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映画『地上(ここ)より永遠に』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『地上(ここ)より永遠に』の概要:真珠湾攻撃を受ける以前のホノルル兵営。そこへ、上官の命令に背いたラッパ隊のプルーが転属してきた。ライフル隊に配属された彼は、大尉からボクシングの試合に出るよう声を掛けられるが…。

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映画『地上(ここ)より永遠に』の作品情報

地上(ここ)より永遠に

製作年:1953年
上映時間:118分
ジャンル:戦争
監督:フレッド・ジンネマン
キャスト:バート・ランカスター、モンゴメリー・クリフト、デボラ・カー、フランク・シナトラ etc

映画『地上(ここ)より永遠に』の登場人物(キャスト)

ロバート・E・プルーイット(モンゴメリー・クリフト)
元ラッパ隊伍長。現ライフル隊所属の兵士。二等卒。ボクシングのスパーリング中、親友を失明させてしまった。ホームズ大尉にボクシングの試合に出て優勝するよう言い付けられたが、トラウマから参加を辞退。それ以降、大尉の息が掛かった兵士達から壮絶ないじめを受けるようになる。
ウォーデン曹長(バート・ランカスター)
「部下に厳しいが不当なことはしない最高の兵士」と呼ばれている曹長。ホームズ大尉の右腕。プルーを気に掛け秘かに味方する一方、大尉の妻と不倫している。
アンジェロ・マジオ(フランク・シナトラ)
プルーの旧友。いじめられるようになった彼の唯一の味方。陽気な性格だがだらしない面があり、任務をサボったことで営倉へ入ることになる。
カレン(デボラ・カー)
ホームズ大尉の妻。大尉の度重なる浮気によって夫婦関係は破綻しており、夫への腹いせに多くの兵士と肉体関係を持っている。ウォーデンと通じ、彼との再婚を考える。
ロリーン / アルマ(ドナ・リード)
ホノルルの娼館、コングレス・クラブのスタッフ。プルーとは一目で恋に落ちたが、堅実な地位の男性と結婚するという目標を持っている。

映画『地上(ここ)より永遠に』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『地上(ここ)より永遠に』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『地上(ここ)より永遠に』のあらすじ【起】

1941年、ハワイ州スコフィールド・バラックス。ラッパ隊から異動してきたプルーは、ホノルル兵営で旧友のマジオと再会した。

ウォーデン曹長に伴われホームズ大尉に挨拶を行ったプルーは、大尉からボクシングの試合に出るよう言われたが、スパーリング中の事故で親友を失明させてしまった過去があるため誘いを断った。ボクシング部に入ればここでもラッパを吹かせてやると食い下がる大尉に対し、プルーは「無条件なら演奏します」と言い切った。意見を曲げないプルーに対し、ウォーデンは「大人になれ」と説教をした。

夜更けに大尉が帰宅すると、妻のカレンは、彼が任務と称して街で浮気をしていることを責めた。大尉ははぐらかし、カレンもさっさと一人で眠りについた。

ボクシング部への入部を断ったプルーは、ボクシング部のエースであるガロビッチ軍曹からも声を掛けられたが、強気に断った。その日から、プルーは理不尽な扱いを受け始めた。

ウォーデンは、大尉のサインを貰うためと嘯きカレンの元を訪れた。カレンは積極的なウォーデンに戸惑ったが、結局体を重ねてしまった。

給料日を迎えた兵士達は浮き足立ち、マジオはプルーをコングレス・クラブに誘った。

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映画『地上(ここ)より永遠に』のあらすじ【承】

浮かれる兵士達の中を歩くウォーデンは、同僚のメイロン・スタークに声を掛けられ「俺も彼女の愛人の一人さ」と打ち明けられた。平静を装ったウォーデンは、予定通りカレンと海水浴に出掛けた。

マジオと共にコングレス・クラブを訪れたプルーは、ロリーンに心を奪われた。彼女もまた「一目で気に入ったわ」と彼に囁いた。一方のマジオは、下手なピアノ演奏を披露する営倉看守長のジャドソンとモメていた。

カレンは、自分が不倫する理由をウォーデンに告白した。彼女は、臨月に入った時には大尉の浮気に気付いていたが、子供の誕生を楽しみにしていた。しかし、陣痛が始まったため医者を連れて帰って来るよう大尉に連絡した時、彼は街で「会議」と言いながら女遊びをしていた。酔いつぶれて帰宅し眠ってしまった大尉と、陣痛の痛みで失神してしまったカレン、彼女が1時間後に産み落とした男の子は死産だった。そのせいでカレンは子宮を摘出、二度と子供を産めない体になってしまったのだ。ウォーデンは、そう語るカレンを抱き締めた。

プルーはロリーンに、ボクシングができなくなった理由を語った。親友、ディキシー・ウェルズとのスパーリング中、プルーの放った平凡なパンチが彼に当たり、結果的に失明させてしまったのだ。才能ある親友の将来を駄目にしてしまったことに責任を感じ、プルーはボクシングをしないと決めたのだった。

映画『地上(ここ)より永遠に』のあらすじ【転】

大尉はプルーを、命令無視で軍法会議にかけ営倉へ送ろうと考えた。しかし、プルーの覚悟を感じ取っていたウォーデンは「営倉に入っても3ヶ月で優勝は無理ですよ。罰を倍にしては?」と誘導、プルーは知らぬ間に難を逃れた。

ウォーデンは、どんなに理不尽な扱いを受けても心が折れないプルーに目を掛け、大尉に内緒で休暇を与えた。慌ててロリーンに会いに行ったプルーは、彼女から本名を聞き出し店の外で飲む約束を取り付けた。同じ頃、マジオは歩哨の任務をサボって街に繰り出していた。彼は酔った勢いで憲兵に喧嘩を売り、後日軍法会議にかけられてしまう。

マジオは、6ヶ月の営倉送りとなった。看守長のジャドソンは、ついにマジオをいたぶる機会を得怪しい笑みを浮かべた。

カレンは、人目を忍んでウォーデンと会う生活に疲れていた。カレンは夫とスムーズに別れるため、ウォーデンに将校になるよう提言。彼女との愛を本物だと信じるウォーデンは、昇進のため講座を受けると決めた。

兵営の中で泥酔していたウォーデンは、プルーを友人と呼び、かつ将校になるべきかどうかを相談した。プルーは彼へ上官になる素質があると励ましたが、そこに営倉から脱走して来たマジオが現れた。ぼろぼろの体で逃げて来たマジオは、営倉でのジャドソンの悪行を告白し「逃げなきゃならなかったんだ」と呟くと、プルーの腕の中で息絶えた。

ジャドソンへの敵討ちを決意したプルーは、街で彼を待ち伏せ決闘した。プルーはジャドソンを殺害したが、彼もまたジャドソンによってナイフで刺されてしまい、プルーはロリーンの家に身を寄せた。

映画『地上(ここ)より永遠に』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジャドソン殺害の記事が新聞に載ったが犯人は分からず、プルーも無断欠勤が三日続いていた。ウォーデンは、大尉にバレないようプルーを出勤扱いに工作した。

一方の大尉は、監査局独自の調査結果として「大尉は虐待で有罪。被害者はプルーイット、ボクシングの試合に出すための扇動もあった」という罪状で司令部に呼ばれ、真偽を問われていた。軍法会議を避けた大尉はその日の内に辞表を提出、ボクシングと昇格は関連させないこと、ガロビッチは上等兵に降格、ボクシング部の解散が言い渡された。

大尉の退職に伴い本土に帰ることになったカレンは、ウォーデンに将校になる気があるか問い質した。ウォーデンはついに権力を手にすることへ覚悟が決まらず、カレンは「私たちダメだったわね」と言い残し二人は破局した。

日曜日の朝8時前、ウォーデンや兵士達が朝食を摂ろうとしているところへ、日本軍が奇襲をかけた。真珠湾攻撃である。ロリーンの家で日本軍侵攻の報道を聞いたプルーは、ジャドソンに刺された傷が癒えないまま中隊へ戻ることを決意。ロリーンは「本土に戻って結婚しましょう。今行けばもう会えなくなる」と彼を引き留めたが、プルーは銃弾の飛び交う屋外へ飛び出した。

傷が開き出血しながらも基地を目指したプルーは、監視の兵に見つかり撃たれてしまった。ウォーデンはプルーの遺体を確認すると、「本当に不器用なヤツだ、試合に出るだけで済んだのに。皮肉にも今年の決勝は中止だ」と語りかけ、彼の側から去った。

本土に戻る船の甲板で、カレンはロリーンと知り合った。ロリーンは、婚約者のプルーイットが戦死したと語った。かつてウォーデンが話していたプルーイットという兵士の名前に聞き覚えがあったカレンは、祈りを込めてレイを海に投げた。レイは波間に揺れていた。

映画『地上(ここ)より永遠に』の感想・評価・レビュー

戦争の物悲しさだけでなく、開戦前の緊張感や、その中で日常生活を送る人々、兵士達の営みが垣間見え、貴重な戦争資料として見応えがあった。義務教育の中で何年にどんな出来事があったと教わってはいても、そこに居合わせた人々の人生までは見えない。当時のハワイ駐在兵の素が見えたように感じる。

何より、ウォーデンのような上司に恵まれたいと強く思った。陰の努力を評価してくれる上司はそう多くない。(MIHOシネマ編集部)


昔の戦争映画に付き物とも言える「いじめ」や「虐待」の描写。正しい者や弱い者が虐められ、強い者や不真面目でも要領の良い者が良い思いをしているような気がしてどうしても好きになれません。
大尉に好かれれば上手くいったかもしれない人生。大尉の行動や発言が事の発端となり、プルーに対して何の関係もない人間までプルーのことを下に見たり虐めたりする様子は「時代だから」と言われても納得できませんでした。
こういう時にウォーデンのような上司がいてくれる事は唯一の救いだと思います。(女性 30代)

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