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映画『花芯』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『花芯』の概要:古川園子は親に言われるまま、雨宮清彦と結婚した。清彦は一途に園子のことを愛していたが、園子は清彦のことを愛してはいなかった。園子は結婚には愛が必要ないと感じており、義務的に体の関係を持って子供を授かった。

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映画『花芯』の作品情報

花芯

製作年:2015年
上映時間:95分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:安藤尋
キャスト:村川絵梨、林遣都、安藤政信、藤本泉 etc

映画『花芯』の登場人物(キャスト)

古川園子(村川絵梨)
資産家の娘。結婚に夢を抱いておらず、親に言われるまま清彦と結婚する。越智泰範に初めて恋をする。
雨宮清彦(林遣都)
園子の許嫁。真面目で純朴な青年。園子のことを一途に愛している。文学者になるのが夢だった。
越智泰範(安藤政信)
速水電線の京都支店の支店長。清彦の上司。北林の家で下宿している。
古川蓉子(藤本泉)
園子の妹。清彦に一途に思いを寄せている。思慮深い性格。
北林未亡人(毬谷友子)
雨宮一家に、家の離れを貸している。越智泰範が学生の頃から、体の関係がある。息子がいるが、今は疎遠になっている。

映画『花芯』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『花芯』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『花芯』のあらすじ【起】

昭和18年。古川園子は雨宮清彦と結婚することが決まっていた。清彦は園子のためなら何でもすると言っていた。本当は文学者になるのが夢なのに、将来お金に困ることになるからと、工学部に転部していた。だが、園子は自分の父の入れ知恵で、徴兵を逃れるためにやったことだと知っていた。理系の学生は学徒に出陣しなくてもいいのだ。

昭和20年。日本は敗戦した。父ですら泣いていたのに、園子は呑気に草原の上に寝っ転がっていた。蓉子はそんな姉の態度が理解できなかった。だが、園子は園子で、これからのことを考えていた。今まではお国のために生きてきたが、日本が負けた今、何のために生きていくのだろうと疑問を抱いていた。蓉子は何も言葉を返すことができなかった。

昭和21年。園子は清彦と祝言を挙げた。父は床に伏せっており、跡継ぎを頼むと弱弱しい声で園子に頼んだ。園子はそれをとても冷めた表情で見ていた。その日の夜、初夜が行われた。清彦は童貞で、女性の扱いに慣れていなかった。園子はウンザリした表情で、夜の営みが終わるのを待った。

昭和22年。園子は子供を出産した。それに伴い、清彦に求められるまま、夜の営みも再開された。昭和23年。蓉子は清彦に似てきた子供にキスをしようとした。だが、部屋に姉が入ってきたため、最後まですることは叶わなかった。蓉子はこのお芝居がいつまで続くのかと姉を皮肉った。園子が清彦のことを愛していないことは知っていた。しかし、園子は結婚など日常の事務的な取り決めだと思っており、愛は望んでいなかった。

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映画『花芯』のあらすじ【承】

昭和25年。清彦が京都の支社で働くことになり、園子達一家は引っ越しをすることになった。清彦は出世街道に乗っているのだが、園子は一切関心が無かった。むしろ、蓉子の方が清彦のことを気に掛けていた。だが、それすら園子にはどうでもいいことだった。蓉子はそんな姉の態度に腹を立て、結婚前から清彦は園子に一途だったことを明かした。結婚前、清彦は園子のことを気に掛ける手紙を毎日送り続けていた。園子が返信を書かないため、代わりに蓉子が姉の近況を書いて手紙を出していたのだ。園子は蓉子の清彦への報われない思いを知り、同情した。

京都・河原町丸太町。園子は路地裏でキスをしている男女を見かける。その光景を微笑ましそうに眺めていると、反対側の通りに男性が立っているのが見えた。園子はその男性と一瞬だけ視線が交わった。しかし、目を逸らした一瞬の内に男性の姿は消えていた。園子が通りを歩いていると、先程の男性が立っていた。その男性は速水電線の支店長の越智泰範で、清彦の上司だった。

園子は大家の北林に電話を借りに行くため、清彦と泰範と共に家に向かった。そこで、お茶を御馳走になり、先程路地裏で見た男女の話になった。北林や清彦は売春をしていたのかと驚いた様子だったが、泰範は自由恋愛を楽しんでいる様子だったと微笑ましそうに語った。園子はそんな泰範の考え方に興味を持つ。その日の夜、園子は何だか泰範のことが忘れられず、清彦から体を求められても拒んだ。

映画『花芯』のあらすじ【転】

園子は北林の家で泰範と共に麻雀をしていた。北林は園子と泰範の間に流れる微妙な空気から、2人が惹かれあっていることに気づく。するとそこに、清彦が苛々した様子で園子を迎えにやって来た。北林が学生の頃から泰範のことを囲ってきたという噂を聞いたのだ。しかも、北林は泰範の縁談を片っ端から壊していた。清彦はそんな2人の関係を不潔だと言い、園子が北林の家に近づくのを嫌がった。

園子はショックを受け、傷心した日々を過ごした。ある夜、園子は泰範に恋をしたことを清彦に打ち明けた。清彦は戸惑いながらも、時間を持て余しているから馬鹿げた考えにとりつかれているだけだと園子の話を一蹴した。だが、清彦が体を求めても、園子は嫌がった。清彦は腹を立て、襖を殴りつけた。

園子は初めての恋に戸惑い、苦しんでいた。蓉子なら分かってくれるだろうと思い縋るが、蓉子は清彦の気持ちを考え、姉に寄り添ってあげることはできなかった。突然泣き出した園子を見て、事情を知らない母は戸惑った。母と蓉子はこんな状態では子供を育てられないと思い、園子の息子を連れて帰ることにした。

清彦に無理矢理体を求められ、園子は静かに涙を溜めながら終わりが来るのを待った。その後、北林の家にいる泰範の様子を見に行った。すると、北林が泰範の体に触れているのが見えた。園子は北林と目が合うが、ショックで動くことができなかった。

映画『花芯』の結末・ラスト(ネタバレ)

園子は近所の青年から好きだと告白された。一度だけでいいからと頼まれ、体の関係を持った。園子は愛が無くても感じる体が可笑しくて笑った。清彦にそのことを打ち明けると、首を絞められる。園子は嫌がることも、目を逸らすこともしなかった。清彦は手を放すと、ここでのことを忘れて一緒に東京に戻ってくれと頼んだ。園子は何も答えなかった。

園子は先に東京に引っ越すことになった。園子は清彦にお遣いを頼むと、泰範に会いに行って事情を説明した。泰範は園子を抱き締め、必ず会いに行くことを誓った。園子の母は娘の近況を清彦から手紙で知らされる。その手紙には、園子を悪く言う言葉は一つも書かれていなかった。母はそんな清彦に同情し、園子を叱った。だが、園子は全く堪えた様子もなかった。その後、泰範は園子に会いに行き、体の関係を持った。だが、園子の表情はとても悲しそうだった。

昭和27年。園子はアパートで暮らしていた。泰範は北林と縁が切れていなかった。清彦も園子と別れることを嫌がり、離婚届にサインをしなかった。しかし、園子は清彦の態度から、蓉子と関係を持ったことに気づく。園子は清彦に、蓉子と結婚してくれと諭すように話した。その時、清彦は園子から一度も愛されていなかったことを知る。

昭和28年。園子と泰範の関係は続いていた。さらに、一度きりの関係を持つ男性の存在もいた。泰範がどうして愛のない関係を持つのか尋ねると、園子は泰範のことも愛していないと答えた。泰範に恋をしていたが、初めて体を求め合った夜に気持ちは冷めてしまっていた。泰範はその言葉に怒り、愛がないならとお金を置いて立ち去った。園子はお金を踏みながら、身支度を整え紅を引いた。

園子は母の葬儀で実家を訪れた。蓉子と息子と清彦が仲良く笑い合っている様子を、幸せそうに眺めた。園子が立ち去ると、蓉子が追いかけてきた。園子は立ち止まり、蓉子に籍を入れることを勧めた。蓉子はこれから姉が1人で生きていくことを心配するが、園子は微笑んで立ち去った。

映画『花芯』の感想・評価・レビュー

古川園子の夫となる雨宮清彦は真面目な性格で優しくて、非の打ちどころのない人物である。しかし、園子はそんな清彦を愛さず、彼の上司である越智泰範に思いを寄せてしまう。さらに、園子の妹は雨宮清彦のことを密かに思い続けている。

もしも、自由恋愛が推奨されている時代だったら、皆幸せだったんじゃないかと思うと少しだけ悲しくなった。主人公の古川園子の自由奔放な考え方に唖然としながらも、自由に恋愛できない環境に少しだけ同情した。(女性 20代)


親に言われるがまま、清彦と結婚した園子。しかし、園子には清彦に対する「愛」は微塵もありませんでした。
林遣都演じる清彦がとにかく可哀想で報われないので、園子に対する嫌悪感ばかり募ります。
一途に自分のことを愛してくれる清彦。しかし、惹かれるのは体の関係だけの他の男。そんな園子は同じ女性として本当にみっともなく、哀れだと感じました。愛を受けたら愛で返すことを知らないなんて本当に可哀想です。何が彼女をそうさせてしまったのかを知りたくなりました。(女性 30代)

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