「カノン(1998)」のネタバレあらすじ結末と感想。動画フルを無料視聴できる配信は?

カノン(1998)の概要:血の繋がった娘を偏愛する馬肉屋の男がいる。投獄されたことで離れ離れになってしまった男は出所後、愛人の元で暮らし始めるが……、フランスの異才、ギャスパー・ノエ監督による近親相姦と暴力とモラルを描く問題作。

カノンの作品情報

カノン

製作年:1998年
上映時間:95分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ギャスパー・ノエ
キャスト:フィリップ・ナオン、ブランディーヌ・ルノワール、フランキー・バン、マルティーヌ・オドラン etc

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カノンの登場人物(キャスト)

男(フィリップ・ナオン)
馬肉屋を経営し、結婚して一人娘を授かるが突然妻に出て行かれてしまう。以来、男手一人で娘を育てていたが、溺愛するあまり彼女のことを女として見ている。暴行事件を起こし投獄されたために娘は施設へ預けられ、自身は愛人の元で暮らすこととなった。暴力的な性格で、モラルに欠けた言動・行動が多い。仏頂面で無口に見えるが、頭の中では非常に多弁で、うまくいかないのは周りのせいだと人のせいにすることがよくある。
娘(ブランディール・ルノワール)
口のきけない、馬肉屋の男の娘。一言も言葉を発さないどころか感情も全くと言っていいくらい表に出さないために、何を考えているのか不明瞭な少女。父と離れてからは施設で育てられていたが相変わらず無口なままである。

カノンのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『カノン(1998)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

カノンのあらすじ【起】

「人には人生がある。つまらん人生が。これから話してやろう。ありふれた馬肉売りの人生を――」

冒頭、男が語り始めるのは自分の出生から現在までのこと。「チーズと腰抜けの国」フランスで生まれたその男は、パリで生まれた後すぐ母親に捨てられ孤児になった。父親のことは終戦の時に知ったという。共産党員だった父は収容所で死亡していた。葛藤しながらも男は14歳の時に生きるために精肉業界へ入る。30歳でパリ郊外に店を開き、2年で軌道に乗り自立する。その時、若い女と出会いホテルで過ごし娘が出来て結婚。しかし、女は娘を捨ててどこかへ消えてしまう。店はまあまあ繁盛し、ローンで家も買い無口な娘を男手一つで育て始めた。年頃になり胸も膨らみ始めた彼女に対し、男は「欲望と戦った」と言う。娘のことを女として見ているのだ。ある日、娘に初潮が訪れる。男は娘が強姦されたと思い込み、無関係の人物を包丁で刺した。傷害罪で刑務所に入れられ、娘は施設へ送られる。男はその後馬肉店と家を手放し保釈金を作り、自由を得た。それからはカフェで働くことにし、店の女主人の愛人となる。やがて女は妊娠し、男は新しい地で暮らし始めないか提案をする。女はカフェを売り、馬肉の店を開くという。それに承諾する男。施設の娘に別れを言い、女と一緒に旅立つ男。住み慣れたパリを離れ、北の陰鬱な街に引っ越した。男は過去と決別を決め、また娘への執着じみた愛も同時に忘れることに決めた。ちなみにここまでが前作にあたる『カルネ』のストーリーでもある。

カノンのあらすじ【承】

新しい人生に踏み出すと決めた男だったが、居候先での生活にはあまり馴染んでいない。女の実家に住まわせてもらっているが、男の居心地は悪そうだ。馬肉屋を開けそうな物件を探して回る女と男だったが、女は「赤ちゃんが生まれるまでは金を使わないことにしたわ」と意見を変える。男が「話が違う。俺はどうなるんだ?」と聞き返すとにべもなく「バイトでもしたら?」と返すだけ。女との関係も正直良好とは言い難い雰囲気だ。男は居心地の悪さを頭の中で呟くばかり。「くそソーセージ、くそワイン、家族も街もクソだ。俺も落ちたものだ」と文句を垂れる。同居中の女の母のことは「年寄りだから臭い。臭覚も衰え不潔でも平気になる」と罵り、愛人の女のことは「このデブ女の臭さときたら!」と更に酷い言葉を吐く。勿論、全ては彼の心の中でのことではあるが。

男は豚肉店の販売員の求人を見て働いてみるが、笑顔を浮かべることが出来ずに「話にならない。帰れ」と即解雇されてしまう。家に帰るなり女に「豚肉の販売さえできないのか」と呆れられるが、それもお前のせいだと女が悪いように言う男。女とその母に苛立ちを覚えない日はないという男は、少しでもあの女達から離れられるのならばと老人病院で夜勤の仕事を始める。ある日、病棟で一人の老人が息を引き取る。その娘だろうか、酷くショックを受けた様子でいる女性に近寄り「家に送っていこう」と近づく男。あわよくば彼女と関係が持てないか下心で近づいたのだった。しかし、道の途中で近所の夫人に出くわしてしまい怪しむような眼差しを向けられる。結局、娘を家に送るだけにしておき男は何も出来ずに終わる。家に真っ直ぐ帰らず、ポルノ映画を上映している映画館へ足を運ぶ男。誰もいない座席で、「生きる目的が欲しい。俺は自分のためだけに生きたい。巨大な機械の部品のような生き方なんかごめんだ。俺の人生は虚しいケツの穴だ……」と自分の虚しさを悟る男。またもや女たちへの罵詈雑言を浴びせながら、男は一度帰宅することにした。

男が家に戻ると、怒りながら女が席を立ちあがる。「何をしてたの!?夫人から聞いたわよ。女と歩いていたそうね」。やはり自分があの娘と何かしたのではないかという噂は女の耳に入っていたようだ。違うと言っても女は信じず、男は「この家が嫌なんだ」と口走る。なら出て行けばいいと女は嬉しそうに言い、子どもは一人で産むと笑うのだった。男は「どうせホモだ」と言い、女も負けじと「あんたよりはマシよ。ホモ野郎!」と言い返し、その言葉に導火線に火の点いた男。女を突き飛ばし、「今何と言った!?」と大激怒する。女が「オカマ野郎!」と叫ぶと男の怒りはついに限界を突破し妊娠中である女の腹部に蹴りを入れる。倒れ込み、叫ぶ女の腹を執拗に殴り続ける男。その背後では母親がよろよろと立ち上がり「銃を持ってくるわ」と言う。却ってその言葉にヒートアップし、「銃だと!?そいつをよこせ!」と銃を奪う男。泣きながら警察を呼ぶという女は、母親に抱き着きながら「私の赤ちゃんが……」と泣きじゃくる。男はその様子を見ながら「赤ん坊?今は潰れた只の肉塊だ。醜い母親の顔を見ずに済んで良かったじゃないか」と考えながら女達の家を出ていく。

カノンのあらすじ【転】

「あの女の家には二度と戻らない、人生をパリでやり直す」――そう決めた男は、結局パリへと戻って来ることとなった。しかし、金がない。家は売り払ってしまったし住む場所をまずは決めなくてはと、男は娘が出来るきっかけになった安ホテルでしばらく住むことになる。あとは職探しに街へと出るが、職業紹介所へ向かっても精肉業は求人がなく諦める男。残り少ない金を売春婦に使ってしまい、次は知人に金を貸してもらえないかと尋ねて回る。店をやっていた時の上客の元を尋ねるが妻と思しき女性に門前払いにされ、会うことすら叶わなかった。続いて叔父の元へと向かうが、金は貸せないと断られてしまう。息子同然の友達に金を貸したら踏み逃げされてしまい、今は年金だけが頼りの文無し状態なのだという。出て行くよりほかない男。男は「哀れなフランス。失業者と貧乏人で溢れかえっている、貧乏人は金持ちの尻拭いばかり」と脳内でぼやき再びホテルへ戻る。いよいよ金が底を尽きてきたのかホテルの部屋代も払えず、管理人には「後で払う」と言って昔の取引相手に仕事がないか尋ねに行く。これもあっさり断られ、苛立ちながら男は面接してくれた所長を「ホモ野郎。あいつの父親も業界では有名なホモだった。あんな男はフランスの恥だ!」とまたもや脳内で罵倒する。

苛立った男は、手にしていた銃を思い出しそいつで所長を殺してしまおうかと考える。ふらりと立ち寄ったカフェで酒を飲みながら、脳内で所長へ復讐することを妄想する男。「確かに俺はクソだ。負け犬だ。だが俺は銃を持っている……」延々と罵りと愚痴を繰り返し、酒の勢いも手伝ってか隣に座っていた客に絡み揉め事を起こす。マスターに出て行けと言われ激昂する男。マスターはショットガンを突き付け、「これでぶっ飛ばすぞ。出てけ!」と男を捲し立て、男は仕方がなく店を出ていく。「俺だって銃を持ってるんだぞ」と思いながら道を歩き、やがて男は3発分の弾が入った自身の拳銃を見つめながら思う。「あのホモ所長を殺してから、自殺しよう。俺には俺のモラルがある」――やがて男の「モラル」が行き着く先は、いつしか娘へと向かっていた。男は死ぬ前に娘へと会いに行くことに決めた。

カノンの結末・ラスト(ネタバレ)

施設へ行くと、娘は相変わらず無口で何も言葉を発さない。そんな娘を「エッフェル塔に連れて行く」といい施設から連れ出す男。ここで画面に「映画館を出るならあと30秒」と警告が入り、男が何をしでかそうとしているのか不安を煽る。カウントダウンの間、「飢えで頭が冴えた。全てうまくいくといい。もう失うものは何もない」と男の不穏なモノローグ。カウントダウン終了後、男は娘を自分が今住んでいる安ホテルへと連れてきていた。成長した娘の姿を見つめながら「美人になった。身体もいい。母親よりずっといい」と女として意識しているかのようなことを思う。男はやがて「気が変わらないうちにやるんだ」と拳銃の元へと向かう。「さあやるんだ」と自分に言い聞かせ、男は娘の服を脱がせ行為に及ぶ。それでも何も言わず無表情のままの娘。「これで思い起こすことはなにもない。思ったよりもよくなかった。ではこの苦悩にケリをつけよう。全てお前のためにやるんだ。父さんもすぐに後を追ってやる」――脳内で独り言をぼやきながら娘に近づき、背後から拳銃で撃つ男。しかし急所が逸れたのか、彼女はその場に倒れ苦しむだけで中々死なない。首からは大量の血が流れ続ける。「どうした!さっさと死ねよ!」「苦しがっている」「楽にしてやれ」「しかしそうするとホモ所長を撃つ弾がなくなる」「娘が死ぬ筈がない」「娘を殺した奴らは誰だ」「俺は誰と話している?」「俺も行く。脳味噌しか残らない。無になる」男の葛藤が早口でとめどなく続き、最終的に男は銃を自らに突きつけ自殺を図る。――しかしこれは全て男の妄想で、男は銃を持つ手を放し、「俺は善人だから」とそんなことはできないと気付く。銃を片付けながら「俺の人生は失敗だった。生まれも育ちも愛も店も。俺は生まれない方がよかった……間違いだらけの人生」そう過去を振り返る男の視線の先には娘が立っている。失敗だらけの人生だったが娘だけは違う、と男は彼女を抱きしめ「何よりも愛してる」と呟く。涙を流しながらベッドに腰かける男に、娘は初めて自らの意志で父に近づいていきそんな彼を抱きしめた。抱擁しながら「父さんがついてる」と泣きじゃくる男……。

「人間にはモラルがある」と突如画面にテロップが現れ、ホテルのベランダで一人立つ男。その背後から男を抱きしめる無言のままの娘。男は語る。「お前がいればずっと生きていける。俺は幸せだ。他はどうでもいい。今日が俺達の最後の日かもしれん。俺は誰も撃たないかもしれん。お前を犯して明日逮捕されるかもしれん。ついに生きていく意味を見つけた。俺はお前を守る。そして誰よりも幸せにしてやる。俺が女にしてやる。お前と寝ようとも世界は変わらない。俺達が変わるだけだ――だが真実は一つ。愛してる」……男は娘の胸に触れながら、カメラは遠ざかっていきパリの風景を映し始める。娘への歪んだ愛をはっきりと自覚した父親。その後、親子がどういう生き方をしていくのかは分からないまま物語は終わる。

カノンの感想・評価・レビュー

前作『カルネ』を見た時はあまりの衝撃に「このノエって監督はもしや本物のやばい人なのか」と恐怖と感激が入り混じっていただけに本作で終盤直前に入る警告には驚き。監督も「一応」良心を持った方で真正の鬼畜ではないのだと安心と共にちょっと残念?しかし、ラストで抱き合う二人の姿に、ロクデナシ親父も娘との絆に救われたのかなとBGMのカノンも相まって涙ぐんだ矢先に最後の独白で感激が一気に引くという。監督、わざとやっているんだろうな。(MIHOシネマ編集部)

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