この記事では、映画『依頼人(2011)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『依頼人(2011)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『依頼人』の作品情報

上映時間:123分
ジャンル:ミステリー
監督:ソン・ヨンソン
キャスト:ハ・ジョンウ、パク・ヒスン、チャン・ヒョク、ソン・ドンイル etc
映画『依頼人』の登場人物(キャスト)
- カン・ソンヒ(ハ・ジョンウ)
- 弁護士。元検事。弁護士としては優秀だが、捜査手段が荒っぽいため、検事達から嫌われている。殺人罪で逮捕されたハンの弁護を担当することになる。
- アン・ミンホ(パク・ヒスン)
- 検事。カンとは友人だが、立場上対立することがよくある。正義感が強く、犯人を逮捕するために手段を選ばない。父は弁護士。
- ハン・ チョルミン(チャン・ヒョク)
- 映画現像会社の課長。妻殺害の容疑をかけられ、逮捕される。かつて西北婦女殺人事件の容疑者として、取り調べを受けたことがある。無表情で冷静。現像所で長時間薬品に浸かり、1日何百回も手を洗うため、指紋がない。
- チャン・ホウォン(ソン・ドンイル)
- ブローカー。カンにハンの弁護を依頼する。カンと共にハンの事件を調査する。
- ソ・ジョンア(ユ・ダイン)
- ハン・ チョルミンの妻。精神的に不安定で、精神科に通っている。母は威圧的な人だったため、親子関係はあまり良くなかった。
映画『依頼人』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『依頼人』のあらすじ【起】
ハン・ チョルミンが家に帰ると、マンションの前は警察や救急車、多くの野次馬でごった返していた。不思議に思いながらも自宅に帰ると、警察が部屋の中を調べていた。寝室のベッドには、夥しい血が付着していた。ハンは訳が分からないまま、妻を殺害した容疑で逮捕される。
2010年12月9日、深夜12から1時の間に、ハンの妻ソ・ジョンアは殺害された。警視庁はハンが妻を殺害した後自家用車で遺体を遺棄し、未明5時頃に出張帰りを装って自宅に帰ったところを逮捕したと記者発表した。ハンは日頃から妻に執着をしており、4日前に離婚を切り出されたことが殺害の動機と思われた。
元検事で弁護士のカン・ソンヒは、ブローカーのチャン・ホウォンに頼まれ、ハンの弁護を担当することになった。事件の詳細を聞く限り、ハンが犯人である可能性は高いため、カンは乗り気ではなかった。だが、犯人であるはずのハンが、自殺未遂を起こす。カンが様子を見に行くと、ハンはベッドに蹲り塞ぎ込んでいた。
カンはハンの事件について調査を行った。事件当夜、ハンは結婚記念日を祝うため、花束を持って帰っていた。殺害した妻のために花束を購入するのは不自然だった。また、ジョンアの遺体は見つかっておらず、現場に残されたのは血まみれのベッドだけだった。あるのは状況証拠だけで、外部侵入の痕跡もなく、証拠は何もなかった。さらに、事件現場にはハンの指紋や髪の毛、上皮細胞すら残されていなかった。しかも、ハン自身の手に、指紋がなかった。
ハンは妻に男の影があったことを、カンに話した。何度も妻が電話をしていたことで、浮気を疑っていたのだ。ハンはそのことを担当刑事に話していた。だが、カンが調書を見ても、そのことは書かれていなかった。本当に妻に愛人がいれば量刑が軽くなる可能性があるため、カンは担当検事のアン・ミンホに通話記録を見せてくれと頼んだ。しかし、遺体もないのに証拠を見せることはできないと断られる。
映画『依頼人』のあらすじ【承】
カンは現場発見から起訴まで、一挙に行われた点に疑問を抱く。1時半に現場が発見され、5時には逮捕されていた。現行犯逮捕だが、証拠は状況証拠しかなかった。それなのに検察が短時間で起訴をしたのは、国策捜査である可能性が高かった。そして、不審な点が2つあった。1つは、証拠リストに防犯記録がないこと。もう1つは、ハンの家の照明がなぜか回収されていることだった。
カンはチャンに会いに行き、ハンの車を目撃した人がいないか国道を調べてもらうことにした。事件当日、ハンは居眠りをして高速に入れず、国道を通ったと証言していた。しかも、防護柵に激突して、数時間気を失っていた。ハンの話が本当なら、ハンに犯行は不可能だった。裁判は3日後だったが、カンが陪審制を申請したため、2週間後に延期されることになった。この期間を利用して、カンはチャンに事件を洗い直してもらった。
カンはハンが暮らすマンションの管理人に会い、犯行時間なぜ管理人室を留守にしていたのか尋ねた。すると、事件当夜通報を受けて、隣の駐車場に行っていたことを教えられる。駐車場にあった車の盗難防止用のサイレンが、一斉に鳴っていたのだ。カンは警備会社に行き、監視カメラの映像を見せてもらおうとするが、既にイ刑事が回収していた。
チャンは国道を調べていたが、ハンが事故現場を覚えていなかったため、捜索は難航していた。だが、ハンが勤める映画会社から、死体の人形が盗まれていたことが判明する。その後、チャンは警察に話を聞き、速度超過で止めた無登録車のトランクに、死体の人形があったことを教えられる。
映画『依頼人』のあらすじ【転】
カンはジョンアが勤めていた会社に行き、同僚から話を聞いた。そこで、ジョンアが神経質な性格だったと教えられる。机に付いていたコップの跡を、一心不乱に拭き取るほどだった。また、ジョンアは母親から結婚を反対されていた。母親は娘に対して執着心が強く、娘を物扱いしていた。また、ジョンアは夫以外付き合ったことがなく、夫の浮気を疑っていた可能性があった。ジョンアは心の病を抱えており、病院に通院していた。そして、3日ほどハンが家を空けたときから、症状が悪化していた。
カンはイ刑事を、証人喚問に呼ぶことにした。すると、事件に巻き込まれたくないイ刑事が接触して来て、アン検事に監視カメラの映像を渡したことを話した。イ刑事は証人喚問を取り下げることを条件に、防犯記録を盗んでくることを約束した。しかし、それに気づいたアン検事は、イ刑事を尾行するよう手配した。イ刑事は恐れをなし、盗みを中止した。
カンが家に帰ると、玄関のドアが開いており、封筒が部屋の中に置かれていた。カンはその封筒を確かめた後、チャンを呼び出した。封筒の中にあったのは、西北婦女殺人事件の取り調べ記録だった。西北婦女殺人事件とは、アルバイト帰りの女子高生が、公園で遺体となって発見された事件だった。犯人は女性を乱暴した後、頭を打ちつけて殺害していた。証拠は何もなく、現場には被害者の遺留品しかなかった。連続殺人事件を危惧した警察は捜査官を総動員し捜査に当たったが、未だ犯人は捕まっていなかった。しかし、非公開の容疑者がいた。警察は犯人だと確信していたが、証拠不十分で釈放された。それが、ハンだった。
カンは西北婦女殺人事件で、ハンの犯行を否定したチェ教授に話を聞きに行った。警察がハンを疑ったのは、ハンに指紋がなく、3日間の取り調べも動揺せず落ち着いていたからだった。物的証拠は何もなかった。しかも、目撃者はハンを見たと言っていたにも関わらず、その後証言を翻していた。警察はチェ教授に依頼し、ハンをウソ発見器にかけけることにした。その結果、ハンが犯人ではないと判断され、釈放されたのだ。その事件を担当した検察官は、アン検事だった。カンはハンに会いに行き、西北婦女殺人事件のことを話さなかったことを責めた。そして、腹を割って話せと怒鳴りつけた。すると、他の人と同じように、妻を殺した犯人だと疑っているため話さなかったと告げられる。ハンは初めて妻の殺害を否定した。しかし、カンはハンへの疑いを拭いきれなかった。
映画『依頼人』の結末・ラスト(ネタバレ)
アンは広域捜査隊の元刑事である、ソを証人喚問に呼んだ。ソは西北婦女殺人事件の後、刑事を辞めて独自に追跡捜査を行っていた。ソはハンの家の照明に盗聴器を付けているときにジョンアが帰宅して来たため、西北婦女殺人事件の捜査を行っており、ハンが犯人だと確信していることを説明していた。話を聞いたジョンアはソに協力を約束しており、西北婦女殺人事件の証拠を持っていると話していた。その夜、ジョンアは殺されてしまったのだ。ソはハンを尾行していたが見失ってしまい、自宅で血まみれのベッドを発見する。通報したのはソだった。
チャンは自動車事故を目撃した男を発見し、裁判所まで連れて行った。その男は国道沿いで小売店を経営していた。男は証言台に立つと、息子が自動車にぶつかり足を引きずりながら帰って来たことを話した。店の外を見ると車が止まっていたので、男は声を掛けに行くが、車はそのまま走り去ってしまう。だが、男は車のナンバーを控えていた。そのナンバーはハンの車のナンバーだった。しかし、チャンは証人の男を説得するときにお金を渡すことを約束していたため、不法証拠買収の疑いがあるとして、男はそれ以上証言できなくなる。このままでは裁判に負けてしまうため、カンはわざとハンを問い詰め、ハンの感情を爆発させて陪審員の同情を買うことにした。ハンはカンから犯人ではないのかと問い詰められ、涙ながらに西北婦女殺人事件で疑われても耐えられたのは、妻がいるからだと話した。ハンの手に指紋がないのは、現像所で長時間薬品に浸かっているため、1日何百回も手を洗っているからだった。
陪審員の意見が分かれたため、裁判長が最終的に判決を決めることになった。その結果、ハンは無罪となった。カンはハンの手を握り、無罪を喜んだ。ハンはカンに頭を下げ、礼を伝えた。だが、カンはチャンから送られてきたダムの写真を見て、表情を硬くする。そのダムはかつてハンが妻と写真を撮った場所で、自動車事故を目撃した男が経営している小売店の近くだった。息子は止まっていた車にわざとぶつかり、父親は息子を庇うために嘘の証言をしていたのだ。息子はハンがダムから上がってくるところを目撃していた。
西北婦女殺人事件もソ・ジョンア殺人事件も、犯人はハンだった。ハンはソに尾行されていることに気づいており、わざとスピードを上げてソの車が警察に止められるように仕向けた。そして、ソの車のトランクに死体の人形を入れて、取り調べが長引くようにしたのだ。マンションの駐車場に停車していた車の警報器を鳴らしたのも、ハンだった。ジョンアは夫の無実を信じていたため、結婚記念日に料理を作って待っていた。だが、被害者女性の欠けた歯を発見してしまい、夫の犯行を確信したのだ。ジョンアは泣きながら夫を問い詰め、殺されてしまう。カンは遺体をどうやって運んだのか尋ねるが、ハンは話をはぐらかした。しかし、カンは諦めずに問い続けた。ハンは包んだ遺体をベランダから放り投げていた。話し終えたハンは自らもベランダから飛び降りようとするが、カンが助け、待機していた刑事が逮捕した。
カンはハンとの会話を録音しており、それをアンに預けた。
映画『依頼人』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
遺体なき殺人事件、さらに不審な夫の存在、気になる要素がぎゅっと詰まっていて、冒頭から物語に引き込まれる作品だった。逮捕された夫だけでなく検察や警察の動きも怪しく、誰が本当のことを言っているのか、事件の裏に一体何が隠されているのか、推理しながら楽しめた。怪しげな登場人物達の中、主人公のカン・ソンヒが真っ直ぐな人物だったため、好感が持てた。ミステリー作品が好きな方におすすめしたい作品。(女性 30代)
あまり見たことの無い「法廷」を舞台にしたサスペンス作品。難しい内容だと思い敬遠していましたが、実際見てみるととても分かりやすく、見応えのある作品で一気に法廷物が好きになりました。
明るい世界観ではないし、誰が犯人か分からないまま進むストーリーはハラハラドキドキ緊張感がすごいです。法廷で繰り広げられるバトルはとにかく見て欲しい。迫力とスピード感のある展開に、呆気に取られてしまいました。(女性 30代)
法廷劇としての緊張感が非常に高く、最後まで目が離せない作品でした。遺体が見つからない状況で被告を有罪にしようとする検察と、それに対抗する弁護士の攻防が見応え十分です。特にラストで真犯人が明らかになる展開はカタルシスがあり、これまでの伏線が一気に回収される感覚が気持ちよかったです。(30代 男性)
被告人が無実を訴え続ける姿に、観ている側も揺さぶられました。証拠がない中での裁判はどこか不安定で、どちらが真実なのか分からないまま進むのが印象的です。最後に真実が明かされることで、正義とは何かを改めて考えさせられる作品でした。(20代 女性)
ストーリーの構成が非常に巧妙で、途中まで完全にミスリードされていました。被告人の態度や証言が曖昧で、観る側も疑いながら見てしまうのですが、終盤での逆転は見事でした。法廷劇としての完成度が高く、非常に満足度の高い作品です。(40代 男性)
人間の心理戦が中心となる作品で、派手さはないものの非常に引き込まれました。弁護士の粘り強い戦いと、検察側の圧力がリアルに描かれており、緊張感が途切れません。最後の真相が明らかになる場面は鳥肌が立ちました。(30代 女性)
最初は静かな展開でしたが、徐々に緊張感が高まっていく構成が見事でした。証拠のない事件でここまで観客を引き込むのはすごいと思います。ラストのどんでん返しは予想外で、観終わった後にもう一度見返したくなる作品でした。(20代 男性)
法廷のやり取りがとてもリアルで、まるで実際の裁判を見ているようでした。被告人の表情や態度から真実を読み取ろうとする展開が興味深く、観る側も判断を迫られるような感覚になります。最後に明かされる事実は衝撃的でした。(50代 女性)
無実か有罪かというテーマが一貫して描かれており、最後まで緊張感が続きました。証拠が乏しい中での裁判の危うさや、人間の思い込みの怖さがよく表現されています。ラストの展開で一気に評価が上がる作品だと感じました。(30代 男性)
登場人物それぞれの思惑が絡み合い、単純な善悪では語れない物語でした。特に弁護士の信念と葛藤が印象的で、彼の行動に説得力があります。最後に真実が明かされたときの驚きは大きく、非常に印象に残りました。(20代 女性)
映画『依頼人』を見た人におすすめの映画5選
評決のとき
この映画を一言で表すと?
正義とは何かを問う、魂を揺さぶる法廷サスペンス。
どんな話?
娘を暴行された父親が犯人を射殺し、裁判にかけられる物語。弁護士は彼の行為が正当防衛か、それとも犯罪かを巡り法廷で戦う。人種問題や倫理観が複雑に絡み合い、単純な善悪では語れない重厚なドラマが展開される。
ここがおすすめ!
観る者の価値観を試すようなテーマが魅力で、法廷の緊張感と人間ドラマが見事に融合している。「依頼人」と同様に正義の曖昧さや裁判の難しさが描かれており、最後まで目が離せない展開が続く。
真実の行方
この映画を一言で表すと?
衝撃のラストがすべてを覆す、極上の法廷ミステリー。
どんな話?
司教殺害事件の容疑者となった青年を弁護することになった弁護士が、彼の無実を信じて裁判に挑む。しかし裁判が進むにつれ、事件の裏に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
ここがおすすめ!
ラストのどんでん返しは映画史に残る衝撃で、「依頼人」のように最後に真実が明かされる構成が好きな人におすすめ。心理戦と法廷劇が絶妙に絡み合い、観終わった後に強烈な余韻を残す。
告発のとき
この映画を一言で表すと?
隠された真実を暴く、重厚な社会派サスペンス。
どんな話?
戦地から帰還した兵士が不可解な死を遂げ、その真相を追う父親の姿を描く。軍内部の秘密や隠蔽が明らかになっていく中で、家族の絆と正義の意味が問われる。
ここがおすすめ!
事件の裏にある社会構造や権力の問題に切り込む点が魅力。「依頼人」と同じく真実を追い求める過程が緊張感に満ちており、静かながらも深く考えさせられる作品となっている。
リンカーン弁護士
この映画を一言で表すと?
駆け引きと策略が交錯する、痛快リーガルサスペンス。
どんな話?
車を事務所代わりにする弁護士が、裕福な依頼人の弁護を引き受けるが、事件の裏に潜む真実に気づき葛藤する。依頼人を守るべきか、それとも真実を追うべきかという選択に迫られる。
ここがおすすめ!
テンポの良い展開と巧妙なストーリーが魅力で、観る者を飽きさせない。「依頼人」と同様に弁護士の視点から描かれる駆け引きや真実の暴き方が面白く、エンタメ性も高い一本。
殺人の追憶
この映画を一言で表すと?
未解決事件の闇に迫る、重厚なクライムサスペンス。
どんな話?
韓国で実際に起きた連続殺人事件を題材に、刑事たちが犯人を追い詰めていく姿を描く。捜査が難航する中で、焦りや葛藤が積み重なり、真実に辿り着けない現実が浮き彫りになる。
ここがおすすめ!
犯人が分からないまま進む不安と緊張感が圧倒的で、「依頼人」のように真実が曖昧なまま揺れ動く展開が好きな人に刺さる。人間の弱さや社会の限界を描いた深みのある作品。



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