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映画『黒い箱のアリス』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『黒い箱のアリス』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『黒い箱のアリス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『黒い箱のアリス』の結末までのストーリー
  • 『黒い箱のアリス』を見た感想・レビュー
  • 『黒い箱のアリス』を見た人におすすめの映画5選

映画『黒い箱のアリス』の作品情報

黒い箱のアリス

製作年:2017年
上映時間:106分
ジャンル:ホラー
監督:サドラック・ゴンサレス=ペレヨン
キャスト:ロウェナ・マクドネル、ジュリアン・ニコルソン、アイデ・リサンデル、マルク・プッジェネル etc

映画『黒い箱のアリス』の登場人物(キャスト)

アリス(ロウェナ・マクドネル)
右の肘から手を失った少女。事故のせいで最愛の母と右手を失い、事実を受け入れられず苛立っている。森で黒い箱を発見し、次第に使いこなすようになる。常に無表情で淡々としており、強い怒りを胸に秘めている。
アダム(ジュリアン・ニコルソン)
アリスの父親。過去に悲惨な交通事故を起こし、妻ベアトリスを亡くし娘アリスの右手を奪ってしまう。深い罪悪感に苛まれ、娘に強く言えず常に慮っている。
エリカ(アイデ・リサンデル)
アダムが森で発見した少女。暴行された痕があり、金髪で妖艶。アリスより幾つか年上で恋人デヴィッドの復讐へ手を貸す。
ポール(マルク・プッジェネル)
エリカの弟で言葉を話さない少年。姉の言うことは絶対で、アリスを色仕掛けで落とそうとする。デヴィッドの復讐に手を貸す。
デヴィッド(ウィル・ハドソン)
エリカの恋人。過去にあった不幸な事故のせいで両親を失い、事故の原因となったアダムを恨んでいる。恋人エリカと弟のポールに協力してもらい、復讐しようとする。
ベアトリス(ルーシー・ティレット)
アリスに母と呼ばれている白い犬。首輪に会話ができるスピーカーが装着されており、会話することができる。匂いで危険や不穏を察し、アリスを守ろうとする。

映画『黒い箱のアリス』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『黒い箱のアリス』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『黒い箱のアリス』のあらすじ【起】

右腕の肘から下を失い最新の義手を装着することになったアリス。義手は装着後に強く念じることで脳内の電気信号を読み取り、思う通りに動かすことができるものだった。しかし、何事も使い慣れるには練習が必要である。アリスは太い木の棒ですら持ち上げられず練習を厭い、すぐにいじけて父親アダムに強く当たるのだった。

自宅は森に囲まれた静かな場所にある。逃げ出した彼女は森の中で大きくて真っ黒な箱を発見。手をかざすと箱に穴が開く。中を探ってみると1枚のメモが入っており“彼らを信用してはならない”と書かれていた。すぐさま自宅へ戻ったアリス。
すると、娘を探して森へ足を向けていたアダムが、傷ついた少女と少年を発見し救助して来る。

2人は姉弟らしく姉をエリカ、弟をポールと言った。ポールは言葉を話さないらしい。エリカから恋人デヴィッドに暴行され森に放置されたと事情を聞いたアリス親子。自宅に一晩泊めることになった。

その日の夜、アリスが母と呼ぶ飼い犬のベアトリスが姉弟を偵察。ベアトリスには会話ができるスピーカーが装着されており、危険な匂いがすると話す。更に窓から森の向こうに何かがいると危険を察知。アダムに知らせ警戒したが、相手は逃げたのか何もなかった。

翌日、アリスの要望により、アダムは姉弟をもう一泊滞在させることにする。ポールから促しがあったため、義手を使う練習をしたアリス。彼女は義手を上手く使えないことに酷く苛立ち、すぐに諦めようとするが、ポールは根気強く練習を促す。だが、鉛筆ほどの木の棒を摘まむことができず。練習中ふと、アリスはアダムとエリカの姿が見えないことに気付いた。

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映画『黒い箱のアリス』のあらすじ【承】

エリカはアリスよりも多少、年上のように見えるが、すでに恋人デヴィッドとは体の関係がある。まさか、アダムまでも誘惑されているのではと疑念が過った。
案の定、親密な雰囲気を醸していたエリカとアダムを発見してしまいアリスは、怒りを爆発。どうやら、アリスが右手を失い母親のベアトリスをも亡くしたきっかけは父アダムにあるようだ。彼は娘から悪し様に罵られても、深い罪悪感から強く出られない様子。母ベアトリスを亡くしたアリスは、飼い犬を母親だと思い込んで現実を受け入れようとせず、同時に右手を失ったことにも苛立ちを感じているようだった。

アダムと言い合いをしたアリスは、飼い犬ベアトリスを連れて家を飛び出して行く。そして、例の黒い箱へと向かった。彼女が手をかざすと、やはり穴が開き中にはメモが入っている。そこには“黒い時計で4時になったら話す。ヘッドホンで聴け”と書いてあり、音声データが入っているのだろうミニメモリーが同封されていた。

夕方の4時を待って、音声データを再生したアリス。彼女は録音された音声の指示に従い、不審者が外にいると告げアダムを外へ。音声は次にポールをキッチンに呼び殺せと言う。じきにエリカも来るため、彼女も殺せと言うのだが、アリスは姉弟を殺すことができなかった。

映画『黒い箱のアリス』のあらすじ【転】

その日の深夜、姉弟は恋人のデヴィッドと3人で共謀し、アダムを殺害してしまう。1人残されたアリスは、アダムの遺体を目にして泣きながらベアトリスを探し、犬までも無残に殺されているのを見つけてしまうのであった。

ひとしきり慟哭し疲れ果てて眠ってしまったアリス。翌朝、黒い箱の元へ向かい何らかのアドバイスを得ようとしたが、箱は一切反応せず。苛立ちを募らせ泣きながら叫ぶと、ようやく箱が反応。中に入れるくらいの大穴が開く。そうして、彼女は黒い箱の中へ入ってしまうのだった。

すると、不思議なことに時を遡り、デヴィッドがエリカを暴行しているシーンへ行くことができる。アリスはその様子を逐一、スマホで録画。夜になったら自ら茂みに隠れ、自宅に不審者が近づいていると演出し、音声データを聞く自分の前に覆面をして現れた。
そして、過去のアリスを部屋へ戻し、自分が姉弟を殺すことにする。

アダムを外へ向かわせた後、キッチンへポールを呼び寄せ殺害。そこへエリカがやって来る。しかし、彼女は弟が殺されても笑うだけで、茫然とするアリスから包丁を奪ってためらいもなく腹部へ。エリカはそのまま姿を消してしまう。腹部を刺されたアリスはそのまま息絶えてしまうのだった。

映画『黒い箱のアリス』の結末・ラスト(ネタバレ)

外の見回りから戻ったアダムは、血塗れになったポールの遺体を発見後、居間で息絶えているアリスを発見して咽び泣く。だが、そこへ過去のアリスが現れ茫然とする。状況把握のため、アリスは録音された音声データを父に聴かせた。それを聞いたアダムは、娘の言うことを信じることにする。そして、森にある黒い箱の存在を教えてもらった。アリス曰く、恐らくあれは一種のタイムマシンなのではないかとのこと。

アダムは娘から明かされた証拠を目にし、姉弟と何らかの関係性を疑ったが、思い当たる節はなく。そこで、実際に黒い箱の前へ行ってみた。それは確かにそこにあって、親子が近づくと反応する。アダムとアリスは神妙な面持ちで箱の中へ入った。

自分が殺されるシーンへ戻ったアダムは、自宅に侵入して来たデヴィッドと対峙する。彼はアダムに両親を殺されたのだと明かした。それは不幸な事故のせいであったが、両親を失ったデヴィッドにとっては復讐に値する出来事だったのだろう。アリスは彼の背後に迫り、脳天にナイフを突き刺して殺してしまった。

全ては過去に起こった不幸な事故のせいである。そのせいで、母ベアトリスは命を落としアリスは右手を失った。そして、両親を失ったデヴィッドは復讐を誓うのだ。アリスはあの日に戻って事故を防ごうと考え、アダムと共に義手を使いこなす練習を行い、綿密な計画を立てた。そして、鍛錬を積んだ彼女は元凶を取り除くべく、黒い箱へと入るのだった。

映画『黒い箱のアリス』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

詳細の説明はほとんどなく、セリフと演技力で勝負している様子が窺える。淡々とした流れでありながらどこか不気味な雰囲気が常に漂っており、独特な空気を作り上げている。突如、ヒロインの前に現れた箱の謎も解明されることなく、恐らくはタイムマシンのような物としか察することができない。その設定もまた、作品に不気味さを与えている。

中盤までは森で発見された姉弟を助けて介抱した父子という展開で、ここまでは普通にあり得る話である。だがその後、ストーリーは突如として急展開。とにかく180度並みに方向が変わるため、セリフや演技に注目していないとついていけない可能性も。設定や演出が光る独特な作品である。(MIHOシネマ編集部)


急に現れた黒い箱に謎の姉弟。彼らがどこから現れたのか、なぜ現れたのかも分からずそれを説明することも無いので、考えながら見ていく作品でした。
箱の謎や姉弟の謎、そして恋人の登場など、少しずつ謎が明らかになってくるとその後はテンポ良く進んでいくので、終盤は意外とあっさりしていました。父と協力してどうにか過去の事件を無かったことにしようとするアリスでしたが、きっと上手くいかないだろうなと思ってしまいました。(女性 30代)


未来からの手紙、そして黒い箱という謎の装置…設定に一目惚れして観ました。実際、静かで美しい映像に包まれながらも、深い悲しみと暴力が描かれていて、胸が締め付けられました。声を失った少女アリスの孤独、父親との断絶、そして過去を変えようとする必死の想い。ラストで未来を変えようとしたアリスの選択には涙しました。静かな傑作です。(20代 女性)


SF的な装置を扱いながら、物語は非常にミニマルで詩的。時間移動や因果の話というより、喪失と希望の話だと感じました。特に父親と娘のすれ違いの描写が痛々しく、胸が苦しくなる場面も。黒い箱からのメッセージが全てを動かす鍵となるのが良いアイデアで、切なさとミステリーが絶妙に混ざった作品でした。派手さはないけど記憶に残る一本です。(30代 男性)


難解で抽象的な演出が多くて理解するのに時間がかかりましたが、二度見してようやく全体の構造が腑に落ちました。とにかくビジュアルが美しく、SFというより現代アートのような感覚もありました。ストーリーの中心は「過去を変えることで、喪失を乗り越えようとする少女の葛藤」で、それが最後の選択に繋がるのが感動的でした。(40代 女性)


タイムループやパラドックス系が好きな人にはたまらない作品。ただし、その中に“暴力”や“喪失”という重たいテーマが入っていて、かなり精神的にくる部分もありました。少女アリスの声を失った理由が明かされるシーンは本当に辛く、でもそれが彼女の未来を変える強さにもなっていて感動しました。地味だけど深い映画でした。(20代 男性)


最初は退屈かと思いましたが、徐々に不穏な空気が濃くなり、気づけば画面に釘付けでした。少女アリスが出会う謎の犬型ロボットも印象的で、無機質な存在に癒されるという演出が切なかった。過去に何があったのか、なぜ声を失ったのかが分かってから、物語が加速していきます。あの黒い箱の正体も含め、非常に哲学的な一本でした。(30代 女性)


静謐で冷たい世界観に没入するタイプの作品。正直ストーリーに派手な展開はないですが、感情のうねりを映像でじっくり見せるスタイルが好きな人にはハマると思います。アリスが見せる小さな表情の変化や、ラストでの決断に胸が詰まりました。希望が全くないわけではないけど、救いは最小限。観る人によって印象が大きく変わる作品です。(50代 男性)


一言で言えば、傷を抱えた少女が未来を選び直す物語。SFというよりは心理劇に近く、アリスの内面の葛藤が全編を貫いていました。声を失った理由や父親の冷酷さ、それに巻き込まれていく登場人物たちの運命が重苦しいですが、それでもどこか幻想的な空気に包まれていて、不思議な魅力がありました。静かな余韻が心に残る映画です。(60代 女性)


抽象的な演出やセリフの少なさが逆に良くて、観ているこちら側に考える余地を残してくれた。アリスが体験する時間のねじれと、その中での決断が「もし自分だったらどうするか?」と考えさせられる。ハッキリと説明されない分、何通りもの解釈ができるのが面白いし、個人的には希望を持てる終わり方だったと思っています。(20代 男性)

映画『黒い箱のアリス』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『黒い箱のアリス』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

アナザー・アース(2011)

この映画を一言で表すと?

もうひとりの自分がいるかもしれない“もうひとつの地球”に希望を託す静かなSFドラマ。

どんな話?

ある日突然、空に“もうひとつの地球”が現れた世界。事故を起こし人生を失った少女が、その第二の地球に自分の赦しを見つけようとする。SFというよりも、自己救済と贖罪をテーマにした人間ドラマに近く、深く静かに心を揺さぶる。

ここがおすすめ!

静謐な映像美と繊細な感情描写が秀逸。『黒い箱のアリス』同様、SF設定の裏に人間の内面を深く掘り下げており、心に残る余韻が特徴。ド派手なSFを期待する人には向かないが、しっとりとした哲学的な映画を求めている人には刺さる一作。

エクス・マキナ(2014)

この映画を一言で表すと?

AIと人間の境界を超える、美しくも不穏な近未来サスペンス。

どんな話?

天才科学者が作った女性型AI「エヴァ」にチューリングテストを行うため、孤立した施設に呼ばれた若いプログラマー。しかし、テストが進むうちに、誰が誰を試しているのか分からなくなる。人工知能の自我と人間性の定義を問う緊張感あふれるドラマ。

ここがおすすめ!

スタイリッシュな映像とミニマルな空間演出は、『黒い箱のアリス』と共通する雰囲気を持つ。感情を持つAIとの対話が進むほどに観客の倫理観が揺さぶられ、ラストには背筋が凍る余韻が残る。静かなSFが好きな人にぜひ観てほしい作品。

静かなる叫び(原題:The Silence)

この映画を一言で表すと?

音を出したら命はない——沈黙が支配する恐怖と家族の絆を描いたサバイバルスリラー。

どんな話?

音に反応して襲ってくる未知の生物によって文明が崩壊した世界。聴覚障害を持つ少女とその家族が、音を立てずに生き抜こうとする姿を描く。コミュニケーションの困難さと、静寂の中にある緊張感が特徴的な物語。

ここがおすすめ!

声を失った少女アリスと重なる要素があり、『黒い箱のアリス』のように“静けさ”の中で展開される緊張感が魅力。SFというよりサスペンス寄りだが、音に敏感な世界の描写が非常に独創的。静けさが怖くなる、音のないスリルを体感できる作品。

コヒーレンス(2013)

この映画を一言で表すと?

一晩のディナーパーティが、世界の“整合性”を崩壊させていく知的SFスリラー。

どんな話?

友人たちが集まったホームパーティの夜、彗星の通過をきっかけに“異常な事象”が起き始める。そこから現れる“もう一つの現実”と向き合う中で、人間関係も徐々に崩壊していく。わずかな予算で構築された高密度のアイデアSF。

ここがおすすめ!

『黒い箱のアリス』が持つ閉鎖空間の静かな狂気と、時間や現実のねじれといった要素が好きな人にはドンピシャ。難解で抽象的な世界観が魅力で、観終わったあとに考察を楽しみたくなる。コンパクトながら心に残るSFスリラーの傑作。

時間の支配者(原題:Timecrimes)

この映画を一言で表すと?

過去と未来を行き来する男が、自らの選択に翻弄されていくタイムトラベル・スリラー。

どんな話?

ある男が偶然迷い込んだ施設で、謎の機械により数時間過去へタイムスリップしてしまう。過去の自分との遭遇、そして自らが招く悲劇的な出来事…。予想不能の展開で、複雑なタイムパラドックスの世界が広がっていく。

ここがおすすめ!

『黒い箱のアリス』のように、“過去を変える”ことの危うさをテーマに据えている点が共通しており、心理的なサスペンス要素も強い。ラストに向かって張り詰める緊張感と、倫理観を問う展開がクセになる。タイムトラベル好きにはたまらない一作。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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