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映画『吉祥天女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『吉祥天女』の概要:2006年製作の日本映画。金沢を舞台に土地に伝わる天女伝説をモチーフに、不思議な魅力のある少女が自分の不幸な生い立ちを恨みながらも、周囲の人と新しい関わりを持っていこうとするサスペンスドラマ。

映画『吉祥天女』の作品情報

吉祥天女

製作年:2006年
上映時間:116分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:及川中
キャスト:鈴木杏、本仮屋ユイカ、勝地涼、市川実日子 etc

映画『吉祥天女』の登場人物(キャスト)

叶小夜子(鈴木杏)
12年間親戚の家に預けられて、再び戻って来た叶家の孫娘。
長い黒髪に何かを見透かしているような大きな瞳は、人を魅了していく一方で恐怖さえ感じさせていく。
麻井由似子(本仮屋ユイカ)
小夜子が転校した際、仲良くなる友人の1人。能に興味がある明るく優しい女性。
遠野涼(勝地涼)
叶家と昔から因縁がある家柄の養子。両親を事故で亡くし、叔父の家に引き取られた。
遠野暁(深水元基)
遠野家の長男であり小夜子の婚約者。どんどん小夜子に惚れていき精神崩壊に追い込まれていく。

映画『吉祥天女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『吉祥天女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『吉祥天女』のあらすじ【起】

5歳の時に親戚の家に送られた小夜子が叶家に戻って来た。
彼女の黒髪は長くて美しく、その大きな瞳は見つめられると誰もが心を透かして見られてしまうような感覚に陥る。

転校した初日、隣に座っている由似子に「麻井さん宜しくね」と、会ったばかりのなのに名字を呼んだ小夜子を由似子は不思議に思う。
しかし明るい由似子たちと小夜子はすぐに仲良くなり、その日から一緒に過ごすようになっていった。

小夜子の家の叶家は地元ではかなり有名な盟主の家柄で、近隣の土地は全て彼らのものであると言っても過言では無い。
運転手付きの車に送迎されて通学する小夜子を遠くから見ているのは、遠野家の男達だ。

長男の暁は叶家の嫁いだ叔母の策略で、小夜子と婚約することになっている。
不動産関係の仕事に力を入れている遠野家は、叶家と親戚関係を深めることで所有する土地を自分たちのものにしたかったのだ。

その話しを暁から聞いた涼は自分には関係ないと言った風に、彼の話は聞き流していた。
なぜなら彼は事故で両親を亡くし、従兄弟である暁の家に養子として迎えられた間柄であり直接の血筋では無かったからだった。

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映画『吉祥天女』のあらすじ【承】

ある日、校内で理科室に呼ばれた小夜子は、そこで教師に襲われてしまう。
実は襲われたわけではなく小夜子は仕組んだことだったのだが、廊下に逃げた際近くに居た涼に助けを求めた。
涼は校内で起こった尋常では無いトラブルに巻き込まれながらも、背中に隠れている彼女のぎらっと光る目を確かに見る。

一方で由似子の姉は大学の専攻上、叶家の財宝や天女伝説について興味があり調べさせてもらえるように頼みに行く。
天女伝説とは、昔美しい天女に狂った男達が天女を襲い、その襲った男は全員死んだという伝説である。
叶家の女性達はこの天女の末裔であると言われていた。

また、村にある天女の羽衣が納められている神社は小夜子が5歳の時に家事で無くなっていた。
中には叶家の当主が遺体で発見され、直後に小夜子は親戚に引き取られている。
そのことにロマンを感じ興奮する由似子の姉は、益々叶家に興味を持つ。
財宝の調査の了承を得た彼女はその日から蔵で様々な財宝を調べるのだが、ある日その中であの教師の遺体を発見してしまう。

映画『吉祥天女』のあらすじ【転】

次第に小夜子の周りで気味の悪い出来事が増えていった。
ある日、小夜子が母親の部屋に行くと悲しみに暮れている姿が目に飛び込んできた。
どうしたのかと尋ねると、祖母のあきが急死したと知らされる。
実はついこの前に、叶家の遺産を小夜子に譲ることにしたと言ったばかりであった。

小夜子はショックを受け、どうしてこんなことになったのかと信じられない。
葬儀の時小夜子を心配する涼だったが、彼女は既に暁と小夜子は婚約していた。
しかも暁は次第に小夜子に本気になっていったため、涼に小夜子に近づくなと釘を刺した。
小夜子は暁と身体の関係を持ち、完全に骨抜きにされている。
暁の婚約を喜ぶ一方で涼は複雑だった。

その矢先のこと。
遠野家から嫁に来ていた浮子おばさんが酒を飲み、亭主と話しているのを盗み聞きしてしまった小夜子は事実をしり愕然とする。
実は浮子があきを殺害していたのだ。
祖母を殺害したという事実を知ってしまった小夜子は、のんでいる酒に毒を盛り殺害してしまう。

映画『吉祥天女』の結末・ラスト(ネタバレ)

遠野家に出かけた小夜子は、暁が不在の時を狙い彼の父親と居間にいる。
そこへ戻って来た暁はヤキモチを焼いたことから、父親をナイフで刺し殺してしまった。
それに怯える小夜子だったが、暁は止まらない。

神社にお参りに来ていた由似子に銃を突きつけて人質にとり、小夜子を呼び出そうと考えた。
暁は小夜子をも手にかけようと思っていたが、小夜子を守ろうとやって来た涼が弾みで撃たれ死んでしまう。
小夜子は涼が好きだった。
涼も彼女が好きだったのだ。

その後警察が到着し暁も銃で殺され、結局全員死んでしまう。
霊安室で涼にそっとキスをする小夜子。

小夜子が何故5歳で親戚に預けられたか。
それは叶家に養子として迎えられ頭首になった男は、幼い少女を囲っては性犯罪を繰り返していた。
その犠牲になろうとした小夜子は、用意していたはさみで彼の喉を刺し殺したのだった。
そのことを明るみにしないため、離れていたのである。
その様子を実は幼少の時の由似子が目撃していた。
だから2人は知り合いだったような感じがしていたのだ。

街を立つ小夜子を笑顔で見送りに来た由似子は、小夜子が本当に大事な友であるようだった。
小夜子は涼のたった1人の妹を連れて、旅にでることにする。

映画『吉祥天女』の感想・評価・レビュー

鈴木杏に勝地涼、そして「小夜子」と言う主人公の名前。ピンと来た方もいるかと思いますが、私は今作の内容を知る前から『六番目の小夜子』に雰囲気が似ているなと感じていました。キャストを見た瞬間「これは…!」と物凄く嬉しくなりました。
しかし、ストーリーは『六番目の小夜子』とは違い、金沢のある土地に伝わる「天女伝説」をベースにしたサスペンス作品になっています。
鈴木杏演じる小夜子の「和」を感じさせる美しさと少し影のある雰囲気が、作品の世界観をより謎めいたものにしていて最後まで飽きずに見ることが出来ました。(女性 30代)


鈴木杏の演技は達者なのですが、叶小夜子のキャラクターにいささか合っていない気がします。本仮屋ユイカ、勝地涼の演技が初々しいですね。吉田秋生先生の原作漫画をぎゅっと凝縮した、学園ドラマのようでした。細かい部分は省略しているからか、疑問に感じる点が幾らかありました。壮大な音楽を使って、物語を一層盛り上げています。特に、ラストの『仰げば尊し』には感動しました。ロケ地は金沢ですから、昔風情漂う建造物や通りが多く映されて、大変楽しいです。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. みっぴー より:

    吉田先生の作品好きだったんですよ。このさくひんに潜んでいるドロドロした感じは、女になってから感じとることができました(笑)

    だからドラマだ映画だ、とありましたが、どっちもあさーい感じがして、落胆しました。なんか当日の女優陣には、えんじきれる人がいなかったような気がします

    日出処の天子という漫画にも、ストーリーが通うづるところがあって、奥が深い作品ですよね