映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の概要:2010年のヒット映画「キック・アス」の続編。ヒーローオタクが高じて“キック・アス”として正義の活動をしていた青年と、本物のヒーローの少女ヒット・ガール、元仲間レッド・ミストのその後を描いた。
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:ジェフ・ワドロウ
キャスト:アーロン・テイラー=ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、ジム・キャリー etc
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の登場人物(キャスト)
- ミンディ・マクレイディ / ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)
- 15歳の少女。父親ビッグダディと共に、麻薬組織壊滅を狙ってヒーロー活動をしていたヒット・ガールでもある。父親亡き後は、マーカスの下で暮らし、高校のシステムをハッキングして、出席日数をごまかしている。保護者マーカスと普通の女の子になると約束をし、ヒット・ガールを辞める。言葉使いが悪く、マーカスが設定した罰金箱は常に満杯状態。
- デイヴ・リズースキー / キック・アス(アーロン・テイラー=ジョンソン)
- キック・アスとしてのヒーロー活動をしていたが、目的を見失い、キック・アスを封印していた。ミンディとコンビを組んで、再びヒーロー活動を始める。ミンディがヒット・ガールを封印してからは、大佐、ドクター・グラビティ、リメンバートミー、インセクトマン、ナイトビッチ、バトルガイたちとチームを組んで活動を始める。
- マーカス(モリス・チェスナット)
- ミンディの父の元同僚の警官で、今はミンディの保護者。ミンディがヒット・ガールをしていたことを知っていて、二度とヒーロー活動をしないよう、目を光らせている。
- サル・ベルトリーニ / 大佐(ジム・キャリー)
- 元ギャングで、クリスの父の部下だった男。宗教によって正義に目覚め、ヒーロー活動をするようになった。戦闘能力は一流だが、持っている銃に弾は入っていない。汚い言葉使いを嫌い、マーティが神と言うたびにきつく注意をしている。愛犬アイゼンハワーが相棒。
- クリス・ダミーコ / マザー・ファッカー(クリストファー・ミンツ=プラッセ)
- レッド・ミストとして、キック・アスとヒーローごっこをしていたが、マフィアの父を殺されたためにデイヴとミンディへの復讐を誓う。母が使っていたSMグッズを着て、悪人マザー・ファッカーになった。父親の部下だったハビエルが、母の死後に面倒をみてくれるようになった。
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』のあらすじ【起】
かつては“キック・アス”としてヒーローごっこをしていたデイヴだったが、今は目的を見失っていた。
今でも“ヒット・ガール”として街を守っているミンディに声をかけ、チームを組もうと持ち掛ける。
そして、ミンディに鍛えられる毎日が続いた。
一方、デイヴと一緒にヒーローごっこをしていたクリスは、母親から自宅学習を命じられ、ロングアイランドで生活していた。
しかし、退屈な生活に癇癪をおこして、母を殺してしまった。
ミンディに、マスクをつけないで悪人を退治するという、実地訓練を言い渡されたデイヴ。
失敗して、ヒット・ガールに変装したミンディが助けに入る。
その場面を警察に目撃され、デイヴはミンディを逃がす。
マーカスはミンディを疑い、ミンディに電話をして家に帰ってくる。
慌てて家に帰り、仮病を使ってごまかすミンディだったが、返り血を見つけたマーカスに怒られる。
そしてヒーロー活動を止めるよう、約束させられた。
学校でミンディに、ヒーロー活動はしないと言われたデイヴ。
街に出るようになり、ネットで仲間を探すようになった。
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』のあらすじ【承】
NYにやって来たクリスとハビエル。
クリスは、悪人マザー・ファッカーとして悪事を始め、それをネットに流すようになった。
マーカスの紹介で、ブルックが開くお泊り会に参加させられたミンディ。
人気者のブルックは、ミンディのイメチェンをして遊ぼうとしていた。
ブルックたちの誘いに乗り、イケてる女の子の生活を楽しみ始めたミンディ。
大佐、ドクター・グラビティ、リメンバートミー、インセクトマン、ナイトビッチ、バトルガイといった仲間たちとチームを組むことになったキック・アス。
バトルガイは、デイヴの親友マーティだった。
ミンディは、ブルックの紹介でダンス部に入部することになる。
ダンスを知らないミンディは、ヒット・ガールとして戦っているところを想像してダンスを踊り、それが高く評価された。
だが、女王様ブルックの怒りを買ってしまう。
キック・アスとしてヒーロー活動を続けるデイヴは、ナイトビッチと性的関係を持つようになった。
やがて、本物の悪党退治をすることになる。
売春組織を壊滅させ、捕らえられていた女の子たちをシェルターに保護させた。
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』のあらすじ【転】
キック・アスの仲間たちは増えていった。
親友トッドも誘うが、アス・キッカーと名乗ることを馬鹿にされ、デイヴとマーティと仲違いをした。
ハビエルはクリスのため、元KGBの女性マザーロシア、快楽殺人者のデューマー、元中国マフィアのチンギス・半殺し、黒人のブラック・デスというメンバーを集める。
ミンディは、デートの誘いを受けて外出した。
しかしそれは、ブルックたちが仕組んだ悪ふざけだった。
ショックを受けたミンディは、デイヴの部屋に入り込んで助けを求める。
デイヴは、相手の得意分野で勝つよう助言した。
翌日、メイクとファッションで変身し、父が入手していた嘔吐下痢棒を使って復讐を果たしたミンディ。
キック・アスの衣装を父に見つけられたデイヴは、家を出た。
現在の組織のボス、服役中のラルフ叔父から行動を諫められたクリスだったが、ハビエルを殺されたことで吹っ切れてしまう。
そして大佐を惨殺し、それをネットに流した。
クリスたちの次の狙いは、ナイトビッチだった。
ナイトビッチは大ケガをさせられ、駆け付けたパトカーも爆発させられて大騒ぎになる。
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
その夜、マスクをつけて行動する人々は逮捕させられた。
キック・アスと間違えられ、デイヴの父も逮捕される。
悪の巣窟を作り始めたクリスのチームに、トッドも参加した。
そしてデイヴの父を殺し、その写真をデイヴに送り付けたクリス。
葬儀中、クリスたちが襲撃してくる。
デイヴは攫われるが、ミンディが助け出した。
クリスが爆弾を使って街を破壊するつもりだと知り、隠れ家で準備をして、クリスを止めようとする。
ネットで、ヒーロー仲間も募集した。
マザー・ファッカーの隠れ家に襲撃に向かった、キック・アスとヒット・ガール。
駆け付けた仲間たちも一緒だ。
ようやく事の重大さに気付いたアスキックは、ヒーローの親友マーティを助ける。
マザーロシアと戦い、命の危機にさらされたヒット・ガールは、最後の手段の注射を打たれてしまう。
その中身はアドレナリンで、ヒット・ガールはマザーロシアを倒すことに成功。
屋上で、マザー・ファッカーと一騎打ちになったキック・アス。
しかし天井のガラスが割れ、クリスはサメのいる水槽に落ちた。
その後、マーカスに迷惑をかけられないということもあり、ミンディはNYを出た。
かろうじて生き残っていたクリスだったが、両足を失うなどひどいケガを負っていた。
映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の感想・評価・レビュー
前作よりも心理的な葛藤などを丁寧に描いているが、そのせいかテンポが悪く感じる部分もあった。登場人物が増えたこともあり、やや間延びした印象も。ティーンズ役の続投メンバーは、顔つきや体つきが大人になっていて時の流れを感じた。特にメイクしたミンディが可愛かった。
相変わらずよく動くヒット・ガールは、キレのあるアクションで痛快。加えてキック・アスも特訓の成果が出て、何もできなかった前作よりもヒーローらしくなったし、アーロン・テイラー=ジョンソンの肉体改造された割れた腹筋にも注目。人がバタバタと殺されていくのは前作と同様だが、どこか後味の悪さが残ったのは残念だった。(女性 40代)
人気アメリカンコミック映画化第二弾。なりきりヒーロー、キック・アス、父の意志を継ぎヒーローとして生きるヒット・ガールと復讐に燃えるレッド・ミスト改めマザー・ファッカーの対立を描く。
前作でなりきりヒーローとして活動していたキック・アスが社会に反響を呼びヒーローとして活動する人々が現れ始める。これは一人の青年により社会を変えることが出来ると共にキック・アスとして活動することで父親を失ってしまう「力を行使した責任」を描いており数多のヒーロー映画同様のメッセージが込められている。毛色は違うがまぎれも無いヒーロー映画だといえる。(男性 20代)
クロエ・グレース・モレッツがとにかく印象的だったキックアスの続編。基本的には、前回同様コメディがかった設定と、意外とシリアスな展開は変わらない。何が正義で何が悪なのかといった事はあまり深く考えずに見た方が良い。今回はヒットガールとしてのクロエと、いわゆる一般学生のクロエ両方が楽しめる一粒で二度美味しい作品になっている。しかしながら、前作よりちょっと受け止めづらいような展開も含まれているので、単純な爽快感は前作の方が感じられるといった印象。(男性 30代)
2010年に上映された映画の続編です。ザ・スーパーヒーローよりも、少しダサくて言葉遣いも悪いけれど、ビシバシ豪快に敵を倒していく姿は実に爽快です。
キャストも前回より成長し、高校生となったヒットガールの女子高生ならではの悩みや、ヒーローをやっていくことについての葛藤する姿が見えます。
そしてやはりこの映画の見どころは、ヒットガールのアクション。期待を裏切らないスーパーアクッションで今回も派手に魅せてくれています。(女性 20代)
おとぼけ手作りヒーローとクロエ・グレース・モリッツの暗殺者コンビが喝采を浴びた作品の続編。ニコラス・ケイジもいなくなったが、何より監督が大天才マシュー・ボーンでなくなってしまったために、どこにでもありそうな映画になってしまった。特にファンタジーをさりげなく日常に混ぜ込むことがなくなってしまいどこまでも現実に近づけた作品になったことで、そもそもの設定の嘘くささがより際立ち、中盤以降手に負えなくなってしまったように思える。真面目に作るからこうなるんだよ。と天才ならばいいそうだ。(男性 30代)
前作の『キック・アス』を鑑賞している人は本物の「ヒーロー」になってるじゃん!とある意味ガッカリするであろう今作。前作でビックダディを演じたニコラス・ケイジに変わり、ジム・キャリーが同じ役を演じています。ニコラス・ケイジのインパクトの強すぎる強烈なビックダディを見てしまったからか、かなり物足りなさを感じてしまいました。
ストーリー的にも『キック・アス』らしさが減り、王道な「ヒーロー映画」に近づいてしまったような気がします。しかし、クロエ・グレース・モレッツはヒーローでも、そうで無くても相変わらず可愛かったです。
続編を匂わせる展開に期待してしまいます。(女性 30代)
前作『キック・アス』の続編に期待するのは、面白さをそのままに更なる爽快感だ。
前作は少女が縦横無尽に活躍するのが見ものだったが、今作はどうか。クロエ・グレース・モレッツの成長にともない、ヒット・ガールは高校生に。彼女が普通の少女になろうと葛藤することや、SNSで自警団を募るところ、そして最悪な結末になるなど、より現実的な点にフォーカスされるようになっていた。そのため、爽快感が前作より劣る結果に。
前作の物語の続きとしては悪くなかったが、スカッとするシーンを期待していただけに、真面目にヒーロー映画をされると「これ、そういう作品だっけ」と首をひねりたくなる。(男性 30代)
痛快なアクション、スクールカースト、豊富なコスチューム。楽しめる要素を片っ端から全て詰め込んだ作品です。前作から3年経過していますから、ヒット・ガール役のクロエ・グレース・モレッツが大人の女性へと成長を遂げています。相変わらずチャーミングで、アクションはキレがあり爽快です。マスクをしていない場面が多いため、その分キャストの表情をじっくり拝めて嬉しいです。非常に下品な描写がちらほら見受けられます。食事中に見るのはおすすめできません。(女性 30代)
関連作品
次作 キック・アス
みんなの感想・レビュー
タランティーノ監督の『キル・ビル』の終盤で、ビルがスーパーマンとスパイダーマンの違いを語るシーンがある。スパイダーマンは自分の意志でコスチュームを身に纏い、その時初めてヒーローになるが、スーパーマンは生まれたその瞬間からヒーローだと。キック・アスは間違いなくスパイダーマンの部類に属している。だが前作『キック・アス』でのデイブはまだヒーロー成り得ていなかった。手作りのコスチュームに身を包んだ彼は、ヒーロー映画というジャンルに対するシニカルな笑いを内在した存在として描かれており、真のヒーローはヒットガールの方であった(彼女は自分の意志とは関係なくヒーローになった点においてスーパーマンに近い存在と言える)。
ではなんちゃってヒーローのデイブが真のヒーローになるために必要なものは何か。それは通過儀礼である。スパイダーマンを思い出して欲しい。ピーター・パーカーがスパイダーマンになったのは、蜘蛛に噛まれた時でもコスチュ―ムを作った時でもなく、彼の叔父が死んだ時だった。デイブは今作で自分のせいで実の父親を失ってしまう。それは紛いものの、ヒーローが覚悟と業を背負い真のヒーローになった瞬間だ。
前作で強烈な印象を残したニコラス・ケイジの代わりにキャスティングされた大物俳優がジム・キャリーだ。しかしニコラス・ケイジが良い意味の胡散臭さで作品をかき回してくれたのに比べ、ジム・キャリーは彼本来の持ち味を活かすことなく退場している。他の「ジャスティス・フォーエバー」のメンバーも大したインパクトを残せていない。敵側にしても、一番出番の多いキャラが筋肉隆々のロシア女と少し疑問の残るチョイスだ。魅力的なキャラクターが脇を固めた前作に比べて、今作は脇が甘いとしか言いようがない。
アメコミヒーローに対するアンチテーゼを掲げて人気を博した前作『キック・アス』から打って変わって、ストーリー的には今作でより正統派のアメコミへと近づいた感は否めない。主人公の成長を一つの要素に含むハリウッド映画にとっては当然とも言える展開であろうが、それに伴い一種のけれん味が演出から失われてしまったことを残念に思うファンも多いだろう。そんな方にはベン・ステイラー主演の迷作(?)『ミステリーメン』をおすすめしたい。ヒーローに憧れる素人ヒーローという設定はそのままに、こちらは最後までお馬鹿映画を貫き通している。
続編の存在を匂わせるようなラストだったが、如何なものか。一度本物のヒーローになってしまった男が、ださくてお馬鹿なヒーローに再び返り咲ける(?)のだろうか。