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映画『ジュピター』あらすじとネタバレ感想

映画『ジュピター』の概要:マトリックスシリーズで知られるウォシャウスキー姉弟が監督したSFアクション映画。続編の制作を視野に入れた構成で、マトリックスシリーズに次ぐ映像革命映画を目指している。

映画『ジュピター』 作品情報

ジュピター

  • 製作年:2015年
  • 上映時間:127分
  • ジャンル:SF、アクション、コメディ
  • 監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラナ・ウォシャウスキー
  • キャスト:チャニング・テイタム、ミラ・クニス、ショーン・ビーン、エディ・レッドメイン etc

映画『ジュピター』 評価

  • 点数:35点/100点
  • オススメ度:★☆☆☆☆
  • ストーリー:★☆☆☆☆
  • キャスト起用:★★☆☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★☆☆☆☆
  • 設定:★☆☆☆☆

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映画『ジュピター』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ジュピター』のあらすじを紹介します。

主人公であるジュピター(ミラ・クニス)は清掃員として夢や希望もないまま日々を生きていた。ある日、生活資金を得るためにドナーとして自らの卵子を提供しに病院へとやってきたジュピターは、そこで医師や看護師に化けていた異星人に襲われてしまう。絶体絶命のピンチに貧したジュピターだったが、突然ケインという謎の男(チャニング・テイタム)に助けられ、一命を取り留める。そしてそのケインから聞かされたのは、ジュピターは異星人に命を狙われているという事実だった。

そのころ、宇宙最大の王朝であるアブラサクス家は三兄弟の間で熾烈な権力争いを繰り広げていた。アブラサクス家は地球を掌握し、地球に住む人間をある目的で搾取し続けていたのだが、そんな最中、ジュピターがアブラサクス王朝の血を継ぐものであることが分かる。アブラサクス家の長男であるバレム(エディ・レッドメイン)はジュピターを殺すために刺客を送り込んでいたのだ。ジュピターを助けたケイン自身も遺伝子操作によって生まれた兵士で、狼の血を継いでいるため、その戦闘能力はとても高い。最後にこの熾烈な戦いを制するのはアブラサクス家なのか、それともジュピターとケインなのか。戦いの火蓋が切って落とされた。

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映画『ジュピター』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ジュピター』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

硬派なSFか気軽に楽しめるSFか

SF映画と言ってもさまざまなタイプの作品が存在する。スターウォーズも2001年宇宙の旅もジャンルとしては同じSF映画だが、作品の雰囲気は全く違う。SF映画というのは非常に射程範囲が広いジャンルなのだ。そのため、SF映画は全体をまとう雰囲気をなるべく早めに観客に提示する必要がある。「インターステラー」のような「硬派な」SFなのか、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のようなファミリー・ムービーなのか。

本作はどちらかといえばコメディ要素のあるファミリー・ムービーである。しかし、問題なのはその作品内テンションの表明が中盤までなされないということである。映像革命などと銘打つように、予告の段階では観客は作りこんだ硬派なSFを期待しているわけだが、中盤でその温度感を覆すようなギャグのシークエンスに突入するため、肩透かしを食らったように感じてしまうのだ。

続編を意識しすぎた?

本作では、ジュピターが自由自在にハチを操れるといった描写や、ジュピターの父が望遠鏡を大切にしていたという描写が冒頭にあるなど、一見伏線のように見える描写がいくつもある。しかし、厳密にそれらのエピソードは本作では回収されない。おそらく、続編を意識してあえて残した部分なのだろうが、アメリカでは興行的に大失敗してしまったので、続編製作は無かったことにされるだろう。その結果、ただ詰めの甘い残念なSF映画になってしまっている。

ありきたりな「女性の幸せ」

本作は、王朝を滅ぼしたジュピターとケインがシカゴの街を空中滑空するシーンで終わる。つまり、突然現れた素敵な王子様に女性が救済されるという物語である。まるでシンデレラだ。昨今、「アナと雪の女王」に代表されるように女性の幸せに真っ向から向きあった作品が多く制作される中、本作の姿勢は間逆であるといえる。もう少し作劇をきちんと考えなくてはならない。


チャニング・テイタムとエディ・レッドメイン。この2人が出ていると言うだけで鑑賞した作品なのでストーリーには全く期待していませんでしたが、意外と面白く見られました。
とにかく映像が美しくて色鮮やかなので映画だからこそ感じられる世界観に感動します。
バレムを演じたエディ・レッドメインが悪役なのにチャニング・テイタムよりもかっこよく見えてしまうのは反則です。
続編を思わせるラストはあまり必要なかったかなと感じます。(女性 30代)

映画『ジュピター』 まとめ

本作の場合、風呂敷を広げすぎた印象は正直否めない。あれもやりたい、これもやりたいと、さまざまに手を付けた結果、すべてにおいてどっちつかず、中途半端な作品になってしまっている。

マトリックスのようなフレッシュな映像表現を期待するとがっかりすることだろう。すべてのシークエンスが既視感に溢れ、劇中のキャラクターが難解な設定をセリフで吐露する。盛り上がりに欠け、物語を推進する力も欠損している。思い切って要素を絞って話自体は簡潔にして、映像表現にのみ注力するべきだったのではないか。各キャラクターの扱いにも不満は残る。

鑑賞する際は、気軽に見られるSFだと思って鑑賞することをおすすめする。いや、それにしても根本的に退屈なのは問題か。

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