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映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』あらすじネタバレ結末と感想

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』の概要:アメリカの北と南で暮らす男女がテレパシーによって愛を育むファンタジー。出演はゾーイ・カザン、マイケル・スタール=デビッド。脚本は「トイ・ストーリー」のジェス・ウェドン。ブリン・ヒル監督の2014年米国映画。

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 作品情報

イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、SF
  • 監督:ブリン・ヒル
  • キャスト:ゾーイ・カザン、マイケル・スタール=デヴィッド、マーク・フォイアスタイン、スティーヴ・ハウイー etc

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 あらすじ【起・承】

レベッカが小学生の頃、雪山でソリに乗っていて大けがを負ってしまう事故があった。同じ瞬間、幼いディランの目にもレベッカと同じ情景が広がっていた。

そして、レベッカに感応したディランは倒れてしまう。ハワード先生は慌てて、ディランに駆け寄るがディランは失神しており、なかなか目を覚まさなかった。

それから、数年後。大人になったディラン(マイケル・スタール=デビッド)は、前科があり保護観察中。ガソリンスタンドに勤務しながら、保護観察官と頻繁に面接をしていた。

ディランは、保護観察官のビルから、”お前は頭がいいから、道を踏み外さないか心配だ。”と言われます。ディランは盗みの際、器用に鍵を開けたりしていたらしい。

また、よく行く酒場では、昔の悪仲間からお金が儲かるからと言われて盗みに誘われているのだ。

一方、レベッカは精神科医のフィリップと結婚し、時々、統合失調症のような症状(幻聴や幻覚など)が表れる以外はのんびりと暮らしていた。

だが、フィリップの研究資金を得るためのパーティが行われ、それに出席するのはレベッカにとって苦痛だった。ある日、パーティでレベッカは、突然椅子から落ちてしまう。

同じ頃、ディランは酒場でビリヤードをしていたが、ビリヤードのキュウで頭を殴られてしまう。レベッカは、夫から発作が起こるのなら、前もって知らせて欲しいと怒られるのだった。

しかし、発作がいつ来るかなんて分かるはずがない。

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映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 結末・ラスト(ネタバレ)

ディランは、ある朝、電話でたたき起こされた。急ぎ向かおうとしたが、車を置き忘れたことに気づく。一方、レベッカは下着の店で買い物をしていた。

ところが、運転中だったディランが、レベッカの見つめる下着を透視?してしまう。その映像に混乱したディランは、あやうく交通事故を起こしそうになってしまう。

車を止め、ディランは彼女に話しかけた。”俺の声が聞こえる?”と。そして、ディランがトラックのそばにいることや場所が見えると彼女は言う。

彼女の名前はレベッカ(ゾーイ・カザン)。レベッカが住む場所はニューハンプシャー州で季節は冬。冷たい雪の気配をディランは感じるのだった。

”そっちは雪なんだな・・。10時にまた話そう!”と言って、互いの交信を切った。こうして、2人はいつも交信するようになります。

ある時、幼い頃のソリ事故の話になり、そこで初めて2人が同時に感応し合っていた事実を知ることで、少しずつ2人の謎が解けてゆくのだった。

ディランは酒場でよく会うジェニーの事が気になっていたが、いつも上手く誘えない。そんなディランにレベッカは誘うようアドバイスをして、ついに彼女を家に呼ぶことに。

木曜日の夕方6時半。ディランはジェニーを喜ばせようとステーキを焼いていたが、普段、料理を全くしないので危なっかしい。

一方、レベッカは研究資金を集めるためのパーティに夫と出席していた。和やかにパーティは進んだが、ディランのスープが燃えて火事になった瞬間を透視?感応してしまい、目の前の食器が割れるのだった。

またディランの方も、レベッカの”危ない!”という言葉に反応してしまい、一緒にいたジェニーに頭がおかしい人だと思われてしまう。

結局、ディランが作ったスープやステーキは焦げており食べられるものにはならなかった。ジェニーはディランの元を去っていった。

レベッカは、パーティで粗相をしてしまい、夫に叱られた。”今まで見ていたはずの風景が変わって見えたりすることはない?脱皮のような・・”と夫に説明するが理解してもらえない。

ディランとレベッカは互いに謝り合い、また2人で交信を再開した。ディランはレベッカを質問責めにして、もっと知りたいと思う。”君はなぜ、こんなに可愛いんだ!”と。

すると、レベッカはディランを感じたいと2人は互いの体を感じようと時空を超えて結ばれるのだった。ところが、絵画教室で一緒に学ぶダイアンにレベッカは浮気をしていると誤解されてしまう。

一方、ディランも人前で交信する癖が気味悪く思われてしまい、ガソリンスタンドを解雇されるのだった。その後、酔っぱらったディランは勢いで、盗みに加わることを承諾してしまう。
だが、”頭の中にいる女の子が俺を許さないんだ!”と怖がらせて、悪仲間を追い払う。

レベッカは思い出の雪山に行き、ディランに別れを告げた。これから病院で診てもらうと言う。”あなたは素晴らしい人よ。一生、忘れないわ。”と。

ところが、精神病院に入院させられるビジョンを視たディランは、レベッカを助けるためにホップ・バウワー・クリニックへ向かう。レベッカもまた精神病院から脱出した。

2人は警察に追われながらも、森へ逃げ込み、列車に飛び乗った。2人はこの日、初めて出会い、熱いキスを交わした。

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

超心理学で解く!テレパシーで愛を語れるか?

俳優モーガン・フリーマンが案内役を務める科学番組で、”第6感”をテーマに超心理学で挑むという内容を観ました。本作「イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人」とまるで呼応するかのような世界が広がっていました。

地球には磁場があり、人体にも微弱な電気が流れています。実験では、離れた場所に男女がいて、女性の部屋は暗くし、男性の部屋も暗いが電灯を数秒間灯します。すると、女性は男性の部屋の様子が見えないはずなのに、電灯の灯りが見えたと証言しました。

これはテレパシーが時空を超えて伝わるという発見でしょうか?また番組では、未来を予知できるのかという問いに対して、物理学で迫る実験も行われています。

本作では、双方の意識が繋がって、同じ風景や状況を共有していました。声も聞こえるため、ついうっかり話してしまうと周囲から変な人だと誤解されてしまいます。統合失調症と症状は似ているが、不思議な能力ですよね。

もし、こんな風にテレパシーで相手と話せたら、戦争やイジメは減るのではないかと考えると楽しい。頭は良いのに前科があるために望んだ人生が送れないディランがレベッカと出会い、孤独を癒してゆく愛の物語です!

私は、いつか研究が進み、テレパシーで愛が語れる未来があると信じたい!

脚本家としても活躍中!ゾーイ・カザンの未知なる力

「ルビー・スパークス」(12)で、交際中の恋人ポール・ダノと恋人役を演じるなど、フィクションを超えたラブ・ファンタジーを作り上げたゾーイ・カザン。彼女の家族が凄いんです!

祖父エリア・カザンは、「紳士協定」(47)や「波止場」(54)を生みだした有名な映画監督。また両親や祖母モリー・カザンも脚本家という芸術一家なんです。

繊細な彼女の演技から、芯の透った気高さや聡明さを感じられます。脚本家としてのゾーイ・カザンは、「ルビー・スパークス」で脚本と製作総指揮を務めていますよ。

本作では、まるで人生に迷うディランを救う天使のような存在です!ディランと響き合い交信することで彼の孤独を癒します。それにしても、ディランが片思いしていた女性ジェニーは俗っぽくてダメだった。

もし、人との出会いを運命づけるものがあるとしたら、それはもうテレパシーのような”直感”しかありません。2人の他の人には分からない繊細なやり取りがこの映画の魅力です。

ところが、2人が実際に出会う前に結ばれてしまうシーン。なんだかそこの部分だけ、気持ち悪くて好きになれません。ピュアな感情のまま、2人の仲を進めて欲しかったのに!

またテレパシーで2人が交信するシーンはいいのだが、きっかけがレベッカの雪山の事故だけでは弱すぎると思います。あともうひねりあれば、もっと面白い恋愛映画になりますよ。


こんなことが実際に起こったら素敵だなと思う反面、絶対にありえないと思ってしまいあまり世界観に浸れなかった今作。もう少し純粋な心を持っていたらトキメキやキラメキを感じることが出来たのかもしれませんが、見ず知らずの人間とテレパシーで交信するなんて不思議な発想は私の頭では理解できませんでした。
ディランのシーンとレベッカのシーンをそれぞれ描きますが、2人とも「上手くいかない」生活を送っているのがとても良かったです。それがきっかけで結ばれることになるのだろうと分かってしまいますが、ありえない世界観の中にある「リアル」は安心して見ていられました。(女性 30代)


タイプの異なる男女が、テレパシーで繋がる設定に好奇心を抱きました。毎日交信するうちにお互いに惹かれ合い、様々な変化が見て取れます。殊に、ディランが明らかに温厚になり、真っ当に生きようとし始めるのが微笑ましく嬉しかったです。はたから見るとそれぞれが独り言を言っている奇妙な光景なのですが、切なさやドキドキ感を存分に体感できました。ゾーイ・カザンが放つふんわりとした雰囲気は、彼女ならではの大いなる魅力です。劇中の光加減も好きです。(女性 30代)

映画『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』 まとめ

恋愛映画には、時にありえない設定や人物関係も多いが、純粋なときめきは少ない。この映画では、テレパシーなど科学ではまだ解明できていないものを小道具にして運命的に結び付けるというのはとてもいいアイデアだと思う。

インターネットで世界中どこにいても繋がる現代だからこそ、想いを伝え合うことを大切にしたい。レベッカを演じるゾーイ・カザンの繊細な演技がいい。観ていると、なんだか放っておけなくなるのだ。

そして、ディラン役を演じたマイケル・スタール=デビッドがまた情けなくなるほど弱い男性なのだ。頭の良い設定ならば、もう少し活躍できるシーンが観たかったと思う。

2人は一心同体。なんだか観ているほうは、ハラハラしながらも羨ましくなります。
やはり、2人の距離が大事なのではないだろうか。2人が同時に”火災”など災難に巻き込まれるところはコメディのように面白い。

いつの日にか、テレパシーでお互いのことが話せる瞬間がくるかもしれない。

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