映画『奇跡のリンゴ』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「奇跡のリンゴ」のネタバレあらすじ結末と感想

奇跡のリンゴの概要:リンゴ農家の次男に生まれた秋則は小さな頃から探求心が強く、電化製品を分解しては両親に怒られるような子供だった。それは大人になっても変わらず、知識欲を満たすためにサラリーマンの仕事に就いた。だがそんなある日、父が秋則に見合いの話を持って来た。

奇跡のリンゴの作品情報

奇跡のリンゴ

製作年:2013年
上映時間:129分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:中村義洋
キャスト:阿部サダヲ、菅野美穂、池内博之、笹野高史 etc

奇跡のリンゴの登場人物(キャスト)

三上秋則 / 木村秋則(大人:阿部サダヲ / 高校生:森永悠希)
リンゴ農家の次男。探求心が強く、子供の頃から電化製品を分解しては親に怒られていた。農家の仕事を継ぐのが嫌で、サラリーマンの仕事をしていた。しかし、高校のマドンナ的存在だった美栄子のことが好きだったため、婿養子に入ってリンゴ農家の仕事を継ぐことを決める。美栄子が農薬で体を病んでいることを知り、無農薬栽培に挑戦する。
木村美栄子(大人:菅野美穂 / 高校生:飯村未侑)
秋則の高校の同級生。明るく笑顔が似合う女性。秋則と見合い結婚をする。
もっちゃん(大人:池内博之 / 高校生:北本哲也)
秋則の高校の同級生。秋則の親友。大人になった後も秋則とは家族ぐるみで仲がよく、無農薬栽培に挑戦する秋則を心配し、止めるように何度も諭す。
三上幸造(伊武雅刀)
秋則の父。小さい頃から探求心が強い息子が理解できず、農業を勉強して欲しいと思っていた。
木村雛子(幼少:小西舞優 / 小学生:畠山紬)
秋則と美栄子の娘。父の仕事を小さな頃から見続けており、その様子を絵に描いていた。父が無農薬栽培を成功させることを信じている。妹思いの優しいお姉ちゃん。
三上葺子(原田美枝子)
秋則の母。秋則が子供の頃は探求心が強いことを認めていた。だが、無農薬栽培に挑戦した後、美栄子達家族に迷惑が掛かっているのを知り、秋則の挑戦を止めようと奮闘する。
木村征治(山崎努)
美栄子の父。秋則を実の息子のように可愛がる。他の人が秋則の無農薬栽培の挑戦を無謀だと馬鹿にする中、成功を信じ続け傍で見守り続ける。

奇跡のリンゴのネタバレあらすじ

映画『奇跡のリンゴ』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

奇跡のリンゴのあらすじ【起】

遥か昔、野生のリンゴは何の甘みも感じられない実だった。それを人間が何度も何度も失敗を繰り返し、甘いリンゴに品種改良した。そんなリンゴが日本にやって来たのはおよそ100年前のことで、あっという間に全国で栽培されるようになった。しかし、虫達がリンゴを食べるようになり、ほとんどの県が栽培を止めていった。そんな中、青森県は栽培を止めず、リンゴを生産し続けた。だが、100年経ってもリンゴ栽培の苦労は軽減されず、農業を辞めていく人達も多くいた。

1953年、津軽、春。三上秋則は変わった子供で、電化製品を分解して遊んでは、よく両親に怒られていた。それは高校生になっても変わらず、友人のバイクを勝手に速く走るように改造して失敗したり、高性能のアンプを作って爆発させたりして、先生や父親に怒られていた。だが、母はそんな息子に理解を示し、失敗しても諦めるなと励ました。

秋則の探求心は機械だけに留まらず、他の動物は笑わないのに、なぜ人間だけが笑うのか疑問を持つようになった。同級生の木村美栄子はそんな秋則を見て、馬鹿だと笑った。秋則は自分が馬鹿なことに納得し、もっと多くのことを知るため、農家の父には内緒で電機メーカーに就職した。秋則が配属されたのは、経費削減を促す部署だった。憎まれ役の部署のため嫌厭されがちだったが、探求心が強い秋則の性格にはぴったりと合っていた。そんな時、台風でリンゴ畑が壊滅したので、すぐに帰って来いと書かれた電報が実家から届く。秋則は実家に帰り母に農業を止めることを勧めるが、母は自然の中で働くのが好きだからと笑顔で断った。

父親が秋則に見合いの話を持って来た。相手の女性は父と2人でリンゴ畑を守っており、結婚をして秋則を跡取りにしようと考えていた。秋則はリンゴ畑の女性と結婚することを嫌がるが、友人のもっちゃんに無理矢理引き摺られて見合い会場に連れて行かれる。すると、そこにいたのは美栄子だった。美栄子は秋則が東京で働いていることを知っており結婚の話を断られると思っていたが、秋則は美栄子のことが好きだったため、“分解できない心の答えを一緒に探さないか”と言ってプロポーズした。すると、美栄子は無邪気に笑い、そんなもの答えはとっくに出ているのだとOKした。

秋則達は皆に祝福を受けながら、冬に祝言を挙げた。季節が巡り春になると、津軽のリンゴ畑の周りは真っ白い霧に包まれた。それはリンゴの木に農薬を散布しているからで、秋則もその仕事を行っていた。消費者に「安全なリンゴ」を食べてもらうよう農薬の量は決められていたが、「安全にリンゴ」を作ることはできなかった。農薬の影響で、リンゴ農家達は体中の痒みと痛みに悩まされていた。しかも、美栄子は長年農薬に触れていたせいで、体調を崩して1ヶ月ほど寝込んでしまうこともあった。美栄子の父の征治はそのことを知りながらも、リンゴを育てるために農薬の散布を止めることもできず、リンゴ農家の宿命だと諦めていた。

奇跡のリンゴのあらすじ【承】

秋則は美栄子の体の皮膚が、焼けたように爛れているのを見てショックを受ける。美栄子の体を治すため、図書館に通って勉強をするようになった。そして、「農薬について考える青年会」を開催し、農家の若手達と意見交換を行った。青年会は農薬散布の回数の見直しや、堆肥作りの研究を繰り返し行った。

青年会の活動が実を結ぶ中、美栄子が妊娠し娘の雛子が誕生した。秋則は本屋で育児書を買おうとして、他の本も一緒に落としてしまう。店主に申し訳ないと思い、秋則は落とした本も纏めて購入した。その1冊に、農薬も肥料も使わない「自然農法」について書かれている本があった。本を読んだ秋則は、美栄子のためだけでなく未来の子供達のために、無農薬のリンゴ作りに着手することを決める。征治は4区画ある畑の内の1区画だけなら構わないと、秋則の思いを後押しした。

無農薬1年目。リンゴの木は順調に成長し、花の蕾をつけた。しかし、順調だったのは最初の3か月だけで、リンゴの木は多くの病気に罹り葉が枯れてしまった。多くの作物の中でもリンゴの木の無農薬栽培は難しく、“神の領域”と呼ばれるほどだった。もっちゃんは農薬栽培に戻せばいいと励ますが、秋則は話を聞いておらず、無農薬栽培を続けることしか頭になかった。

無農薬2年目。秋則はわさび、酢、玉ねぎなど様々な食品を使って、リンゴの木を害虫や病気から守ろうとした。しかし、農薬の代わりになる食べ物を見つけることはできなかった。早く結果を見つけるには、より多くの木で実験する必要があった。秋則は征治に、4区画の畑を全て使わせてくれと頼んだ。

征治は農協組合に、全面的な無農薬栽培を始めることを知らせた。他の組合員達は征治の発言に驚き、会合所はどよめいた。その日の夜、秋則は征治の判断に感謝をしながらも、何故決心したのか質問した。征治は秋則の目を見ていたら、ああ言うしかないだろうと微笑んだ。征治は戦地から持ち帰った、畑の土を大切に持っていた。兵士達はジャングルを開墾し、畑を耕して食べ物を作っていた。秋則は呑気なことをしていたのだと笑うが、そんな楽しい話ではなかった。兵士達は戦地で帰還命令を受けるが、迎えに来てくれる者はおらず、マラリヤなどの病気に罹って死んでいく者達も多くいた。そんな中、食べる物にも困り農薬や肥料などない場所で、必死に畑を耕して食べ物を育てていたのだ。征治は“戦地に行く覚悟でやるんだぞ”と秋則を鼓舞した。

奇跡のリンゴのあらすじ【転】

無農薬3年目。リンゴの木に試した食品の濃度や種類を書き留め、どんな虫や病気に効くのか調べて絞り込んでいった。無農薬4年目。2人目、3人目の子供が生まれた。秋則は子供達の存在に励まされ、さらに精力的に頑張るようになった。しかし、無農薬5年目。そんな頑張りを無にするように、全ての畑でリンゴの木が病気になり、虫が多く繁殖するようになった。他の生産者の木に虫が移らないように、秋則、美栄子、征治は朝から虫を一匹ずつ捕まえる作業に追われた。秋則の両親はお金を包み、美栄子と征治に土下座をして謝罪した。しかし、美栄子は秋則が無農薬の栽培に着手したのは私のためにやったことで、謝られることではないと話した。征治も無農薬を許可したのは自分であり、息子の秋則がやった責任は自分にあるとお金を受け取ることを拒否した。秋則の両親は征治達の思いを受け、ただ頭を下げることしかできなかった。

組合員達は秋則の行いを馬鹿にし、征治を責め立てた。しかし、征治は迷惑をかけるまでは温かく見守ってくれと頭を下げるだけだった。組合員達はその様子を見て、何も言えなくなってしまう。その後、征治は1500万ほどの貯金を全額下ろした。

無農薬6年目。収入は0になり、トラックやバイクは売り払ってしまっていた。秋則は畑まで2時間歩いて行く生活を行っていた。他の農家達から馬鹿にされ、リンゴの木に農薬をばら撒く嫌がらせを受けるようになった。そのため、秋則は人に会わないように、夜が明ける前に家を出て日が暮れてから家に帰ってくるようになった。美栄子も近所から無視され、回覧板も届かないようになった。

無農薬7年目。美栄子が畑の隅で野菜や果物を作り、市場で売って僅かな収入を得ていた。そのお金で米を購入するが、家族6人では足りず、すぐに底をついた。美栄子は秋則には内緒で、自分の弁当のおかずを秋則の弁当に足していた。秋則は先の見えない挑戦に、地獄の白昼夢を見るようになった。だが、それでも諦めずに頑張っていると、秋則の娘の雛子が友人から貰った消しゴムを3つに切ってしまい、ショックを受けた友人から責められる事件が起きる。雛子は幼い妹達にも分けてあげようとして、消しゴムを切ったのだ。それを知ったもっちゃんは秋則を責め、誰のために頑張っているのだと叱った。

秋則は実家にお金を借りに行くが、貸しては貰えなかった。父だけでなく母でさえも、無農薬の栽培を諦めろと秋則を説得した。しかし、今更農薬栽培を始めても、リンゴが成るにはさらに多くの年数が必要だった。無農薬を続けることも止めることも、秋則にとっては地獄だった。

奇跡のリンゴのあらすじ【結】

無農薬8年目。税金を滞納していたせいで、2つのリンゴ畑を手放すことになった。秋則は震える手で書類をサインするが、税務局の職員は“かまど消し”(家を潰すほどの破産者)だと馬鹿にして笑った。それから秋則は心を壊すようになり、リンゴの木に向かって独り言を話すようになった。美栄子は声を掛けることができなかった。秋則は無農薬栽培を止めることを決心し美栄子に別れを告げるが、話を聞いていた雛子に止めるなと怒鳴られる。何のために貧乏を我慢しているのか聞かれ、秋則は何も言い返せなくなる。その時、雛子が高熱を出して倒れてしまう。秋則は雛子を背におぶり、救急病院まで走った。雛子はしばらく入院することになり、美栄子がベッドに眠る雛子に涙ながらに謝罪した。秋則はその姿にショックを受け、病室を出て行った。

次の日、美栄子は一旦家に戻り、絵本を持って雛子の元に行こうとした。その時、雛子が父のことを書いた作文を発見する。美栄子はその作文を読み、戦地に行く覚悟でリンゴの無農薬栽培を続けることを決める。美栄子は雛子の様子を見に行った後、作業小屋へと向かった。そこで、秋則が研究結果を書き留めているノートを発見する。そのノートには、美栄子の体調や家族の様子が書いてあった。そして、最後のページには美栄子への感謝の言葉が綴られていた。美栄子は秋則ことが心配になり、小屋を飛び出して行った。

秋則は山の中で首つり自殺をしようとしていた。だがそこで、元気に育っている胡桃の木を発見する。山には虫が多くいる筈なのに、胡桃の木には虫が全然ついていなかった。秋則は胡桃の木の下の土を食べ、虫がつかなかった理由を発見する。

美栄子は一晩中秋則を探し回っていた。無事に秋則と再会を果たすと、雛子の作文を読ませた。雛子はリンゴを食べたことがなかった。それは秋則の作るリンゴの木には、まだ実がなったことがないからだった。しかし、雛子は父のことを信じており、いつか家族で父の作ったリンゴが食べたいと作文に書いていた。

山の土は落ち葉や枯れ草が何年も積み重なり、虫や微生物がそれらを分解してできていた。そして、そこに生えた木の根が、土を耕す役割を担っていた。リンゴ畑は雑草を丁寧に抜いていたため、木や土を弱くしていたのだ。

無農薬9年目。秋則は山の環境に近づけようと雑草を抜くのを止め、大豆を撒いて鳥を呼ぶようにした。そして、家族を養うために、近所のスナックでバイトを始めた。他の農業組合の人から笑われようとも、家族のお蔭で秋則は強くいられた。秋則のリンゴ畑はジャングルのように雑草が茂り、動物達が集まるようになった。

周囲の目が変わるようになり、銀行が利息を取るのを止めた。もっちゃんも密かに電気代を支払ったり、秋則の母も米を玄関先に置いたりして助けるようになった。その年の冬、征治が肺炎で入院し、痴ほう症も患っていることが判明する。

無農薬10年目。リンゴの木に花が咲いた。秋則と美栄子はそれを見て、泣きながら喜んだ。秋則は3人の娘達と共に木に感謝の言葉を掛けて回った。そこに、両親と兄がやって来る。いつか花が咲いたら見に来てくれと、征治に頼まれていたのだ。その年の秋、小さな実が成り、リンゴが収穫された。美栄子達はそのリンゴを食べ、美味しいと喜んだ。征治が眠ったまま息を引き取るが、その手には秋則が作ったリンゴがしっかりと握られていた。

無農薬11年目。秋則は無農薬リンゴを発売するようになった。そのリンゴは美味しいと評判で、送って欲しいと手紙が来るほどだった。美栄子は秋則に感謝の言葉を伝えた。秋則はそれを照れくさそうに聞いていた。

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