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映画『神様なんかくそくらえ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『神様なんかくそくらえ』の概要:路上生活をする少女ハーリーと恋人イリヤの歪な恋愛と、NYのホームレスの若者たちの生活をリアルに描いた。主演のアリエル・ホームズが、ホームレス生活をしていた頃に書いた体験談をもとにしている。

映画『神様なんかくそくらえ』 作品情報

神様なんかくそくらえ

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:97分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ
  • キャスト:アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、バディ・デュレス、ロン・ブラウンスタイン etc

映画『神様なんかくそくらえ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

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映画『神様なんかくそくらえ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『神様なんかくそくらえ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『神様なんかくそくらえ』 あらすじ【起・承】

ホームレスとして暮らす少女ハーリーにとって、同じホームレスで変わり者の恋人のイリヤがすべて。
ある日、イリヤから「愛しているなら死んで証明しろ」と言われたハーリーは、手首を切って病院に運ばれる。
イリヤは病院の前で姿を消した。

退院したハーリーは彼女を好きだというホームレス仲間のスカリーと再会し、同じホームレスでありドラッグの売人でもあるマイクからドラッグを手に入れる。
しつこくハーリーに迫るスカリーだったが、彼女に拒絶されて言い争いの末に去っていった。

やがて、イリヤと気まずい再会を果たしたハーリー。
ドラッグでハイになったマイクとハーリーが路上で抱き合っていると、それを見たイリヤは去っていった。

マイクと行動を共にするようになったハーリーは、彼から携帯電話とドラッグを与えられ、ホームレス専門の宿に泊まるようになる。
ハーリーは、宿代のお金を手に入れるという約束も守らず、支離滅裂な会話が続くように。

その後、路上で物乞いをしていたハーリーはイリヤに絡まれる。

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映画『神様なんかくそくらえ』 結末・ラスト(ネタバレ)

マイクを殺すと息巻くイリヤと、嫉妬心に火のついたマイク。
殴り合いはマイクの勝ちだったが、イリヤが投げた手作りの手裏剣で怪我をしてしまう。

愛するイリヤのためなら死ねるという証拠に手首を切った、と語るハーリーに、その愛は間違っていると忠告するマイク。

その後、マイクも暮らしているホームレス専用の宿に戻るが、仲間のエリカからの電話でイリヤが死にそうだと連絡が入る。
駆け付けたハーリーは、意識を失っていたイリヤに人工呼吸器をして蘇生させる。
やがてハーリーとイリヤはヨリを戻し、マイクから連絡が来る携帯電話は捨てられてしまった。

そして2人は、フロリダに向かうバスに乗り込む。

だが、ハーリーが寝ている間にイリヤはバスを降り、隠れ家にしている場所へ。
ロウソクを明りにして眠りについたイリヤだったが、その火が原因で火事になり、彼は死んでしまった。

目覚めたハーリーは、イリヤの姿が無いことで半狂乱に陥る。
バスを追い出されたハーリーは、イリヤのいないニューヨークの路上に戻った。

映画『神様なんかくそくらえ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『神様なんかくそくらえ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ホームレスとして暮らす若者たちのリアル感

主演のアリエル・ホームズの実体験をもとにした作品で、アリエル自身が自分の分身ともいえるハーリーを演じている。
そのため、どんな映画よりも高いリアリティがある。

NYでホームレスとして生きる若者たちの暮らしや、ドラッグへの抵抗の無さなども濃い密度で描かれていて、フィクション映画というよりもノンフィクションに近いものが表現されている。
まるでPOV(主観映像)作品かドキュメンタリーを思わせる撮影方法も、濃い雰囲気作りに一役買っている。

序盤では路上で抱き合うハーリーとイリヤを近距離で映し、ラストではまるでそこにいないかのように扱われるハーリーを映すという、極端な演出が印象に残る。
そして作品が始まってすぐ喧嘩している2人だが、その原因を知らせるよりも謝るハーリーと罵倒するイリヤの姿を見せることで、異様な関係と印象付けることに成功している。

シンセサイザーで演奏されるクラシック音楽も、リアルであって現実ではないというちぐはぐな世界観にピッタリ。

ハーリーとイリヤの歪なラブストーリー

ハーリーとイリヤの恋愛関係を軸に進むストーリーだが、2人が付き合うようになったきっかけや、ホームレスになった原因などには触れられていない。

2人の「今」だけを切り取ったストーリーで、やや盛り上がりに欠けるのが残念。
また、周囲の人々との関係もどこか物足りない。

イリヤの存在に依存して、臆することなく手首も切って、その傷も愛の証だと言い切るハーリー。
そしてハーリーに慕われることに依存し、罵倒して愛しているなら死ねと言うイリヤ。
どこか歪んだ恋愛関係をハーリー視点で描いていて、それが時に純愛に映ったり、マイクから忠告されて奇妙に映るといった変化が印象的。


主演のアリエル・ホームズがハーリーの事を自分の分身だと話していました。アリエル自身がホームレス時代に経験した出来事を元に作られた今作は、想像もできないような世界で起こる、現実離れした出来事なのに物凄くリアルで、こういう暮らしをしている彼らだからこそ感じられた愛や、生きる意味を強く考えさせられました。
最初はイリヤの行動が全く理解出来ませんでしたが、見ていくうちに彼の行動こそがハーリーに対する依存で、愛なのだと感じます。裏切りを繰り返しても、離れられないイリヤとハーリーの間には本当の愛が存在したように思えました。(女性 30代)


常に薄ぼんやりとした暗い雰囲気と、独特な電子音が特徴的な作品です。ストーリーは、主演のアリエル・ホームズの実体験だそうで、本人による再現ドラマとなります。道理で演技が自然、尚且つ説得力があるわけです。しかも、彼女の母もドラッグ、アルコール中毒だったそうで、苦労の程が偲ばれます。若者達の自堕落な路上生活はやるせなく、肩を落としてしまいます。駄目な男に異様に執着すると、自ら闇へ堕落しやがて抜け出せないようになるのでしょう。(女性 30代)

映画『神様なんかくそくらえ』 まとめ

2014年の東京国際映画祭でグランプリと監督賞を受賞し、注目を集めた作品。

主演のアリエル・ホームズは本作の原案をホームレス時代に書き上げ、自分自身を反映したハーリー役を自分で演じた。
また、本作で女優デビューして高い演技力が評価された。

ハーリーとイリヤの歪んだ形の恋愛、NYのホームレスの若者たちのドラッグにまみれた生活の濃い空気感の演出がとにかく上手い。
エンドロールで「イリヤとの思い出」とあり、アリエルが大切な人を失っていることを暗に示していて、描かれていたのが歪んだ恋愛だったとはいえ、胸が締め付けられる。

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