映画『神様のパズル』の概要:第3回小松左京賞を受賞した機本伸司の同名小説を、三池崇史監督によって映画化。双子の弟に頼まれ大学のゼミに出席することになった綿貫基一と、人工授精により生まれた天才少女穂瑞沙羅華が宇宙創世の謎に迫る。
映画『神様のパズル』の作品情報
上映時間:134分
ジャンル:SF、コメディ、ラブストーリー
監督:三池崇史
キャスト:市原隼人、谷村美月、松本莉緒、田中幸太朗 etc
映画『神様のパズル』の登場人物(キャスト)
- 綿貫基一(市原隼人)
- 寿司屋で働くミュージシャンの卵。大学で物理学を専攻する双子の弟喜一に頼まれ、講義の代返のため大学で授業に出席し、ゼミに参加する。
- 穂瑞沙羅華(谷村美月)
- 選ばれた精子を人工授精され産まれた天才少女。17歳にして新しい加速器クロストロンを考案する。基一と共にゼミで「宇宙の作り方」を研究し、その生成プログラムを構築する。
- 白鳥(松本莉緒)
- 大学で、弟と喜一と同じゼミに通う女子大生。助手の相理と付き合っている。基一の憧れの人である。彼女にいい顔がしたいがために、基一はゼミに通う。
- 相理助手(黄川田将也)
- 嶋村ゼミのアドバイザー的存在。以前、穂瑞にちょっかいを出し、あしらわれた過去がある。ディベートで穂瑞に完膚無きまでに論破されてしまう。
- 鳩村教授(石田ゆり子)
- ゼミの教授。双子の兄と入れ替わっていると気づかず、基一に穂瑞をゼミに連れてくるように頼む。
映画『神様のパズル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『神様のパズル』のあらすじ【起】
人工授精により産まれた穂瑞沙羅華は、アメリカで飛び級を続け、17歳で新しい加速器クロストロンを考案し、日本に建設された加速器「むげん」を作った天才だった。
寿司屋で働きながらミュージシャンを目指す綿貫基一は、双子の弟、喜一の代返のために大学に通うようになる。しかし、物理学を専攻する弟の授業は何がなんだかさっぱり解らない。聴講生の老人に、物理学の基礎的なことを聞いていると、基一のことを弟の喜一と思っているゼミの鳩村教授に捕まり、穂瑞沙羅華をゼミに連れてくるように依頼される。下心もあって、その依頼を受け、基一は穂瑞の家へ向かう。部屋に通された喜一は、彼女からゼミのテーマを何にする?と聞かれ、口からでまかせで「宇宙の作り方」と言う。すると彼女は興味を示すのだった。そして、不登校だった穂瑞はゼミに顔を出す。さらに彼女の力で、ゼミのテーマは「宇宙の作り方」となり、ディベート形式でゼミが進むことになるのだった。
映画『神様のパズル』のあらすじ【承】
ディベートの先陣をきるのは基一だった。一夜漬けで何とかしようと踏ん張るが、やはり全く解らない。仕方がないので、再度、穂瑞の家を訪ね、助けを乞う。何も知らない基一は、ビックバンの手前のインフレーションが解らない。穂瑞は、それをベートベンの「運命」の最初の八分休符を例えに説明をする。さらに、基一はマルチバースについても説明を受けるのだった。
穂瑞が考える「宇宙の作り方」は、宇宙の始まりの状態だけを作れば良いというものだった。穂瑞は、シュミレーションプログラムをロードさせるためのメモリを確保するため、WEB上でアクセスして来たPCの空きメモリを借りるプログラムを組み、閲覧した人のPCのメモリを利用するための架空のアダルトサイトを開設する。
ディベート形式のゼミが始まる。宇宙の始まりを説明する基一。基一は対称性の反対は何か?と問われる。それは非対称性だが、基一は答えらない。代わりに穂瑞が答え、対生成の矛盾を指摘する。更に、アドバイザー的存在の相理助手と穂瑞のディベートが始まり、穂瑞は相理を論破するのだった。
映画『神様のパズル』のあらすじ【転】
夏になり基一は、「むげん」の近くにある農家で田植えのバイトをしていた。世間では「むげん」の欠陥が見つかり、それがスキャンダルに発展してマスコミが騒いでいた。穂瑞は、ゼミに来なくなり引きこもって宇宙創造のプログラムをシュミレーションしていた。
そんな中、穂瑞の着替え盗撮動画がネットにアップされる。犯人に心当たりのある基一は、殴り込みをかけるが返り討ちにされる。穂瑞に呼びだされた基一は、傷だらけのまま穂瑞の家を訪ねるのだった。
穂瑞は、ネットにアップされた盗撮動画を使ってWEBユーザーを自分のサイトに誘導し、メモリを稼いでいた。基一は穂瑞に、こんなところに閉じこもってないで、外に出ようと言うが、外に出た方が自分は孤独を感じてしまうと穂瑞を怒らせてしまい、部屋を追い出されるのだった。
台風が近づく中、基一はバイト先の農家にいた。そこで渦巻き状の土器などを見て、何かを思いつき、穂瑞の家へ駆け込む。基一は、宇宙も台風もなぜ回っているのか?と穂瑞に問う。それを聞いた穂瑞は閃く。そしてPCに向かい、プログラムを構築させていく。「もし本当に神がいるなら、僕を止めにくるはずだ」と神の存在を問う穂瑞。基一は、自分には止める権利はないと、穂瑞のやることを認めるのだった。そして、穂瑞は宇宙生成のプログラムを完成させる。
映画『神様のパズル』の結末・ラスト(ネタバレ)
都内で大規模な停電が起きる。電力会社のシステムや発電所、そして「むげん」が穂瑞にハッキングをされジャックされる。大量の電力が「むげん」に集まり、暴走を始める。穂瑞は「むげん」のウエストサイド制御棟のどこかから、衛星を通じ各所をハッキングし、プログラムを実行しつつあった。
台風の土砂降りの中、バイクで「むげん」に向かう基一。一方、相理は、車でウエストサイドの壁にツッコミ中に侵入する。しかし、ウエストサイドには穂瑞はいなかった。「むげん」に到着する基一。施設内では、小型のブラックホールが出現と消失を繰り返し始めていた。基一は、エレキハットという高所制御室へ向かう。そこで穂瑞は、ハッキングをしていたのだった。しかし、穂瑞は最後のクリックをためらっていた。加速器はその速度をあげていく。基一は梯子の登り、高所制御室の上からダイブする。天井を突き破り、穂瑞のいるところに飛び込んで来る。基一は、ギターを抱え、「歓喜の歌」ロックバージョンを歌う。その姿に涙する穂瑞。マウスを置き、部屋から逃げ出し飛び降りようとする穂瑞に、アインシュタインも食べたコハダの寿司を差し出す基一。その寿司を口にし、飛び降りを断念する穂瑞。「むげん」の暴走は止まり、事態は収束に向かうのだった。
穂瑞は逮捕され、記者会見に乱入した基一も収監されてしまう。その後、基一は出所し、再び寿司屋で働く。その店に寿司を食べに来る穂瑞の姿があった。
映画『神様のパズル』の感想・評価・レビュー
何とも面白い設定の映画だと思ったら三池崇史監督の映画だという。物理がこんなにも色んなトピックとコラボするなんてと驚いたが以外にもそれが突飛すぎず面白かった。ただ、物理の単語は分からないことだらけで頭がついていかなかったが。
美少女を、宇宙を救う落ちこぼれロッカー役に市原隼人だ。そこがよりコメディ感や青春感を強くしている。市原の魅力満載だ。(女性 20代)
難しい物理の世界と宇宙とお寿司とロックがコラボした異色の作品。三池崇史が監督を務めた今作は「宇宙を作る」と言う何とも壮大なテーマを軸にしています。
物理や宇宙のことなんて何にも知らない私は、市原隼人演じる基一と同じ状態。それを相手に分かるように教えてくれる瑞穂は本当に頭が良いなと感じます。
全体的にテンポの良い作品ですが、ラストにかけて「全速力」で進む感じが物凄く良かったです。飽きること無く最後まで楽しめました。(女性 30代)
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