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映画『去年の冬、きみと別れ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『去年の冬、きみと別れ』の概要:焼死事件を起こしたカメラマンに取材を申し入れたフリーライターは、次第に彼のペースに流され、翻弄されていく。だが、それはただの始まりに過ぎず、物語は恐ろしい結末に向かって加速していく。

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映画『去年の冬、きみと別れ』の作品情報

去年の冬、きみと別れ

製作年:2018年
上映時間:119分
ジャンル:ミステリー
監督:瀧本智行
キャスト:岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな etc

映画『去年の冬、きみと別れ』の登場人物(キャスト)

耶雲恭介 / 中園恭介(岩田剛典)
フリーライター。木原坂雄大が起こしたモデル焼死事件を調べ、本にしたいと思っている。10月に松田百合子と結婚する予定。
松田百合子(山本美月)
耶雲の婚約者。事件を追う耶雲を心配する。のちに木原坂雄大に誘われ、写真モデルになる。
木原坂雄大(斎藤工)
カメラマン。5年前に撮った蝶の写真で有名になったが、その後は鳴かず飛ばず。その後、モデルの焼死事件を起こす。執行猶予で出所後は、再びメディアの注目を集め、人気カメラマンとなる。
木原坂朱里(浅見れいな)
雄大の姉。投資家で海外を渡り歩いている。雄大が最も信頼する人物。
吉岡亜希子(土村芳)
モデル焼死事件の被害者で盲目の女性。失踪届けが出ていたことから、雄大が拉致、監禁したのではないかと話題になる。
小林良樹(北村一輝)
週刊誌の編集者。耶雲が持ち込んだ企画の面倒を見る。

映画『去年の冬、きみと別れ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『去年の冬、きみと別れ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『去年の冬、きみと別れ』のあらすじ【起】

耶雲恭介は、ある週刊誌の編集部に企画の持ち込みをした。少し前に世間を騒がせた、女性モデル焼死事件についての企画だ。木原坂雄大というカメラマンが、吉岡亜希子という盲目の女性をモデルに写真を撮っていた。ある時、小道具のロウソクが原因で火事になり、亜希子は逃げ遅れて焼死。マスコミと警察は彼が亜希子を拉致、監禁し、故意に焼死させたのではないかと疑ったが、証拠不十分で2か月前に執行猶予の判決が下りていた。だが、耶雲は噂では亜希子が燃えている姿の写真があると言いだす。もし、それが本当なら、雄大は救助せずに見殺しにしたことになる。編集長は興味を示し、部下の小林良樹に面倒を見るように指示した。

耶雲は雄大の元へ取材をしに行った。噂になっている写真が存在するのかと問いかけると、そんなものはないと一蹴される。耶雲は密着取材できないかと雄大に申し出た。“君に知る覚悟はあるのか”と言う雄大。耶雲の必死さに面白みを感じた雄大は、セキュリティパスを渡して、いつでも来いと言った。

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映画『去年の冬、きみと別れ』のあらすじ【承】

耶雲は雄大を掘り下げるため、情報を集めた。雄大は有名な大学教授の息子で、朱里という姉がいた。10歳の頃、自宅に強盗が入り、父親が刺されて死亡。朱里と雄大もわき腹を刺されて重傷を負っている。犯人は捕まっていなかった。雄大の同級生からは、昔から女を監禁していたと聞かされる。人のものをほしがる癖があり、恋人を取られたこともあったという。姉弟は異常なほど仲が良く、近親相姦的にも見えるほど。そして、二人は父親から虐待を受けていたという噂もあったのだとか。

雄大は耶雲の取材に対し、周りから聞いたことは全てデタラメだと言った。朱里は自分の庇護者で、カメラマンとしての自分の才能を開花させてくれた人だという。取材中、耶雲の携帯電話が鳴った。耶雲には松田百合子という婚約者がおり、電話の相手はその百合子からだった。雄大は、耶雲に婚約者がいると分かると、途端に興味を示しだした。

百合子が働く店に顔を出した耶雲は、今の仕事が終わるまで結婚式を延期できないかと話す。招待状も準備してしまった百合子は戸惑い、二人は喧嘩を始めてしまった。その様子を、遠目から見つめる雄大の姿があった。

木原坂の父の刺殺事件を担当した元刑事の話では、金も引き出されていないし、目撃者もおらず、証拠となるのは朱里と雄大の証言だけだったという。彼らが嘘の証言をしたのではないかと疑う耶雲に、10歳だった彼らにそんなことはできないと断言し、彼らの刺し傷は170㎝以上の者からつけられたものだと説明した。

耶雲は共犯者がいたのではないか、10歳の子供でも、彼らが化物だとしたら可能だったのではないかと推測するが、思い込みで判断するなと小林から釘を刺されてしまう。

取材を続ける中で、雄大が本当は亜希子が燃えて死んでいく写真を持っていると確信しはじめる耶雲。そうなれば、本として出版することも可能だと浮足立つ。小林は、まず事実をつかめと言った。耶雲は、次は姉の朱里に取材を申し込むと意気込む。

実は、小林は朱里と関係を持っていた。大学時代、父親と面識があり、姉弟が虐待を受けていることも知っていた。外国から帰国した朱里に会いに行った小林は、耶雲が取材をしたいと言っていたことを伝えた。

耶雲が自宅に戻ると、マンション前で朱里が待っていた。後日、そのことを雄大に話す。しつこくすると名誉棄損で訴えると言われたことを告げると、姉さんらしいと笑う雄大。雄大は耶雲に能楽のチケットを渡し、百合子と一緒にどうぞと言ってきた。

百合子とギクシャクしていた耶雲は、二人で能楽を見に行く。だが、そこに雄大も来ていた。雄大が興味がないと言っていたから来たのだが、耶雲は百合子を紹介せざるを得なくなってしまった。数日後、百合子が働く店に雄大がやってくる。そして、写真のモデルになってくれないかとお願いしてきた。

小林に耶雲から電話が入った。百合子が一昨日から戻っておらず、携帯も繋がらないという。耶雲はSNSの百合子の書き込みから、雄大のモデルをしていることを知ると、彼の家へと走った。だが、セキュリティパスは使えなくなっており、入ることができない。そこに雄大が現れ、“彼女は自ら望んでここにいる”と言い、耶雲は門前払いされてしまった。警察にも助けを求めるが、無駄に終わってしまう。

雄大のモデルをする百合子は、次は手錠をつけて撮影しようと雄大に言われる。撮影のセットには、ロウソクが煌々と燃えていた。

耶雲から百合子のことを聞いた小林は、朱里に電話し、“また雄大の病気が始まった”とメッセージを残すと、雄大の家へと向かった。そこで小林は、家から火の手が上がっているのを目にする。耶雲と一緒に門を乗り越えた小林。家の中で、椅子に手錠で繋がれて丸焦げになる百合子を発見する。それを助けようともせず、写真を撮り続ける雄大。三人は燃え落ちる部屋から脱出するが、百合子を助けることはできなかった。

百合子の死に落ち込む耶雲に、できることはないかと尋ねる小林。耶雲は原稿を待っていてくれとだけ告げて立ち去っていった。助けもせずに写真を撮っていた雄大は、耶雲と小林という目撃者がいるため、拘置所に入れられる。朱里が面会に一切来ないことに苛立つが、弁護士の説明では、朱里はとあるライターにつき纏われて精神的に衰弱しているのだそうだ。

映画『去年の冬、きみと別れ』のあらすじ【転】

耶雲の原稿が小林の元に届き、そこに朱里のことが書かれていた。内容から朱里が憔悴していることを知った小林は不安になる。父親を殺したのは朱里で、小林はアリバイ作りを手伝っていた。小林は朱里を愛していた。そっけないメッセージしか送ってこない朱里に、小林は苛立ちを募らせる。

耶雲の原稿は気に入られ、書籍化も決まる。だが、小林は同僚に耶雲のことを調べさせていた。同僚の話では、耶雲のプロフィールは全てデタラメで、本名は中園恭介。1年前まで金沢の出版社で書籍編集をしていた。裏を取るため、小林は金沢に向かった。

中園は、主に海外作品の翻訳をしており、出版社の者にも気に入られていた。しかし、恋人に振られたことで退社したのだそうだ。小林は見せられた写真を見て驚く。中園の元恋人は、あの殺された吉岡亜希子だった。

中園のマンションへやってきた小林。彼の部屋に忍び込むと、そこで真っ白い表紙の本を見つけた。彼はそれを読みはじめる。

その本の序章には、中園と亜希子の出会いが書かれていた。二人は点字の本がきっかけで出会い、付き合いだした。愛し合っていたが、ある時、亜希子が交通事故にあい、その後、中園は亜希子の身を心配し、ストーキングするほど過保護になっていく。それを知った亜希子は傷つき、中園の元を去っていってしまった。後日、中園はニュースで亜希子が焼死したことを知って愕然とする。

そこまで読んだとき、中園が帰ってきた。小林は、全ては亜希子の復讐のための計画で、その計画の一環で百合子を犠牲にしたのかと罵倒した。警察に言って全てを話すという小林に、中園は白い本の続きを語りだした。

映画『去年の冬、きみと別れ』の結末・ラスト(ネタバレ)

中園は当時、雄大の裁判まで待っていられず、彼の情報を集め回っていた。そして、真実に辿り着く。朱里と接触した時、彼女の口から“亜希子の誘拐を指示したのは自分だ”と聞かされる。朱里が計画し、小林が実行したのだ。全ては雄大が亜希子に被写体として興味を覚えたことがきっかけだった。だが、亜希子は使い物にならなかった。朱里は彼女に火を放ち、人が燃えていくという最も美しい瞬間を、雄大に撮らせようとしたのだとそうだ。それを聞いた中園は、三人にこの手で復讐することを誓った。

復讐には協力者が必要だった。それが百合子。百合子は計画通りに雄大の気を引き、モデルとして潜入することに成功。

以前、中園の元へ朱里がやってきた時に、中園は彼女を眠らせて監禁していた。そして、あの火事の日、彼女を雄大の家へと連れだし、雄大が外出した隙に椅子に手錠でつないだのだった。中園は朱里に火を放ち、彼女は丸焼けになる。雄大が夢中でシャッターを切っていたのは、百合子ではなく朱里だったのだ。小林も、そのことに全く気がつくことはなかった。

全てを知った小林は倒れこみ、中園のことを化物だというが、彼は何も言わずに去っていった。白い本は拘置所の雄大にも届けられていた。本を読んだ雄大は、放心状態になる。中園は無事に脱出していた百合子に金と新しいパスポートを渡した。

中園は亜希子と一緒に訪れた浜辺へとやってきた。彼女の復讐を遂げるために、自分の中の亜希子と別れた、去年の冬を思い出す。化物になり果てた中園は、寒々とした浜辺に、ただひとり、ずっと立ち尽くすばかりだった。

映画『去年の冬、きみと別れ』の感想・評価・レビュー

「すべての人がこの罠にハマる」や「観た人全員が騙される」というキャッチフレーズが気になって観に行くと、若干物足りなく感じてしまうかもしれない。この手の宣伝の仕方は少し改めるべきだと思う。
しかし物語自体はよくできていて、そこそこ楽しめた。執念深い男の恐ろしさを存分に感じた。主演の岩田剛典も「植物図鑑」よりは演技力も上がっていて、こちらの作品の方がハマり役だったと思う。期待せずに観にいけば、アッと驚かされるどんでん返しを楽しむことができると思う。(男性 20代)


岩田剛典演じるフリーライターによる事件調査をめぐるサスペンス映画だが、前評判や宣伝の通り、多くの人が驚くような結末になっている。
私は原作を読んでから映画を見たが楽しめた。原作を十分に活かしている作品になっているので、原作ファンの人も安心して見られるはずだ。
そして、主演の岩田剛典が非常にいい演技をしており、また周囲を固める斎藤工や北村一輝も安定感がある。きっと海外のサスペンスドラマが好きな人も気に入る作品だと思う。(女性 30代)


途中まではこの映画にまんまと騙されていた。展開に気づくのが遅くなったのは、物語に熱中してしまったからだろう。

木原坂姉弟の気持ち悪さや不気味さが、この映画の不穏さをより際立たせている。欲を言えばもっとむごい方法で復習をしてほしいが、これはこれで好きな展開であった。

主人公の中園が繰り広げる復讐劇は切なく冷徹でもあるが、彼自身に人間味を感じる。だが、きっと多くの人が中園に騙されるだろう。気付いた時には遅いのかもしれない。(女性 20代)


「騙される」「どんでん返し」系の映画が大好きな私ですが、今作のキャッチコピーも「見た人全員が騙される」でした。結果的にこれは期待値を上げすぎてしまい、騙されるつもりで見た人は肩透かしを食らうでしょう。
岩田剛典はこういった裏の顔を持つ冷酷な役があまり合わないと感じました。甘さや優しさを全面に出した役どころはぴったりなのですが、どうも残忍さに欠けてしまい共感や感情移入が出来ませんでした。
キャストを気にせず、物語にだけ集中して見れば「騙される」かもしれません。(女性 30代)


予想を上回る展開で、もう一度観たくなる面白さです。

映画を観る前は、あまり惹かれないタイトルだなあ、と思っていたのが正直なところ。
なんとなく観た映画でしたが、サスペンス、大どんでん返し系の作品が好きな私にはぴったりの、最後までハラハラドキドキの良作でした。
斎藤工をはじめ俳優陣の演技も素晴らしく、まんまと騙されてしまいます。
そして、全てが明らかになったとき、そのタイトルの意味にも気付かされる、そんな納得のオススメ作品です。(女性 20代)

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