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映画『菊次郎の夏』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『菊次郎の夏』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『菊次郎の夏』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『菊次郎の夏』の結末までのストーリー
  • 『菊次郎の夏』を見た感想・レビュー
  • 『菊次郎の夏』を見た人におすすめの映画5選

映画『菊次郎の夏』の作品情報

菊次郎の夏

製作年:1999年
上映時間:121分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:北野武
キャスト:ビートたけし、関口雄介、岸本加世子、吉行和子 etc

映画『菊次郎の夏』の登場人物(キャスト)

菊次郎(ビートたけし)
チンピラの中年男性。妻に言われ、妻の知り合いの孫である正男の一人旅に同行させられる。両親のいない正男の境遇を自身と重ね合わせ、距離を縮めていく。破天荒な行動ばかりとるが、優しさを持った男。
正男(関口雄介)
小学校三年生の男の子。祖母と二人暮らし。父は早くに他界し、母は遠くの町で働いていると祖母に言われている。母に会うため、勢いで家を飛び出す。旅を共にした菊次郎の優しさに触れ、だんだんと心を開いていく。
菊次郎の妻(岸本加世子)
菊次郎の妻で、スナックを経営している。正男の旅を心配し、菊次郎を同行させる。気が強く、ヤンキーにも物怖じしない。
正男の祖母(吉行和子)
正男の祖母で、正男と二人暮らしをしている。浅草の煎餅屋を営んでいる。正男には、母のことを秘密にしている。優しい祖母。
小説家志望の青年(今村ねずみ)
菊次郎達がヒッチハイクで出会った青年。小説家を目指している。母の真実を知って傷ついた正男を癒すため、菊次郎達とキャンプを行う。正男には、優しいおじちゃんと呼ばれる。

映画『菊次郎の夏』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『菊次郎の夏』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『菊次郎の夏』のあらすじ【起】

小学校三年生の正男は、夏休みを迎えていた。家族と旅行に出掛ける友人を羨ましがる正男。

正男は、浅草で祖母と二人暮らしをしている。下校途中、祖母の知り合いである菊次郎とその妻に出くわした正男。挨拶をしてその場を去った正男を見ながら、菊次郎の妻が正男の身の上話をする。正男には父親がいなく、母は遠くで暮らしているのだ。

夏休みのある日、遊びに誘うために友人達の家を訪れる正男。しかし、みんな家族と出掛けてしまっていた。仕方なく家で寂しく過ごしていると、宅配便が送られてくる。その荷物の送り主が母だと思った正男は、その住所を紙にメモして家を飛び出す。

母に会うために豊橋へと向かう正男。途中、中学生にカツアゲされてしまう。それを見つけた菊次郎夫妻が、正男を助けに入る。

正男から事情を聞いた菊次郎の妻。彼女は、一人では危ないからと菊次郎を同行させることにする。さらに彼女は、祖母にもうまく話をつける。

映画『菊次郎の夏』のあらすじ【承】

菊次郎は、豊橋に向かわず競輪場へと足を運ぶ。レースを外し続け、機嫌が悪くなる菊次郎。所持金も尽き、正男の持っていたお金にまで手をつける。しかし、正男に予想させたレースが大当たりする。その夜、菊次郎は正男を連れてキャバクラで豪遊をする。

再び競輪で儲けようとした菊次郎。何度も正男に予想させるが、ことごとく外してしまう。正男に八つ当たりした菊次郎は、正男を居酒屋の外に置いて中で食事を摂る。外に出た菊次郎は、正男がいなくなっていることに気づく。正男は、変質者に連れ去られてしまっていたのだ。菊次郎は正男を見つけると、変質者から財布を奪ってタクシーへと乗り込む。

菊次郎は、運転手がトイレに行っている隙にタクシーを奪う。タクシーを降りた二人は、リゾートホテルに辿り着く。

ホテルで好き放題に行動する菊次郎。その後、何度も迷惑をかけ続けた菊次郎。それでも、正男の事情を知って同情した従業員が、ヒッチハイクのできる場所まで菊次郎達を連れて行く。

映画『菊次郎の夏』のあらすじ【転】

若いカップルに目をつけた二人。正男がカップルに、豊橋まで連れて行って欲しいと頼む。豊橋とは逆の方向に行く予定だったにも関わらず、カップルは途中まで正男達を車に乗せる。

車を降り、古いバス停に着いた二人。しかし、いくら待ってもバスはやって来ない。雨が降り、夜が来て、二人は一夜をそのバス停で過ごす。

菊次郎は、正男が母親に会ったことがないと知ると、この子も自分と一緒だと言って悲しい表情を浮かべる。

ようやくヒッチハイクに成功した二人。小説家志望だというその青年は、菊次郎達を正男の母の家まで連れて行く。

母親を見つけた正男と菊次郎だったが、そこには再婚して新たな家庭を持った母親の姿があった。

ショックで泣き出してしまう正男。菊次郎は、道端で会ったバイク乗りからお守りだという鈴を奪う。それを正男に渡し、鳴らすと天使が幸せを運んでくれると言って励ます。

菊次郎は、正男に帰ろうと言う。途中、縁日に寄って正男を励ます菊次郎。好き放題やる菊次郎は、ヤクザに捕まってボコボコに殴られてしまう。

映画『菊次郎の夏』の結末・ラスト(ネタバレ)

ボロボロになった菊次郎を、正男が介抱する。二人の距離はどんどんと縮まっていく。

再び帰路へと着く二人は、小説家志望の青年と再会する。キャンプをしようという青年の提案を受け、菊次郎達はキャンプをすることに決める。バイク乗りの男達も合流し、キャンプは賑やかになっていく。

菊次郎はバイク乗りに、ある町に連れて行けと言う。そこはキャンプ場の近くの町で、菊次郎の母親が住む町だった。しかし、菊次郎は母を遠目に見るだけでその場を去ってしまう。

菊次郎達は、正男を楽しませるために様々な遊びを考える。隠れん坊やスイカ割りをして遊び、正男もどんどん元気になっていく。

バイク乗り達と別れ、小説家志望の青年の車で帰路につく菊次郎達。浅草に着き、青年とも別れた二人。菊次郎と正男も別れのときを迎える。別れ際、正男は菊次郎に名前を尋ねる。菊次郎という名前を知った正男は、家路へと走っていく。菊次郎は、優しい眼差しで正男の姿を見つめている。

映画『菊次郎の夏』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

北野武が監督・脚本をつとめ、母親に会いたい少年・正男と、近所に住むオッサン・菊次郎との珍道中を描いた作品。久石譲のテーマソングは映画の枠を越え、あまりにも有名である。
菊次郎が正男に自分自身を重ね、不器用ながらも手を差し伸べてやるシーンが絶妙で、とても温かい気持ちにさせられる。
そして、正男に突き付けられた悲しい現実。母親はすでに別の家庭を築いていたのだ。そんな正男を慰めようと、またも菊次郎はいろいろな遊びを正男にさせるのだ。
つまずきながらも前に進もうとする菊次郎と正男の姿に勇気をもらった視聴者も多いはずだ。(男性 40代)


北野武は天才だと感じた作品です。彼はコメディアンであり、俳優であり、映画監督でもあります。『アウトレイジ』が大好きな私は、それをきっかけに北野武監督の作品を鑑賞し始めましたが、この『菊次郎の夏』は一番心に残っている作品と言っても過言ではありません。
少年とチンピラおじさんの交流を描いた今作は、最初から北野武らしさが滲み出ていてとにかく最高でした。全く接点の無い2人が少しずつ心を通わせて、お互いが相手を想い大切な存在になっていく姿は涙無しでは見られません。
作中に流れる久石譲のSUMMER。あまりにも有名な曲ですが、これほど作品の世界観に合っている曲は他に無いと感じさせてくれます。(女性 30代)


久石譲の音楽が流れる中で描かれる、少年と中年男の奇妙な夏の旅。母親に会いに行くという少年の純粋な目的に対し、菊次郎のいい加減さが笑いを誘う。しかし、母親が別の家庭を築いている現実を知る場面では胸が締めつけられた。ラストで少年が少しだけ大人になり、菊次郎が何かを取り戻すような表情を見せるのが心に残る。ビートたけしの“優しさの形”を感じる名作。(20代 男性)


初めて『菊次郎の夏』を観たのは学生時代。大人になって再び観たら、涙の意味が変わっていた。少年の母親探しの旅を描きながら、実は菊次郎自身の“過去”と“孤独”を映し出している。無骨な男が不器用に優しさを見せる姿が、たまらなく愛おしい。ラストの久石譲のテーマ曲とともに、静かに心が温まる映画だった。(30代 女性)


この映画は、少年の成長物語でありながら、中年男の再生の物語でもある。菊次郎の粗暴さの裏にある寂しさや、人との繋がりを求める気持ちが徐々に見えてくる。途中のユーモラスなエピソードが多いからこそ、母親との再会シーンの切なさが際立つ。特に、何も言わず少年をそっと見送る菊次郎の姿に涙した。笑って泣けるロードムービーの傑作。(40代 男性)


『菊次郎の夏』は、セリフが少なくても心が伝わる映画。少年と菊次郎の関係はまるで親子のようで、見ているうちに自然と情が移る。旅の途中で出会う人々も個性的で温かい。母親に会えなかった悲しみを、夏の風景と音楽が優しく包み込む。特にエンドロールの余韻が素晴らしく、観終わった後に静かな感動が残る作品。(50代 女性)


菊次郎の言動は粗暴で、最初は嫌なオジサンに見える。でも旅を通して、彼の中の“優しさの不器用さ”が少しずつ見えてくる。母親に会えなかった少年の涙に、何も言わず寄り添う姿が印象的。人を慰めるのに言葉はいらない、ということを教えてくれる映画だ。久石譲の「Summer」が流れるだけで泣けてしまう。(10代 女性)


最初はコメディのように見えて、実は人生の哀しみが滲み出ている映画。菊次郎は少年を導くふりをして、自分自身が救われていく。母親に会えなかった少年に代わって、彼が笑いを取り戻させようとするシーンが本当に優しい。たけし監督特有の“間”と静けさの演出が見事。大人になるほど沁みる作品だと思う。(30代 男性)


少年が見た夏の風景と、菊次郎が感じた人生の寂しさ。全く違う二人の視点が、旅の中で交わっていく様子が美しい。途中のユーモラスなシーンも多いけれど、根底には「人は誰かと繋がりたい」という普遍的なテーマがある。母親に会えなかった少年が、それでも“家族”を見つけたようなラストが優しい。(60代 女性)


この映画を観ると、夏の空気とともに“人の温もり”を思い出す。菊次郎のぶっきらぼうな態度の裏にある優しさがじんわり伝わる。少年の笑顔を見たときの彼の表情が忘れられない。笑いながら、気づけば涙が流れている――そんな感情を呼び起こす映画。人生に疲れた時にまた観たくなる。(40代 女性)

映画『菊次郎の夏』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『菊次郎の夏』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

Central Station(セントラル・ステーション)

この映画を一言で表すと?

「心を通わせる旅路が、人生の欠片をそっと埋めていくロードムービー。」

どんな話?

リオデジャネイロの中央駅で文字が書けない人たちの代筆をして暮らす元教師ドーラ。ある日、母親を亡くした少年ジョスエと出会い、彼の父親探しのためにブラジル国内を旅することになる。途中で互いの孤独や傷に触れながら、次第に心を通わせていく。約200文字。

ここがおすすめ!

『菊次郎の夏』同様、年齢も立場も異なる二人が旅を通じて関係を築く構図が深く響きます。風景の中で成長と絆が描かれ、静かな余韻が残る作品。ドーラとジョスエのやりとりや、旅先で出会う人々との交流が温かく、まるで人生の縮図を見ているような感動があります。約200文字。

The Fall(ザ・フォール/夢の旅人)

この映画を一言で表すと? 「幻想と現実が交錯する、心の旅を映した映像詩。」

どんな話?

1920年代の米ロサンゼルス。重傷を負ったスタントマン・ロイと、入院中の少女アレクサンドリアが出会う。ロイは壮大な物語を語り、少女はその想像世界に浸る。旅と物語が交わる中、二人の傷と救いが静かに明かされていく。約200文字。

ここがおすすめ!

『菊次郎の夏』が持つ“旅”“子どもと大人”“絆”という三つの軸に通じる作品です。旅先での出会いや心の交流、そして映像の美しさが圧巻。物語の中で大人が子どもに寄り添う姿は、菊次郎の成長も思い起こさせます。視覚的にも物語的にも深く心に残る一本です。約200文字。

The Taste of Tea(お茶の味)

この映画を一言で表すと?

「日常がほんの少しずれて見える、優しくて奇妙な家族の物語。」

どんな話?

北関東の田舎に暮らす春野家の夏。各々が抱える悩みや奇妙な出来事を通じて、家族の絆と成長を描く。ふとした瞬間に現れる不思議な風景とユーモアが、観る人を心地よく包む。約200文字。

ここがおおすすめ!

『菊次郎の夏』のように“旅”ではなく“日常”を舞台にしているものの、子ども・大人・関係性というテーマが共鳴します。家族それぞれの視点が丁寧に描かれ、温かさと切なさが同居。映像の美しさや余白を生かした演出も魅力的で、観た後に深く考えたくなる作品です。約200文字。

Wood Job!(ウッドジョブ!)

この映画を一言で表すと?

「田舎で出会った青春の痛みと再生を描く、ムラ暮らし体験コメディ。」

どんな話?

都会の大学合格直前に「林業を体験する半年」に参加した主人公。森や山での作業を通じて、地域の人々や自然との関係に戸惑いながらも成長していく。笑いと不器用な葛藤が入り混じる夏の物語。約200文字。

ここがおすすめ!

『菊次郎の夏』にある“不器用な大人が子どもに寄り添う”要素や、“旅(環境変化)を通しての成長”というテーマを感じさせる作品です。田舎と都会、人との距離を通して描かれる変化の過程がリアルに響き、肩の力を抜いて観られる良作です。約200文字。

Journey to Italy(イタリアへの旅)

この映画を一言で表すと?

「旅先の静寂が、人間の内面を映し出す映像詩。」

どんな話?

アマルフィ海岸を訪れた夫婦の物語。観光地を巡りつつも互いに言葉を交わさず、沈黙の中でそれぞれの孤独と関係の疲弊が浮かび上がる。旅は移動以上に、心の風景を映すものになる。約200文字。

ここがおすすめ!

『菊次郎の夏』が持つ“旅”という構造と“吹き抜ける時間”の感覚を深めてくれる作品です。派手な展開はないものの、旅先で感じる静けさや内面の揺れ、時間の流れ方にフォーカス。大人になってから観ると、旅の意味がぐっと染みることでしょう。約200文字。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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