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映画『キル・ビル Vol.2』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キル・ビル Vol.2』の概要:前作において、日本での復讐を遂げた戦う花嫁こと『ザ・ブライド』。彼女の孤独な戦いは、いよいよ最終決戦へと向かってゆく。日本刀を片手に、金髪の元殺し屋ザ・ブライドの復讐劇は終焉を迎えようとしていた。

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映画『キル・ビル Vol.2』の作品情報

キル・ビル Vol.2

製作年:2004年
上映時間:136分
ジャンル:アクション、ラブストーリー
監督:クエンティン・タランティーノ
キャスト:ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、マイケル・マドセン etc

映画『キル・ビル Vol.2』の登場人物(キャスト)

ザ・ブライド / ベアトリクス・キドー(ユマ・サーマン)
結婚式のリハーサルにて婚約者と友人、そして身籠っていた子を惨殺され復讐に燃える金髪の元凄腕の殺し屋。1作目では日本を舞台に、自分から全てを奪った相手を数人倒すが本作では諸悪の根源とも言える男・ビルと対決を果たす。ザ・ブライドは飽くまでも通り名のようなもので、本名はベアトリクス・キドー。本作で判明する。
ビル(デヴィッド・キャラダイン)
殺し屋集団『DiVAS(毒ヘビ暗殺団)』のボスに君臨する冷酷非道な男。幸せを迎える筈だったザ・ブライドを地獄の底へ叩き落した張本人であるが、実は互いに愛し合っていた。
バド(マイケル・マドセン)
ビルの実弟で、ザ・ブライドの虐殺にも関与していた。そのことをどこか責任を感じつつも、今は酒に溺れたアル中。現在は酒場の用心棒をしている。復讐のために訪れた彼女にショットガンを撃ち、生き埋めにする。実は刀の使い手で、ザ・ブライドと同じく名刀である『半蔵の刀』の所持者でもあるが今は質屋に入れてしまった。
エル・ドライバー(ダリル・ハンナ)
ビルに仕える現役の女殺し屋で、隻眼。その理由については本作で分かる。毒殺やだまし討ちなど卑怯な戦法も厭わない残虐な性格。ザ・ブライドとは好敵手であった。
パイ・メイ(ゴードン・ラウ)
長く伸びた白髭と白髪、眉毛が特徴の中国拳法家。ビル、ザ・ブライド、エルの師匠でもあるが性格は非常に偏屈で暴力的。相手が女だろうが容赦ない攻撃を浴びせ、鬼のような特訓を強いる。しかし、その腕前は本物。

映画『キル・ビル Vol.2』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キル・ビル Vol.2』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キル・ビル Vol.2』のあらすじ【起】

結婚式の当日、婚約者とお腹の中の子供を殺された花嫁『ザ・ブライド』。相手は彼女がかつて属していた殺し屋集団『DiVAS(毒ヘビ暗殺団)』のボスとその仲間達だった。ザ・ブライドは前作において日本での復讐を完遂し、残る相手を始末すべく行動を開始していた。

その惨劇が起きたのは、テキサス州にあるトゥー・パインズ教会。虐殺は式の最中ではなく、予行練習の時であった。友人や家族らが本番のすり合わせをしている時、ザ・ブライドはとある人影に気付く。外に出て行くとそこには以前のボスでもあり、そして過去の男でもあったビルの姿があった。ビルは最後の見納めに来たと言い、ザ・ブライドはどこか負い目を感じながらも微笑む。ビルは彼女の父のふりをし、婚約者のトミーに話しかけ祝福の言葉を述べる。ザ・ブライドが、ビルに最後の別れと共に接吻を交わしたそのすぐ直後だった。殺し屋達が銃器を持ち侵入し、その大虐殺を起こしたのは――。

時は戻り、場所はエル・パソ。ビルの弟・バドはザ・ブライドと同じ『半蔵の刀』の使い手であったが今では刀を質に入れ酒場の用心棒をしている。バドもザ・ブライドの一件に関与しており、以来ビルとは距離を置いていた。自分の罪を受け入れるつもりでおり、ビルはバドに自分と協力し合わないとザ・ブライドに殺されると警告する。しかし、バドは自分達は殺されて当然だと言い、なるようになるとビルの申し出を断る。

バドは度重なる遅刻を理由にその日酒場を解雇され、自宅へと帰宅する。まさにその時、彼の住むトレーラーハウスの下にはザ・ブライドが刀を持って潜んでいた。頃合いを見てバドに奇襲をけしかけようと刀を構えたザ・ブライドだったがバドに先読みをされており散弾銃の一撃を浴びせられる。倒れた彼女に麻酔を打ち込み失神させ、バドは仲間のエル・ドライバーへと連絡を取る。ザ・ブライドをいつでも殺せる状態にしたことと、それから彼女の持っていた名刀を100万ドルで売ってやると持ち掛けたのだった。ザ・ブライドと犬猿の仲だったエルはその条件を飲む代わりに、彼女を苦しませてから殺すよう言いつける。

再び目を覚ましたザ・ブライドは、バドとその仲間の手により木でできた棺桶の中に入れられ、そのまま墓石の佇む土の中へ生き埋めにされてしまう。ザ・ブライドは暗く狭いその中で必死に抵抗するが、当然棺桶から抜け出すことは叶わず彼女は閉じ込められてしまった。そして時間軸は、過去へと移る。彼女が暗殺のための術を身に着けるべく弟子入りしていた、とある中国憲法家の元で修行を重ねていた日々の回想へと。

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映画『キル・ビル Vol.2』のあらすじ【承】

白蓮教の導師、パイ・メイは少林寺の僧に侮辱され激怒し、彼らを単独で60人虐殺したと言われている地上最強にして最悪の武道家だった。彼はビルの師匠でもあり、また、ザ・ブライドも彼に師事することとなる。パイ・メイは必殺技として『五点掌爆心拳(ごてんしょうばくしんけん)』という技を持っている。相手の身体のツボを5ヶ所、鋭く的確に突き、そして歩かせるだけ。それを受けた相手は5歩歩くと、心臓が破裂し死に至るのだ。飽くまでもこれは彼の秘技であり、誰にも教えていないらしい。ビルはザ・ブライドに言う、これから彼の元で教えを受けるが何を言われても逆らうなと。ほんの一瞬でも反抗的な態度を示せば、目玉をくり抜かれることとなるだろう――、おまけに彼は白人を軽蔑していて女を嫌悪している。修行を終えたら再び会おう、とビルはザ・ブライドをパイ・メイの住む山奥へ送り届けたのであった。

聞いていた通りパイ・メイは厳格で攻撃的な性格の持ち主だった。ザ・ブライドを犬のように扱うと言い切り、早速彼女の腕を見るために剣を取らせた。それに対しパイ・メイは素手で挑み、1度でも自分に攻撃を当てられれば師匠と呼ぼうと口にする。しかし心得のある筈の彼女の剣術もあっさりかわされ、次は素手同士での戦いへと移る。だがそれさえも適わず、腕の関節を奪われ苦しみの内に敗北を認めるザ・ブライド。パイ・メイは散々彼女を愚弄した後、ようやく修行を教えてやると頷いたのであった。それ以来、過酷な修行の日々が始まり、食事の時に箸さえも上手く持てなくなる程の負荷を受けるザ・ブライド。それでも彼の特訓は情け容赦を許さず、ザ・ブライドは拳が血まみれになる程に突きの稽古を重ねることとなる。

時は再び、現代へ。生き埋めになったザ・ブライドは当時の鍛錬に思いを馳せながら、棺桶の一点に拳を集中させる。教わった突きを流血塗れの拳から繰り返し、いよいよその箱を破り土の中から生還を果たすザ・ブライド。

翌朝、バドは当然そんな事実を知らず、約束通り現金を持って現れたエルを迎え入れる。エルが彼の元へ辿り着く様子を、泥まみれのままその足で戻ってきたザ・ブライド。それを眺め再び復讐心に火を灯す。バドはトレーラーハウスの中で、刀をエルへ売り渡す。バドは彼女の持ってきた現金の入ったケースを開け微笑むが、札束の中にはエルが仕込んだ毒蛇・ブラックマンバが潜んでいた。ブラックマンバは猛毒を持つ蛇で、彼は顔を噛まれたことによりおよそ20分程度で死に至ると言う。苦しむ彼に向かい、エルは言い放つ。彼女は怒っていた。最強の殺し屋とも言われ好敵手だったザ・ブライドを、お前のようなアル中でクズ野郎に先に殺されたことが屈辱的だと……やがてバドが息を引き取ったのを確認したエルは金を回収し、ビルに電話をする。バドがザ・ブライドに毒蛇で殺害されたと。しかし、自分が代わりに仇を討った。弔う気があるならザ・ブライドの墓石へ向かうと良い、と伝えるのだった。

映画『キル・ビル Vol.2』のあらすじ【転】

電話を切り、半蔵の刀を手にビルの元へ向かおうとしたエル。扉を開けた瞬間、ザ・ブライドの蹴りによる奇襲が待ち構えていた。すぐさま刀を抜き応戦しようとするエルだが上手く抜けず、鞘に納めた状態のままザ・ブライドの拳と渡り合う。怒りに燃えるザ・ブライドの猛攻は凄まじかった。しかし、エルも負けてはいない。善戦し、やがて半蔵の刀を手に再び対峙するが何故かザ・ブライドの手にも同じ半蔵の刀が握られていた。そう、バドは質屋に入れたと言っていたがそれは偽りで、刀はまだ彼の元に存在していたのだ――向かい合いながらザ・ブライドは問う。「女同士よ、教えて。……どんなことを言ってパイ・メイにその片目をくり抜かれたの?」エルも同じよう、殺し屋になるべくパイ・メイの元で修行を受けていた1人だ。エルは答える、「あいつのことクソジジイって呼んだからよ」……それからエルは不敵な笑みを浮かべて続ける、「でも知ってる?そのクソジジイは私が殺したの。食事に毒を盛って。それから私は言ってやったの、お前の言葉なんか全然意味ねぇんだよって」――高笑いをしながらエルは言う。「そうさ、あんたの師匠を殺した。あんたも殺すわ、しかもあんた自身の刀でね」刀を構えたエルにザ・ブライドは静かに怒りを露わに同じよう刀を構えた。ぶつかり合う名刀と名刀、鍔迫り合いの末にザ・ブライドはパイ・メイがエルにしたよう残る彼女の片目も素手でくり抜いた。半狂乱になりながら暴れ散らすエルを哀れむように見下ろしながら、ザ・ブライドはその眼球を踏み潰し、刀を取り戻す。殺してやる、と荒れ狂う彼女に背を向けザ・ブライドはいよいよ最終決戦の場へと向かうのだった。

ビルの居場所を探し、車を走らせるザ・ブライド。父親のいないビルは、父親の代わりの男が何人もいた。そのうちの1人、エステバン・ビハイオと接触を図ることにする。彼はメキシコで売春宿を経営している80歳の隠居老人だ。単刀直入にビルの居場所を尋ねると、エステバンはザ・ブライドの正体を知っており、ビルと彼女が男女の関係にあったこと、そしてビルが彼女にした仕打ちも把握していた。やがてエステバンの口から、ビルが『ヴィラ・クワトロ』にいるという情報を得る。息子も同然のビルの居場所を何故教えたか分かるか、と尋ねるエステバンに皆目見当もつかない、といった風のザ・ブライド。エステバンは言う、彼が君との再会を望んでいるからだと――そして、ザ・ブライドは刀を背にビルの元へと、決着をつけるために車を走らせる。

映画『キル・ビル Vol.2』の結末・ラスト(ネタバレ)

ビルの滞在しているホテルへと辿り着いたザ・ブライドは彼のいる部屋へと向かう。拳銃を構えながら室内を移動していると、突如「動くな、ママ!」と幼い少女の声と共に見知らぬ女の子がモデルガンを構えている。その横で一緒になって、モデルガンを撃つ真似をするのはビルだった。少女の名はB・B、惨劇の日に死んだと思われていたザ・ブライドの娘だったのだ。涙を流しながら、銃を撃つ真似をしてくる彼女の遊びに付き合い、「最高のガンマンだ」と死んだふりをしてあげるザ・ブライド。そこへ近づいてくるなり、只の遊びだから死なないでと無邪気に呼びかけるB・B。微笑み、彼女を抱き締めるザ・ブライド。ビルはB・Bには母親はまだ眠っているがいつか目を覚まして迎えに来る、と話してあったのだと語る。ママが目を覚ますのをずっと待っていた、と話すB・Bに毎晩毎晩あなたの夢を見たと涙を浮かべ話すザ・ブライド。やがて、彼女が眠りに就くまで同じベッドで寄り添ってあげる。

B・Bが眠ったのを見計らい、ザ・ブライドはビルの元へと向かう。ビルは刀での対決を望むなら私有地の海岸でどうだ、と冗談交じりに語り、それからザ・ブライドにいくつか質問をしたいと言う。直後、ビルは拳銃を抜き出すと弾丸の代わりにダーツの矢をザ・ブライドの足に撃ち込んだ。その矢の中からは自白剤が流れ込む仕掛けになっており、後遺症は残さないという彼の発明品らしい。それから彼は問う、お前は本当に殺し屋を辞めて1人の女として幸せになれると思ったのかと。どんなに姿を変えてもお前は根っからの殺し屋のままなのだ、と――ザ・ブライドは答える、「いいえ」。しかし、妊娠していた彼女は、無理にでもその稼業を辞め母親になりたかった。ビルは更に言う、ここまで多くの人間を殺してきたが気持ち良かったかと。ザ・ブライドは頷く。

そして、ビルは最後の質問に移った。どうして自分の子を孕んだまま、自分の元を離れたのかと。彼女は答える、殺し屋としての最後の仕事の時、彼女は吐いてしまった。それで妊娠しているのかもしれないと思い、検査器で調べてみれば陽性であった。その時、ザ・ブライドはターゲットに先手を打たれており刺客を既に放たれていた。刺客の女はショットガンで襲ってくるが、ザ・ブライドもハンドガンで応戦する。そして銃を向ける彼女に言った。自分は今妊娠しているのだと。それを信じたとしてどうなる、と刺客は言ったがザ・ブライドはお腹の子のために見逃して欲しいと交渉する。刺客の女はしばし葛藤したものの、やがて「おめでとう」と言葉を残し去って行く――。

ザ・ブライドは言う、もし自分が妊娠しなければずっと自分はビルの女で尽くし続けた。命も惜しくない非常な殺し屋のままでいられた、と。只ビルのため、それだけに。しかし子を宿したことが分かった瞬間、彼女の中には母性が芽生えた。母になったザ・ブライドは「殺す」ということができなくなった。我が子を穢れのない世界で育てたかった彼女は、ビルに事実を隠し、殺し屋を辞めることを決めたのだった。ビルはザ・ブライドが消えてしまったのでそのまま殺されてしまったのかと思い必死に彼女を探した。やがて辿り着いた先で見たのは、どこの誰とも知らない男と結婚を決めていたザ・ブライドの姿であったのだ。その事実に打ちのめされた結果が、あの教会での虐殺であった。話を聞きながら、ザ・ブライドは心の隅でビルだけは自分にそんな残酷な仕打ちはしないと信じていた。しかし、結局彼は殺し屋の悪党で、分かり合うことはできなかったのだ。やはり、決着をつけなくてはいけない――彼女の本気を受け、2人は座り合った姿勢のまま互いに刀を手にいよいよ交戦する。未だ殺し屋として衰えないビルの動きに圧倒され、刀を弾き飛ばされたザ・ブライドだったが彼女には秘技があった。そう、パイ・メイから密かに教え込まれていた五点掌爆心拳を叩き込んだのである。どうして黙っていたのかと尋ねる瀕死のビルに、涙を浮かべながら「私は悪い女だから」と答えるザ・ブライド。しかしビルは言う、悪い女なんかじゃない、私の大好きな女だと――最後の別れを告げ、ビルは立ち上がると5歩進み、そして倒れた。ザ・ブライドは涙を静かに流しそれを見届けるのだった。これで全ての復讐を終えた彼女は、B・Bを抱きかかえその部屋を後にする。

翌朝、ザ・ブライドは娘と共にどこかの部屋で身を寄せている。ザ・ブライドは1人、浴室で涙と笑顔を交互に浮かべながら「ありがとう」と言葉を繰り返し、それから最愛の娘を抱き締めるのだった。

映画『キル・ビル Vol.2』の感想・評価・レビュー

前作とは世界観が変わり、男と女の愛憎劇に重きを置いた作品に仕上がっている。それでもタランティーノはやはり日本贔屓なのか、エンディングテーマは梶芽衣子の『恨み節』だったりと事欠かない。戦う女としての印象が強かった前作のザ・ブライドだったが今作では母親としての側面が強く描かれ、派手な血飛沫やあちこち吹き飛ぶ人体欠損などの描写も控えめ。全体的にしっとりとした、しかしタランティーノ特有の会話劇を存分に楽しめる1本だろう。(MIHOシネマ編集部)


日本を舞台にした1作目の『キルビル』は日本でも当時大ヒットとなり、全身黄色に身を包んだユマ・サーマンの姿は話題になりましたよね。今作はその続編。ストーリー自体も1作目の続きですがこちらはあまり話題とならなかったので続編が出ていたことを知らない方も多いでしょう。
前作同様過激なバトルが繰り広げられますが、歪んだ愛憎劇も描かれているのでエンターテインメント性があり、1作目よりも楽しむことが出来ました。(女性 30代)

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