映画『アイ・アム・レジェンド』の概要:感染率の高い新種のウィルスが世界中に蔓延し、人類滅亡の危機に瀕した近未来。たった1人、感染源であるニューヨークで暮らす科学者の主人公は、日々治療薬の研究に勤しんでいた。命の危険と隣り合わせの中、孤独な生活を送りつつも希望を失わない伝説の男を描く。
映画『アイ・アム・レジェンド』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:SF、アクション、ヒューマンドラマ
監督:フランシス・ローレンス
キャスト:ウィル・スミス、アリシー・ブラガ、ダッシュ・ミホク、チャーリー・ターハン etc
映画『アイ・アム・レジェンド』の登場人物(キャスト)
- ロバート・ネビル(ウィル・スミス)
- 元米国陸軍中佐で科学者。クリピン・ウィルスの治療薬を開発中で、ニューヨークに残ったたった1人だけの生存者。非常に優秀で慎重。自我を保つため、CDショップにマネキンを運んで日常を演出するなどユニークな面もあり、愛情深く芯の強い人物。
- アナ(アリシー・ブラガ)
- ネビルのメッセージを聞き、少年と共にやって来た女性。ネビルから血清を託され、彼の生き様を語り継ぐ。
- アルファ・メイル(ダッシュ・ミホク)
- ネビルが捕獲した女性ダーク・シーカーの恋人で、初めて知恵を持って行動するダーク・シーカー。恋人奪取のために他のダーク・シーカーをけしかけ、ネビルを襲う。
映画『アイ・アム・レジェンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アイ・アム・レジェンド』のあらすじ【起】
2009年、科学者のアリス・クリピン博士が、はしかウィルスのDNA配列を入れ替えることでがんの治療薬開発に成功。治療薬は1万9千人に投与され、その全てに効果を発揮した。しかし、1万9千人のうち5千人に異常が発生。狂犬病のような症状が見られ、検査により治療薬のウィルスが新種のウィルスへと突然変異していることが分かった。
新種のウィルスは博士の名前からクリピン・ウィルスと名付けられる。
クリピン・ウィルス(以下KV)は感染率の高いウィルスで、空気感染により瞬く間に世界中へ流布。致死率は90%で、免疫を持つ10%の人口しか生き残らなかった。だが、生き残った人口の98%が全身の体毛を失い、紫外線により死亡することが判明。その代わりに人間性を失い凶暴化した上に常人を遥かに上回る身体能力を発揮し、人間を捕食する化け物へと変貌。それらは後にダーク・シーカーと呼ばれることになる。
米国陸軍中佐であり科学者でもあるロバート・ネビルは、KVの治療薬を開発するために愛犬サムを伴い感染源であるニューヨークへ残ったが、3年経った今でも治療薬の完成には至らず、暗中模索の日々を送っていた。
映画『アイ・アム・レジェンド』のあらすじ【承】
3年の間にニューヨークは廃墟と化し、動物は野生化。道路には草が生い茂り、人の気配はほとんどない。紫外線を嫌うダーク・シーカーは日中、暗闇に身を潜ませて一切、外へは出て来ないからだ。彼らは専ら夜間に行動していた。
免疫がありダーク・シーカー化をも免れたネビルは、野生化したインパラを狩り公園でトウモロコシを栽培して食料を確保しつつ、慎重に生活を続けていた。
そんなある日、マウス実験にて1体に効果が見られたため、ネビルは罠を仕掛けて1体の女性ダーク・シーカーを捕獲。その際、女性を追って日中に顔を出した男のダーク・シーカーを目撃。その姿はまるで意思を持っているかのように見えたため、男にアルファ・メイルと名付けた。
自宅地下の実験室にて女性ダーク・シーカーに薬剤を投与。しかし、結果は失敗に終わる。彼は今後の経過を見るために女性を拘束して眠らせたまま、隔離室へと閉じ込めることにした。
彼は毎日、正午にサウス・ストリート・シーポートからAMラジオの周波を利用し、生存者へとメッセージを送っている。だが今のところ、誰1人として姿を見せたことはない。
その日はネビルの誕生日だった。彼は街中を走行中、いるはずのない場所に見たことのあるマネキンが立っているのを発見。誰かが動かさない限り、マネキンが勝手に動くはずはない。何者かが動かしたのだと察したネビルは、警戒しつつマネキンを銃で撃ってから近寄った。
映画『アイ・アム・レジェンド』のあらすじ【転】
しかし、近寄ったところで罠が発動し、頭部を強打。片足を吊られ逆さまになった状態で意識を失ってしまう。
日暮れのアラームで覚醒したネビル。急いで帰らなければ、夜になってしまう。彼はワイヤーをナイフで切断し地面へ落下。その拍子にナイフが足に刺さり負傷してしまう。足を引き摺りつつ車へと戻ろうとするが、暗闇のビルからアルファ・メイルが現れる。
ダーク・シーカー化した犬2体と戦うことになったネビルとサム。どうにか倒すも、サムが酷い傷を負ってしまう。ネビルは急いで自宅へと戻り、試作段階の治療薬を投与。だが、薬は効果を発揮せず、サムはダーク・シーカー化してしまう。ネビルは涙を呑んで、サムの息の根を止めるのだった。
翌日、3年間苦楽を共にした愛犬を埋葬。ネビルはとうとう1人になってしまった。孤独で今にも圧し潰されそうである。愛犬の死により慎重さを欠いた彼は、日が暮れてからサウス・ストリート・シーポートへ向かい、死ぬ気でダーク・シーカーの群れと対決。車は大破し、ネビルも意識を失いそうになったところを何者かに救われる。
翌朝になって自宅で目覚めたネビル。足の傷も治療されており、キッチンには見知らぬ女性と幼い少年がいた。約3年振りでまともな人間と会ったネビルは戸惑いを隠せない。
女性、アナはラジオでネビルのメッセージを聞き、少年と共にメリーランドからやって来たと言う。彼に会うため、埠頭でずっと待っていたらしい。この後はバーモントにある生存者の村へ向かうとのことだった。
アナの言う話では、生存者の村は山奥にあり寒さでウィルスが死んだため、誰もKVに感染しなかったらしい。突然の展開に思考が追いつかないネビルは、気持ちを落ち着かせるためにバスルームへ避難。衝動的に2人を少し脅かしてしまったので、落ち着いてから話しかけた。彼と和解したアナは一緒にバーモントへ向かおうと言うが、ネビルは感染源であるニューヨークで戦い続ける道を選んだ。
映画『アイ・アム・レジェンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
日が暮れたので夜の準備をしたネビルだったが、いつもと違い外の様子が騒がしい。彼は覗き窓からダーク・シーカーの大軍が押し寄せる様を目にし、帰宅する後を尾行されたことに気付く。自宅周辺に仕掛けた爆弾を爆破してどうにか時間を稼ぎ、アナと少年を避難させようとするも、2階に上がったところで1体のダーク・シーカーと遭遇。すでに中へ侵入されていることを知る。激しい戦闘を繰り広げ、噛みつかれながらもどうにか倒したが、外ではアルファ・メイルが大軍を扇動し家へ押し寄せようとしていた。
ネビルは地下の実験室へアナ達を連れて避難。そこで、女性ダーク・シーカーの容態が安定しているのを見る。治療薬がようやく効力を成したのだ。だが、大軍はすでに隔離室の前にまで迫っており、アルファ・メイルが強化ガラスへと突進を繰り返している。
ネビルは彼らへと必死に治療できると叫ぶも、ウィルスによる知能低下のせいで、奴らには理解力がほとんどない。ネビルは突進するアルファ・メイル、怯えるアナと少年を目にし、咄嗟に女性ダーク・シーカーの血液を採取。それで血清を作れとアナに持たせ、隠し通路から2人を逃がした。
そして、自分は手榴弾を手にし、ガラスが破壊されると同時に自宅ごと爆破。命を落とした。
その後、アナと少年は生存者の村へ無事に到達。彼らにネビルから託された血清を渡し、KVの治療薬を作成した。そうして、命を懸けて血清を作ったネビルを、生存者たちは誰もが伝説だと言い伝えていくのである。
映画『アイ・アム・レジェンド』の感想・評価・レビュー
アメリカの黒人俳優のなかで最も存在感があり、シリアスからコメディまで役になりきれる俳優がウィル・スミスだ。この映画でも、誰もいなくなった世の中で、何年もの間崩壊しそうな精神をどうにか保ちながら生活している男を演じ、孤独の恐ろしさをじわじわと伝えてくる。
今では珍しくないゾンビ系の映画だが、公開当時は斬新だった。B級にもなりがちな内容を、しっかりとしたストーリー構成と主演の演技力により、感動的な映画となったのだろう。別エンディングがあるらしいので、ぜひ観てみたい。(女性 40代)
愛する家族を失い、世界的に感染症が拡大したせいで誰もいない街に一人残され、誰かがどこで生き残っていることを期待し孤独の中で生きている。感染した人々は凶暴なゾンビと化し、夜になると活動を始める。変わり果てた世界と、家族がいた頃の回想シーンが幾度か交差することで更に主人公の心情を強調させている。世界中のほとんどが感染の犠牲となり、信じることができなくなった彼。しかし、ふとした時に目に留まる蝶のモチーフに何かを感じ、理屈ではなく、目には見えない何かの存在に心を開く主人公の心情の変化が印象的で、信じる力や希望の大切さを学んだ。今、コロナウイルスが世界的に拡大している中、より胸に突き刺さった。(女性 30代)
ニューヨークに突然、感染した人間を突然変異させ、凶暴化させてしまうという謎のウィルスが蔓延。その騒動から家族も失い、一人生き残った主人公(ウィルスミス)が、凶暴化した人間を元に戻す為の血清を研究し続ける物語。
この突然変異した人間はダークシーカーと呼ばれて、身体能力が高く、人間も捕食してしまうというもの。
しかし、日の光には弱いというヴァンパイア的要素も混ざっているという異質さ。
最後のシーンまで見ると、この映画のタイトルに納得するような作品。(男性 30代)
自分が主人公だったらどうするだろうか、と考えずにはいられない映画でした。ウィルスによって人類滅亡の危機。一人生き残った主人公ネビル(ウィルスミス)はウィルスの感染によって凶暴化したダークシーカーの治療薬研究に取り組む、というストーリー。ネビルと相棒犬サムが、孤独ながらも二人寄り添いながら生活しているシーンはとてもほほえましく、それ故サムとのお別れのシーンは私も含め多くの人が涙したのではないでしょうか。
デジタルで編集された荒廃したマンハッタンの風景や、ダークシーカーのクオリティ高いコンピューターグラフィックなども、この映画の見どころです。(女性 40代)
本作を幼い頃テレビで拝見し、地球をかけて戦うウィル・スミスの姿がかっこよかったことを記憶している。
ウイルスで人類が死滅した地球が舞台となっており、科学者であるロバート・ネビルと愛犬サムだけが唯一の生存者。
たった一人で孤独と闘い、無線での交信を続けながら、抗体を見つけるための治療法を研究する姿はまさに英雄。胸が熱くなった。
こういったことがいつ世界中で起こってもおかしくないと感じる程、現代を生きる者にとっては身近に感じられる物語だった。(女性 20代)
もし自分が最後の一人になってしまったら…。この作品を観ているとウィル・スミス演じる、ネビルや愛犬のサムがあまりにも孤独で、寂しく、耐えられません。自分も取り残されたような感覚に陥り、すごく恐怖を感じました。全体的に暗闇のシーンが多く、視覚よりも聴覚が研ぎ澄まされ、小さな物音にも敏感に反応するネビルに、とても共感します。
親しい人とも距離を取らなければいけない、世知辛いご時世。離れていても誰かが居てくれることの安心感、ありがたみを強く感じる作品です。(女性 30代)
クリピン・ウイルスの恐ろしさが身に沁みました。コロナ禍の近年、世界観を理解しやすいでしょう。ニューヨークにネビルしか人間がいない設定が、奇抜で素晴らしいです。街並みの荒廃した様子がリアルに作り込まれています。AMラジオで誰かいないか呼び掛けたり、マネキンに話しかけるネビルの孤独を思うと泣きたくなりました。さらに、愛犬サムまでウイルスに感染してしまい、狂暴化したシーンは悲しすぎて見ていられませんでした。ウィル・スミスの存在感は圧倒的です。(女性 30代)
この作品はウィル・スミスが主演なだけあって上映当初から有名ではあるが、大半は別エンディングがあることを知らない。
どちらもロバートが「伝説」になって終わることには変わらないが、180度違う結末が描かれている。かといって途中の内容は変わらず、終盤から路線変更されているのでどちらも『アイ・アム・レジェンド』として楽しめる作品だ。
またダーク・シーカーは知能のない敵という認識だが、実際は罠を設置するほどの知能もあり、人間同様感情もあることからどうも憎めない怪物と感じる。(男性 20代)
これまで観てきたゾンビ映画の中で最も泣いてしまった作品。家族を失い、周りに生存者もおらず、孤独の中愛犬サムと一緒になんとか生き延びてきたネビル。サムがいることでどれだけ精神的に救われていただろう。そんなサムが感染してしまい、ネビル自らサムの息の根を止めるシーンは思い出しただけでも泣いてしまう。これまでにも家族愛を描いたゾンビ映画もあったが、他にない孤独感、ウィル・スミスの演技、全てが相まって心えぐられる作品。別エンディング版もあり、2度楽しめる名作。(女性 20代)
あまり前知識なしに見てしまい、後半苦手なホラー要素が強く出ていたので正直辛かった。ホラー好きな人からしたら、あれ位はホラーの内に入らないのかもしれないが苦手な物は苦手なのだ。もう一つ苦手なのは「自己犠牲偉い」感だ。厳しいことは現実だけで十分、映画は卑怯な程にハッピーエンドが良いと思うのだ。この作品にはもう一つのエンディングがあるというので観てみたが、そちらの方がまだ色々納得することができた。
主人公以外誰もいない街のシーンなどはとても見応えがあって楽しめた。(男性 40代)
みんなの感想・レビュー
ゾンビ製造ウィルスとも言える恐ろしいウィルス感染の話。ウィルス発生から3年後のNYから物語が始まる。感染した中の約1割の人間や動物、生きているもの全て凶暴と化すクリピンウィルスとの不毛な戦いに、その発祥源NYで唯一生き残ったウィル・スミスが演じるネビルが実験を重ね、ワクチン開発に挑みながら世界を救おうと立ち向かう。
その彼と一緒にNYに残ったのが、愛犬のサム。しかし、ネビルを命がけで守ったサムはウィルスに感染してしまう。死んだサムの傍で、いつも歌っていたボブ・マーリーのThree Little Birdを口ずさむシーンは、涙無しでは見られないほど辛かった。ワクチンの効き目がもう少し早く出たら、と考えてしまったが、命を懸けて世界を守りワクチンをこの世に残せた彼の姿こそ、まさに伝説と言っていいものである。
3年間もひとり取り残されて、治療法を模索し続ける男をウィル・スミスが演じる。
ゾンビ系パニック映画に近い話です。
並大抵の精神力では持たないと思います。機能が停止した大都市にたった一人で生きるのは難しいでしょう。
唯一の友である愛犬を、やむを得ず手にかけるシーンは覚悟をしていても胸が締め付けられます。
ラストはいい意味で期待を裏切ってくれました。ただ、もう少しで救われたのに、と思わずにはいられません。
ゾンビのような突拍子もない話ではないため、もしかしたら未来で起きるかもしれないと思いながら見ていた。孤独に耐えながら必死にウイルスと戦ったネビルは、まさに「レジェンド」だと思う。自分ならきっと彼のように動くことはできないと思う。せっかく治療薬を作ることに成功したのに、知能が低いせいでダーク・シーカー達に伝わらなかったのがとても悲しかった。アナ達を救おうと決意したときのネビルの目が印象に残っている。
クリピン・ウイルスに耐性があった主人公のネビルはニューヨークのたった1人の生存者である。昼間は治療薬の研究や食料調達としてインパラなどを狙った狩りとコーンの栽培。唯一の友である犬のサムを連れて気分転換のようなこともする。夜間は要塞化した家に閉じこもり、ダーク・シーカーの目に届かないように生活。そのようにたった1人ではあるが犬との絆や普段の様子を見たあとのサムの死は涙が止まらなかった。
主人公のネビルが後に語り継がれ、レジェンドと言われる所以が分かるストーリーだが、サムの死で冷静さを欠き、完璧なように見えていたネビルの人間味が出てきた。彼は1人の人間であり、ヒーローであった。悲しいけれど良い作品であった。
この作品が公開され初めて観た時、主人公のウィル・スミスが住むニューヨークには他にも生存者がいると思っていた。だが、回想シーンにて過去の出来事を観ていく内にたった1人だけなのだと気付き、飼い犬のサムの存在がとても大きなものだと感じた。その大切な存在が亡くなるシーンは涙なくしては見られない。
今作の設定ではウィルスのせいでほとんどの人間がゾンビと吸血鬼の間のような存在になってしまうが、変貌しただけで死んでしまったわけではなく、まだちゃんと生きている。そのために主人公は彼らを人間に戻すべく治療薬を試作し続けている。たった1人でも成し遂げることができるという勇気と心の強さをも描いた素晴らしい作品だと思う。
映画の冒頭、主人公が荒廃したニューヨークの街を一人で歩くシーンからこの世界の異質さや主人公の孤独が強く伝わってきた。世界で唯一生き残った主人公と相棒である愛犬の絆は、別れのシーンをより一層悲しいものにしている。
なによりもウィル・スミスのどこか寂しさを感じながらも強く生きているという演技が素晴らしいものだった。一人のシーンが多いため難しい作品だったと思うが、ウィル・スミスが主演だったからこそ成り立った映画だと感じた。
今流行りのコロナウイルスの蔓延をニュースで見たときに、この作品が一番に頭をよぎった。
不謹慎ながらも自分がウィル・スミスになったかのような気になった。
それと同時にこれから恐ろしい未来が日本に待ち受けているのではないかと不安になった。
ウイルスという得体の知れない曖昧な敵は人間にとって大きな脅威となること、また今まで大切にしていた恋人や家族、ペットでさえも一度かかると自ら決別しなくてはいけないという感染症の本当の恐ろしさを知ることが出来た作品だった。
手に汗握るとはまさにこの映画のことだと思う。ウィルスが蔓延し、人類滅亡の中で希望を持って一人で生きる主人公の孤独さ寂しさは想像がつかない。
一人生き残ってしまった科学者でもある主人公をウイル・スミスが力強く演じているように思う。ストーリーはサスペンスとSF、アクション要素と盛りだくさんで見応え抜群だが、終始緊張してしまった。
主人公が孤独とともに謎のウイルスに立ち向かう姿は英雄でしかない。
ウイルスに感染した人間や動物と戦うという点では、某有名ゾンビゲームシリーズの世界観と通じるものがあるが、本作のクリーチャーたちの特徴は、彼らは一応生きている半ゾンビであるという点と、機動力が半端ないという点、そして少しながら自我があり狡猾な奴もいるという点がより恐ろしいと感じた。
ウィル・スミス演じる主人公と、相棒のサム(ジャーマンシェパード)が、支えあいながら世界を救うために奮闘する姿が微笑ましい。ただ、犬好きには見ててつらい場面も…。
主人公のネビルと3年間ともに過ごしてきた犬のサムを自らの手で葬らなければいけないシーンにとてつもなくショックを受けた作品でした。会話できる相手がいないネビルにとって特別な存在だったサムの死はどんなに辛かっただろうかと考えさせられてしまいます。
「アイ・アム・レジェンド」の意味ですが、ダーク・シーカー側から見ると昼間自分達を連れ去る恐ろしい伝説の怪物(レジェンド)、そして人間側から見ると命をかけて人類を救おうとした偉人(レジェンド)という両方の意味がある事を知りました。原作は死後吸血鬼に変わってしまうウィルスが蔓延するお話だということなので是非そちらも読んでみてからもう一度映画を観てみたいと思いました。
①クルピン・ウィルスの脅威
当初は癌という人にとって一番の脅威を克服するために開発された治療薬です。これが癌患者1万9人に投与され100%治癒という驚くべき結果をもたらしました。ですが人類の救世主となるはずだった治療薬が突如牙をむきます、1万9人の中の5000人に異変が起こり始めたのです。狂犬病に似た症状を起こすウィルスは空気感染で瞬く間に世界中に広まっていき、凶暴化・紫外線への異常な反応を引き起こすクルピン・ウィルスとなって人類を滅亡させてしまいました。
ネビルはその使命感からウィルスの発生地ニューヨークに留まり感染者(ダーク・シーカー)を救うためたったひとりで研究を続けているのです。
②ダーク・シーカーに知性はあるのか
ネビルはダーク・シーカーがウィルスによって変異した化け物という見方しかできなかったためダーク・シーカー達の行動が理解できませんでした。人体実験をするため捕まえた女性のシーカーを取り戻すために彼らが無謀な行動をしたり巧妙に罠を仕掛けられる理由が理解できないのです。捕まえた女性シーカーはリーダーにとって大切な人物でそれを取り戻すために戦いを挑んできています。知性がなくなったと思い込んでいるネビルにはそれが分からず襲いかかるダーク・シーカー達を説得しようと必死に語り続けるのです。