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映画『喜劇 愛妻物語』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『喜劇 愛妻物語』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『喜劇 愛妻物語』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『喜劇 愛妻物語』の結末までのストーリー
  • 『喜劇 愛妻物語』を見た感想・レビュー
  • 『喜劇 愛妻物語』を見た人におすすめの映画5選

映画『喜劇 愛妻物語』の作品情報

喜劇 愛妻物語

製作年:2019年
上映時間:117分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:足立紳
キャスト:濱田岳、水川あさみ、新津ちせ、大久保佳代子 etc

映画『喜劇 愛妻物語』の登場人物(キャスト)

豪太(濱田岳)
年収50万円、妻に養ってもらっている売れない脚本家。口の悪い妻に罵倒される日々を送るが、言い返すこともできず悶々としている。ある日、大きな仕事を掴むチャンスが訪れ取材も兼ねて家族旅行を提案する。
チカ(水川あさみ)
収入のない豪太をずっと支えている働き者の妻。節約癖が染みつき、出先でも甘えたことは許さない。「頑張る」という豪太の言葉に騙され続け、溜め込んだ不満を罵倒に変えて鬱憤を晴らしている。

映画『喜劇 愛妻物語』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『喜劇 愛妻物語』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『喜劇 愛妻物語』のあらすじ【起】

妻・チカに背を向けられたまま目覚めた豪太は気づく。「2か月ほどチカとセックスレスである」ということを。売れないシナリオライターである豪太は、愛人を作る余裕もなく家事と育児に励みチカの機嫌を取るしか選択肢はないのだった。しかし豪太に頼らず生活費を稼ぐため、働き詰めのチカを落とすハードルは想像を絶するほど高い。新しい仕事の話を受けても、チカは期待すらしてくれないのだった。

豪太は世話になっているプロデューサーから、香川を舞台にした作品の脚本を依頼された。長年温めていたドラマの脚本も形になるかもしれないと煽られ、やる気に満ちて帰路に就くのだった。

香川の視察に同行して欲しいとチカに頼み込む豪太。話を聞く気もないチカだったが、夜更け頃一人で結婚前に豪太の夢を一緒に追っていた頃を思い返すのだった。「今度はチャンスを掴むから」という豪太の言葉に1000回は騙されたはずのチカだが、最後の期待を込めて早朝に香川へ出発することにした。

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映画『喜劇 愛妻物語』のあらすじ【承】

電車を乗り継いで香川に着いた豪太一家。せっかくの家族旅行でも節約癖が抜けないチカは、外食も少しの贅沢も一切許さなかった。ホテルはシングルの部屋を取っていたチカ。
娘・アキを連れて豪太に先にチェックインさせたチカは、裏口から忍び込もうとするがそう簡単にはいかなかった。電柱をよじ登りなんとか潜り込んだチカは、のんびりとお風呂に入っている豪太に怒りをぶつけ続ける。口答えもできない豪太はベッドの端に追いやられ夜を明かすのだった。

翌日からレンタカーでの移動が始まる。3年ぶりの運転に神経をすり減らすチカは、モデルとなるうどん少女の取材先で他に実写化の話が決まっていると知らされる。豪太への怒りが抑えきれないチカと、知らぬ間に仕事が頓挫していることに動揺する豪太。「無駄な一日だった」と呆れかえるチカは、ワイナリーで試飲用のワインを水筒に入れすぐに宿へ向かうのだった。

アキも寝付き良い雰囲気を作ろうと必死になる豪太だが、チカは一蹴する。いじけた豪太はチカの財布を持ち出し夜の町に繰り出すも風俗に行く勇気はなく、ただただ歩き彷徨うのだった。

映画『喜劇 愛妻物語』のあらすじ【転】

明け方、酔いつぶれた女性を見つけた豪太は悶々とした感情を抑えきれずスカートの中を覗こうとしてしまった。偶然にも通りかかった警官に補導されてしまい、迎えに来たチカの怒りは頂点に達する。アキを授かったことを映画の脚本家になる夢を諦める理由にしたと詰め寄られる豪太もまた、我慢の限界に達した。

喧嘩別れしたまま、チカは旧友・ユミの元を訪ねに行く。残された豪太はアキと海に行き、パート仲間だったアズマとこそこそ連絡を取り合う。東京に戻ったら会う約束を取り付けた豪太はアキから目を離してしまうほど夢中になっていた。ユミからの連絡でチカと合流することになった豪太だが、仮眠明けに女同士の会話を盗み聞きしてしまった。実は夫以外にも大学生の彼氏がいるというユミの話を聞き、チカが欲情しているのではないかと勝手に期待するのだった。

その夜豪太は早速ユミの話を持ち出し、雰囲気づくりを始める。少しだけリアクションが優しくなったチカを追い立てる豪太。そしてチカも「特別」と言い豪太を受け入れようとするのだった。

映画『喜劇 愛妻物語』の結末・ラスト(ネタバレ)

久しぶりに共に朝を迎えたチカと豪太。上機嫌で昼食は寿司を食べに行き、豪太は期待していた実写化作品の話に花を咲かせ「海外に行こう」と大口をたたいていた。その矢先、プロデューサーから連絡が入る。なんと豪太の脚本は原作者の意向に沿わずダメになってしまったと聞かされたのだ。上手くいかない現実に泣き出すチカ。それまでの穏やかな時間が嘘のようにチカは豪太を拒絶する。そしてチカは別れを切り出す。豪太への怒りを抑えきれないチカは「お前には泣く資格も笑う資格もない」と罵倒し、泣き崩れる。その様子を見たアキも泣き出してしまい、豪太もつられて泣き崩れるのだった。

東京へ戻った豪太は、昔願掛けに買った赤いパンツをはいて眠るチカの姿を見て初心に戻る。「頑張るから」と何度もつぶやき、机に向かうのだった。パソコンを使えない豪太に変わり、手書きの原稿を書き起こすチカ。文句を言いながらも、変わらず夢の途中にいる豪太に手を差し伸べるのだった。

映画『喜劇 愛妻物語』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

夢の途中である夫を健気に支える妻…そんな武士の妻のような在り方は不毛だ。そう言われているように思える時間であった。守る物がある中で、言い訳を並べ仕事を勝ち取りに行くことはない夫。それでも「頑張る」という彼の言葉を信じ続ける妻は「健気」である。子供の前でのあの罵倒はなんとも心苦しいが、夫婦の在り方や関係性のボーダーラインについて少し考え直させる一作であった。東京国際映画祭・コンペティション部門では最優秀脚本賞を受賞している作品だけあり、抜け目なく統一感のある展開であった。(MIHOシネマ編集部)


こんなにもダメな夫を支え続ける理由は何なのだろうと疑問に思ってしまいました。チカのように働き者で、自分を強く持っている女性だったら豪太が居なくても娘と二人で生きていけると思います。正直、豪太の存在はストレスだし、お金を稼いでくれるわけでもないし邪魔なだけでは無いでしょうか?
夫婦の間には他人には見えない絆があるのかもしれませんが、いつもイライラしている奥さんだったら旦那さんの仕事も上手くいかないだろうななんて考えてしまいました。(女性 30代)


倦怠期を迎えた夫婦のリアルすぎる日常を描いている。妻チカの恐妻ぶりと辛辣な言葉の数々には見ていて辛くなり、結婚なんてするものじゃないとすら思えてくる。
夫である豪太は絵に描いたようなダメ夫で、チカにはボロクソに言われっぱなし。それでもめげずに機嫌をとろうとする姿が滑稽で笑えてしまう。
愛の冷めきった夫婦関係だが、それでもなんだかんだ成り立っていて、信じて傍にいてくれる人の存在が日々の励みになるのだと思う。(女性 30代)


夫婦のリアルすぎる日常に、思わず笑って泣いてしまった。濱田岳演じる売れない脚本家と、水川あさみ演じる鬼嫁とのテンポあるやりとりは、どこかで見たことあるような“夫婦あるある”のオンパレード。でも、物語が進むにつれ、夫婦の不器用な愛情や、言葉にしない思いやりがじわじわと伝わってきた。コメディだけど、最後にはしっかり心が温まる。良作です。(20代 男性)


夫婦ゲンカがほぼ全編(笑)でも不思議と愛を感じる映画でした。子育てと生活に追われながらも、どこか繋がっている夫婦の姿に共感。特にラストの北海道旅行での一連のシーンが好き。あれだけ口うるさい妻が見せる優しさに、涙がこぼれました。水川あさみの演技が本当に素晴らしく、女性としても共感しかない作品。(30代 女性)


笑いながら観てたけど、気づけば心にじーんと染みてた。売れない脚本家という冴えない夫の姿が、自分にも重なってなんだか苦笑い。だけど、そんなダメ男を見限らずに厳しくも支える妻の存在が、実は最大の愛なんだと感じた。等身大の夫婦愛を描いていて、観たあと自分のパートナーに優しくなれる映画です。(40代 男性)


「夫婦ってなんだろう?」と考えさせられた映画。日常のささいなやりとりが、実は深い愛情の裏返しだったりするんだよねって気づかされた。水川あさみの妻役がすごくリアルで、イライラしながらも応援したくなる不思議な魅力があった。コメディとして笑えるのに、どこか泣ける。そんなバランス感覚が最高でした。(20代 女性)


最初は「よくある夫婦コメディかな」と思っていたけど、観終わってからじわじわと効いてくるタイプの映画。結婚生活の大変さをユーモアで包みながらも、そこにある信頼や情を描いていて、感情移入しっぱなしでした。旅行先での夫の変化と、それに応える妻の表情の変化に、すごく人間味を感じた。(50代 男性)


この映画、正直に言って「めっちゃ刺さった」。子育てしながら夫の面倒を見るってどれだけ大変かわかってる?って思ってたけど、最後の最後で夫の“愛の形”がちゃんと描かれていてホロッときた。リアルだけど愛がある。水川あさみのセリフ一つ一つが、刺さる刺さる…!笑いながら泣ける、女性のための喜劇です。(30代 女性)


家族映画にしては珍しく、恋愛ではなく“結婚のその後”をテーマにした珍しいタイプ。夫婦関係に悩んでる人ほど、観た方がいい。完全にコメディかと思ったけど、ラストにはやっぱり泣かされてしまった。夫の目線で描かれてるけど、妻の強さと優しさがしっかり伝わるバランスが見事。(40代 女性)

映画『喜劇 愛妻物語』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『喜劇 愛妻物語』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII

この映画を一言で表すと?

“主婦にも限界がある”と叫びたくなる、痛快ホームコメディ!

どんな話?

家族のために尽くしてきた専業主婦が、ある日ついに爆発!黙って家を出てしまったことから、家族は初めて「母」という存在の重みを知ることになる。山田洋次監督が描く現代の家庭劇、第三弾。

ここがおすすめ!

女性の視点から描く家庭のリアルが、笑って泣けて共感必至。『喜劇 愛妻物語』のような“夫婦の不協和音”がテーマでありながら、家族全体の物語としても楽しめる。熟年夫婦にも若い夫婦にも刺さる作品です。

そして父になる

この映画を一言で表すと?

血か、時間か――父としての“愛の正体”を問う静かな衝撃作。

どんな話?

6年間育てた息子が、実は出生時に取り違えられていたと知った父。もう一人の家族との交流を通じて、自分にとっての「本当の父親とは何か」を探っていく。是枝裕和監督による家族ドラマ。

ここがおすすめ!

夫婦間の葛藤や育児の価値観の違いが丁寧に描かれ、『喜劇 愛妻物語』のような“家族のすれ違い”に通じるものがある。コメディとは違った重みがありつつも、心に静かに響く余韻が残る映画。

百円の恋

この映画を一言で表すと?

人生、何歳からでもやり直せる――不器用すぎるヒロインの逆転劇!

どんな話?

引きこもり気味のアラサー女性が、ひょんなことからボクシングと出会い、人生を変えていく。家族からも周囲からも“ダメ人間”扱いされていた彼女が、自分自身を見つけていく過程を描いた感動作。

ここがおすすめ!

“夫婦”の物語ではないが、不器用な愛や葛藤を描く点で『喜劇 愛妻物語』と共通する人間ドラマの深さがある。安藤サクラの鬼気迫る演技と、観た後に「明日がちょっと楽しみになる」ような力強さに惹かれる。

東京家族

この映画を一言で表すと?

“家族とは何か”を静かに問いかける、現代の『東京物語』。

どんな話?

田舎から出てきた両親と、都会で生活する子どもたち。世代間の価値観の違いが生むすれ違いと、それでも家族でいようとする温かさが繊細に描かれる。小津安二郎へのオマージュ作品としても有名。

ここがおすすめ!

夫婦や家族の“見えにくい愛情”を丁寧に描いていて、日常の中にある優しさを再確認できる作品。『喜劇 愛妻物語』で笑いながら気づいた“当たり前”の尊さに、改めて胸を打たれる映画です。

家族はつらいよ

この映画を一言で表すと?

離婚届がきっかけで、平穏な家庭がまさかの大騒動に!?

どんな話?

熟年夫婦の妻が「離婚届」を書いたことで、大家族に激震が走る。子どもたちは騒動に巻き込まれ、夫は右往左往…笑いあり涙ありのホームコメディが展開される、山田洋次監督の新たな代表作。

ここがおすすめ!

『喜劇 愛妻物語』と同じく“妻の本音”と“夫の無自覚”のギャップが炸裂。笑いながらも夫婦関係や家族の大切さについて考えさせられる、世代を問わず楽しめる温かいコメディです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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