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映画『ジュリー&ジュリア』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ジュリー&ジュリア』の概要:アメリカ人向けの本格的なフランス料理本を初めて出版した料理研究家のジュリア・チャイルドと、彼女を尊敬しすべてのレシピにチャレンジしたジュリー・パウエルの実話を基に製作されたアメリカ映画。2009年公開。

映画『ジュリー&ジュリア』 作品情報

ジュリー&ジュリア

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:123分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ノーラ・エフロン
  • キャスト:メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ、クリス・メッシーナ etc

映画『ジュリー&ジュリア』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『ジュリー&ジュリア』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ジュリー&ジュリア』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ジュリー&ジュリア』 あらすじ【起・承】

ジュリアの物語

1949年、ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)はアメリカの外交官をしている夫のポール(スタンリー・トゥッチ)の赴任によりパリで暮らし始める。食べることが大好きなジュリアは、パリでの生活を満喫する。

ジュリアも結婚前は政府の仕事をしており、その関係でポールと知り合って結婚した。晩婚の2人には子供ができず、ジュリアはそのことで胸を痛めていた。ジュリアは生きがいを求め、プロを養成する本格的な料理学校へ通い始める。とにかく明るくて前向きなジュリアはメキメキと料理の腕を上げ、フランス料理のレシピをアメリカ人に伝えたいと思うようになる。

そんな時、英語でフランス料理の本を作ろうとしている2人の女性と知り合い、レシピ作りを手伝って欲しいと頼まれる。ジュリアは大喜びで執筆を始めるが、ポールの任期は終わろうとしていた。パリを離れ各地を転々としながらもジュリアは根気よく執筆を続け、700ページにも及ぶ原稿を完成させる。

ところがアメリカの出版社からもっと内容を省けと言われ、契約は白紙になってしまう。ジュリアは8年間文通を続けてきたエイヴィスに悩みを打ち明けていた。亡くなった夫が小説家で出版社に顔が効くエイヴィスは協力を申し出てくれ、クノッフ社にジュリアの原稿を売り込んでくれる。

編集長はジュリアのレシピを気に入り、アメリカのケンブリッジに転居していたジュリアのもとに、クノッフ社から出版したいという手紙が届く。1961年、ジュリアのレシピは「王道のフランス料理」として出版され、長く愛されるベストセラーとなる。

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映画『ジュリー&ジュリア』 結末・ラスト(ネタバレ)

ジュリーの物語

2002年、ジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は夫のエリック(クリス・メッシーナ)とニューヨークのクイーンズに引っ越してくる。今年30歳になるジュリーは小説家になる夢を断念し、現在は公務員をしていた。ピザ屋の2階という新居にも仕事にもストレスばかり感じていたジュリーにとって、料理をすることだけが安らぎだった。

ブログを始めた友人に刺激を受け、ジュリーもブログを開設する。ブログの内容は、敬愛するジュリアの「王道のフランス料理」にある524のレシピを365日で作りきるというものにした。なんでも中途半端に諦めてきたジュリーは、エリックの応援もあって、これをやり遂げようと毎日料理を作り、ブログを更新していく。

ジュリーのブログは少しずつ人気が出始め、ブログランキングでも上位に入るようになっていく。ジュリーは有頂天になるが、料理がうまくいかないと苛立ち、エリックにも八つ当たりをする。優しいエリックもあまりにも自己中心的なジュリーに腹を立て、ついには家を出てしまう。さすがにジュリーは大いに反省し、エリックに謝罪する。

ジュリーの記事がニューヨーク・タイムズに大きく掲載される。この反響は大きく、ジュリーのもとには多くの出版社から出版の依頼が入る。しかし90歳の誕生日にジュリアを取材したという記者から、ジュリアはブログのことを不快に思っていると聞かされ、ジュリーはすっかり落ち込んでしまう。そんなジュリーをエリックは優しく励ましてくれる。そしてついにジュリーは365日で524のレシピを作り上げる。

ジュリーは心の恩師でもあるジュリアと自分を支え続けてくれたエリックに心から感謝し、2005年にブログをまとめた「ジュリー&ジュリア」を出版する。

映画『ジュリー&ジュリア』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ジュリー&ジュリア』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

共感しやすいジュリー

1960年代にアメリカでフランス料理の本を出版し、明るいキャラクターでテレビの料理番組でも人気を博した料理研究家のジュリアと、彼女を尊敬し、そのレシピにチャレンジしたブログが評判になるジュリー。本作はこの2人の女性の実話で構成されている。

ジュリーはいろいろと嫌なことや腹の立つことがあっても無心に料理をしていると心が落ち着く。この気持ちはよくわかる。それは掃除でも洗濯でもいいのだけれど、家事を黙々とこなすのは精神の安定にとてもいい。さらにブログの更新に生きがいを見出していくジュリーの姿は、多くの女性の共感を呼ぶだろう。ちょっとブログが評判になるとつい調子に乗ってしまい、夫のエリックを怒らせてしまうあたりも現実味がある。

ジュリーはどこにでもいそうな平凡な女性だ。だからこそ彼女の素直な言葉には真実味がある。タイムリーに彼女のブログを見守っていた読者は、彼女の成功をきっと喜んだことだろう。エイミー・アダムスが庶民的なジュリーをうまく演じていたこともあり、ジュリーは観客の共感を呼びやすいヒロインに仕上がっている。

パワー全開のジュリア

一方、メリル・ストリープの演じるジュリアはとにかくパワフル!高音域でのトークも笑い方も豪快だ。ジュリアには天性の明るさがある。

このジュリアの魅力をメリル・ストリープがマックスに引き出している。彼女の役作りに対する厳しい姿勢は、同じく徹底した役作りで知られるロバート・デ・ニーロも認めている。声のトーンもしゃべり方も、歩き方から食べ方まで、どこまでも“ジュリアならどうするか”を徹底的に考え抜いた上で、メリル・ストリープがジュリアになりきっていることがわかる。

特に感心したのは妹のドロシーから妊娠したという手紙を受け取った時の演技。愛する妹の幸福を喜びながらも、子供ができないことに傷ついてきたジュリアの複雑な心境が痛いほど伝わってくる。メリル・ストリープの感情表現があまりにも自然で、知らず知らずのうちに涙腺を刺激される。夫役のスタンリー・トゥッチとの呼吸もぴったりだった。


料理をテーマにした映画の中では本作が抜群に好きだ。メリル・ストリープ演じるジュリアがとても可愛らしいおばさまで、誰もに愛されるキャラクターを好演している。食べている時も料理している時も幸せそうなその姿はいつまでも見ていたくなる。そしてジュリーは自分自身を変えるため、ジュリアを目指して彼女のレシピをやり遂げようと奮闘する。時には大失敗して夫と喧嘩しながらも、乗り越えて成長していく姿がたくましい。何かを始めたい、と思った時にやる気を起こしてくれる作品だ。(女性 30代)


美味しそうな料理をテーマにした作品は沢山ありますが、今作は料理をメインテーマにしているもののその料理やレシピに関わる人たちの人間模様も丁寧に描いているので、ヒューマンドラマとしても楽しむことが出来ました。
好きなことや得意なことが他の誰かに認めてもらえるのってすごく嬉しいですよね。今作に登場するジュリアのようにいつも明るく前を向いていたら、自分も誰かに認めてもらえる日がくるのかなと勇気や希望をもらえました。(女性 30代)

映画『ジュリー&ジュリア』 まとめ

当然ながら料理のシーンは多い。しかもジュリアのレシピはフランス料理なので、ものすごく凝っている。バターたっぷりのなんとかソースやなんとかのパイ包みといった豪勢な料理の数々は、見ているだけで楽しい。しかしどれもこれも食べたことがないので味が想像できず、改めて自分がグルメでないことを痛感した。もっといいものを食べよう。

とにかくプラス思考になれる明るい作品なので、少々お疲れ気味の人(特に女性)には良いビタミン剤になるだろう。

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