この記事では、映画『情愛中毒』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『情愛中毒』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『情愛中毒』の作品情報
上映時間:132分
ジャンル:ラブストーリー
監督:キム・デウ
キャスト:ソン・スンホン、イム・ジヨン、チョ・ヨジョン、オン・ジュワン etc
映画『情愛中毒』の登場人物(キャスト)
- キム・ジンピョン(ソン・スンホン)
- ベトナム戦争では英雄と讃えられた大佐で、現在は軍の高級官舎に妻と二人で暮らしている。物静かでクールだが、熱血な男。人に好かれる性格。
- チョン・ガフン(イム・ジヨン)
- ジンピョンに憧れている部下・キョンの華僑の妻。控えめで美しい女性。
映画『情愛中毒』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『情愛中毒』のあらすじ【起】
キム大佐はベトナムでは英雄と讃えられた男、その噂は軍で知らないものは無く常に憧れの存在としてとらえられていた。
しかも彼は上官の娘と結婚し、立場も未来も保証されている。
ある日そんな彼の元に、一人の部下が配属されてきた。
名はキョンと言い、キムに憧れている一人である。
配属の自己紹介で自分の妻であるガフンとキムが同じ誕生日であることを伝えたキョンだったが、その時は勿論何も興味が無いキムは笑って流していた。
その夜自宅に戻ったキムは、妻から近くに官舎に越してきたキョン夫妻の話を聞く。
昼間キョンの妻に挨拶をした際、キョンの家の玄関に鳥かごがいっぱいあって不思議だと感じたというのだった。
キムはキョンから妻が華僑の出身であることを聞いていた為、そのせいではないかと言った。
寝付けない夜、キムは何気なく家の外に出て散歩をする。
ふと鳥のさえずりが聞こえ、寄ってみると鳥かごがいっぱいかかっている一軒の官舎。
そこがキョンの自宅である。
遊び心からキムは吸っている煙草の煙を鳥に吹きかけたその時、キョンの妻・ガフンが「鳥が嫌がっている」と怒った様子で注意した。
キムは素直に謝り、その日は終わった。

映画『情愛中毒』のあらすじ【承】
官舎に暮らす軍人の妻達は、夫のため、評価のためとナイチンゲールに扮した白衣の格好で軍病院に慰問に行くことに決める。
同行したキムは、病室での様子を見守っていた。
そこにキムの妻が世話をしていた入院患者が急にメスをとり、彼女を傷つけようとした。
それにいち早く気がついたガフンは、すぐにキムの妻を押しのけたが代わりに自分が捕まってしまう。
キムは説得を繰り返し何とか事は収まったが、キムと患者でもみ合ったはずみで発砲した銃の弾がガフンに当たってしまった。
責任を感じ入院先に花を持って見舞いに来たキムは、その日少しだけガフンと話し彼女の魅力に引き込まれていく。
その後家族ぐるみでピクニックに出かけたキムとガフンは、ひょんなことで二人きりになる時間が出来た。
そこでガフンのことが頭から離れないと素直に話すキムに、心が動いていくガフンだったが夫の上司である彼とは一線を越えてはいけないという思いもあり、こわばった表情でキムを見つめる。
帰り道の車内、バックミラー越しに目が合う二人だった。
映画『情愛中毒』のあらすじ【転】
そんな二人の関係が一気に近づく。
ある雨の日、約束をした二人。
迎えに来たキムの車に黙って乗り込んだガフンを乗せて走り出すと、人気の無い林の中に車を停めた。
その中で静かに見つめ合う二人はお互いの感情を抑えることが出来ず、関係を持ってしまう。
それ以降、デートを繰り返し二人は本気でお互いを愛していくようになった。
その中でガフンとキョンの関係を彼女の口から聞いたキム。
二人は女中と主人のような関係で暮らしており、13歳の時に無理矢理犯されたという。
その後は結婚しても身体の関係は無いのだと言った。
そんなある日のこと。
キム大佐が精神安定剤を飲んでいるという事実が、軍の上層部に明らかになりよからぬ噂で彼の立場は危ぶまれるようになる。
他の部下が出世し、キムはもう退役せざるおえないと思われていた。
私物を軍の部屋から持ち帰ったキムは、自宅で自分の出世パーティーを開催する妻のサプライズに遭遇。
以前接待した大統領に気に入られたキムは、将軍に昇進しソウルに来ないかと言う話しが出たのだった。
映画『情愛中毒』の結末・ラスト(ネタバレ)
そのパーティーでキムの昇進が祝われたのは勿論、それ以外にも報告があった。
それは彼の妻が妊娠したことである。
ガフンも出席していたそのパーティー。
盛り上がる中、ガフンだけは笑顔は無く外で皆の肉をひたすら焼いていた。
酒を相当飲んだキムは庭で肉を焼くガフンの元に行き、キョンを将軍補佐に推薦しソウルにつれて行くと話した。
そうすれば自動的にガフンもソウルに来ることになるからというのと、キョンにせめてもの罪滅ぼしをしたいという思いからだった。
しかしガフンは行かないと拒否し、別れを切り出す。
もう逢わないと何度も思ったが、気持ちが切り替えられなかったガフン。
しかし今回の彼女の気持ちは強そうだった。
何事も無いように焼いた肉を部屋に届けに行ったガフンを追い、泥酔していたキムは妻も同僚もいる席でガフンに二人の関係についての不満をぶちまけてしまう。
妻は愕然とし、その後義父である上官に1年間ベトナムに行って来いと冷たく言われた。
しかしキムはもう軍には残れないと覚悟を決めている。
ガフンの自宅を訪れたキムは、彼女に「自分のことを本当に愛していたか?」「今も愛しているか?」と聞いた。
泣きながら頷くガフンに満足したキムは、拳銃で左胸を撃ち倒れる。
2年後、キム少佐の妻として官舎に暮らすガフン。
そこに来客が来る。
彼らはガフンに「キムという人物がベトナムの国境でガイドをしている最中、流れ弾にあたり死んだ」と伝えに来たのだった。
彼は2年前何とか一命をとりとめ、軍を辞めていた。
泣き出すガフンに男は、彼が死ぬ前にポケットから取り出しそれを見ながら微笑んで死んでいったという写真を渡す。
それはガフンとキム、二人で撮った幸せな時代の写真だった。
映画『情愛中毒』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ソン・スンホンが好きな人にはたまらない作品です。本国では有名すぎる不倫映画。ストーリーもただの不倫なのですが、ソン・スンホンが演じているから美しくとてつもなく情熱的に感じてしまいます。
韓国は日本よりも性に対する規制が厳しい印象ですが、映画の中で男女の絡みを描くシーンがとても濃密なのは何故なのでしょう。ストーリーが頭に入ってこないほどエロティックなシーンもありますが、不快な厭らしさでは無く美しいので世界観に浸りながら見て欲しい作品です。(女性 30代)
静かな軍のエリート将校と部下の妻との禁断の愛を描いた物語で、想像以上に濃厚で切ない展開でした。最初は抑制していた二人が、どうしようもなく惹かれ合い関係を深めていく描写がとてもリアルでした。ラストで主人公が地位も家庭も失い、彼女とも離れざるを得ない結末は苦く、まさに“愛に溺れる”ことの代償を示していました。映像の美しさと役者の熱演に圧倒されました。(20代 男性)
主演二人の化学反応がすさまじく、画面から熱が伝わってくるようでした。特に深夜の雨のシーンや、密会の場面は愛欲と罪悪感が交錯していて観ていて息苦しさすら感じました。社会的立場や規律に縛られた軍隊という舞台が、禁断の愛をより悲劇的に演出していると感じます。最後に主人公が全てを失い、ただ一人取り残される姿に胸が締め付けられました。(30代 女性)
この映画は「愛と欲望の代償」を徹底的に描いた作品だと思います。主人公が軍人としての責務よりも愛に流されていく姿は、同情よりも愚かさが強く映りました。けれども、それでも惹かれ合う二人を止められないのが人間らしく切ない。美しい映像に加え、余白を大切にした演出が印象的で、観終わった後もしばらく余韻に浸りました。(40代 男性)
韓国映画らしい濃厚なラブシーンと、抑制された社会的背景が対照的で強い印象を残しました。エリート将校として完璧に見えた主人公が、愛に身を任せることで一気に転落していく過程は衝撃的です。ヒロインの複雑な表情や揺れる感情もリアルで、ただの不倫映画ではなく「人間の弱さ」を真正面から描いた作品だと感じました。最後の虚しさが強烈でした。(20代 女性)
軍隊社会を背景にしている点がユニークで、規律や名誉といった価値観と恋愛感情が真っ向からぶつかり合う構造は見応えがありました。主人公が自分の感情を止められず破滅していく姿は、まさにタイトル通り「中毒」的。ハッピーエンドではない結末ですが、その徹底した苦さが逆に心に残りました。大人向けのシリアスなラブストーリーとして完成度が高いと思います。(50代 男性)
映像の色彩や美術が美しく、恋愛の甘美さと同時に不穏さを漂わせていたのが印象的でした。二人の逢瀬の場面は情熱的でありながらどこか破滅の匂いがあり、観客としては「止めろ」と思いつつも惹き込まれてしまいます。最後に彼が軍の地位も家庭も全て失い、一人残される姿は哀れでありながら、人間の愛欲の真実を表しているようでした。(30代 女性)
俳優たちの演技力がこの映画を特別なものにしていると感じました。特に主人公の抑制された軍人から愛に溺れていく変化は圧巻。ヒロインの揺れる表情も、愛と罪悪感を同時に感じさせ、説得力がありました。不倫というテーマは陳腐になりがちですが、社会的背景と役者の熱演で重厚な人間ドラマに仕上がっていました。観終わった後に重たい余韻が残ります。(40代 女性)
本作は「一度踏み外した愛」がどれほど人生を狂わせるかを描いています。主人公は軍の英雄から転落者へ、そして彼女もまた愛と罪に引き裂かれていく。観客にとって救いはなく、ただ「人間のどうしようもなさ」を突き付けられます。その徹底したリアリティと虚しさに、観終わった後も心がざわつき続けました。大人のための切ない映画です。(20代 男性)
恋愛映画でありながらサスペンス的な緊張感がある点も魅力でした。二人の関係が周囲にばれるかどうか、軍という閉じられた社会の中での密やかな駆け引きにドキドキしました。特に上官の妻という立場が重く、禁断感をより強烈にしていました。結末は決して甘くなく、愛に溺れた代償の重さが突き刺さります。映像と演技の力に圧倒されました。(30代 男性)
映画『情愛中毒』を見た人におすすめの映画5選
密愛
この映画を一言で表すと?
禁断の関係に翻弄される男女の切ない愛憎劇。
どんな話?
結婚を控えた女性が、偶然再会した初恋の人と不倫関係に陥ってしまう物語。家庭と情熱の狭間で揺れ動く彼女の心情が丁寧に描かれ、愛と罪悪感に引き裂かれる人間ドラマが展開されます。観る人の心を強く揺さぶります。
ここがおすすめ!
愛欲と道徳の狭間でもがく女性をリアルに描写しており、心理描写の深さが圧倒的です。『情愛中毒』同様、禁断の愛に身を焦がす登場人物たちの姿が鮮烈で、観終わったあとに切なさと余韻が長く残る作品です。
スキャンダル
この映画を一言で表すと?
欲望と裏切りが交錯する大人の心理サスペンス。
どんな話?
華やかな上流社会に生きる男女が、それぞれの利害と欲望のために秘密の関係を結び、やがて予想外の悲劇に巻き込まれていく物語。美しい表の顔の裏に隠された醜さと激情がリアルに描かれています。
ここがおすすめ!
華麗な映像美と濃密な人間模様が交わり、ただの恋愛映画にとどまらないスリルがあります。『情愛中毒』と同じく、愛が破滅をもたらす恐ろしさを描いた作品で、禁断の愛の危うさを堪能したい方におすすめです。
ハウスメイド
この映画を一言で表すと?
欲望の連鎖が家族を壊していく衝撃の愛憎劇。
どんな話?
富裕層家庭に雇われた若い家政婦が、雇い主である夫と関係を持ち、家庭全体を揺るがす悲劇が起こる物語。欲望に支配された人間たちの心理と、社会的階級の歪みが鋭く描かれています。
ここがおすすめ!
美しい映像の裏に潜む緊張感と、予想を裏切る展開が観客を圧倒します。愛と裏切りが複雑に絡み合い、やがて破滅へと突き進む構図は、『情愛中毒』の切なさや危うさと重なり、強烈なインパクトを残す作品です。
セクレタリー
この映画を一言で表すと?
愛と支配が絡み合う倒錯的ラブストーリー。
どんな話?
一見地味な秘書が、厳格な上司との倒錯した関係にのめり込み、自らの欲望と愛を見つけていく物語。支配と服従、愛と依存が絡み合い、奇妙ながらも純粋な恋愛が描かれます。
ここがおすすめ!
タブーをテーマにしながらも人間の愛の形をユニークに描き出しており、挑発的でありながら感動的です。『情愛中毒』で描かれる危険で抗えない愛に心を動かされた人には、より新しい愛の形を考えさせてくれる作品です。
ラスト、コーション
この映画を一言で表すと?
愛と裏切りが交錯する戦時下の禁断ラブストーリー。
どんな話?
第二次大戦下の上海で、抗日運動に身を投じた若い女性が、暗殺対象である高官と恋に落ちてしまう物語。任務と愛情の間で揺れる彼女の姿は切なく、最後には悲劇的な結末を迎えます。
ここがおすすめ!
官能的な描写と緻密な心理描写が融合し、観る者を強く惹き込みます。歴史的背景を持ちながらも、核心にあるのは人間の情欲と脆さ。『情愛中毒』のような危険な愛に心を動かされた人に強くおすすめできる名作です。
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