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映画『百日告別』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『百日告別』の概要:同日に、結婚間近の婚約者と妊娠中の妻をそれぞれに失くした2人の男女。現実を受け入れられないまま、節目ごとに法要に訪れ互いの存在に気付いていく様子を紡ぐ。監督は「九月に降る風」のトム・リン。

映画『百日告別』の作品情報

百日告別

製作年:2015年
上映時間:96分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:トム・リン
キャスト:カリーナ・ラム、シー・チンハン、チャン・シューハオ、リー・チエンナ etc

映画『百日告別』の登場人物(キャスト)

シンミン(カリーナ・ラム)
結婚を間近に控え、幸せに満ち足りた日常を送っている中で、婚約者を事故により亡くした女性。誰にも悲しみを打ち明けられないまま、法要の度に婚約者を思い返してしまっている。
ユーウェイ(シー・チンハン)
交通事故で妊娠中の妻を亡くした男性。妻の仕事道具であるピアノを部屋の奥に押し込み、友人との交流も拒絶していたが、徐々に前を向き始める。

映画『百日告別』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『百日告別』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『百日告別』のあらすじ【起】

救急隊員が慌ただしく動き回る自動車事故の現場。ユーウェイは妊娠中の妻・シャオウェンと一緒に事故に遭った。重体となったユーウェイだが、病院で医師から「妻と子供の命のどちらを優先しますか?」と問い掛けられ、シャオウェンを選択した。

前を走るトラックが急ブレーキを踏んだことで、ユーウェイは焦り事故を起こしてしまった。シャオウェンは助からずトラックの運転手も命を落としたと知り、ユーウェイは怒りの矛先を見失う。

帰宅したユーウェイは、親族からシャオウェンの葬儀の方式をどうするか問いただされる。キリスト教徒だったシャオウェンだが、ユーウェイの親族は仏式を望む。気持ちの整理がつかないユーウェイだが、初七日の合同葬儀を迎えた。

行き場のない怒りを昇華しようと、公衆電話に向かったユーウェイ。警察でメモをしたトラックの運転手の電話番号にかけてみたのである。留守番電話に相手を罵倒するメッセージを残したユーウェイ。その矢先、運転手の母親が電話に出た。泣きながら話しかけてくる声にユーウェイも泣き崩れるのだった。

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映画『百日告別』のあらすじ【承】

婚約者・レンヨウとレストランを開く夢を抱いていたシンミン。ユーウェイと同じ日に、シンミンは交通事故に遭い、レンヨウを失っていた。レンヨウの親族から責め立てられ、悲しみをぶつける先も見つからないシンミン。

暗い部屋に籠るシンミンを心配し、妊娠中の友人は連日シンミンの自宅に来てくれていた。ユーウェイと同じ合同葬儀でレンヨウを送り出したシンミン。レンヨウの親族は、盛大な葬儀を催しシンミンを親族ではなく参列者として参加させた。

ピアノの講師だったシャオウェン。カーテンも開けず、暗い部屋に籠るユーウェイはシャオウェンのピアノを部屋の奥に押し込めた。シャオウェンの友人たちが自宅に集ってくれたが、信仰深い友人たちを受け入れられなかった。

死者の魂が家に帰るとされる死後35日目の五七日(いつなのか)を迎えたユーウェイとシンミン。シンミンは入院中の父親に初めて交通事故について打ち明けることができた。しかし気持ちは晴れることはなかった。

映画『百日告別』のあらすじ【転】

四十九日の合同法要の前、ユーウェイは初めてシンミンに声をかけた。職場の同僚の気遣いもあり、ユーウェイは職場復帰もして少しずつ前を向き始めていた。対照的にシンミンは法要の度にレンヨウのことを思い返してしまい悲しみに追われている。

シンミンはレンヨウと行くはずだった新婚旅行を一人で決行した。行き先は沖縄である。レンヨウが行きたがっていた場所や、食べたがっていたものを一人で巡る。そして枕をレンヨウに見立てて、抱きしめて眠るのだった。

準備していたガイドブックや、予定をまとめたノートに旅行中の出来事を丁寧に書き込んだシンミン。帰国後は、引っ越しを予定していた新居のキャンセルをして荷物の整理を始める。一人で暮らせる部屋に引っ越し準備を始め、レンヨウの荷物をまとめた。

ユーウェイは部屋の奥にしまい込んだピアノに、シャオウェンの死後初めて触れた。そしてシャオウェンの教え子の自宅を訪ね、授業料を返しながら町を練り歩いたのだった。

映画『百日告別』の結末・ラスト(ネタバレ)

レンヨウの荷物をレンヨウの弟に引き渡したシンミン。レンヨウの思い出話をして懐かしむ弟は、シンミンが渡した洋服を手にこっそりと泣いていた。その姿を見てしまったシンミンは初めてレンヨウを失った悲しみを誰かと分かち合い、泣き崩れた。

その夜、シンミンは最後の晩餐のつもりで料理を作った。そこにたくさんの薬をすりつぶして混ぜたのである。一口食べて気を失ったシンミン。しかしレンヨウの声がして目覚めてしまった。

シンミンはレンヨウの荷物から結婚式の招待状への返事の手紙を見つけた。学生時代の恩師の存在を初めて知ったシンミンは直接会いに行き、中学時代のレンヨウの話を聞いたのだった。その頃、ユーウェイは生徒の最後の一人の家を訪ねていた。事故の直前にシャオウェンがその生徒のために選んでいた曲を聞き、ひとり涙するのだった。

卒哭期と呼ばれる100日目の法要を迎えたユーウェイとシンミン。帰りに同じバスに乗った二人は隣の席に座った。事故から100日経っても腕のサポーターを外さないユーウェイに、シンミンは怪我の状態を聞く。ユーウェイは「いつか治るよ」とほほ笑むのだった。

映画『百日告別』の感想・評価・レビュー

凄く静かだが、とても丁寧に繊細な感情の変化を紡いでいる一作であった。シーンが変わるごとに、日の経過をきちんと伝えてくれるのが肝になっている。最愛の人が亡くなったという事実を受け入れることの難しさや、すぎる時間の無常さを見せつけながらも忘れられない記憶が回想されることで見る者を優しく包んでくれるようだった。タイトルは「100日間咲く花」になぞってつけられているという。(MIHOシネマ編集部)

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