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映画『キッズ・オールライト』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キッズ・オールライト』の概要:私の母親はシングルマザーでレズカップル。私は試験管から生まれた。18歳になったジョニは、精子提供者の父親と会う事になる。家族のかたちってなんだろう?愛に溢れたヒューマンドラマ。

映画『キッズ・オールライト』の作品情報

キッズ・オールライト

製作年:2010年
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:リサ・チョロデンコ
キャスト:アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカ、マーク・ラファロ etc

映画『キッズ・オールライト』の登場人物(キャスト)

ニック(アネット・ベニング)
ジョニの母親で医者。家族の父親的存在。ポールの出現で、家族を奪われる不安からどんどんナーバスになっていく。
ジュールス(ジュリアン・ムーア)
レイザーの母親。無職。ポールと体の関係を持ってしまう。家族にばれてしまい追い込まれていく。
ポール(マーク・ラファロ)
精子提供者。奔放な性生活を送り、仕事一筋。少し変わっているけど、優しい性格。
ジョニ(ミア・ワシコウスカ)
成績優秀。精子バンクに電話し、ポールとコンタクトをとる。まじめな性格だが、ジュールズとポールの浮気を知り、荒れる。
レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)
ジュールズの息子。気が弱く友達に振り回されている。ポールに苦手意識を抱く。

映画『キッズ・オールライト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キッズ・オールライト』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キッズ・オールライト』のあらすじ【起】

シングルマザーのレズカップルが娘と息子4人で暮らしていた。彼女達の娘ジョニ(ミア・ワシコウスカ)は18歳になろうとしている。ある夜ジョニは、母親の目を盗んで戸棚を漁る。そこには精子バンクの書類が入っていた。彼女達の子供はいわゆる「試験管ベビー」だったのだ。

農作業をしている男、ポール(マーク・ラファロ)の元に精子バンクから電話がかかって来た。自分の精子から生まれた女性が連絡を取りたいと言っているらしい。ポールは19歳のときに精子バンクに提供したことを思い出した。自分に子供がいる事に少し動揺する。

ある日ポールはジョニに電話する。ジョニは弟のレイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)もあなたの息子だと告白した。母親達は同じ男性、ポールの精子でジョニとレイザーを授かっていたのだ。2人はポールに会いに行くが、レイザーはポールに少し不満気だった。

レイザーは母親2人と話し合いをしていた。母親の寝室に忍び込み、男友達とポルノをみていたレイザー。ゲイなのではないかと心配したのだ。しかし彼は勘違いして、ポールの事を話してしまう。ニック(アネット・ベニング)とジュールズ(ジュリアン・ムーア)はポールに会う事を決心した。

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映画『キッズ・オールライト』のあらすじ【承】

5人で食事会をする。ポールは結婚も離婚も経験した事は無く、仕事ひとすじだと話した。母親2人は、自分たちがどのようにして出会い、恋に落ちたのかをポールに語った。意気投合した5人。ジュールズは彼の裏庭を整理する仕事を紹介された。

ジュールズはポールの庭で、彼の笑い方が自分の子供達にそっくりだと気づく。5人はいろんな気持ちを抱えながら、次第に心を通わせていくのだった。ある日ポールとレイザーは男2人で車の中にいた。なぜ精子提供したのかを聞くと、人の役に立ちたいと思ったからだと話した。そして、レイザーと会えて本当にうれしいとも、語った。

ニックはポールが現れてから、ずっとイライラしていた。ジュールズはそんな彼女に不満を膨らませていった。庭作りの相談中、優しい言葉をかけてくれたポールに思わずキスをしてしまう。

ある日庭作りを手伝ったジョニは、ポールのバイクの後ろに乗ってしまう。母親2人からきつく禁止されていたことを破ったのだ。ニックはポールに対して怒りを爆発させてしまう。ポールの存在が、少しずつ家族のバランスを崩していく。

映画『キッズ・オールライト』のあらすじ【転】

ポールとジュールズはひょんなきっかけから関係を持ってしまう。ポールのレストランでジョニは親友と食事をする。親友は奔放な性格で、「あなたの父親が私を誘っている」と失言してしまう。潔癖なジョニは親友に嫌悪感を抱く。一方、ニックとジュールズの関係も悪化していた。ワインを飲んで暴言を吐くニック。ポールに家族を奪われそうなニックは、不安でナーバスになっていた。そのこともあって、ジュールズはポールの体を求めてしまう。

ニックは自分の発言で家庭内がピリピリしているのを解決しようと、ポールの家で食事の計画をたてる。でもジュールズはポールとの関係が頭をよぎり、賛成できない。ジュールズはポールにもう辞めたいというが、体が言う事を聞かないのだった。

ニックはワインを飲まず、食事会は平和に進んでいく。ポールの音楽の趣味に共感を覚えたニックは、ジョニの名前は、自分が高校生のときに好きだったミュージシャンの名前からとったのだと語った。その様子を見ているジュールズは、不安が隠せない。

映画『キッズ・オールライト』の結末・ラスト(ネタバレ)

しかし、平和は長く続かない。ニックはトイレでブラシに巻き付いたジュールズの髪の毛を見つける。バスルームの排水溝にも彼女の赤毛が。ニックの表情がみるみる変わっていく。帰宅すると、ニックはジュールズに言った。
「彼と寝てるの?」
深い悲しみをたたえたニック。それをジュールズは全力で否定する。
「昼寝もしてるの……?」
もう誤摩化すことはできなかった。言い争う2人がドアを開けると、そこにはジョニとレイザーがいた。

ジョニはポールに電話して、もう二度と会いたくないと伝えた。ある日パーティーから帰って来たジョニは泥酔していた。この状態で運転して来たのだと言う。バラバラになっていく家族。

ジョニが大学に入学する前日、ポールが訪ねて来た。彼は自分のした事を恥じて、毎日を悶々と過ごしていた。そんな彼にニックが罵った。
「あなたは家族とは関係ない!あなたは『侵入者』なの。」
彼はただ精子を提供しただけの男だと。

大学の寮に向かう空気は重い。しかし、別れ際、母親2人に抱きしめられたジョニは涙を流す。私の母親はレズビアン。私は試験管から生まれた。変わっているけど、不器用だけど、それでも私の家族だ。

映画『キッズ・オールライト』の感想・評価・レビュー

今や映画や海外ドラマを見ていると当たり前のように思える、同性愛カップルとその家族を描いた作品であり、こちらは2010年の作品なので当時ではまだ珍しかったように思える。確かに、2人の母親であったり、試験管ベイビーといった内容は日本に住む者にとっては異質なもののように思えるが、困難にぶち当たり家族として決断を下す姿は異性間の婚姻とその家族となんら変わりない。日本のマイノリティの人権に対する意識の低さについて考えさせられる作品であった。(男性 20代)


ちょっと変わったヒューマンドラマです。
よそとは違う「家族」があってもいいじゃないか、普通ってなんだろう、そんな問いかけをしてくる作品です。
雰囲気はすごく明るいけど、シリアスなシーンも多くあります。それぞれの立場でいろいろな感情が渦巻いて、家庭崩壊の危機にぶち当たりますが、それにたくましく向き合っていく姿は観ていて清々しさすら覚えました。
主要キャストも実は豪華です。両親と精子提供者は言わずと知れたベテラン達。個人的には子役の2人がとても良かったと思います。ミア・ワシコウスカもジョシュ・ハッチャーソンも大きくなりましたね。(女性 20代)


「試験管から生まれた」とか「レズビアンの両親」なんて言葉を目にしただけで怖気付いてしまう日本人は少なくないですよね。なるべく「見ない」ようにしようなんて思っていたり。
私は日本の「性」や「マイノリティ」に対する意識の低さにうんざりしています。「少数派」を「悪い」ように捉えるのは何故なのでしょう?何故理解しようとしないのでしょう?
この作品を見ると、寛容さや理解し合う心は絶対に必要なものだし、持っていなければならないものだと感じます。他人のことを理解するのはもちろん、自分の「本当の気持ち」に素直になれる世の中になって欲しいです。(女性 30代)

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