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映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の概要:モモが幼い頃に、母は兄を連れて出て行ってしまった。父は兄と比べては、モモのことを叱りつけていた。ある日、モモは向かいの食料品店に買い物に出かけ、店主のイブラヒムと交流を持つようになる。

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映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の作品情報

イブラヒムおじさんとコーランの花たち

製作年:2003年
上映時間:95分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:フランソワ・デュペイロン
キャスト:オマー・シャリフ、ピエール・ブーランジェ、ジルベール・メルキ、イザベル・ルノー etc

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映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の登場人物(キャスト)

イブラヒム・デミルジ(オマー・シャリフ)
イスラム教徒。食料品店の店主。故郷のトルコを離れ、フランスで暮らしている。今でも亡き妻を愛している。
モイーズ(ピエール・ブーランジェ)
通称モモ。ユダヤ人。13歳の少年。イブラヒムの店の前のアパートに暮らしている。兄のポポルが空想の人物だとは知らずに、劣等感を抱くようになる。父に愛されていないと悩んでいる。
モモの父親(ジルベール・メルキ)
ポポルという空想の人物を生み出す。いつもポポルを褒めては、モイーズを貶していた。モイーズが幼い頃に、妻が出て行ってしまう。
ミリアム(ローラ・ナイマルク)
モイーズの向かいに住む女の子。ファッションが好きで、両親に怒られるのを恐れている普通の女の子。
シルヴィ(アン・スアレズ)
娼婦。モイーズの初めての相手。

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のあらすじ【起】

モモは幼い頃に父から誕生日プレゼントで貰った貯金箱を叩き割った。父は貯金箱を一杯にすればお金持ちになれると言っていたが、幼いモモはお金を得るよりも、出て行った母に戻ってきて欲しかった。

モモは店でお金を両替してもらい、いつも窓から見ていた娼婦に声を掛けた。だが、相手にされなかったため、他の娼婦にも声を掛けて相手をしてくれる人を探した。モモは娼婦のシルヴィと共にホテルに行き、お金を渡して相手をしてもらった。セックスをしながら、幼い頃に貯金箱を振って、お金が出るか確かめている場面が思い浮かんだ。シルヴィから次はプレゼントを持ってきてと言われたので、モモは部屋からぬいぐるみを持ち出し、無言で渡して立ち去った。

モモは父からワインを購入してくるように頼まれていたが、お金が足りなかったので買えていなかった。父は腹を立て、使ったお金はノートに記入しろと命令した。モモがトイレを使用していると、父から早く出ろと急かされる。モモは父に反抗するため、わざと出なかった。トイレを出るときにトイレットペーパーが無いことを教えると、父からすぐに買って来いと叱られお金を渡される。

モモはアラブ人が店主を務める店に行き、トイレットペーパーとお菓子を手に取った。そして、お菓子をこっそりポケットに入れて万引きした。モモはトイレットペーパーの代金を支払うとき、心の中でアラブ人の悪口を言った。すると、店主からアラブではなく“黄金の三日月地帯”の出身だと言われる。モモは驚きながらお金を渡し、店を出た。家に帰ってそのことを父に話すが、信じてはくれなかった。しかも、父は息子の誕生日を覚えていなかった。モモは1人で寂しくケーキを食べた。

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のあらすじ【承】

モモは店主のイブラヒムと交流を持つようになった。イブラヒムはアラブではなく、トルコ中部からペルシャ一帯の地域の出身だった。モモは家に帰ってペルシャのことを父に尋ねるが、辞書を引けとあしらわれるだけだった。しかも父は、ポポルは言われなくても自分できちんと勉強したと話し、遠回しにモモを非難した。ポポルはモモの兄で、母と共に家を出ていた。

モモの家の前で映画の撮影が行われ、道行く人は立ち止まって撮影を眺めた。イブラヒムも映画スターの美しさにうっとりし、若ければ映画に出たかったとモモに気持ちを零した。2人で笑いながら話していると、イブラヒムの店に映画スターが水を買いに来る。イブラヒムは通常よりも高値で水を販売した。モモが万引きをしている分を補うためだった。モモはそのことを知り弁償しようとするが、イブラヒムは弁償しなくていいと声を掛け、万引きをやるなら自分の店でやれと微笑んだ。モモが何も言えずにいると、イブラヒムは安いワインを注ぎ足したり、父に猫の缶詰を食べさせたりと、お金を浮かせるアドバイスをしてくれた。

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のあらすじ【転】

モモの父はポポルを思い出していい子だったと懐かしみ、ポポルのように本を読めとモモを詰った。モモは何度も聞かされている話にうんざりしていた。憂鬱な気持ちで店に行くと、イブラヒムからなぜ笑わないのかと問い掛けられる。モモはお金持ちではないからだと返すが、イブラヒムは笑うから幸せがくるのだと教えてあげた。それから、モモは笑顔で人と話すようになり、かつてあしらわれた娼婦とも関係を持つことができた。

モモは父にも笑顔で話しかけるが、冷たくあしらわれ、歯の矯正をしろと言われる。イブラヒムの店に行き、兄みたいになれたら父親に愛されるのにと悲しい気持ちを話した。イブラヒムはポポルよりも100倍好きだとモモを励ました。そして、歯の矯正なんかしたら娼婦に子ども扱いされるだけだと笑った。モモはイブラヒムの笑顔を見て、自分も笑顔になった。

日曜日、モモはイブラヒムに誘われ、散歩に出かけた。踊っている人達を見たり、公園で写真を撮ってもらったり、楽しい時間を過ごした。イブラヒムはイスラム教の中のスーフィー教を信仰しているため、カフェでもお酒を飲まなかった。モモは家に帰ると、辞書でスーフィー教を調べた。難しい言葉が並んでいたため、全てを理解することはできなかった。

モモの父が仕事を解雇されてしまった。父から節約しないといけないと言われ、モモは落ち込んだ気持ちのままイブラヒムに会いに行った。イブラヒムはモモの靴がボロボロなのを見て、靴を買いに行こうと誘った。翌日。モモは靴を買ってもらい、浮かれた気持ちで家に帰った。すると、お金と父からの手紙が机の上に置いてあった。手紙には、家を出るので知人を頼るようにと書いてあった。

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

モモは気になっていた女の子(ミリアム)とデートに出かけ、キスをした。夜、イブラヒムに会いに行き、そのことを話した。だが、イブラヒムはそのことよりも、モモの父を見かけなくなったことを気にしていた。モモは転職したので出社する時間が変わったのだと誤魔化した。

モモは本を売ったお金でレコードを買い、ミリアムに会いに行った。だが、ミリアムには既に新しい恋人がいた。モモはイブラヒムに相談した。イブラヒムはミリアムの気持ちが変わっても、君がミリアムを愛したことは変わらないと励ました。後日、モモはミリアムと道ですれ違いキスを迫るが、嫌いだと言われ頬をぶたれてしまう。不貞腐れた気持ちでいると、シルヴィに誘われ体で慰められた。それから、モモは家の本を売っては、娼婦と関係を持った。

モモの家に警察が訪ねてきて、父が列車に轢かれて死んだことを教えられる。自殺だった。モモは遺体の確認に行きたくないため、イブラヒムの店に逃げ込んだ。イブラヒムがモモの代わりに、遺体の埋葬をすることになった。モモが落ち込んで店の前で座り込んでいると、シルヴィに声を掛けられる。モモは父が自分を捨てて自殺したことを話した。シルヴィはモモを抱きしめて額にキスをした。

モモを引き取りにモモの母が訪ねてくる。だが、モモは自分が息子であることを明かさず、モモは兄を探しに出ていったと嘘を吐いた。モモの母はその話に怪訝な表情になった。モモの両親の間には、ポポルという子供はいなかった。

モモはイブラヒムに養子にしてくれと頼んだ。イブラヒムはすぐにその提案を受け入れ、次の日2人で手続きに行った。イブラヒムはモモのために車を購入し、教習所に行った。イブラヒムは標識を満足に理解していなかったため、モモが本を見せながら教えた。教習所のテストのときもモモが後ろに乗って、教官にばれないようにこっそりと教えた。無事にイブラヒムは免許を交付された。

モモはミリアムや娼婦達に別れを告げ、イブラヒムの運転する車でトルコに旅立った。アルバニアやギリシャを通り、教会にも足を運んだ。イブラヒムはモモとの旅に幸せを感じていた。モモも旅を楽しんでいたが、暮らしていたブルー通りがやはり懐かしかった。

イブラヒムは故郷の家を見てくるので少し待っていてくれと、道にモモを残して立ち去った。モモが戸惑いながら待っていると、バイクに乗ったオジサンが自分とイブラヒムの名前を呼びながら現れる。モモがバイクの後ろに乗っておじさんについて行くと、途中の道路でイブラヒムの車が横転しているのが見えた。イブラヒムの家に行くと、瀕死の状態で寝かされていた。モモは1人残されることを悲しんで泣いた。イブラヒムはモモの涙を拭って慰めた。

イブラヒムは遺言で全財産とコーランの本をモモに残していた。青年になったモモは、イブラヒムの店で店主として働いていた。

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の感想・評価・レビュー

両親に愛されなかったモモが可哀そうだったが、イブラヒムとの関係が愛に満ちていて胸を打たれた。これから幸せな生活が待っていると思っていたので、イブラヒムが亡くなったシーンは予想以上にダメージを受けた。しかし、モモがきちんと成長し、イブラヒムの跡を継いでいるのが分かって安心した。モモの父親がなぜポポルを生み出したのか、必要以上になぜモモに冷たく接したのか、もっと詳しく描かれていれば良かったなと思う。(女性 30代)


本作は、主人公モモとイブラヒムおじさんの交流を描いたヒューマンドラマ作品。
父に愛されていないモモとイブラヒムおじさんの関係性が素敵だった。
イブラヒムおじさんの台詞には大切な言葉が沢山あって、幸せになるためのヒントが見つけられる。
また、娼婦シルヴィの役どころも素敵で、モモを優しく見守ってくれている。
こういった大人たちが近くにいてくれることが、孤独な少年にとってどれだけ重要なことか。
人の優しさに心が温まる作品。(女性 20代)


愛を知らずに育った少年と、温かくて優しい老人との交流を描いた王道ストーリー。兄と比べられながら育った少年は、父から愛されることなく貧しい暮らしをしています。少年の貧しく、愛を知らないという設定はこの作品でとても大きなポイントになると思うのですが、その設定が甘く感じました。もっと過酷にしないとというか、もっと少年の悲壮感や苦しみ、渇きのようなものを感じないと老人の言葉や優しい行動もぼんやりしてしまうと思いました。
フランス映画ならではの優しく穏やかな雰囲気で、暖かな愛を感じる作品でした。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    ご指摘ありがとうございます。修正しました。
    また、感想コメントもいただきとても嬉しく思います。この作品の良さがとても伝わってくるコメントですね。

  2. 匂艶 より:

    【承】のセリフは「自分の店では二度とやるな」と静かに伝えた。ではなく、「自分の店でやってくれ」でした。他の店で万引きしてモモが捕まらないようにという、イブラヒムの愛情がうかがえますね。実の母親が存命中にもかかわらず、イブラヒムが親権を得るという点に、少々矛盾は感じますが、血のつながりより大切なものがあることを教える、良い作品でした。