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映画『カサノバ 最期の恋』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『カサノバ 最期の恋』の概要:18世紀に作家として名を馳せたジャコモ・カサノバは、パリから亡命しロンドンへ辿り着いた。元来遊蕩児である彼は女とギャンブルに溺れる日々を過ごすが、美しい娼婦マリアンヌに心を奪われ、彼女を深く愛するようになる。

映画『カサノバ 最期の恋』の作品情報

カサノバ 最期の恋

製作年:2019年
上映時間:100分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ブノワ・ジャコー
キャスト:ヴァンサン・ランドン、ステイシー・マーティン、ヴァレリア・ゴリノ、ジュリア・ロワ etc

映画『カサノバ 最期の恋』の登場人物(キャスト)

ジャコモ・カサノバ(ヴァンサン・ランドン)
イタリアに生まれた作家。生涯に渡って数多くの女性と浮き名を流し、その数は1000にも及ぶと言われている。晩年はボヘミアに行き着き、ヨーゼフ・カール・フォン・ヴァルトシュタイン伯爵の司書を務め、彼の姪へ講義を行った。
マリアンヌ・ド・シャルピヨン(ステイシー・マーティン)
家族ぐるみで運営している娼館の看板娘。カサノバとは11歳の時にパリで出会っていたが、彼は成長したマリアンヌに気付かず関係を持とうとした。いつしか本気で自分を愛するようになったカサノバを適当にあしらうが…

映画『カサノバ 最期の恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『カサノバ 最期の恋』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『カサノバ 最期の恋』のあらすじ【起】

1793年、ボヘミア。伯爵の元で司書として勤めるカサノバの元へ、伯爵の姪が訪れた。講義を受けに来たはずの彼女は彼の半生を聞きたがり、カサノバはベネチアで脱獄しロンドンを訪れた際の話を聞かせた。

30年前。カサノバは英語が話せないにも関わらずパリからロンドンへ亡命し、友人のクレアモントを頼って屋敷を手配してもらった。カサノバとの再会を喜んだクレアモントは、娼婦を呼び出し4人で熱い夜を過ごした。

翌日の夜、街を歩いていたカサノバは、男に連れられて歩く一人の娼婦に目を奪われた。

クレアモントは、クロイドンの別邸で催されるピクニックにカサノバを招待した。彼は、ロンドンの田舎にはゴロツキが多いから武装に加えて財布を二つ持つようにとカサノバへ忠告した。

クロイドンの別邸へ到着したカサノバは、エントランスでオペラを披露するコルネリス夫人と再会した。カサノバは彼女へ「パリを追われて来た」と話し、そこへ現れたクレアモントはカステルバジャックを紹介した。カステルバジャックの隣には、以前見かけた娼婦が佇んでいた。

ピクニックには多くの招待客が訪れ賑わいを見せていた。コルネリス夫人は、ペンブロック卿とランチを共にするカサノバの元へやって来ると、客人が招いているからと名残惜しそうに帰った。ペンブロック卿は、独身を貫くカサノバへ結婚する気はないのかと聞き、カサノバは「そう思って旅をしているが長く続かない」と答えた。

夜になり、クロイドンの屋敷でギャンブルに興じていたカサノバは、カードのテーブルでカステルバジャックと勝負した。カサノバは彼の隣に座る美しい女性が気になり目で追いながらも、勝負で大金を手にした。

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映画『カサノバ 最期の恋』のあらすじ【承】

翌朝、ペンブロック卿と公園を散歩するカサノバは、ギャンブルで儲けた金が全て偽札だったと告げた。ペンブロック卿は「あの男はくせ者です」と言い、本人の屋敷へ直接行くようアドバイスをした。

ペンブロック卿と別れ帰路に就いたカサノバは、馬車に乗ったスターブンソン夫人に声をかけられた。彼は誘われるがまま馬車へ乗り、彼女と体を重ねた。

カステルバジャックの屋敷を訪れたカサノバは、出迎えた昨夜の美しい女性へ「偽札を換金しにきた」と告げた。女性は、カステルバジャックは捕まり保釈金を払わないと出て来ないと説明、カサノバは彼女へ保釈金に充てるようにと大金を渡した。態度を一変させた女性は、自分を明日の昼食に招待するよう言った。ペンブロック卿と昼食の約束をしていたカサノバだが、彼女がそれでもいいと言うので招待した。

ペンブロック卿と昼食を摂るカサノバは、カステルバジャックの隣にいた女性は誰かと尋ねた。彼は、女性の名前はマリアンヌ・ド・シャルピヨンだと言い、彼女は有名な娼婦で自分も一度指名したことがあると言った。ペンブロック卿が「あの女は一度で十分です。金を受け取り何もさせずに姿を消しました」と言うと、そこへマリアンヌが訪れたため彼は慌てて退席した。

マリアンヌは、カサノバが錬金術に精通していると知り相談を持ち掛けた。彼女の伯母アンナは効果が絶大な“不老の薬”を調合しており、事業を立ち上げるために600ギニーが必要と言うのだ。返事を渋るカサノバは伯母の住所を聞き出し、夜に彼女の元へ向かった。

マリアンヌから聞いた住所には娼館があり、そこは彼女とアンナ、そしてマリアンヌの母が切り盛りする店だった。カサノバは自分が訪れると知っていて店にいないマリアンヌへ静かに怒り、アンナと接見することなく家へ戻った。

映画『カサノバ 最期の恋』のあらすじ【転】

翌朝、カサノバの屋敷を訪れたアンナは、明朝9時に訪ねればマリアンヌは喜ぶだろうと告げ、カサノバはその通りにした。しかし、カサノバが娼館を訪れると、マリアンヌは入浴中で取り合ってもらえなかった。

カサノバは、ソーホー・スクエアにあるコルネリス夫人の屋敷を訪ねた。彼女は会費制の舞踏会や晩餐会を主催する事業を手掛けているが、借金が膨れ上がり首が回らなくなってしまったと言う。彼女は、最後の舞踏会にカサノバを招待した。

舞踏会でコルネリス夫人と最後のダンスを楽しんだカサノバは、夜の庭でマリアンヌが200ギニーで買われ、強引に犯されている場面を凝視した。

翌日になりカサノバの元を訪れたマリアンヌは、昨夜自分が覗かれていていたことに気付いていたと話した。さらに、自分は11歳の時にパリでカサノバと出会っているとも告げた。運命的な出会いに驚きを隠せないカサノバはマリアンヌに側にいてほしいと願い、彼女は“恋人の作法”を守れば2週間恋人でいると約束した。

カサノバはそれから毎日マリアンヌへ会いに行き、健全なデートするようになった。マリアンヌは、会う度に燃え上がる情熱を隠せなくなるカサノバへ、1週間会わないようにしようと提案した。

1週間後、娼館へマリアンヌを迎えに行ったカサノバは、オペラ鑑賞を楽しんだ。その夜二人は遂に体を重ねようとしたが、丁度良くマリアンヌの母親が部屋へやって来たため、慌てたカサノバは半裸のまま家へ帰った。カサノバが去った後、母親はマリアンヌへ「お金は?」と尋ねた。

翌日、カサノバを訪ねて来たマリアンヌの顔には、大きな痣ができていた。母に酷く叱られたと言う彼女へ、カサノバは「お詫びの金を渡す」とだけ言って帰そうとした。「私を愛してないの?」と言うマリアンヌへ、カサノバは冷たく「愛してない」と答えた。

映画『カサノバ 最期の恋』の結末・ラスト(ネタバレ)

傷心のカサノバは、マリアンヌのことが諦めきれず娼館へ向かった。こちらを見向きもしないマリアンヌの母は、「1200ギニー払うから彼女に会いたい」と言うカサノバへ「願い下げです。どうせすぐぼろ布みたいに捨てるくせに」と毒づいた。

3ヶ月後、カサノバはスターブンソン夫人と共に仕立て屋を訪れた。店内をうろつく彼は店の奥で試着するマリアンヌを見つけ、翌日にカフェで会う約束を取り付けた。

カフェにやって来たマリアンヌは、母親の元を離れてチェルシーで暮らし始めたからすぐ来てほしいと言った。カサノバはスターブンソン夫人や友人らとヒーバー城へ行く約束があったが、マリアンヌも行きたいと言うので連れて行った。

ヒーバー城を訪れたカサノバは、スターブンソン夫人が庭園の迷路へ行くと言うのでマリアンヌと共に向かった。迷路の中で友人らとはぐれてしまったカサノバは、好機とばかりにマリアンヌを抱こうとした。彼女はドレスの裾を上げたが、スターブンソン夫人が通りかかったため行為には至らなかった。

迷路から出たカサノバは、夕食の後にマリアンヌの家へ行くと言ったが、彼女は「家には来ないで。すぐに来てというのは嘘よ」と言い放った。

その夜、娼館を訪れたカサノバはマリアンヌが客と体を重ねている場面に遭遇し、怒りに任せて暴れた。マリアンヌは全裸のまま逃げ出した。

カサノバは、もぬけの殻となった娼館を日がな一日監視したが、マリアンヌは家族諸共戻っては来なかった。何日も彼女を探して彷徨ったカサノバは、橋の上からテムズ川を眺めた。そこへクレアモントが通りかかり、彼はレストラン兼娼館へカサノバを案内した。一晩中楽しんだカサノバはクレアモントと当てもなく歩き、彼に感謝しながら朝陽を浴びた。

話を聞き終えた伯爵の姪は、マリンヌはカサノバを愛していたはずと励ました。二人がいる部屋には眩しい朝陽が差し込んだ。

映画『カサノバ 最期の恋』の感想・評価・レビュー

静かに情熱的で生々しい、大人の男による本気の恋を描いた物語。

相手の男性が本気だと分かると、若い女は途端に危機感を覚える。男女が逆でもそうである。しかし、これが娼婦となると、男はいいカモとしか思われない。カサノバは愛する相手を間違えたのだろうか。マリアンヌが幼い頃に一度会っていると告白する場面があるが、真偽は定かではない。カサノバの関心をより強く自分に向けるためだったのか…マリアンヌはカサノバ相手の嘘がうまい。言い換えれば、初老の孤独な男性を弄ぶのがうまい女性だ。彼女がもう少し年齢を重ね落ち着いていれば、もしかしたらこの恋は成就したのかもしれない。

とはいえ、うら若き美貌の少女が、お金持ちの独身中年男性から言い寄られたら、娼婦かどうかは関係なくそりゃあ金目当てでうまいことやるだろうという邪な気持ちが拭えなかった。(MIHOシネマ編集部)

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