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映画『イキガミ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『イキガミ』の概要:『イキガミ』は、間瀬元朗による人気漫画の実写映画。政府は若者を対象に死の通告を出し、それを受け取った人物は24時間後に亡くなる。その通知を届ける国家公務員を松田翔太が演じる。

映画『イキガミ』 作品情報

イキガミ

  • 製作年:2008年
  • 上映時間:133分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:瀧本智行
  • キャスト:松田翔太、塚本高史、成海璃子、山田孝之 etc

映画『イキガミ』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『イキガミ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『イキガミ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『イキガミ』 あらすじ【起・承】

国は、自殺や犯罪を減らすため、対策としてある法律を作った。「国家繁栄維持法」というもので、国民の18歳から24歳の若者の中から無作為に選び、その人物に24時間以内に死亡するという通知を送る。1000分の1の確率で選び出された若者は、通知通り受け取ってから24時間で必ず死亡する。この死亡予告書は逝紙「イキガミ」と呼ばれる。

国家公務員である藤本賢吾は、このイキガミを配達する仕事をしている。藤本自身この法律に疑問を感じつつも、次々と通知していく。

ストリートミュージシャンだったがメジャーデビューを果たしたが、やりたいことができずに悩んでいる田辺翼。「国家繁栄維持法」を支持する国会議員の母を持ち、親に利用され引きこもりで自殺を図っていた滝沢直樹。妹と二人で生きてきて、盲目の妹を支えるために詐欺など汚い仕事をしてでも生きてきた飯塚さとし。

藤本は彼らにイキガミを配達し、最期の時を見守る中で、「国家繁栄維持法」への疑問を強めていく。

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映画『イキガミ』 結末・ラスト(ネタバレ)

イキガミを受け取った若者たちは、誰もが最初うろたえ、死にたくないと思う。
田辺翼は、メジャーデビューして今までとは別の人物とバンドを組まされ、相方の引き立て役にされていた。今まで組んでいた秀和に、自分のやりたい音楽ができないでいいのかと問いかけられ、最後はテレビで自分の作った歌を歌いながら終わっていった。

滝沢直樹は、「国家繁栄維持法」を支持する母親に、イキガミを受け取ったことで再選のための道具として使われ、母を殺して失敗し、そのまま死んでいった。

飯塚さとしは、両親を失った事故で視力を失った妹さくらに自分の角膜を提供することを決めて死んでいった。さくらは移植を拒むが、兄の最後の願いを受け取って視力を取り戻した。

藤本の同期だった男は、法律を批判して「ナノカプセル」というイキガミを受け取る人間が撃ち込まれるものによって殺された。
藤本は「国家繁栄維持法」に疑問を持ち、このままでいいのかと感じながらも、イキガミの配達を続けていく。

映画『イキガミ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『イキガミ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

斬新な設定

国が決めて国民を無作為に殺していく設定で、かなり斬新な話ではあるが、こういう作品は他にもある。『バトル・ロワイアル』や『リアル鬼ごっこ』など。マイナーなところでは、『リアル鬼ごっこ』と同じ原作者の映画『スイッチを押すとき』はこれに近い。

どれも自殺や犯罪抑制のためのプロジェクトとして法律が制定される。
いつも対象になるのは力を持たない子供や若者で、こんな大人が作り出す社会があっていいのかと思うが、結局はその強烈なインパクトだけが残る。
命について考えさせるテーマだが、殺される理由があまりにも理不尽で、必然性がないのでツッコミどころ満載。命について考えるどころではない。
設定は面白いが、そもそもこんな法律はあり得ないし、若者を国が殺したことで自殺者が減るとは到底思えない。
まずこの作品の中でそこに理由なんて必要ないのかもしれないし、こんな理不尽な法律に疑問を持たない国民の怖さなどを描いているのかもしれないが、これは残念な出オチ映画だ。

残された家族や友達の描き方は泣ける

理不尽に死んでいった人達の身近な人物たちは、死を受けて彼らのぶんも懸命に生きようとする。兄の角膜を移植したさくらのエピソードなんかは本当に泣かせにかかってくる。
こういう、実際にイキガミを受け取って死んでいった人物を間近で見て、何かを感じ取った人間の描き方が感動的な分、やっぱり無関係の人間にとってこの法律はなんの意味もないなあと思い知らされる。感動的な反面、不条理で辛い。


こう言った理不尽に命を奪われてしまう作品を見る時に必ず思うのが、私だったらどうするだろうという事。多くの人が抱く感情だと思いますが、所詮その考えは映画を見ている中で思い浮かべるぼんやりとした感情であって、実際とは大きく異なるでしょう。実際に自分がその立場になった時の描き方についてはこの『イキガミ』はかなりクオリティが高いのではないだろうかと思いました。
理不尽な運命に絶望するもの、その運命に逆らおうとするもの様々ですが結局最後は、自分や自分の大切な人のために命を燃やすのだと感じ、胸がぐっと締め付けられる思いでした。(女性 30代)


命の大切さを感じさせる為、無作為に選ばれた若者が殺されるという物語。倫理観含め何もかも現実的ではなく、絶対にあり得ない法律を描いた作品ではあるが、法律を利用し、目が見えない妹に自分の目を移植させるという最後の物語だけはグッとくるものがあった。何時にあなたは亡くなりますと宣告する役を松田翔太が行っているが、宣告する仕事をしている彼が一番辛いだろうなとついつい想像してしまう。現実的ではなく感情移入は出来ないが、独特な雰囲気で飽きずに最後まで観てしまった。(女性 20代)

映画『イキガミ』 まとめ

よく、「もし地球が滅亡するとしたら最後に何をするか(何を食べるか)」という問いがあると思うが、この映画を観て思うことはせいぜいその程度の軽い気持ちの「もしも」だ。
これを観て、生命の尊さを意識するという感じにはなれなかった。法律に必然性や根拠がない分、戦時中の赤紙のようなものと違って全く「自分がこんな目にあったら」と世界に入り込むことができないのだ。
インパクトのある設定と、ちょっと泣ける映画、そんなところか。

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