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映画『鬼畜大宴会』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『鬼畜大宴会』の概要:学生運動が起きた1970年代、若者達による左翼組織の派閥があった。ふとしたきっかけから組織は内部から崩壊を始めていく――血と肉と臓物が飛び交う、狂気の宴が今幕を開ける。なお、熊切監督のデビュー作で、学生時代の作品である。

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映画『鬼畜大宴会』の作品情報

鬼畜大宴会

製作年:1997年
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:熊切和嘉
キャスト:杉原敏行、小曽木健太郎、三上純未子、沢田俊輔 etc

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映画『鬼畜大宴会』の登場人物(キャスト)

雅美(三上純未子)
投獄中の相澤の恋人で、彼に代わり派閥の長を務める女活動家。気性が荒く、徐々に狂気に満ちた行動へと走っていく。時には色気にものを言わせ仲間を従わせる。
岡崎(澤田俊輔)
雅美の1番のお気に入りとなる派閥メンバー。彼自身も彼女には非常に従順。
熊谷(木田茂)
眼鏡にやや長めの髪が特徴のメンバー。1度は組織を抜けようとしたが雅美によって行われた性的な行為によりそれを止めた。
杉原(杉原敏行)
気の弱そうな青年。熊谷とは親し気な様子。
藤原(小木曽健太郎)
途中から組織に加入する、無口でガタイのいい坊主頭の青年。調達した武器である日本刀を手にし、また扱いに慣れているような描写がある。
山根(財前智宏)
当初から組織に対して不満を持っており、雅美とは肉体関係を持ちつつも心の底では「馬鹿女」等と罵っていた。
相澤(橋本祐二)
現在は投獄中で、元組織のリーダー格だった男。皆から厚い信頼を寄せられており、メンバーらは彼が戻って来ることを頑なに信じて待つのだが……。
平(平良勤)
やや肥満体型と、髭が特徴のメンバー。

映画『鬼畜大宴会』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『鬼畜大宴会』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『鬼畜大宴会』のあらすじ【起】

何らかの運動をしているのか「●●(ここは隠れていて見えない)を粉砕せよ」等と書かれた看板が置かれた、どこかの古アパートのような質素な部屋で性行為に励む男女。2人の名は雅美と山根。雅美は活動家のカリスマ的存在なようで、男の方は山根。学生運動の過激派グループのメンバーだ。

パトカーに追われながら逃走している2人の男は、何やらやらかしたようでゴミ箱に証拠隠滅として軍手やらタオルを捨て辺りを気にしながら逃走。山根達のいるアパートへと向かうが、山根は「勝手なことしやがって」と激怒し2人を殴り飛ばす。すると雅美が「私が指示したんだよ。岡崎達だろ?郵便局を襲えってあたしが命令したんだ」と言い放ち、山根は怒りを露わに雅美を睨み返す。雅美は怯むことなく「相澤のいない間はあたしに権限があるんだよ」と言い返す。相澤とは投獄中の男で、この派閥の中では1番の存在だった。癇に障ったのか山根は「相澤相澤って、あんな奴のとこが偉いんだ」と怒りだし、メンバーの熊谷に八つ当たりを始め雅美に一喝される。一同らの不服そうな視線に耐え切れず「分かったよ、出てきゃあいいんだろ」と、彼は組織を離脱した。

ある日、熊谷が雅美に向かい「このままじゃあ俺達のやってることは只のチンピラじゃないですか」と不満を述べるが、「相澤のいないうちらに何ができるの、今は準備期間なの」と答える。そんな中、相澤の刑務所での知り合いと名乗る藤原なる男が現れメンバーの仲間入りを果たす。一方、熊谷は先日の件もあってか不満を募らせていたことで雅美に呼び出される。そして雅美に訴える、こんな事を続けて何になるのだと。しかし逆に窘められ、更には色仕掛けによりそれを阻止されてしまう。

映画『鬼畜大宴会』のあらすじ【承】

相澤はもう少しで出所になるらしく、彼が戻って来ることをメンバーは待っているようだった。熊谷を始めとし、メンバーは相澤を神格視しており、反対に山根がふんぞり返っていることに不満を募らせているようだった。

一方、本格的に活動をするために彼らには武器が必要だった。猟銃を調達し、雅美に手渡すメンバー。他にも日本刀の調達やら、彼らの武装は本格化していく。そして雅美も雅美で持ち前の色気による行いでメンバー達を洗脳し統率を図ろうとする。

ある晩、雅美が「相澤が出所してくるまでもうすぐね。この1ヶ月間よく耐えたわ」とアジトにしている古アパートで食事を共にする。平和な光景が続いているように見える、そんなある日のこと。獄中の相澤が、どうして持ち込めたのかは不明だが、刃物を使い己の腹を抉り、自殺してしまう。監視が駆け込んだときには既に遅く、彼は息を引き取っていた。

待ち望んでいた筈の相澤の獄中死の知らせに、絶望する一同。相澤の帰りだけを拠り所にして活動してきた彼らの絆は容易く崩壊してしまうこととなるのだった。この事をどこで知ったのか、熊谷とメンバーの杉原が住む家に突如舞い戻ってくる山根。そんな彼を邪険に扱うが、「結局相澤は大したことのない奴だった。俺と一緒にまた始めようや」と熊谷に誘いをかける。熊谷は山根にもう帰るように言い、自分は雅美と共に残ると告げる。しかし山根は食い下がり「本当は気に入らねえんだろ?あの馬鹿女。それに今頃連行されてるよ」と嘲笑交じりに言い放つ。アジトの場所を警察に話したらしい。「別にいいだろ、お前らを見逃してやった……」と恩着せがましく言う山根の言葉は最後まで続かなかった。怒りに身を任せた熊谷がビール瓶で山根の顔を殴り飛ばす。壁に貼り付けられていたアグネス・ラムのポスターに飛び散る鮮血。顔面血まみれのまま倒れ込む山根に「あんた、どうしようもないっすわ」と見下した視線を向ける熊谷。慌てて雅美の元へと向かおうとする杉原だったが、アパートの外には既に雅美をはじめとするメンバー達が待ち構えていた。

映画『鬼畜大宴会』のあらすじ【転】

雅美はアパートに入り込むなり、血まみれの山根に「あんたとんでもないことしてくれたね」と吸っていた煙草を投げ捨てる。対抗する山根に日本刀を無言で首元に宛がう藤原。岡崎がサディスティックな笑いを浮かべながら「こいつ山にでも連れて行って殺しましょうや」と呟くと、雅美もそれに同意する。車に山根を乗せ、夜の山へと向かう一同。

山に着く頃には夜も明けており、すっかり陽が昇っていた。雅美の「ここ縛ろう」の一言により縄で緊縛される山根。そして何故か、雅美は「熊谷も縛りな」と彼も拘束する。「あんたも山根の共犯やろ?信用ならんね」と、腹を蹴り飛ばされるなどの壮絶なリンチに遭う熊谷。岡崎の暴行は留まることを知らず激しく吐血する熊谷。それ以上は死ぬからやめろと止める雅美に、反抗的な目を向ける岡崎。雅美は「あんたまで私に文句あんのかい。どいつもこいつも情けねえ男ばっかりだよ!こんなんだから相澤は死んじまったんだ!」と怒り出し謝る岡崎を蹴り飛ばす。すいません、すいません、と繰り返す岡崎に「アンタは最後まで信じてよさそうだね」と突然所構わずキスを始める雅美。その隙に逃げ出そうとする山根を見つけ岡崎がすかさず彼を踏みつけて阻止する。雅美が「こいつそろそろ殺そうか。熊谷、こいつのことどう思ってる?鬱陶しいと思ってるんなら助けてやるよ」と笑いながら訪ねる。すかさず唾を吐きながら「鬱陶しいですよ!こいつのせいで俺までこんな目に!」と怒りを露わにする熊谷。熊谷に山根の殺し方を聞き、熊谷は吊るし首を提案する。抵抗する山根を蹴り飛ばし、嘔吐する山根。「いい加減黙れや」と雅美は猟銃を放ち、山根の頭部を弾き飛ばす。鼻から上を失くした山根の顔を見て返り血を浴びながら唖然とする一同。雅美はその頭部へと近づいたかと思うとその手を伸ばし、ぐちゃぐちゃと掻きまわしながら更には動かなくなった山根の身体を足先で小突いて死んでいるのか確かめる。半狂乱になりながら山根の身体を揺さぶる雅美を止める岡崎。そしてその隣では、熊谷が呆然自失なメンバー達とは打って変わり酷く冷静な様子で、「ちょっと。もう終わったんなら早く解いて下さいよ」と言い放つ。雅美はこの時既に正気ではなく、真の狂気の宴はここから始まるのだった。

映画『鬼畜大宴会』の結末・ラスト(ネタバレ)

立ち上がった雅美は熊谷の前につと、「あんた、前にヤらせてあげたよね」と言いナイフを岡崎から受け取る。そして縄を切るのかと思いきや、彼を押さえつけ「切り落としてやるよ」と狂気的な笑みを浮かべながらズボンを脱がせ始めた。そして楽しそうに性器を切り落とし、血の泡を吹きながら悶絶する熊谷。正気を失った雅美は猟銃と切り取った性器片手に笑いながら森を駆けていき、追いかけていく岡崎。恐れをなしたメンバーの平が怯えて脱走するが、日本刀を持った藤原がそれを追いかける。痛みのあまり悶絶し、白目を剥いて血とあぶくを吹き出している熊谷に、彼と親しかった杉原は呆然とその様子を見つめることしかできない。

その頃、逃げ出していた平だったが、途中で転んでしまい刀を抜いた藤原に追い詰められる。ケタケタと笑いながら「何なんだよあんた」と言う平に向かい刀で始末しようとする藤原だったが、それよりも早く猟銃を手にしていた岡本の手により殺害される。緩やかに崩れ落ちていく平の身体。

狂気の宴の場所はどこかの廃校へと移る。廃校の中で性行為を楽しむ雅美と岡崎。行為を終え煙草を吹かしている岡崎の背後、杉原が呆然とした足取りで歩いてくる。岡崎のバッグから缶詰を持ち出し、吊るされたままかろうじて息をしている熊谷の元へと足を運ぶ。差し出した缶詰の中身に貪りつく熊谷を、杉原は哀れに思ったのか落ちていた角材で頭部を殴り飛ばした。しかしその直後、そんな彼の姿を見て吹き出したので、別の思いがあったのかもしれない。それから、鎖で熊谷の首を絞めて殺してしまいその場にへたり込む杉原。

雅美はその頃、黒い着物に身を包み顔中に白粉を塗りたくり真っ赤なルージュを引き、踊り狂う。再び岡崎と、獣のような情交を始める2人。興奮のあまり岡崎は雅美の首を絞め行為を続け、そんな2人を蔑むような目で見つめ去っていく藤原。一方、雅美は岡崎の性器を食いちぎり、怒った岡崎は彼女をナイフで刺し始める。最後には猟銃で、雅美の性器を撃ち抜いてしまう。廃校に響き渡る銃声に思わず振り返る藤原、杉原。ぐちゃぐちゃになった雅美の身体から内臓を取り出し、雄叫びを上げる岡崎に静かに忍び寄り、その腕を切り落とした後で更には首を切り落とす藤原。続けざま、藤原は戦意喪失したように座り込んでいた杉原の喉元に刀を突き立てて殺害する。狂気の宴を見届けた後、返り血まみれのままで廃校を後にした藤原だったが、彼もまた刀を自身の喉元に宛がい自害する。小鳥達の囀る音と、小川の流れる静かな音だけが流れる昼の陽光の中で、悪夢の饗宴は終わりを遂げたのであった。

映画『鬼畜大宴会』の感想・評価・レビュー

暴力、暴力、そしてまた暴力!はっきり言ってストーリーやメッセージ性なんてあって無いようなもの。とにかくこういう作品を撮りたかったのだろうという気骨が伝わる1本。おまけに学生作品だというのに驚き。血や汚らしい臓物メイクも気合の入りようが凄まじく、10年以上前の作品なのに今見ても十分気持ち悪い。時々役者の台詞が聞き取りにくいのが残念なのを除けば、とんでもない勢いのある作品。2時間近く見せられるので、ある程度耐性のある私でもきつかった。(MIHOシネマ編集部)


意味の分からないストーリーを2時間ずっと見せ続けられる地獄のような時間でした。しかし、こういった作品が大好きな私は、その意味不明さやグロテスクで気持ち悪い描写が逆に盛り上がり、個人的にはかなり楽しめる作品となっていました。
何に対する反抗なのか、何のための組織なのか終始分からないまま物語は進み、メッセージ性は一切ありません。描かれるのは過激で狂った男女のセックスと殺しのみ。
今作に出てくる狂った人間に「何故」と思うのは愚問でしょう。好き嫌いがはっきり分かれる作品ですが、好きな人は物凄く楽しめると思います。(女性 30代)

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