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映画『イキガミ』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『イキガミ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『イキガミ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『イキガミ』の結末までのストーリー
  • 『イキガミ』を見た感想・レビュー
  • 『イキガミ』を見た人におすすめの映画5選

映画『イキガミ』 作品情報

イキガミ

  • 製作年:2008年
  • 上映時間:133分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:瀧本智行
  • キャスト:松田翔太、塚本高史、成海璃子、山田孝之 etc

映画『イキガミ』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『イキガミ』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『イキガミ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『イキガミ』 あらすじ【起・承】

国は、自殺や犯罪を減らすため、対策としてある法律を作った。「国家繁栄維持法」というもので、国民の18歳から24歳の若者の中から無作為に選び、その人物に24時間以内に死亡するという通知を送る。1000分の1の確率で選び出された若者は、通知通り受け取ってから24時間で必ず死亡する。この死亡予告書は逝紙「イキガミ」と呼ばれる。

国家公務員である藤本賢吾は、このイキガミを配達する仕事をしている。藤本自身この法律に疑問を感じつつも、次々と通知していく。

ストリートミュージシャンだったがメジャーデビューを果たしたが、やりたいことができずに悩んでいる田辺翼。「国家繁栄維持法」を支持する国会議員の母を持ち、親に利用され引きこもりで自殺を図っていた滝沢直樹。妹と二人で生きてきて、盲目の妹を支えるために詐欺など汚い仕事をしてでも生きてきた飯塚さとし。

藤本は彼らにイキガミを配達し、最期の時を見守る中で、「国家繁栄維持法」への疑問を強めていく。

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映画『イキガミ』 結末・ラスト(ネタバレ)

イキガミを受け取った若者たちは、誰もが最初うろたえ、死にたくないと思う。
田辺翼は、メジャーデビューして今までとは別の人物とバンドを組まされ、相方の引き立て役にされていた。今まで組んでいた秀和に、自分のやりたい音楽ができないでいいのかと問いかけられ、最後はテレビで自分の作った歌を歌いながら終わっていった。

滝沢直樹は、「国家繁栄維持法」を支持する母親に、イキガミを受け取ったことで再選のための道具として使われ、母を殺して失敗し、そのまま死んでいった。

飯塚さとしは、両親を失った事故で視力を失った妹さくらに自分の角膜を提供することを決めて死んでいった。さくらは移植を拒むが、兄の最後の願いを受け取って視力を取り戻した。

藤本の同期だった男は、法律を批判して「ナノカプセル」というイキガミを受け取る人間が撃ち込まれるものによって殺された。
藤本は「国家繁栄維持法」に疑問を持ち、このままでいいのかと感じながらも、イキガミの配達を続けていく。

映画『イキガミ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『イキガミ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

斬新な設定

国が決めて国民を無作為に殺していく設定で、かなり斬新な話ではあるが、こういう作品は他にもある。『バトル・ロワイアル』や『リアル鬼ごっこ』など。マイナーなところでは、『リアル鬼ごっこ』と同じ原作者の映画『スイッチを押すとき』はこれに近い。

どれも自殺や犯罪抑制のためのプロジェクトとして法律が制定される。
いつも対象になるのは力を持たない子供や若者で、こんな大人が作り出す社会があっていいのかと思うが、結局はその強烈なインパクトだけが残る。
命について考えさせるテーマだが、殺される理由があまりにも理不尽で、必然性がないのでツッコミどころ満載。命について考えるどころではない。
設定は面白いが、そもそもこんな法律はあり得ないし、若者を国が殺したことで自殺者が減るとは到底思えない。
まずこの作品の中でそこに理由なんて必要ないのかもしれないし、こんな理不尽な法律に疑問を持たない国民の怖さなどを描いているのかもしれないが、これは残念な出オチ映画だ。

残された家族や友達の描き方は泣ける

理不尽に死んでいった人達の身近な人物たちは、死を受けて彼らのぶんも懸命に生きようとする。兄の角膜を移植したさくらのエピソードなんかは本当に泣かせにかかってくる。
こういう、実際にイキガミを受け取って死んでいった人物を間近で見て、何かを感じ取った人間の描き方が感動的な分、やっぱり無関係の人間にとってこの法律はなんの意味もないなあと思い知らされる。感動的な反面、不条理で辛い。


こう言った理不尽に命を奪われてしまう作品を見る時に必ず思うのが、私だったらどうするだろうという事。多くの人が抱く感情だと思いますが、所詮その考えは映画を見ている中で思い浮かべるぼんやりとした感情であって、実際とは大きく異なるでしょう。実際に自分がその立場になった時の描き方についてはこの『イキガミ』はかなりクオリティが高いのではないだろうかと思いました。
理不尽な運命に絶望するもの、その運命に逆らおうとするもの様々ですが結局最後は、自分や自分の大切な人のために命を燃やすのだと感じ、胸がぐっと締め付けられる思いでした。(女性 30代)


命の大切さを感じさせる為、無作為に選ばれた若者が殺されるという物語。倫理観含め何もかも現実的ではなく、絶対にあり得ない法律を描いた作品ではあるが、法律を利用し、目が見えない妹に自分の目を移植させるという最後の物語だけはグッとくるものがあった。何時にあなたは亡くなりますと宣告する役を松田翔太が行っているが、宣告する仕事をしている彼が一番辛いだろうなとついつい想像してしまう。現実的ではなく感情移入は出来ないが、独特な雰囲気で飽きずに最後まで観てしまった。(女性 20代)


国家繁栄維持法という非現実的な制度を軸にしながら、リアルに感じさせる人間ドラマが展開されるのが印象的でした。24時間後に死ぬと告げられた人たちが見せる言動には、それぞれの人生観が反映されていて心を打たれます。特に、盲目の妹のために命を使おうとする兄のエピソードには涙しました。松田翔太の静かな演技が全体を引き締めていて、余韻が残る作品です。(20代 男性)


フィクションだとわかっていながらも、「明日死ぬとしたら、自分ならどうするだろう?」と自然と考えさせられる映画でした。制度の非人道性を描く一方で、死を前にした人々の人間らしさや尊厳がしっかり描かれていて、感情を大きく揺さぶられました。制度に疑問を持ち始める主人公の葛藤もリアルで、社会的メッセージも強い作品です。(30代 女性)


冒頭から不穏な空気が漂い、作品全体に重苦しい雰囲気があるのですが、それが逆に人間の美しさを際立たせていました。短編的に描かれる3つの物語の中でも、元親友との再会を果たす若者のエピソードが特に印象深く、命の使い方について深く考えさせられます。どの話も切なさがありながらも希望が残る構成が秀逸でした。(40代 男性)


松田翔太演じる主人公の視点から、淡々と“死の通知”を届ける側の立場が描かれていて、それが逆にリアリティを持って迫ってきました。国家という大きな存在の正義と、個人の尊厳の対立というテーマは、どの時代にも通じる普遍的なものだと思います。最後に主人公が涙を流すシーンでは、彼の人間性の芽生えを感じ、胸が熱くなりました。(20代 女性)


国家による命の選別という設定があまりにも残酷で、それゆえに登場人物一人一人の行動に説得力がありました。特に、音楽に人生を賭けていた青年のエピソードでは、自分の夢と家族の愛情の間で揺れる姿がリアルでした。死をテーマにしていながら、どこか生の輝きを感じさせてくれる、非常に考えさせられる作品でした。(30代 男性)


一見フィクションだけど、現代社会への風刺とも取れる要素が多くて見ごたえがありました。たとえば「国家のために死を美化する教育」や「個人の犠牲の上に成り立つ繁栄」など、日本人ならどこか既視感を覚えるようなテーマが散りばめられていて、エンタメでありながら社会派ドラマでもあります。松田翔太の演技が非常に良かったです。(50代 女性)


制度の異常さに初めは違和感を覚えるけど、作中ではそれが“当たり前”として機能している世界だからこそ、怖さを感じました。それに疑問を持ち始める主人公の変化が、観ているこちらの感情とリンクしていきます。メインとなる3つの物語もバランス良く構成されていて、それぞれの死に様が生き様そのものだったと感じました。(40代 男性)


原作漫画も読んでいましたが、実写映画ならではの余韻と演出が素晴らしく、また違った視点で物語を楽しめました。とくに音楽の使い方が印象的で、登場人物たちの感情に寄り添うように流れるメロディが、涙を誘います。社会的なテーマと人間ドラマがバランスよく融合していて、考える余地を残すラストにも納得しました。(30代 女性)

映画『イキガミ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『イキガミ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

今夜、ロマンス劇場で

この映画を一言で表すと?

永遠に触れ合えない二人の、美しくも儚いラブストーリー。

どんな話?

古いモノクロ映画のヒロインが現実の世界に現れ、映画好きの青年と心を通わせていく。しかし彼女には「人に触れた瞬間に消えてしまう」という制約があり、二人の愛は限られた時間の中で育まれていく。

ここがおすすめ!

「限られた時間で人は何を大切にするか」というテーマは『イキガミ』と共通しています。ファンタジーながら深い愛情と選択の物語が心を打ちます。映像美も秀逸で、涙なしには観られない珠玉のラブストーリーです。

サトラレ

この映画を一言で表すと?

“心の声が漏れる”青年が教えてくれる、本当の優しさ。

どんな話?

「サトラレ」と呼ばれる、考えたことが周囲にすべて伝わってしまう特異体質の青年が、社会から距離を置かれながらも、自分の役割を果たし、成長していく感動の人間ドラマ。

ここがおすすめ!

自分の意思とは関係なく“晒される運命”を背負った登場人物の葛藤は、『イキガミ』の登場人物と共鳴します。ユーモアを交えながらも、誠実な人間賛歌として心に残る感動作です。

渇き。

この映画を一言で表すと?

善と悪の境界を曖昧にする、衝撃のサイコスリラー。

どんな話?

失踪した娘を探す元刑事の父親が、調査を進めるうちに娘の裏の顔を知ることになり、やがて自らも暴力と狂気に飲み込まれていく。暴力・性・憎しみが渦巻く衝撃のドラマ。

ここがおすすめ!

『イキガミ』のように、社会の裏側で生きる者たちの“選択”と“代償”を描いています。道徳や倫理の枠を超えた描写が続き、観る者の価値観を揺さぶるインパクトがあります。深いテーマと映像美が印象的な一作。

アフター・ライフ

この映画を一言で表すと?

死後の“たった一つの記憶”が、人生の価値を問い直す。

どんな話?

死んだ人々があの世に行く前に「人生で一番大切だった1つの記憶」を選び、その記憶を映像化して持って旅立つという設定の中で、死者と案内人のやりとりを描く、心温まる静かなファンタジー。

ここがおすすめ!

“死”と向き合いながら“生”の意味を問いかける構成は『イキガミ』にも通じます。ドキュメンタリー的手法も取り入れた演出で、観る者自身が「自分ならどんな記憶を選ぶか?」を自然と考えさせられる珠玉の映画です。

告白

この映画を一言で表すと?

一つの死が静かに狂気を引き寄せる、緻密で冷徹な復讐劇。

どんな話?

中学校教師の娘が生徒によって命を奪われたことをきっかけに、教師はある“告白”をする。そこから連鎖する生徒たちの心理崩壊と社会の無関心が描かれ、やがて衝撃の結末へ向かう。

ここがおすすめ!

命の重さ、正義とは何か、という『イキガミ』の根幹にあるテーマと深く重なります。湊かなえ原作の緻密な構成と、中島哲也監督の美学的な演出が融合し、圧倒的な映像体験を提供してくれる傑作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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