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映画『いのちの食べかた』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『いのちの食べかた』の概要:ナレーションもなく、ただ淡々と生産者や工場の姿を映し出すドキュメンタリー映画。生産にあたり、どのような行程でどれだけの人々が関わっているのか、どのような農機具が活躍しているのかを見ることができる。

映画『いのちの食べかた』の作品情報

いのちの食べかた

製作年:2005年
上映時間:92分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督:ニコラウス・ゲイハルター

映画『いのちの食べかた』の登場人物(キャスト)

各農家の人々
ジャガイモ、ホワイトアスパラ、パプリカ、トマト、キュウリ、レタス、アーモンド、ひまわりなど。それぞれ広大な土地にてハウスや畑を管理し、栽培、収穫を行っている。早朝から日暮れまでを栽培に充て市場へ出荷するため、日々働いている。
解体工場で働く人々
各部署にて決められた行程を作業している。地味な仕事ではあるものの、その工程にて仕事が行われているからこそ、成り立っている。時には専用カッターを使用するなど、危険を伴った部署もある。
養鶏、養豚、酪農家の人々
生物を飼育し、異常がないか常に見守っている。時には心を痛めそうな場面であっても、一歩引いて作業を行っているようである。種付けを行い出産、養育している。

映画『いのちの食べかた』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『いのちの食べかた』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『いのちの食べかた』のあらすじ【起】

豚肉解体工場では、解体が終わった豚を数十体も吊るし上げ保管する場所がある。その部屋を工場員は1人で水圧ホースにて丁寧に掃除する。

部屋いっぱいにぎっしりと芽を生やした新芽には、天井に設置された散水機が定期的に水量を調節しながら雨を降らし、トマトを栽培する巨大ハウスでは収穫したトマトが箱詰めされたものを運ぶ無人の車が通路を横切る。

養鶏場には卵を孵化させるための機械管理された特別な部屋が沢山あり、それらは働く人々によって細かい管理がされ、大量のひよこを誕生させている。
孵化したひよこはベルトコンベアーで案外乱暴に運ばれ、一定数をコンテナに。その後は1羽ずつ人の手によって印をつけられ、各部屋にて育てられるのだ。養鶏場にて働く人は定期的に部屋へと入り、異常がないかを逐一見回っている。

何ヘクタールもある広大な畑にはジャガイモが栽培されている。大量のジャガイモを収穫するには、効率を考えるとやはり大型の収穫機を農家の人が操作し、朝から日が暮れるまでジャガイモを収穫する。

人の身長ほども高く伸びるパプリカ栽培のハウスでは、人の手によって収穫が行われている。それはトマト栽培のハウスでも同様だ。痛みやすい野菜の収穫は必ず人の手によって、大切に収穫されるのである。

場所を変えて牛の種付けには、繁殖期に入った雌の匂いにて雄を誘発させ、人の手によって精子が採取される。それは1頭ずつ順番に行われ、採取された精子は資格を持った検査員によって検査機にかけられ、量や質を調べられる。
牛の帝王切開は横っ腹を縦に大きく開き、そこから獣医の手により子牛が引っ張り出される。産まれた子牛はすかさず連れ出され、後の処理は獣医の手に委ねられるのだ。

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映画『いのちの食べかた』のあらすじ【承】

広大な畑に肥料や農薬を散布するにあたり、必ず農機を運転する人が必要になる。農家の方はトラクターや見たこともない農機を運転し、畑の管理を行っている。

果物であるリンゴの収穫も人の手によって行われる。収穫されたリンゴは水に浮かべられ、まずは汚れや好悪を選別される。その後は大きさが揃えられて箱詰め。リンゴも傷みやすいため、必ず人の手が必要だ。

鶏卵場では雌鶏が狭いケージに並んで毎朝、大量の産卵をする。それもやはり人の手によって卵を回収され、洗浄された後は大きさや重さで選別。箱詰めされる。

ホワイトアスパラの収穫には沢山の人出が必要であるため、バスにて畑へ向かい1人で何十本も収穫する。畑にはシートが被せられており、アスパラは土中にて成長するため、慣れた人でなければ収穫はできない。畑には定期的に機械によって散水が行われている。

養豚場から解体工場へ運ばれた豚は1頭ずつ絞められ逆さまに吊り下げられる。洗浄後に体毛を剃られ機械によって開腹。その後は人の手によって内臓や無駄な部位を取り除かれ、肉に残った血糊を綺麗に吸い取られる。前足は専用のカッターで切断。内臓も流れ作業により、人の手で選別される。解体工場では大勢の人々がそれぞれの部署で働いているのだった。大きな工場には当然、食堂もある。大勢で食べたり、単独で食べたりとそれぞれに休憩する。

映画『いのちの食べかた』のあらすじ【転】

ひまわり畑へ農薬や水を散布するには、専用の飛行機が使われたりする。広大であるために人の手ではとても間に合わないからだ。
畑の管理には必ず大型の農機が活躍している。それぞれに用途を生かした農機を操作して、大量生産を行っているのである。

レタスの収穫は少し手がかかる。レタスも傷みやすい野菜であるため、収穫したらその場で袋詰めされ新鮮なうちに市場へと運ばれるのだ。故に収穫、処理、袋詰めが一度に行われるため、それなりに人手も必要なのだ。

乳牛の搾乳には専用の部屋があり、誘導された牛が並んで入る機械がある。牛はただケージへと入り一定時間、そこにいるだけで搾乳が完了するというシステムである。非常に効率が良く、一度に大量の牛乳が搾乳される。よく考えられたシステムだ。

野菜の栽培には広大な土地が必要となる。ある場所では見渡す限りに巨大なハウスが並んでおり、野菜が大量に生産されている。当然、収穫は人の手によって行われている。
アーモンド畑では、数分で何十万回と樹を揺さぶる驚異的な農機が存在。揺さぶられた樹から落ちた実は別の農機にて一度に回収される。樹木や果物の栽培は、山を幾つも切り開いて行われている。

場面は変わって、何百メートルもの地下へ高速エレベーターに搭乗した作業員。彼らは到着後、更に車へ乗って移動を開始。真っ暗なトンネルを延々進み、岩塩を採掘している。運ぶには土木作業機が使われる。岩塩は地下層から採掘される地球の資源である。作業員は一日中、地下で過ごし採掘。岩塩は地下からエレベーターで地上へ搬送される。

映画『いのちの食べかた』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方、サケの養殖は海で行われている。成体となり50センチ近く育ったサケは処理場へ運ばれ、選別後に開腹。同時に内臓を取り除かれる。それらは全て機械とちょっとした一手間を人の手によって行われている。頭部を落とされたサケはベルトコンベアーで運ばれ、更に処理されるのだ。

豚の種付けは牛ほどに危険ではなく、人手も少ない。豚は何頭も一度に出産するため、出産後はケージに母豚と子豚を一緒に収め、乳をやっている。ある程度育った子豚は、人の手によってタグをつけられ断尾処理を施される。そして、それぞれのケージにて養育するのだ。

収穫の終わったパプリカ畑は、人の手によって根が切られ次の準備が行われる。何をするにしても、沢山の人の手を必要とする。
養鶏場では成体となった鶏が機械によって回収される。やはり扱いはやや乱暴ではあるが、効率を考えればそれも致し方ないと思われ、多少乱暴でも怪我をしない程度である。
回収された鶏も逆さ吊りにされ、血抜き処理が施される。毛抜きと洗浄が同時に行われた後は人の目によって確認され、流れ作業で次の行程へ。

牛肉用となる牛は専用の機械に入れられ、脳天を一突きされると絶命する。その後は他の動物と同じように逆さ吊りにされ次の行程へ。当然、怖がって暴れる牛もいるが、そこは職人の腕による。牛の場合は巨体であるため、流れ作業とはいかず大型の機械によって1頭ずつの処理が施される。開腹後は血抜き処理が行われ、断頭と前足の切断、皮剥ぎ。その後、切断には大型の専用のこぎりで縦に割られて牛肉として解体されていくのである。
解体工場では菌が発生しやすいため、洗浄、殺菌が入念に行われている。

そうして日々、野菜や肉、魚がスーパーや個々の家庭へと食料として提供されるのだ。

映画『いのちの食べかた』の感想・評価・レビュー

ドイツのドキュメンタリー映画で、ナレーションやインタビュー、BGMを入れずに制作されている。
生産農家や工場の作業過程、農家の人々の普段の様子を淡々と映像にしており、観る側も淡々とその様子を眺める感じ。ただ、販売されて我々の口に入るまでの間、これほどに時間と手間暇がかかっており、普段滅多に見ることのない作業機が使われているということを知るにはとても良い作品だと思う。魚や肉がどのようにしてスーパーの店頭に並ぶかの過程がつぶさに映像として見られるので、子供達の教育映像としてもいいのではないだろうか。大人の自分が見ても驚くことが多かったので、生産業を目指したいと思う子も増えるかもしれない。そして、この作品を通して食糧や食事の大切さを学ぶ機会になると思う。(女性 40代)

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