この記事では、映画『恋するベーカリー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『恋するベーカリー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『恋するベーカリー』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:ナンシー・マイヤーズ
キャスト:メリル・ストリープ、スティーヴ・マーティン、アレック・ボールドウィン、ジョン・クラシンスキー etc
映画『恋するベーカリー』の登場人物(キャスト)
- ジェーン・アドラー(メリル・ストリープ)
- ベーカリーショップの経営者。ジェイクとの間に、ルーク・ローレン・ギャビーという3人の子供がいる。3人の子供達が巣立ってしまったため、寂しい思いを持て余している。
- アダム・シェファー(スティーヴ・マーティン)
- 建築家。真面目な性格。元妻が自分の親友と浮気をして再婚をしてしまい、心に傷を負っている。ジェーンの家の増改築工事を担当する。
- ジェイク・アドラー(アレック・ボールドウィン)
- ジェーンの元夫。弁護士。ジェーンと結婚していたときの浮気相手であるアグネスと再婚している。自分と血の繋がらない子供(ペドロ)を育てているが、世話に手を焼いている。家に居場所がなく、ジェーンに思いを寄せるようになる。
- ハーレイ(ジョン・クラシンスキー)
- ローレンの婚約者。ジェーンとジェイクがホテルに入って行くのを目撃してしまう。
- アグネス・アドラー(レイク・ベル)
- ジェイクの妻。ジェイクと25歳年が離れている。ジェイクとの子供を望んでおり、不妊治療を行っている。
映画『恋するベーカリー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『恋するベーカリー』のあらすじ【起】
ジェーンは友人夫妻の結婚30年記念パーティーで、元夫のジェイクと再会した。離婚して10年も経っていたためお互い大人の対応をしていたが、ジェイクの現在の妻のアグネスが現れたことで状況が一変する。気まずくなったジェーンは友人に見送られ、パーティーを後にした。
ジェーンにはジェイクとの間に、ルーク・ローレン・ギャビーという3人の子供がいた。末っ子のギャビーが家を出て1人暮らしをすることになったため、ジェーンは家に1人になってしまう。子供達の前では心配させないように明るく振る舞っていたが、寂しさは拭えなかった。
ジェーンは10年前から構想していた家の増改築に着手することにした。設計士のアダムはジェーンの細かい希望もきちんと取り入れながら、設計図を書いてくれていた。ジェーンはそのことに安堵し、計画を進めることにした。その一方で、今まで反対していた美容整形にも挑戦することにした。だが、術後3~6か月頭痛が続くと言われ、慌てて病院を飛び出した。エレベーターに乗っていると、別の階でジェイク夫妻とその子供のペドロが乗り込んできた。ジェーンはジェイクが持っていたパンフレットを見て不妊治療の病院に行っていたことに気づくが、自分は歯医者に行っていたと嘘を吐き、美容整形外科に行ったことは誤魔化した。
ジェーンはルークの大学卒業式に出席するため、予約していたホテルを訪れた。久しぶりに子供達と夕食を食べようとするが、ルークは友人達とパーティーを開く予定を立ており、一緒には食べられないと断られてしまう。ローレン達もルークのパーティーの準備を手伝いに行くため、ジェーンは寂しく1人でいることになった。ジェーンは鬱積した気持ちを解消するため、レストランを訪れた。だが、席が埋まっており、バーで待つことになった。
ジェーンはバーでジェイクと再会する。ジェイクに押し切られ、一緒にお酒を飲むことになった。2人はお酒を飲みながら、かつて付き合った恋人のことや不妊治療の話をした。お酒はどんどん進み、酔っ払った2人はベッドを共にしてしまう。情事後、ジェイクは浮かれていたが、ジェーンは後悔で一杯だった。
映画『恋するベーカリー』のあらすじ【承】
ジェーンがランニングをしていると、アダムに呼び止められる。アダムと会う約束を、忘れてしまっていたのだ。ジェーンはアダムに謝罪をすると、車に乗せてもらい家に帰ることにした。すると、アダムの車のオーディオから、カウンセリングテープが聞こえてきた。アダムは2年半前に離婚した傷が癒えず、心を落ち着かせるためにテープを聞いていた。2人は離婚により心に傷を負ったという共通点があった。
ジェーンとアダムが、ジェーンの家で増改築の話を進めていると、ジェイクが現れる。ジェイクはアダムが帰った後、なぜ電話を無視するのかジェーンに問い掛けた。ジェイクはジェーンとの情事を忘れられずにいた。しかも、家庭も上手くいっておらず、ジェーンに救いを求めていた。ジェーンは不倫はダメなことだと突っぱねていたが、ジェイクに押し切られ、再びベッドを共にしてしまう。
ジェーンがアダムと増改築について話していると、ジェイクから電話が掛かってくる。だが、ジェーンは着信を拒否し、アダムといる時間を楽しんだ。ジェーンはアダムに夕飯を御馳走しながら、なぜ離婚したのか率直に尋ねた。アダムは妻が自分の親友と浮気をしたことを打ち明けた。アダムはジェーンとジェイクの仲良さげな様子を見ていたため、羨ましいと話すが、ジェーンは喜ぶことができなかった。その頃、家の外にはジェイクが来ており、窓の外からジェーン達の仲良さげな様子を眺めていた。
アダムが帰った後、ジェイクがやって来る。ジェイクはアグネスとは喧嘩ばかりで家では安らげず、血が繋がっていないペドロの世話にも手を焼いていた。ジェイクは愚痴を言いながら、過去のジェーンとの関係を懐かしんだ。ジェーンはジェイクのことを突っぱねていたが心から拒否することができず、キスを重ねてしまう。
映画『恋するベーカリー』のあらすじ【転】
ジェーンはジェイクとの問題を独りで解決することができず、精神科医のアレンに助言を求めた。不倫を続けるべきか止めるべきか尋ねるが、アレンはどちらも選ばなかった。ただ、ジェーンが不倫の関係に罪悪感と恐怖を感じていることを話すと、アレンは心のままにいるべきだとアドバイスを送った。ジェーンはアレンの言葉に勇気づけられ、ジェイクをホテルに呼び出した。
ハーレイ(ローレンの婚約者)はローレイとホテルで会食中、客室に向かうジェイクとジェーンの姿を見てしまう。ローレイに真実を明かすことはできず、動揺を誤魔化して悟られないようにした。ジェーンはジェイクと部屋に入るが、ジェイクが突然倒れてしまう。ジェーンは妻だと嘘を吐き、医師を呼んだ。診察の結果、飲んでいた薬が原因だと判明し、事なきを得る。ジェーンがジェイクと話をしていると、アダムから電話が掛かってきて映画に誘われる。ジェイクは会いに行ける日だったため断るよう、ジェーンに囁いた。ジェーンは仕方なくアダムの誘いを断った。だがその日、ジェイクは家を抜け出すことができず、ジェーンとの約束をすっぽかしてしまう。
ジェイクはジェーンに謝罪をした。だが、ジェーンの怒りと悲しみはとても深く、愛人関係を解消することを宣言される。ジェイクがいくら止めようとしても、ジェーンの決意は固かった。
映画『恋するベーカリー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジェーンはハーレイとローレンが企画したルークの卒業記念パーティーに、アダムを誘った。ジェーンはジェイクが置いていった大麻をアダムと吸い、若い頃のようにハメを外して楽しんだ。それを知ったジェイクはジェーンを非難するが、飛んでいるジェーンは聞く耳を持たず、ジェイクにも大麻を吸わせた。部屋に戻った2人は音楽に合わせて仲良くダンスを踊っていたが、アダムに誘われジェーンはジェイクの元を離れていった。ジェイクはジェーンとアダムが仲良く踊る様子を淋しげに眺めていた。その様子をアグネスが見ており、ジェイクがジェーンに好意を寄せていることを知る。
パーティー終了後、アダムに“大好きだ”と告白されたジェーンは、自分も“大好きだ”と思いを返した。2人はジェーンが経営するベーカリーショップに行き、仲良くパン作りを楽しんだ。アダムは出来上がったパンを食べながら、ジェーンに彼氏がいる気配がしたことを打ち明けた。それを聞いたジェーンは、偶に会っている人がいたが終わってしまったと正直に告白した。アダムはその答えに安堵し、ジェーンにキスをした。
アグネスに家を追い出されたジェイクが、ジェーンの家にやって来た。両親の愛人関係を知らないルーク達が父に同情したため、ジェーンはジェイクを家に泊めなければいけなくなる。ジェイクはまだジェーンとの関係を諦めておらず、子供達が見ていないところで密かにジェーンにアプローチした。
ジェーンはパソコンで、アダムとテレビ電話を楽しんでいた。だが、お互いトイレに席を立った隙に、何も知らないジェイクが裸で部屋にやって来てしまう。アダムはジェイクの裸体を見て驚愕した。部屋に戻って来たジェーンもジェイクの裸体を見て悲鳴を上げたため、子供達が何事かと心配して部屋に集まって来てしまう。ジェイクは隠し通せないことを悟り、ジェーンと関係を持っていたことを打ち明けた。子供達はショックを受け、家を出て行った。
ジェーンは落ち込みながら眠るが、目覚めるとすっきりと気持ちが落ち着いていた。子供達に会いに行き、傷つけたことを謝罪した。そして、離婚した後、別々の道を歩んでいるとお互い理解するために必要なことだったのだと正直な気持ちを打ち明けた。ジェーンはこれ以上、ジェイクと関係を続けるつもりはなかった。子供達は母の謝罪を受け入れ、抱きしめ合った。
ジェーンはアダムに会いに行き、昨夜のことを正直に打ち明けた。アダムはジェイクがまだジェーンに思いを寄せていることを知り、ジェーンと別れることを決める。増改築の仕事も別の人間に引き継ぐつもりだった。ジェーンがショックを受けながら帰宅すると、ジェイクが待っていた。2人は穏やかに話し合い、関係に終止符を打った。
増改築工事の現場にアダムの姿があった。ジェーンは驚きながらも、アダムと微笑み合った。
映画『恋するベーカリー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
何歳になっても何年経っても恋することを恐れず、自分の気持ちと葛藤しながらも幸せになるジェーンの姿が、とても素敵で輝いていた。子供たちに理解してもらい、抱き締めてもらうシーンは感動した。ジェイクとの関係を断ち切り、新たにアダムとの関係を築いていく姿も、応援したくなるような気持ちになった。それぞれの思いや気持ちが痛いほど分かり、胸がいたくなったり、笑えてきたり、様々な感情が沸く映画であり、友人に紹介したい映画でもある。(女性 20代)
メリルストリープが持て余す映画といえば、31年目の夫婦げんかもそれに当たるが、こちらの作品は、元夫と関係を持ってしまったジェーンが、罪悪感や後悔を含みつつも、お互いを求めていく中で、自らの気持ちに結論を出していくといった恋愛要素を含んだ内容となっている。子供達をも巻き込む形になった不倫など、けして褒められた内容ではないが、最終的には、自らの行動を認め、正しい方向へ進んでいく。いくつになっても、恋というのは、誰にとっても必要なものなのかもしれないと思わせてくれる作品である。(男性 30代)
ジェイクがあまりにも無責任な男で、少し腹が立った。きっとジェーンと寄りを戻したとしても、また問題が起きれば解決しようとせず、別の女性と浮気するのだろうと思う。子供達が巣立ち独りになってしまったジェーンは、寂しい気持ちを誤魔化すためにジェイクと関係を持ってしまったのかなと思った。ジェイクのことを選んでいたら最低だと感じたが、きっぱり別れを告げたことに好感が持てた。アダムと新たな恋を応援したくなった。(女性 30代)
それにしてもこの邦題。平たく言えば不倫の話なのにどこかポップでカジュアルな香りが漂ってはいることに違和感。もっとも作品自体もそこはポップでカジュアルに描いているので齟齬はないとも言えるか。
ともすれば下劣な話になるところを主役の二人がぎりぎりのところで品性を保ってみせてくれるので楽しく観ていられる。
多分10代20代の頃だったら許せなかったと思う。でも今なら良し悪しではなく、歳取っても迷うし魔が差すしダメ人間な部分もあることを知っている。その後始末がどうつけられるにしか「大人」の見せ所はないのかなと。(男性 40代)
元夫婦の再燃する恋というテーマが、大人の恋愛のもどかしさや可笑しさを絶妙に描いていて、とても楽しめました。メリル・ストリープの自然体な演技が魅力的で、アレック・ボールドウィンとの掛け合いには何度も笑ってしまいました。特に、元夫婦なのに隠れて不倫関係になるという展開がなんとも皮肉で、切なくも笑える。最後に彼女が“やり直さない”決断をするのが、成熟した女性の選択として納得感がありました。(40代 女性)
人生の第二章をどう生きるかを描いた作品で、若い自分にとっても意外と考えさせられる内容でした。主人公が元夫とよりを戻すか、設計士アダムとの新しい恋に進むか迷う姿がリアルでした。結局、過去に囚われるのではなく前に進む選択をするのが素敵で、自立した女性の姿に拍手です。テンポも良くて、ラブコメとして非常に完成度が高いと感じました。音楽と料理シーンも雰囲気たっぷりで癒されました。(20代 男性)
笑いあり、切なさあり、温かさありのバランスが絶妙な作品でした。メリル・ストリープ演じるジェーンの悩みは、年齢に関係なく共感できるものでした。元夫ジェイクとの秘密の関係にドキドキしつつも、最終的には彼を選ばない潔さが清々しかったです。一方でスティーブ・マーティン演じるアダムの優しさにも心打たれました。大人のラブコメとして、しみじみ心に残る作品です。(50代 女性)
自分もバツイチなので、いろいろと刺さる映画でした。元夫婦の関係が、離婚後にまた別の形で始まるという展開には「あるある」と笑いつつも、リアルな描写にうなずかされました。アレック・ボールドウィンのダメ男っぷりが妙に愛らしく、逆に応援したくなったのも事実。でも、最終的にジェーンが一人の時間を大切にし、新たな人生に向かう姿には感動しました。いい歳の重ね方ってこういうことかも。(60代 男性)
大人の恋愛模様に笑いながらも心が温まりました。特に印象的だったのは、主人公ジェーンが若い女性に走った元夫に対して、まさかの「不倫」をする立場になるという構図。女性の立場としては複雑な感情を覚えつつも、同情も共感もできました。そして、最終的にアダムとの関係に希望を感じさせる結末がまた良かったです。料理シーンやインテリアも素敵で、目でも楽しめました。(30代 女性)
若い自分にはちょっと遠いテーマかな?と思っていましたが、予想以上に面白かったです。ラブコメなのに深みがあって、笑えるけど泣ける、そんな感じでした。ジェーンの悩みや決断には人間味があり、メリル・ストリープの演技が素晴らしかったです。ジェイクが結構なダメ男なのにどこか憎めないキャラなのも魅力。最終的に過去を乗り越えて前に進むラストが良かった!(20代 男性)
映画『恋するベーカリー』を見た人におすすめの映画5選
ホリデイ(The Holiday)
この映画を一言で表すと?
人生を一新する旅で出会う、新しい自分と恋の予感。
どんな話?
イギリスとアメリカ、2人の女性がクリスマス休暇中に家を交換し、見知らぬ土地で新たな出会いや自分との向き合いを経験するハートウォーミングな物語。恋愛と再生を描いた、心温まるロマンティック・コメディ。
ここがおすすめ!
美しいロケーションと、キャメロン・ディアス&ケイト・ウィンスレットの魅力が光る作品。『恋するベーカリー』同様、大人の女性が主人公で、恋愛と自己再生がテーマ。観た後に幸せな気分になれること間違いなしです。
ユー・ガット・メール(You’ve Got Mail)
この映画を一言で表すと?
現実ではライバル、ネットでは恋人──すれ違いが紡ぐ優しい恋。
どんな話?
小さな絵本店を営む女性と、大手書店チェーンの経営者。現実では敵対している2人が、ネット上ではお互いの素性を知らずに恋を育んでいくという、ロマンチックで心地よいすれ違いラブストーリー。
ここがおすすめ!
トム・ハンクスとメグ・ライアンの名コンビによる、90年代ラブコメの名作。『恋するベーカリー』のように、仕事と恋、そして“選択”が描かれており、甘すぎない恋愛描写が大人にも響く作品です。
マイ・インターン(The Intern)
この映画を一言で表すと?
年齢もキャリアも違う二人の出会いが生んだ、心の交流ドラマ。
どんな話?
若き女性経営者の元に、シニア・インターンとしてやってきた70歳の男性。世代も価値観も異なる2人が仕事を通じて絆を深め、互いの人生に影響を与えていく心温まるヒューマン・ドラマ。
ここがおすすめ!
ロバート・デ・ニーロの穏やかで紳士的な演技と、アン・ハサウェイの繊細な演技が絶妙にマッチ。『恋するベーカリー』同様、自立した女性の葛藤と再生を描いており、ほっこりしながら背中を押してくれる作品です。
サムシングズ・ゴッタ・ギヴ(Something’s Gotta Give)
この映画を一言で表すと?
恋に年齢は関係ない!熟年世代のラブストーリーの名作。
どんな話?
若い女性ばかりと付き合ってきたバツイチの中年男が、ある女性作家との出会いをきっかけに、本気の恋に目覚めていく。軽妙な会話と、年齢を重ねたからこそ味わえる恋愛の機微を描いたロマンティック・コメディ。
ここがおすすめ!
メリル・ストリープと同世代のダイアン・キートンが好演する本作は、『恋するベーカリー』と空気感もテーマもよく似ています。年齢に関係なく恋にときめく姿がユーモラスで温かく、心に沁みる一作です。
食べて、祈って、恋をして(Eat Pray Love)
この映画を一言で表すと?
人生に迷ったとき、新しい自分を見つける旅に出たくなる映画。
どんな話?
結婚生活に終止符を打った主人公が、自分を見つめ直すためにイタリア、インド、バリへと旅に出る。各地での出会いを通じて、自分の価値観や愛のかたちを探し、再び前向きに生きる力を取り戻していく。
ここがおすすめ!
自己再生や心の癒しをテーマにした点で、『恋するベーカリー』と通じるものがあります。美しい風景と美食、スピリチュアルな気づきが詰まったこの作品は、人生の転機に観たい映画としておすすめです。
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