を差し伸べる優しい性格。
- セミ(アーセニオ・ホール)
- アキーム王子の世話係であり友人でもある。アキーム王子に対して、はっきりした物言いをする。お調子者で明るい性格。貧しい暮らしに耐えられず、密かに国王に助けを求める。
- リサ・マクドゥーウェル(シャーリー・ヘドリー)
- 子供のために公園を再建しようと寄付金を募るなど、優しくて聡明な女性。父が経営するファーストフード店で働いている。
- ダリル・ジェンクス(エリク・ラ・サル)
- リサの恋人。働いておらず、父親のお金で悠々自適に暮らしている。リサやクレオの前では良い青年を演じているが、寄付金を出さなかったりアキーム王子を馬鹿にしたり、性格が悪い。
- クレオ・マクドゥーウェル(ジョン・エイモス)
- リサの父親。マクドナルドによく似たファーストフード店を経営している。昔は貧しかったことから、娘には金持ちと結婚をして、苦労せずに暮らしてもらいたいという気持ちが強い。
映画『星の王子ニューヨークへ行く』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『星の王子ニューヨークへ行く』のあらすじ【起】
アキーム王子は楽団の奏でる音色で目を覚ました。今日はアキーム王子の誕生日で、21歳になった。アキーム王子は誕生日を機に、トイレぐらい1人で入りたいと使用人のオーハに頼むが、すぐに却下され尻拭き係を呼ばれた。他にも入浴や着替えなど、全ての世話を使用人にやってもらっていた。
アキーム王子は1人で何もできない生活に嫌気がさしていた。結婚相手も父が選んでおり、生まれたときから妃になるための教養を勉強している者だった。アキーム王子は王子ではなく自分自身を愛してくれる者と結婚したいと父である国王に進言するが、受け入れられなかった。
アキーム王子の成婚パーティーが開かれた。アキーム王子はそこで初めて妃となる女性と対面した。妃となる女性は確かに美しかったが、王子の好みに合わせるように躾けられており、自分自身を持っていなかった。犬の鳴きまねでもオラウータンの鳴きまねでも、王子が指示すればなんでもやった。アキーム王子はそんな女性と結婚するのが嫌で、成婚パーティーを中止にして外の世界を見てみたいと国王に伝えた。しかし、国王に真意は伝わらず、女遊びをしたがっているのだと誤解される。国王は40日後に成婚式を再び行うことを決め、アキーム王子を送り出した。
映画『星の王子ニューヨークへ行く』のあらすじ【承】
アキーム王子はこの旅に乗じて妻を探すことを決め、世話係であり友人でもあるセミと、ニューヨークのクイーンズに旅立った。アキーム王子は身分を隠したがっていたが、豪華な衣服を身につけていたため、空港に降り立った瞬間から既に注目を集めていた。
アキーム王子はわざと粗末な部屋を借りて、庶民の生活を体験することを決める。トイレは共同でハエがたかるぐらい汚く、部屋は目の不自由な男が亡くなった事故物件だった。だが、アキーム王子はその部屋を気に入り、即決で借りることを決める。持ってきた荷物はいつの間にか周りの住人達に盗まれていたが、アキーム王子は全く気にしなかった。
アキーム王子はセミと共にニューヨークっぽい服に着替え、生まれたときから伸ばしている髪を切りに床屋に行った。店主は後ろに伸びていた髪をはさみでバッサリと切り、散髪を終えた。その後、アキーム王子はセミと共にバーに行き妃候補を探すが、悪魔崇拝をしている女性や夫が死刑囚の女性などロクな女性がいなかった。
アキーム王子は同じアパートに住む住人に相談し、黒人達が集まる“ブラックは最高”集会に行くことを決める。そこで、子供達のためにリンカーン公園を再建しようと募金を呼びかける、リサ・マクドゥーウェルという女性に一目惚れをする。大会終了後、アキーム王子はリサ父子が営んでいるファーストフード店に足を運び、セミと共に従業員として雇ってもらった。
映画『星の王子ニューヨークへ行く』のあらすじ【転】
リサには父親のクレオ公認の、ダリルという恋人がいた。リサはこの間の集会で大金を寄付した人物をダリルだと思っていたが、本当はダリルは1銭も寄付をしておらず、アキーム王子が寄付をしていた。だが、ダリルは自分が寄付したかのように話を合わせた。リサはダリルに惚れ直し、浮かれながらデートへと出掛けて行った。
アキーム王子はリサに好かれるため、ダリルのようなパーマを当てようとした。しかし、店主に髪型を変えるよりも、父親の心を掴むのが一番だとアドバイスされる。アキーム王子は張り切ってクレオに話しかけるが、ロクな会話ができず、麻薬をやっていると思われ失敗に終わる。そんな時同僚から、アメリカ人女性はお金に惹かれるのだとアドバイスされる。ダリルは働いていなかったが父親から援助を受けており、そのお金でリサに度々プレゼントを贈っていた。
リサの家に高価な宝石の付いたイヤリングが届いた。メッセージカードには“ダリルではない賛美者より”と書かれていた。リサの妹のパトリスは新しい恋人ができたのだろうと邪推するが、リサには心当たりがなかった。だが、リサは素敵なイヤリングを嬉しそうに眺めた。セミはアキーム王子に、自分が50万ドルのイヤリングの送り主だと伝えろと嗾けるが、アキーム王子はリサに言おうとはしなかった。
アキーム王子はリサ姉妹に誘われ、ダリルと共にバスケットボールを観戦しに行くことになった。そこで、ダリルからアフリカにはおかしなゲームしかないだろうと馬鹿にされる。しかも、パトリスから下半身を触られ、ゆっくり観戦することができなかった。アキーム王子はトイレのために席を立ちその場を逃げ出すが、アキームを王子だと知る人物に話しかけられ、握手と写真を求められる。後から来たリサとダリルはその様子を困惑した表情で眺めた。
アキーム王子が店先でリサと話していると、突然銃を持った強盗が入ってきた。アキーム王子はモップの柄を使い、セミと共に強盗を退治した。その強盗は今まで5回も店に来ており、クレオが手を焼いている人物だった。そのため、クレオは強盗犯を退治してくれたことを深く感謝し、2人を自宅のパーティーに招待した。しかし、アキーム王子達が浮かれながら行くと、使用人として扱き使われる。しかもそのパーティーで、リサがダリルからのプロポーズを受け入れたとクレオが発表した。
リサはダリルから直接プロポーズされていなかった。クレオとダリルで勝手に話を進めていたのだ。リサはそのことに怒って外で落ち込んでいると、アキーム王子が上着を持って来てくれた。リサはアキーム王子に話を聞いてもらったことで、気持ちが軽くなった。
映画『星の王子ニューヨークへ行く』の結末・ラスト(ネタバレ)
リサはダリルと付き合ったのは、家族を喜ばすためだとアキーム王子に打ち明けた。2人は徐々に親密になり、アキーム王子は自宅にリサを招いて食事を振る舞おうとした。しかし、貧乏暮らしが嫌になったセミが勝手に豪華な内装に部屋を変えており、リサを招けるような状態ではなかった。アキーム王子はリサを連れて外に食事をしに出掛けた。そして、アキーム王子は川辺にいたホームレスに、セミから回収した大金を密かにプレゼントした。
リサ達がレストランで食事をしていると、先程のホームレスが窓からアキーム王子に感謝を伝えた。リサはその様子をおかしそうに眺め、アキーム王子は皆から愛される存在だと伝えた。リサはアキーム王子の内面に惹かれていた。2人はレストランに流れていた曲に合わせてダンスを踊り、キスをした。その頃、セミは国王に100万ドルを送って欲しいと電報を送っていた。
息子を心配した国王が、妻や多くの使用人と共にクイーンズのマンションを訪ねてきた。国王は息子が働いていることを知り、セミの服を持ち上げて叱った。そして、自分達が宿泊しているホテルに来るよう伝えた。セミは怒られながらも、豪華なホテルに行けることを喜んだ。
国王は息子を探して職場を訪ねた。そして、自分が来たことは告げず、アキーム王子に連絡を取るようクレオに伝えた。クレオは貧乏人だと思っていたアキームが王子だと知り喜んだ。その後、アキーム王子は部屋の前に花びらが撒かれているのを見て、父達が来たことに気づく。リサを部屋に招こうと思っていたが、取り止めて自宅へと送った。すると、クレオが急にアキーム王子に親切にしてきた。アキーム王子は父のことが気にかかっていたため、クレオが部屋を空けた隙に家を出た。リサは父に、急に態度が変わった理由を尋ねた。クレオはアキームが王子であることを教えた。リサはアキーム王子から嘘を吐かれたことを知り、ショックを受ける。
国王はリサに、アキームには花嫁がおり結婚を控えていることを教える。そして、リサとの付き合いは遊びだったのだと告げた。リサはショックを受け、家を飛び出した。クレオは娘が傷つけられたと知り、激しく怒った。王妃もクレオに謝罪するよう夫に進言した。その時、アキーム王子が国王達の元にやってきた。アキームは父がリサに酷いことを言ったことを知り、街に探しに行った。国王がそれを止めるが、王妃が息子の恋を応援した。
アキームは地下鉄に乗ったリサを追いかけ、本当の自分を愛して欲しかったから身分を明かさなかったのだと伝えた。リサは王子との恋など上手くいかないと尻込みするが、アキームは身分よりもリサの方が大事だと伝えた。しかし、それでもリサはアキームとの恋を続けることができず、電車を降りて行った。
アキーム王子は失意の中、国へ戻ることになった。アキーム王子は結婚することになるが、現れた花嫁はリサだった。それは、国王達の計らいだった。アキーム王子は喜び、リサにキスをした。リサはアキーム王子と馬車に乗り、多くの人に祝福された。
映画『星の王子ニューヨークへ行く』の感想・評価・レビュー
これぞエディ・マーフィーの全盛期。笑って泣ける最高のコメディ映画。
これをラブストーリーと捉えるならば、内容自体は平凡かもしれない。しかし、コメディ要素はさすがのエディ・マーフィー。あえて私はこの映画を不朽の名作と言いたい。何度見ても面白く、起承転結がシンプルなので大人も子供も楽しめる。
花嫁候補登場の凄まじいダンスシーンや、展覧会デートで自分の素性を必死で隠そうとするシーンなど、爆笑どころを挙げるとキリがない。
紆余曲折ありながらも、情熱と信念で最後は愛する女性を勝ち取るところもスカッとする。コメディでありながら、人の様々な感情をわかりやすく描いた最高の作品。(女性 30代)
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