映画『キリング・フィールド』の概要:1970年代、ポル・ポト政権率いるクメール・ルージュにより内戦が苛烈を極めるカンボジアを舞台に、アメリカ人記者と現地人記者の友情を描いた作品。ピューリッツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグの実話が原作。
映画『キリング・フィールド』の作品情報
上映時間:141分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争
監督:ローランド・ジョフィ
キャスト:サム・ウォーターストン、ハイン・S・ニョール、ジョン・マルコヴィッチ、ジュリアン・サンズ etc
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映画『キリング・フィールド』の登場人物(キャスト)
- シドニー・シャンバーグ(サム・ウォーターストン)
- ニューヨーク・タイムズの記者。特派員として戦乱の只中にあるカンボジアの首都プノンペンに派遣された。現地人記者のプランと共に取材を敢行する。
- ディス・プラン(ハイン・S・ニョール)
- カンボジア現地の新聞記者。シャンバーグの通訳として取材に同行する。
- アラン(ジョン・マルコヴィッチ)
- アメリカ人カメラマン。
- ジョン・スウェイン(ジュリアン・サンズ)
- イギリス人記者。
映画『キリング・フィールド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『キリング・フィールド』のあらすじ【起】
1973年8月、ニューヨーク・タイムズの記者であるシャンバーグは、特派員として内戦が激化するカンボジアの首都プノンペンに降り立った。現地では地元の新聞記者プランが通訳兼案内役としてシャンバーグの取材に同行することとなる。
当時のカンボジアはアメリカ軍が後援するロン・ノル政権と、ポル・ポト政権率いる革命派組織クメール・ルージュとの内戦が激化の一途を辿っていた。軍人や大使館員ら現地滞在のアメリカ人は取材に対し非協力的であったものの、シャンバーグらの取材記事はニューヨーク・タイムズの一面を飾り、アメリカ国民の注目を集める。
やがて内戦はクメール・ルージュ側が優勢となり、アメリカ軍はカンボジアからの撤退を余儀なくされる。アメリカ軍の撤退開始を受け、カンボジアに滞在する外国人や政府関係者らは身の安全のため、次々と国外への脱出を試みる。プランの家族もまたシャンバーグの協力を得てアメリカへの亡命を果たす。一方、プラン本人は新聞記者としての使命感から、カンボジアに残りシャンバーグと取材活動を続行することを決意する。
映画『キリング・フィールド』のあらすじ【承】
1974年4月、クメール・ルージュはプノンペンを完全に占拠し、ロン・ノル政権は崩壊する。そしてポル・ポト独裁政権が誕生する。それは恐ろしい虐殺政治の始まりでもあった。
シャンバーグ、プラン、アメリカ人カメラマンのアラン、イギリス人記者のジョンは、病院へ取材に赴いた。そこで彼らはクメール・ルージュの兵士に捕らえられてしまう。銃を突き付けられ、絶体絶命かに思われたが、プランがクメール・ルージュの兵士に仲間の命を助けてほしいと懇願し、どうにか全員が無事に解放される。シャンバーグ、アラン、ジョンは命の恩人だとプランに深く感謝した。
彼らはそのままフランス大使館へと避難し、国外脱出の準備を始める。シャンバーグら外国人は帰国によりカンボジアを脱することができるものの、プランはカンボジア人であるが故に逃げることができなかった。しかし、シャンバーグらは恩人であるプランも共に国外脱出できるように偽造パスポートでアメリカへ亡命させようと計画する。
しかし、偽造パスポートは粗悪な紙を使ったために写真が変色により消えてしまい亡命は失敗に終わる。フランス大使館からの退去を余儀なくされたプランは、空港でシャンバーグに笑顔で「あなたは私の兄弟だ」と告げ、脱出する彼らを見送る。その後、プランはクメール・ルージュによって集団農場へと連行される。
映画『キリング・フィールド』のあらすじ【転】
ニューヨークに戻ったシャンバーグは一切情報の入ってこないプランの安否を案じながらも、カンボジアでの取材記事でピューリッツァー賞を受賞する。賞欲しさにプランを見捨てたとアランに批判されたシャンバーグは、自責の念からプランを探し出すことに躍起になる。
一方、プランはクメール・ルージュが支配する集団農場で強制労働を強いられていた。外国からの食糧支援が絶たれ、食糧増産のため、クメール・ルージュは都市部の国民に強制的に農作業をさせていたのである。
そこでは、格差の原因を無くすためという名目のもと、あらゆる私財や宗教が没収され、些細な理由で人々は虐殺されていた。特に教師や医師などの知識人は反乱を起こす可能性があるとして、徹底的に弾圧されていた。プランは知識人として虐殺されることを恐れ、記者であることを隠して過ごす。そんなある日、プランはかつて集団農場へ連行される以前親切にした少年に助けられて、集団農場を脱走する。
映画『キリング・フィールド』の結末・ラスト(ネタバレ)
集団農場を抜け出した先にプランが見たのは、ポル・ポト政権により虐殺された人々の骸の山だった。まさに地獄のような光景である。それらを踏み越えてプランはとある村に辿り着き、そこの労働集団の長に助けられる。プランはそこで長の世話役として、身の回りの世話や、長の子どもの面倒を見るなどして働き始め、長の信頼を得ていく。
この村でも同様に人々は些細な理由で虐殺されていた。プランは依然として記者の経歴を隠して過ごしていたが、ある日隠れてBBCの外国語放送ラジオを聴いているところを長に見られ、知識人であることがばれてしまう。プランは死を覚悟するが、長はプランを見逃す。長は革命で妻を亡くし、クメール・ルージュのやり方に疑問を感じていたのである。そして、愛する子どもが妻同様にこの革命で命を落としてしまうことを危惧していた。長は、自分に万が一のことがあったときは子ども達を亡命させてほしいとプランに地図と金を託した。
直後、長はクメール・ルージュの虐殺を止めようとして銃殺されてしまう。プランは約束していた通り、長の子どもを連れて、他の仲間たちと共に国外への脱出を試みる。脱出の道中、仲間たちは次々と命を落とし、長の子どもも地雷によって命を落としてしまう。そして、プランは命からがら隣国タイの難民キャンプに辿り着く。
プランが生きているとの情報を得たシャンバーグは、急遽タイの難民キャンプへと飛んだ。そこでシャンバーグとプランは再会を果たす。許してくれと詫びるシャンバーグを、「あなたは私の兄弟だ」と笑顔で受け入れるプラン。二人は抱きしめ合い、再会を喜んだ。カーラジオからは二人の内戦への想いを表すかのようにジョン・レノンの『イマジン』が流れている。
映画『キリング・フィールド』の感想・評価・レビュー
映画を観る理由は娯楽だけじゃない、映画を観て歴史を知るというすごい力が映画にはあります。この作品もカンボジアで起きた悲劇、ポル・ポト政権下で何が起きていたかを垣間見ることができる映画です。
決して楽しい映画ではありません。
始終重く、閉塞感で息苦しいくらいです。
歴史の悲劇を知り、考え、感じて欲しい、是非観て欲しい映画です。
自分の子供が理解できる年頃になったら絶対観せるリストに入っています。(女性 40代)
実話を元に作られた作品の中でも「戦争」をテーマにした作品は特に苦手で、なるべく見ないようにしています。それは次々と罪の無い人が死に、人々が戦う姿を見るのがつらいからです。
今作も鑑賞前にはもちろん「見たくない」と思っていたし、見始めるのがすごくつらかったです。しかし、鑑賞後にまず思ったのは「見てよかった」と言うこと。そして「生きること」を簡単に諦めてはいけないと感じました。
困難を乗り越えた先に待っていた「家族」とジョン・レノンのイマジンは最高のラストだったと思います。(女性 30代)
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