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映画『祈りの幕が下りる時』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『祈りの幕が下りる時』の概要:東野圭吾による「加賀恭一郎シリーズ」をドラマ化した「新参者」シリーズの完結編劇場版。葛飾区のアパートの一室で女性の死体が見つかったことから、失踪した母の知らない姿が明らかになる一作。

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映画『祈りの幕が下りる時』の作品情報

祈りの幕が下りる時

製作年:2017年
上映時間:119分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:福澤克雄
キャスト:阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈 etc

映画『祈りの幕が下りる時』の登場人物(キャスト)

加賀恭一郎(阿部寛)
日本橋署の刑事。幼い頃に失踪した母親の影を追いながら過ごしていた。剣道日本一の実績を持っている。鋭い観察力の持ち主。
浅居博美(松嶋菜々子)
美人舞台演出家。過去に女優として初舞台を踏んだ明治座に深い思い入れを持っている。以前に、剣道の取材という名目で加賀にアプローチしており面識のある存在であった。
松宮脩平(溝端淳平)
捜査一家に勤める加賀のいとこ。押谷の事件の担当をしており、加賀と浅居の繋がりを気付いて連絡を取り始める。
田島百合子(伊藤蘭)
加賀の母親。加賀が小さい時に忙しい夫の元から失踪していた。仙台でとある男性と出会い、スナックに勤めながら関係を深めていたことだけは判明しているが、心不全で亡くなっている。

映画『祈りの幕が下りる時』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『祈りの幕が下りる時』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『祈りの幕が下りる時』のあらすじ【起】

1983年冬、田島百合子は仙台にたどり着いた。誰も知らない場所に行きたかったと言う百合子はスナックで働くことになる。家族のことを話そうとしない百合子。孤独を纏い、心を閉ざしたまま数年が経った百合子は、綿部という男と気持ちを交わしていた。しかしある日、百合子は心不全で突然息を引き取った。スナックのママ・宮本は唯一関係を知っている綿部に連絡をするも、どうしても葬儀に行けない都合があるという。数日後、息子である加賀と連絡がついた。この時には綿部と連絡が取れない状況であったが、加賀は何か母について覚えていることはないかと宮本に尋ねる。唯一記憶にあったのは「日本橋」。加賀は母のことを知ることができないまま、時間だけが経っていった。

2018年。東京都のアパートの一室で死後20日が経ち腐敗した女性の死体が見つかった。担当刑事の松宮。前の月に発覚したホームレス焼殺事件と関連があるのではないかと推測していた。それは、女性の死体が見つかった部屋に生活感が全くないことに違和感を覚えていたからだ。このアパートの住人である越川という男の行方が分からないまま、事件の有力な情報が掴めずにいた。

被害者女性・押谷の営業先を当たる松宮。一軒の老人ホームを訪ねた際に、押谷が東京に行った動機に繋がる話を聞く。それは、老人ホームに居候する一人の女性・通称「201さん」との揉め事であった。記憶を失くしたフリをする201さんが中学の同級生・浅居博美の母親ではないかと思い声をかけたというのだ。全否定し、押谷に声を荒げた201さんの引き取り先を当たるため、浅居に会うために東京に行ったのではないかと推測した松宮。翌日、浅居の元を訪ねた。

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映画『祈りの幕が下りる時』のあらすじ【承】

亡くなる前に押谷と会っていたという浅居。母親である201さんの引き取りを拒否した浅居には、過去に借金を作り自分と父親を捨てたという恨みがあったのだ。一通りの話を聞いた松宮は浅居の事務所を出る際に、いとこの加賀と一緒に写っている写真を見つけた。翌日、松宮は加賀と昼を食べに行くのである。加賀と浅居は何度か面識があった。「母になるバトンが回ってこなかった」という浅居の影の部分が印象的であったという話をした加賀。その頃、警察署では松宮の推測が当たり、焼死体と越川のDNAが一致したというのだ。

事件が一歩進展した松宮は、越川の家のカレンダーに毎月書き込まれた12の橋を当たってみることにした。偶然松宮と会った加賀は、その話を聞き16年前に母の遺留品にあったカレンダーを思い出す。松宮に頼み込み、筆跡鑑定をしてもらうと2つのカレンダーのメモの筆跡は合致した。早速生前の母を知る宮本を訪ね、綿部と似た人はいないかと5枚の似顔絵を提示した加賀と松宮。宮本は悩むことなく、越川の似顔絵を選んだ。こうして、百合子と関係のあった綿部と押谷と関係のあった越川は同一人物だったと繋がり出すのである。

百合子の遺留品から綿部(越川)の指紋が集中的に付いていた時刻表の駅があった。それは女川駅。電力会社に勤めていたという宮本の話から、女川の電力発電所に勤めていたという推測がなされ、松宮達は一斉に聞き込みに当たった。その頃加賀は橋洗いの写真から綿部(越川)の姿を見つけようとしていた。その中に浅居の姿を見つけた加賀は、浅居の中学の同級生を当たり始める。母親の失踪後、いじめにあっていたという浅居。唯一の友達は押谷であった。二人に共通する当時40代前後の男性を聞くと、苗村という担任の名前が挙がった。越川の似顔絵を見せると同級生たちは苗村ではないかと憶測をした。その苗村は突然蒸発したと聞き、元妻を訪ねると蒸発ではなく不倫の果ての失踪だという。相手はわからないが、最後のクレジットカードの使用履歴で、ルビーの十字架のネックレスの購入履歴があったという話を聞いた加賀は、浅居が以前に着けていたものと同じではないかと推測する。

映画『祈りの幕が下りる時』のあらすじ【転】

加賀からネックレスの話を聞いた松宮は、すぐに浅居の元を訪ね昔の写真を確認しに行った。加賀の予測は見事に的中。浅居と苗村は不倫関係にあり、そのことをネタに押谷が脅したことで殺されたのではないかと警察は動き出す。しかし、宮本に苗村の写真を見せたところ、綿部(越川)とは同一人物ではないという。事件は難航を強いられた。関係者は徹底的に当たっているというのに繋がらないことから、残る関係者の自分を探る加賀。なぜ自分と浅居が繋がったのかと疑問を抱いた。

加賀は浅居に中学生に剣道の稽古をつけてほしいと依頼を受けて出会っている。それ以前に、百合子の死について知らせる手紙が来ていたのか疑問を抱いていたが、調べてみるとそれは浅居であった。以前に掲載された剣道雑誌の編集部に浅居が問い合わせをしたというのだ。全ての繋がりを確信し、父の知り合いである金森を連れて浅居を訪ねた加賀。浅居はすべてを見抜かれ、都合の悪そうな表情で二人を帰した。実は加賀が浅居を訪ねたのは金森に浅居のDNAを取らせるためであった。加賀の推理は26年前に遡る。

浅居は201さんこと母親が居る施設を訪ねていた。絶対に許せない恨みを抱えている浅居。14歳の時、父・忠雄と夜逃げをしていた。

映画『祈りの幕が下りる時』の結末・ラスト(ネタバレ)

逃げながら生活をしていた道中。横山という原発会社に勤める男と出会う。住民票さえあれば働けるという話に喜ぶ忠雄。金に困っているであろう様子を見た横山は、浅居の耳元でバイトしないか?と誘惑する。忠雄が追い込まれた様子を感じていた浅居は、一人横山に指示された場所へ向かう。密室で横山と二人になり怖くなった浅居は、箸で首を刺し横山を殺してしまった。そのことを知った忠雄は横山の指紋を付けたハンカチを浅居に渡し、父親が逃げたことにするように指示する。そのまま、横山として福島の原発へ向かうという。横山の死体には自分の服を着せ、海へ投げ捨てていた。もしも死体が見つかった場合には、父親だと証言するように浅居に言い残し、その後二人は手紙だけでやり取りを重ねていた。

人込みに紛れながら月ごとに橋を変え、隠れて会っていた二人。浅居は忠雄と百合子との交際も知っていた。実は苗村を殺したのも忠雄だった。親子の夢が詰まっている明治座で催される浅居が演出する舞台の初日。忠雄は劇場に足を運んでいた。そして押谷もまたその日劇場に居た。自殺したはずの浅居の父親を見た押谷は忠雄に声をかけていた。防犯カメラにはその姿がしっかりと残っていた。

加賀は浅居に会いに劇場へ出向く。自宅から髪の毛が持ち去られたことに気付いていた浅居は、DNAによる親子鑑定はどうだった?と聞いた。浅居は忠雄から聞いた事実と自分の知っていることを話し始めた。浅居は忠雄の最期にも立ち会っていた。疲れたという父親が以前に「焼け死ぬなんて考えただけでゾッとする」と言っていたことを思い出し、自らの手で父の命を終わらせたのである。ようやく長い悲劇の幕を下ろすことができる、とほっとする浅居。全てを自白した浅居を松宮が迎えに来た。忠雄が残した加賀宛ての手紙を渡し、浅居は劇場を去った。

忠雄の手紙には、百合子がうつ病を患っていたこと、息子を道連れに自殺をしようとしたことなどが綴られていた。母のことを知るために日本橋署に居続けた加賀だったが、母親が自分をずっと想っていたことを知り、捜査一家へ戻ることを決断するのだった。

映画『祈りの幕が下りる時』の感想・評価・レビュー

「嘘は人を映す鏡」。この物語を見届けた後にこのセリフを聞くとぐっと掴まれる。映画「麒麟の翼 劇場版・新参者」やドラマシリーズを鑑賞後の方が、物語の人間設定に深く入り込めるが映画の作り方が精密なので決してついていけないということはない。大変豪華なキャストで囲んだ数々の事件。華やかさよりも緻密さが際立つ作りであった。名作ドラマを手がけた印象の強い福澤克雄監督であるが、2時間という限られた枠でもきっちりと人間ドラマを見せつけてくれる一作を残してくれたように思う。(MIHOシネマ編集部)


暗く、とても悲しい作品でした。父と娘の悲しい過去、そして全ての全容が現れた時の悲しさ、切なさは涙なしでは見れません。ストーリーにしっかりと重厚感があり、それに加え、緻密に計算されたトリックに伏線が素晴らしいです。東野圭吾作品はストーリーの中身とトリックや伏線もどちらとも抜かりが全く無く絶妙で、しっかりと物語に入り込めサスペンス好きな人もヒューマンドラマが好きな人、どちらも楽しめると思います。加賀恭一役の阿部寛さんをはじめ、キャストも素晴らしかったです。(女性 30代)


『新参者』シリーズの完結編である今作。小説は未読、ドラマシリーズも見たことがありませんが人気のミステリー作品ということで興味本位で鑑賞しました。
まず、この作品のいい所は小説やドラマを見ていなくても、今作を見れば分かる一話完結ものだということ。ドラマなど見ていたらより楽しめるのかも知れませんが、何も知らない私でもしっかりとストーリーを理解し、楽しむことが出来ました。
阿部寛や溝端淳平、松嶋菜々子など豪華なキャストにハラハラドキドキさせるストーリー展開はとても面白く、これを機に小説やドラマなどにも興味を持ちました。(女性 30代)


加賀恭一郎シリーズです。胸にぐさりと刺さる物語でした。カレンダーに書かれた橋の名前から、ずずっと引き込まれます。序盤は事件関係者の相関図がなかなか複雑ですが、後半にかけて次第に紐解かれていきました。小日向文世の演技力に脱帽です。ラストの回想シーンは、泣きじゃくりながらの視聴となりました。博美が父の首に手をかけたシーンが、辛いながらも愛しているからこその行動に思えます。日本橋付近の昔ながらのお店や川、街並みが多く映り、風情を感じました。(女性 30代)


胸がえぐられるように苦しい物語。東野圭吾の作品はなぜこんなに心を揺さぶるのでしょう。大切な人を守るために罪を犯す。『容疑者Xの献身』と同じような切なさを感じました。
今作は、カメラワークのセンスが良かったです。強調したいところでスローモーションにしたり、ピントを切り替えたりと、魅せ方がかっこいい。
富嶽三十六景の波のような壁紙をバックにした松嶋菜々子のカットも迫力があり、表面には見せない博美の苦悩が迫ってくるようでした。
ストーリー、キャスト、演出すべてに引き込まれる作品です。(女性 40代)

関連作品

前作 麒麟の翼 劇場版・新参者

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