この記事では、映画『インターステラー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『インターステラー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『インターステラー』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2014年 |
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上映時間 | 169分 |
ジャンル | SF ドラマ |
監督 | クリストファー・ノーラン |
キャスト | マシュー・マコノヒー アン・ハサウェイ ジェシカ・チャステイン エレン・バースティン |
製作国 | アメリカ |
映画『インターステラー』の登場人物(キャスト)
- クーパー(マシュー・マコノヒー)
- 元宇宙飛行士。過去に事故を起こしてからは家業の農業を継いでいる。子供の未来を守るため、ラザロ計画への参加を決意する。
- マーフ(大人:ジェシカ・チャステイン / 幼少期:マッケンジー・フォイ / 老年期:エレン・バースティン)
- クーパーの娘。父のような科学者になりたいと思っている。ブランド教授に才能を認められ、父と別れてからは彼のもとで勉強する。
- ブランド教授(マイケル・ケイン)
- NASAに協力する科学者。クーパーとも面識があり、ラザロ計画を立案する。
- アメリア(アン・ハサウェイ)
- ブランド教授の娘で学者。クーパーと共に、宇宙探査の旅に出る。
- マン博士(マット・デイモン)
- ラザロ計画遂行のため、宇宙に進出した最初の科学者。
映画『インターステラー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『インターステラー』のあらすじ【起】
植物を襲う疫病と、規模と頻度を増やす砂嵐。世界中で起こる異変に、人々は終末を予感しながら暮らしていた。元宇宙飛行士のクーパーは、農家の実家で世界の終わりを実感していた。毎晩、自分の船が墜落した日のことを夢に見る。ある晩、クーパーが悪夢から目覚めると娘のマーフが自分の部屋にいるのに気付いた。幽霊に棚の玩具を落とされたと訴えるマーフ。彼女はその幽霊が死んだ母だと思っていた。クーパーは非科学的だと一蹴し、娘に寝るよう促した。
明くる日、クーパーは祖父から近所の知り合いのオクラ畑が疫病に蝕まれたという話を聞かされる。直に自分たちの畑も病にやられるだろう。不安は尽きないが生活は続く。クーパーは息子のトムとマーフの進路相談のため、二人を乗せて町に向った。
進路相談の場で、教師はトムが進学するのは難しいだろうと言った。科学や数学の成績はいい。しかし、食糧難で政府からの資金援助を断たれ、大学は数を減らしていた。そんな理由で十代の息子の進路が決められることにクーパーは納得できない。今はエンジニアよりも食べ物を求められていると、教師はクーパーを諭した。続いて、マーフの担任から苦情を聞かされた。マーフはクラス中にデマを流してクラスメイトと喧嘩をしたのだと言う。クーパーが事情を尋ねるとアポロの月面着陸についての話だった。かつての科学者たちの偉業が今では浪費時代のガラクタ弄りと揶揄されている。余計な浪費を慎むように指導するための教育方針だったが、マーフは科学者たちへの侮辱を許せなかった。それが喧嘩に繋がった。教育方針に従わないマーフを悪者扱いする担任は、父であるクーパーが家庭でけじめをつけるようにと迫る。マーフに賛同したクーパーは娘の好きな野球の試合に連れて行き、そこで菓子を買ってやると言い返した。マーフは停学処分になってしまった。
映画『インターステラー』のあらすじ【承】
クーパーたちが家に戻ろうとすると祖父から畑の異常を知らせる連絡が入った。自動操縦で畑を耕していた無人コンバインが畑を離れ、家の前に集まってきたのだという。GPSの故障ではないかと疑ったクーパーは自宅に磁場を不安定にする要素があるかも知れないと考え、調査を始める。すると、マーフの部屋で何かの物音がした。本棚から沢山の本が落ちていた。マーフは幽霊の仕業だと言う。そして、本棚に残った本と隙間からモールス信号のような合図ではとクーパーに推測を伝える。しかし、クーパーはマーフの話を聞き流して磁場が不安定になっている原因の調査を続行した。マーフの部屋の本以外に異変は見つからなかった。
マーフを慰めるために連れて行った野球場で、クーパーは大きな砂嵐に遭遇する。急いで家に戻り、砂嵐に家が巻き込まれる前に戸や窓を封鎖した。しかし、マーフの部屋の窓だけ処置を忘れてしまった。クーパーとマーフが慌てて部屋に行くと、部屋は砂まみれだった。床を見て二人は驚く。そこには砂で描かれた奇妙な模様が浮かんでいたのだ。二人は本を開き、本棚や砂の信号はモールスではなくバイナリであると気付く。信号は座標を示していた。二人は車に乗り、一晩かけて信号が示す場所を目指した。山の奥深く、道は鉄柵に阻まれていた。娘の提案で、クーパーはボルトカッターを使って柵をこじ開けようとした。すると、突然スポットライトが照射され、クーパーたちは銃を突きつけられてしまった。
クーパーたちが辿り着いたのは政府の認可を受けた研究施設だった。尋問を受けていたクーパーは飛行士時代の知り合いのブランド教授とその娘に会った。どうやって極秘施設である研究所の場所を突き止めたのかと問われるクーパーとマーフ。クーパーは施設の者たちを警戒して返答を渋った。そんなクーパーを見て、ブランド教授は自分たちの正体と目的を話す。彼らはNASAの職員で、食糧難の中、世論の非難から逃れながら宇宙探索の研究を続けていた。植物の疫病と砂嵐は飢餓だけでなく、酸素の減少も招く。このまま地球に留まっていては、マーフの世代が最期の人類になるだろうと教授は言った。
ラザロ計画。人類の再興をかけたその計画の一員に加わってくれと頼まれたクーパー。娘をおいて宇宙には行けないと一度は拒んだクーパーだが、その娘を救うためだと食い下がる教授に屈し、引き受ける。四十八年前に地球の近くに突如できたワームホール。教授たちはその穴は何者かによって作られたものだと考えていた。誰かが人類に差し伸べた救いの手であると信じて、NASAは何度か探索船を送った。その内の三隻が一つの惑星系の中で人類が生存できる可能性の高い三つの星を見つけたと知らせてきた。クーパーたちはワームホールを通って先遣隊が見つけた星を調査し、可能であればそこで二つの作戦の内のどちらかを実行する。一つは地上の人たちを移住させるための準備。もう一つは地上の人たちを見捨て、宇宙船で運んだ数万もの受精卵を使って、新しい人類のコロニーを作るというものだった。
映画『インターステラー』のあらすじ【転】
父の決意を知り、置き去りにされるのを嫌がったマーフは部屋に閉じこもる。出発の直前、クーパーは娘に必ず帰ってくると約束した。何時帰って来るのかと問うマーフに、クーパーは答えられず、マーフは塞ぎ込んでしまった。仲直りができぬまま、父と娘は別れることになってしまった。
ロケットで宇宙に飛び立ったクーパーは、教授の娘であるアメリアたちと共に長距離航行用宇宙船エンデュランス号と乗機を接続させ、ワームホールを潜り抜けるまでの間、冷凍睡眠に入った。一方、地上ではブランド教授がマーフの才能を見抜き、彼女を研究者として勧誘していた。
最も生存できる可能性の高い星は、ブラックホールのすぐそばにあった。着陸が難しいことと、相対性理論によると一時間は七年に相当するという問題がある。成果が無ければ、膨大な時間を無駄にする危険性があったが、クーパーたちは意を決してそこに向った。
辿り着いた星には豊富な水があった。アメリアは信号の出所を探る。すると、船の残骸が浮かんでいるのを見つけた。船が壊れた事情はどうであれ、残骸の様子からは先遣隊の生存は絶望的だった。しかし、アメリアは先遣隊の失敗を受け入れられず、生存者を探す。アメリアは、海中にブラックボックスを見つけた。そこに、彼らに向って大津波が迫ってきた。諦めて戻って来るようクーパーは指示したが、アメリアは聞き入れなかった。船は津波に呑まれて故障してしまう。クーパーたちは先遣隊の船が壊れた原因は大津波のせいだと思い知る。クーパーたちが着陸した星で一時間滞在すると地上では七年が過ぎる。地球で受信していた信号は先遣隊が健在していた僅か数分の間に発せられたものだった。クーパーたちの探査船はどうにか復旧して離陸したものの、アメリアの独走のせいでクーパーたちは二十三年以上もの時間を無駄にしてしまった。
クーパーにとってたった数時間の出来事だった。しかし、その間に地上ではトムは結婚をして、息子を儲けていた。父からの返事がなくてもビデオメッセージを送り続けていたトムの最期のテープには、父の生存を諦めている心境が語られていた。トムのビデオメッセージが終わると、カメラの前に大人になったマーフが現れた。クーパーと同じ年にまで成長したマーフは約束を破った父のことを責めた。
何時までも絶望していられない。クーパーたちは次に可能性の高い星。最初の先遣隊を指揮した男、マン博士がいるはずの星を目指した。
老衰で死に際のブランド教授は、マーフにラザロ計画の真相を話す。ブランド教授は嘘を吐いていた。彼は初めから地球の人を救う気はなく、新しい人類のコロニーを作らせるためにクーパーたちを宇宙に送ったと言う。父はそのことを知っていたのか。マーフは教授に尋ねたが、答える前に教授は死んでしまった。
マン博士の信号を辿って、クーパーたちが着陸した星は、氷の世界だった。先遣隊の宇宙船を見つけ、中を探索すると冷凍睡眠中のマン博士を発見した。目覚めたマン博士はクーパーを見ると孤独から救われた喜びで彼に泣き付いた。そこにクーパー宛てのマーフのメッセージが届く。自分のことを見捨てたのか。マーフは泣きながら問いかける。自分たちが窒息すると知っていて、父は旅立ったのか。娘の訴えにクーパーは絶句した。教授は自分を捨てて「種」を救おうとしたんだとマン博士は擁護した。クーパーは犠牲を払っているのは地球で窒息しかけている人たちだと反論した。
任務遂行のため、地球に戻ろうとするクーパーとアメリアから船を奪おうとするマン博士。彼はクーパーを人気のない所へ連れ出し、暗殺しようとするが、クーパーはアメリアに救援を求める。アメリアに救われたクーパーはマン博士を追う。宇宙へ飛び立ち、母船を占拠しようとするマン博士。しかし、マン博士は操縦を誤り、エンデュランス号を壊してしまう。クーパーは自分の船をエンデュランス号にドッキングさせ、機能を復旧させることに成功する。
映画『インターステラー』の結末・ラスト(ネタバレ)
エンデュランス号の破損により、地球に還ることができなくなってしまった。せめて任務だけでも果たそうと、クーパーは自分を犠牲に、アメリアを三つ目の信号を発する星に届ける作戦を思いつく。クーパーはブラックホールに呑まれていった。歪んだ重力の衝撃が船を襲う。船の爆発を感知したクーパーは意識が朦朧とする中、脱出装置を起動した。落ちる感覚のあと、クーパーは奇妙な世界にいた。格子状の隙間から何か見える。そこはマーフの部屋だった。隙間の向こうには、色んな時期のマーフがいた。クーパーが叫びながら格子を叩くと、マーフの部屋で棚から本が落ちた。幼い頃にマーフが感じた幽霊の正体は、未来のクーパーだったのだ。隙間からは様々な年代のマーフの部屋が見えた。クーパーは隙間の向こうに旅立ちの日を見つける。クーパーはマーフに過去の自分を引き止めろと訴える。しかし、彼女の耳には届かなかった。
クーパーが落ちたのは、五次元の世界だった。そこからは時間や空間を超越して三次元世界に介入できる。クーパーは機械が解析した量子データをバイナリ信号という形でマーフに伝えようとした。大人になったマーフは信号から父の存在を感じ取り、父から受け取った信号から、人類が生存する手立てを見つけだす。マーフが生存のための糸口を見つけだしたのと同時。クーパーのいた世界が変貌を遂げ、その衝撃で彼は気を失ってしまう。
目覚めると、クーパーは木星の傍にいた。宇宙を漂う彼を、宇宙コロニーから派遣された救助船が救いに駆け付けた。コロニーはマーフの発見した原理を基に建てられたものだった。マーフは既にクーパーの歳を追い抜き、老婆になっていた。再会した喜びを分かち合ったのも束の間、マーフはクーパーにまだやるべきことが残っていると言う。クーパーは頷き、宇宙船に乗り込むとアメリアがいる星に向けて舵を取った。
映画『インターステラー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
壮大な宇宙の旅を描きながらも、軸にあるのは父と娘の愛というテーマ。そのギャップにやられました。時間の相対性によって「数時間が地球では何十年」という描写は衝撃的で、帰還したクーパーが年老いた娘と再会するシーンでは涙が止まりませんでした。科学と感情が見事に融合した、ノーラン監督の最高傑作だと思います。(20代 男性)
宇宙という果てしないスケールを描きながら、親子の絆を中心に据えているのがとても良かったです。特に娘マーフが大人になり、自分の父のメッセージを受け取るシーンは感動的でした。物理学やブラックホールの概念も興味深く、視覚的にも非常に美しい作品。音楽も神がかっていて、世界観に完全に引き込まれました。(30代 女性)
一度観ただけでは完全には理解できない、けれど確実に心を動かされる映画でした。特に五次元空間でクーパーが過去の娘にメッセージを送るシーンは、科学というより“感情”で納得させられる不思議な説得力がありました。愛が時空を超えるというテーマに、科学の限界と人間の可能性を感じました。(40代 男性)
最初はSFとして観ていたのに、気づけば母親目線で泣いていました。地球を救うために家族を置いて旅立つという選択の重さと、何年も父を待ち続ける娘の姿が本当に胸を打ちます。最後の再会シーンでは、時の流れの残酷さと、それでも届く想いに涙。重厚な作品ですが、観る価値は絶対にあります。(30代 女性)
科学的な描写が多く、難解な部分もありますが、それを凌駕する感動がありました。時間の流れが違う惑星での描写や、ブラックホールのビジュアルは映画史に残るクオリティだと思います。ラストでクーパーが人類の未来を救い、しかもそれが娘との絆によって成し遂げられる構成は見事。最高のSF映画でした。(20代 男性)
夫婦で観ましたが、2人とも号泣でした。マーフが「幽霊」として感じていた存在が、実は父親だったという展開には鳥肌が立ちました。父と娘が科学と愛を通して再会するというテーマに、どこか救われた気持ちになりました。難解な部分は夫と語り合いながら観ると理解が深まり、より楽しめました。(40代 女性)
音楽と映像の融合が本当に素晴らしかったです。ハンス・ジマーのオルガン主体のサウンドが、無限の宇宙空間に完璧にマッチしていました。地球の未来という重たいテーマを背負いながらも、希望に満ちた結末を描いているのがこの映画の大きな魅力だと思います。まさに“音と映像で体験する映画”でした。(30代 男性)
高校生の頃に観て、科学ってこんなにロマンがあるのかと感動しました。相対性理論やブラックホールの描写はもちろん、五次元空間という発想がすごすぎて、何度も巻き戻して観ました。未来の人類が過去の自分たちを導くというSF的な構成もワクワクしましたし、クーパーとマーフの絆がすべてを繋ぐ展開に泣きました。(10代 男性)
個人的に一番印象に残ったのは、マン博士(マット・デイモン)の裏切りです。希望をかけて向かった惑星であんな展開になるとは…人間の弱さと恐怖がリアルに描かれていて、心に残りました。それでも最後にクーパーが人類と娘を救う展開に希望を感じられたので、絶望と希望のバランスが絶妙な映画でした。(30代 女性)
老いた娘との再会シーンで、「もう家族とは過ごした、あなたは自分の道を」と送り出すマーフの言葉に涙が止まりませんでした。あの時間の残酷さと、それでも繋がり続けた父娘の絆が、宇宙を舞台にした壮大な物語に温もりを与えていました。科学と人間ドラマが融合した、唯一無二の感動SFです。(50代 男性)
映画『インターステラー』を見た人におすすめの映画5選
オデッセイ(2015)
この映画を一言で表すと?
火星にひとり取り残された男の、科学と知恵とユーモアの生還劇。
どんな話?
火星探査中に事故に遭い、ひとり取り残された宇宙飛行士マーク・ワトニーが、限られた物資と科学知識を駆使して生き延びようとする姿を描く。地球との交信が届かぬ中でのサバイバルは手に汗握る展開です。
ここがおすすめ!
宇宙という過酷な環境でも希望を捨てず、笑いを忘れない主人公の姿に勇気をもらえます。『インターステラー』のようなリアルな宇宙描写に加え、人間の知性と絆が光る感動作です。
コンタクト(1997)
この映画を一言で表すと?
科学と信念が交差する、異星との“邂逅”を描いた壮大な人間ドラマ。
どんな話?
宇宙人の信号をキャッチした女性天文学者エリーが、そのメッセージを解析し、地球外知的生命体との接触を目指す。科学と宗教、理性と感情が交錯する中で、人間性とは何かが問われます。
ここがおすすめ!
知的好奇心と人間のスピリチュアルな側面を繋ぐ作品で、『インターステラー』に通じる深いテーマ性が魅力。J・フォスターの静かで力強い演技と、ラストの解釈が観る者の心を揺さぶります。
アド・アストラ(2019)
この映画を一言で表すと?
父を追い宇宙の果てへ――静かなる“内なる旅”が始まる。
どんな話?
地球に危機をもたらす宇宙信号の発信源を突き止めるため、宇宙飛行士ロイが失踪した父の元へと旅立つ。外宇宙を目指す物語の裏に、父子の再会と心の葛藤が重なり合う。
ここがおすすめ!
『インターステラー』のように“家族の絆”が根底にありながら、より内省的なトーンで描かれる深いSF映画。壮麗な宇宙映像と静寂が語る感情が胸に染みる一本です。
メッセージ(2016)
この映画を一言で表すと?
“言語”と“時間”が鍵を握る、異星との対話と人間の選択の物語。
どんな話?
地球に突如現れた宇宙船に対し、言語学者ルイーズが未知の生命体とコミュニケーションを取る任務に就く。彼女が彼らの言語を理解していく中で、時間と記憶の概念すら揺らぎはじめる。
ここがおすすめ!
SFでありながらも、母親としての選択というパーソナルなテーマが強く響く作品。『インターステラー』と同様、時間の流れや愛の形を問う作品で、観る者に静かな衝撃を与えます。
2001年宇宙の旅(1968)
この映画を一言で表すと?
人類の進化と知性の限界に挑む、SF映画の金字塔。
どんな話?
人類の誕生から宇宙探査、人工知能との対峙、そして次なる進化の段階へと続く壮大なスケールで描かれるSF叙事詩。セリフを極限まで削ぎ落とし、映像と音楽だけで語られる。
ここがおすすめ!
クリストファー・ノーランが影響を受けたと語る本作は、『インターステラー』の源流とも言える作品。深淵なテーマと象徴的な演出は、思考と感性の両方を刺激してくれるはずです。
みんなの感想・レビュー
子供の頃、果てしない宇宙のことを考えると怖くなったことを思い出しました。
時空を超えた高次元の世界は夢の中のようで、面白いけれど怖かったです。ブラックホールの向こう側は実際どんな世界なのか、解明されることはあるのか、想像は尽きません。
マーフの部屋の幽霊の正体が分かり、色々な場面がつながっていったときは興奮しました。
急展開が続き、新しい世界が始まるまでの流れは目が離せず、アトラクションのようです。SF映画を普段あまり観ないので比較できないのですが、ここまでスケールの大きなSF世界を体験した作品は初めてで、とても楽しめました。
監督であるクリストファー・ノーランにハマったきっかけになった作品です。長い作品なので、前半で間延びするところもありますが、後半の伏線回収が見事でした。ジャンルとしてはSF映画になるのでしょうが、ミステリーの要素や家族愛もテーマにしており、個人的にはヒューマンドラマが見所と言えます。物語は、人類が移住できる新しい惑星を探すという目的を軸に進みますが、根幹にあるのは「愛」という大きな力です。「愛は観測可能な力」というセリフに全てが収束されています。親子愛を感じて涙しました。
丁寧に作り込まれたストーリー、美しい宇宙の映像、壮大な音楽、それらすべてに圧倒された。扱っている内容が難しいため宇宙や物理に関する知識がないと到底理解できないのだが、終盤は展開に興奮して鳥肌がとまらなかった。あまり深く考えず、登場人物たちのセリフを聞いていたほうが楽しめると思う。科学的な部分はよくわからなかったが、地球のためにずっと離れ離れになってしまった親子が、お互いを思いながら自身のすべきことを全うする姿はとても感動した。
3時間弱の長編ですが、飽くことなく宇宙を旅できました。高波、凍えそうな大地、真っ暗闇の宇宙など、不安になるような描写もありますが気楽に見てほしいです。映像、脚本、演出全てにおいてクオリティが凄まじく高いのです。人類が移住可能な星を探すストーリーですが、中盤から量子学や五次元の話が出てきて難解な展開となりました。宇宙についての本を片手に、再度視聴したいです。しかし、家族の愛、信頼についてのメッセージはダイレクトに伝わりました。
時間的には長いのだが、構成の妙もあり案外さらりと観れてしまう。いい意味であらすじから想像する展開とは異なり、宇宙に出るまでの時間が長く丁寧に描かれる。その理由が後半に重要な意味を持つところに好感が持てる。
宇宙で人間を超えた存在的なものを登場させようとするとどこかトンデモ要素が混ざってその部分に醒めたりもするのだが、この作品はそこをうまく回避している。その感じが「2001年宇宙の旅」や「コンタクト」的でもあるが、より知性的な印象だ。それでいてどこか全体に温かみがあるのが心地良い。
クリストファー・ノーラン監督作品の中でもかなり有名で人気のある本作だが、個人的な意見としては“そんなのアリか~”という感じだった。いくらブラックホールの中が未知の世界とはいえ、そこから過去の地球の、それも自分の娘の部屋に繋がるなんて、あまりにも超展開すぎやしないか…と思ってしまった。
希望を失った人類の衝撃の選択、引き裂かれる親子、息をのむような宇宙の描写の数々と宇宙飛行士たちの途方もない戦いなど、途中までがあまりにも面白かったからこそ、オチで拍子抜けしてしまった。
砂嵐が襲い、トウモロコシしか育てられず、食糧難と病気に苦しめられる未来の地球が舞台のSF映画です。人類の存亡をかけて、地球以外の星を探す移住計画に参加することになったクーパーですが、実はその計画は地球の人類の移住ではなく、人類の種を他の星で繫栄させて残すための計画であったことを知ります。そこから、人類と家族の未来を救うために奮闘するクーパーから目が離せず、怒涛のストーリー展開で、あっという間の160分でした。また、マット・デイモンの演じるマン博士の裏切りには驚かされました!
単純な冒険系のSF映画ではなく、それぞれの愛のあり方や、宇宙の怖さ、孤独、それぞれの人生のあり方に触れられる壮大な映画です。少し謎な設定も気になりますが、それを上回る満足度でした。
全てのことに意味があって、どんな大きな力も愛には勝てない。そんな風に感じました。もちろん、こんな言葉では言い表せないほど壮大で、偉大な「クリストファー・ノーラン」が描く宇宙の物語。169分とかなり長い作品で観るのを躊躇していましたが、もっと早くこの作品の世界を知りたかったと後悔しています。
相対性理論、事象の地平面など専門用語に難しいと感じてしまうかもしれませんが、この映画の根底にあるのは「愛」です。SF映画にも関わらず、最終的には「愛」を示す。そんなクリストファー・ノーラン監督は、やはり天才です。
世界的飢餓や地球環境の変化によって人類滅亡の危機が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るために宇宙へ旅立つ元エンジニアの姿を描いたSF長編映画。
相対性理論やブラックホールについての知識がない為、所々非常に難解に感じた。
しかし、壮大な宇宙の美しさはその雰囲気だけでも充分に面白く、主人公の親子愛にも感動した。
それだけでなく、伏線回収される秀逸な構成や、CGを使わない手法も見どころとなっている。
濃密な内容で、あっという間の三時間だった。
地球で大規模な砂嵐が起こり、人類が滅亡の危機に面する。その時に、人類が望みを託す宇宙。人類が生存できる惑星を求めて、未知なる世界に旅立つ。そう言った世界観は、人類の未来像を見ている感じになる。
そう言う人類存続をかけて、宇宙に飛び出していきワームホールを通り過ぎると一時間が7年に相当する星で過ごすことで自分の子供が自分と同い年になる、または自分の歳を追い越してしまうと言うのが切ない気持ちになる。宇宙というのはまだまだ未知の世界だと感じさせる作品でした。
複雑な設定やストーリーになっているように感じる上に時間がとても長いので、中盤で少し飽きてしまったが、ラストでは伏線を見事に回収していってくれたので、納得して終われた。SF作品なので宇宙の話が多く出てきて未知な世界の話だが、四次元やブラックホール、五次元やワームホールなどが、リアルなのかフィクションなのか想像でしかないが、ロマンがありとてもよかった。
この作品は、クリストファー・ノーラン監督の才能に改めて感動するものになった。
クリストファー・ノーランらしい、宇宙を舞台にしたSFの物語である。壮大な舞台設定ではあるが、メインとしては親子愛を描いているため、作品の中に没入してしまう。壮大だからこそ親子愛が引き立っていたのだ。
確かに専門用語が多く理解が難しい場面も多々あったが、終盤にはうまく回収してくれるため、観終わった後のモヤモヤ感もない。
ここまでスケールの大きい話であるにも関わらず、繊細で丁寧なストーリーを作り上げるクリストファー・ノーランは、さすがの一言である。
この難しい設定と用語が出てくる割に説明や描写が足りず理解しづらいところがある。最後のブラックホールに入って全てが分かって何となく脱出できちゃうあたりなんかは正直釈然としない。しかし、淡々とした雰囲気と構成の中に「父と娘の愛」という情熱を感じる素敵なストーリーではあった。宇宙をテーマにしたSF映画として見るより、親子愛の映画だと言われた方がしっくりくる映画かなと感じる。
また、最後に移住が終わったのではなくまだ宇宙ステーションにいること、そしてアメリアが恋人を追って人が住めるであろう星(何も無くても呼吸ができるので)に辿り着き、そこへ主人公が向かうこと。この2点から最後まで語らない監督の手腕が見える。
クリストファー・ノーランは視覚的に観客を楽しませることが出来る監督です。2010年の『インセプション』は夢の中の夢の中の夢の中の……という複雑な世界観を表現することに成功しており、あの傑作を生み出した監督なら金さえあれば何でも表現できるよね、と思っています。で、本作では惜しみなく制作費をつぎ込んで、一般人には到底理解できないSFを完成させることに成功したのです。正直言って、私には全く理解できないシーンばかりでしたが、『2001年宇宙の旅』を観た時と同じような感想を抱きました。
非常に感動的なストーリーです。軸になるのは親子愛。クーパーとマーフィーが訪れた新生NASAの施設で地球を救う計画を知り、家族と人類の未来の為に地球を飛び立つ。愛しい子どもたちともう二度と会えないかもしれない危険な旅です。クーパーに宇宙へ行ってもらいたくないマーフィーと、マーフィー達を守りたいがために宇宙へ行く決意をしたクーパーは仲違いしたまま離れ離れになってしまうわけですが……。オチはなんだか、『幸福の黄色いハンカチ』を思い出すような感じでした。『戦火の馬』とか。ああ、感動した。
近年のSF映画の中ではナンバーワンではないかと思います。『ゼロ・グラビティ』はいわゆるSF映画とはちょっと異なる映画でしたし、『インセプション』は一応地球が舞台でした。本作のように、宇宙を舞台にした完璧なSF映画というのは、不勉強な私が言うと怒られそうですが、ひょっとしたら『2001年宇宙の旅』以来なのかもしれません。もう宇宙SFが好きで好きでたまらないんだ!という人は、本作にきっと満足することでしょう。SFならなんでも好き、という雑食な人も、本作を気に入るでしょう。SFへの理解がちっともない人でも、本作を気に入るでしょう。なぜなら、本作はSFとしても1流であり、なおかつドラマとしても1流だからです。