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映画『黒猫・白猫』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『黒猫・白猫』の概要:ユーゴスラビアのドナウ河沿いの田舎町を舞台に繰り広げられる、ブラックジョーク満載のドタバタ・コメディー。一攫千金を狙うマトゥコの失態は、家族や住民を巻き込んだ大騒動になり、それぞれが望みを叶えるために奮闘する。

映画『黒猫・白猫』の作品情報

黒猫・白猫

製作年:1998年
上映時間:130分
ジャンル:コメディ
監督:エミール・クストリッツァ
キャスト:バイラム・セヴェルジャン、スルジャン・トドロヴィッチ、ブランカ・カティッチ、フロリアン・アイディーニ etc

映画『黒猫・白猫』の登場人物(キャスト)

マトゥコ(バイラム・セヴェルジャン)
ユーゴスラビアのドナウ川沿いの田舎町で暮らす、博打好きの男性。自堕落でまともに働かず、いつも賭け事にかまけている。権力や金に弱く、相手によって自分の意見をころころと変える。
ザーレ(フロリアン・アジニ)
マトゥコの息子。17歳。真面目で純朴な青年。だらしない父親に呆れており、優しく勇敢な祖父を慕っている。年上の女性イーダと恋人関係にある。
ダダン(スルジャン・トロヴィッチ)
町で幅を利かせている新興マフィア。成金趣味の粗暴な麻薬中毒者で、自分の意見を通すために平気で暴力的な手段を使う。4人の妹がおり、末妹の結婚相手探しに頭を悩ませている。
イーダ(ブランカ・カティク)
祖母が経営する川沿いのレストランで働く美人。ザーレの年上の恋人。明るくひょうきんな性格で、アメリカ文化に憧れている。
ゼーリェ(ザビト・メメドッフスキ)
マトゥコの父。マトゥコに愛想を尽かしており、孫のザーレを目にかけている。元アコーディオン奏者で、何よりも音楽を愛している。
グルガ(サブリ・スレジマニ)
ユーゴスラビアでも有数の実力派マフィア。『ゴッドファーザー』と呼ばれ、住民達の尊敬と畏怖の念を一身に集めている。ゼーリェとは堅い絆で結ばれた戦友同士。老衰のため、車椅子に乗って生活している。孫息子の結婚相手探しが唯一の悩み。
ヴェリキ(ジェセール・デスタニ)
グルガの孫。祖父を心から慕っており、動けないグルガの代わりに業務全般を担っている。とても背が高く、常に悠然と構えている。一目惚れする相手を花嫁にすると決意している。
スイカ(リュビシャ・アジョヴィッチ)
イーダの祖母。川沿いでレストランを経営している。恰幅の良い豪胆な老女。面に出さずとも、イーダの将来を案じている。
アフロディータ(サリア・イブライモヴァ)
ダダンの末の妹。生まれつき背が低く、周囲から『テントウムシ』と呼ばれている。夢で見た憧れの男性と結婚すると心に決めている。

映画『黒猫・白猫』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『黒猫・白猫』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『黒猫・白猫』のあらすじ【起】

ユーゴスラビアのドナウ川沿いのある田舎町で暮らすマトゥコは、働きもせずに毎日博打に明け暮れている。ある日、マトゥコは、水上で商売をしているロシア人に騙され、有り金すべてを失う。

起死回生を狙い、マトゥコはブルガリアからやってくる石油運搬車両の強盗を目論む。マトゥコは息子ザーレを伴って、一帯の支配者グルガのもとへ行き、計画への出資を依頼する。グルガは、マトゥコの父ザーリェとは深い縁故がある。マトゥコは、ザーリェは既に死んでいると嘘をつき、グルガから香典として大金を受け取る。

その夜、マトゥコは、マフィアのダダンに車両強盗への参加を持ちかける。ダダンは強盗の利益を殆ど得るということで合意し、計画に参加する。

ザーレは、川辺のカフェで働くイーダに恋をしている。ザーレはイーダの祖母スイカが経営しているレストランから楽団を借り、入院しているザーリェのもとへ連れていく。楽団の演奏を聞き、ザーリェはたちまち元気を取り戻して退院する。

先日、ダダンはザーリェが所有する工場を強引に買い取っており、ザーリェは孫のためにその金を残そうと考えている。

死期が迫っていることを自覚しているグルガは、孫のヴェリキに仕事を全て譲って入院する。グルガは、ヴェリキが早く結婚相手を見つけるよう、強く願っている。

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映画『黒猫・白猫』のあらすじ【承】

強盗決行当日、マトゥコは駅員を買収して運搬車両に近づくが、ダダンの計略によって駅員に薬を盛られて眠ってしまう。その間に、ダダンは駅員を口封じに殺し、車両を全て盗む。ダダンは、眠っているマトゥコと駅員の死体を野原に放り出す。目覚めたマトゥコは、知らないうちに誰かに騙されたと言ってダダンに無実を訴えるが、一蹴される。

ダダンは、マトゥコに出資した金額をその日のうちに返すよう脅し、ザーレとダダンの妹アフロディータを結婚させることで借金をチャラにすることを提案する。マトゥコは、ダダンこそが自分を騙した張本人だと気づいて抵抗するが、ダダンや手下達に暴行され、あっさりと取引に応じる。

翌日、ザーレはイーダから、ザーレとアフロディータの結婚が勝手に取り決められたことを教えられる。ザーレとイーダは惹かれ合っており、二人は恋人関係になる。

ザーレの結婚話を知ったザーリェは、グルガに助けを求めようとするが、マトゥコはグルガは既に死去していると嘘をつく。ヴェリキは、マトゥコが計画に失敗したことをグルガに伝える。グルガは、ザーリェへの恩から、せめてザーリェの墓参りに行こうと考える。

アフロディータは、ダダンの勝手な決定に猛反発する。ザーレとイーダはダダンの屋敷に忍び込み、アフロディータの容姿を盗み見て、結婚にますます反対する。

映画『黒猫・白猫』のあらすじ【転】

結婚式当日、ザーリェはザーレの結婚を阻止するため、自ら心臓を止める。マトゥコはダダンに父の死を報告し、葬儀を優先して結婚式を延期するよう頼むが、ダダンはザーリェの死は3日前であったとでっちあげ、結婚式を強行する。

結婚式は、マトゥコの自宅で行われる。マトゥコとザーレは、ザーリェの遺体を氷まみれにして自宅の屋根裏部屋に保管する。ザーレとアフロディータは、ダダンに無理矢理に夫婦の誓いを立てさせられる。イーダは、ザーレが他人の夫になったことを嘆き悲しむ。

式が盛り上がる中、ザーリェを冷やしている氷が溶け始め、マトゥコは処置で手一杯になる。ダダンは取り巻き達と乱痴気騒ぎに興じている。ザーレの助けを借りて、アフロディータはテーブルの下から床下に潜り込み、船に積んであったドラム缶に身を潜めて会場から抜け出す。

アフロデェータが逃げ出したことを知ったダダンは怒り狂い、ザーレとイーダに責任を押し付けて激しく責める。結婚式の参加者達は、総出でアフロディータの捜索を始める。

映画『黒猫・白猫』の結末・ラスト(ネタバレ)

グルガはヴェリキが運転する豪華なバンに車椅子ごと乗り込み、ザーリェの墓参りに向かう。道中、バンの扉が開き、グルガは車から落ちてその場に置き去りにされる。グルガがいなくなったことに気付いたヴェリキは、グルガを探し回っている最中に、逃亡中のアフロディータと出会う。二人はお互いを運命の相手だと確信し、恋に落ちる。

アフロディータに追いついたダダン達は、ヴェリキに銃を向けてアフロディータを返すよう要求するが、既にアフロディータと結婚の約束をしたヴェリキは、屈することなく撃ち返す。

その場に駆けつけたグルガは、ヴェリキとアフロディータの結婚を認める。過去にグルガに世話になっていたダダンは、グルガの決定に大人しく従う。グルガは、ザーレとイーダの結婚も認め、式の参加者達は二組のカップルの誕生を祝う。

容体が悪化し、グルガは急死する。マトゥコとダダンは、グルガの遺体をザーリェの遺体と並べて屋根裏部屋に隠す。乱痴気騒ぎの一夜の後、マトゥコとダダンが賭けに興じている最中、ザーリェとグルガは突如、息を吹き返す。

ザーレとイーダ、ヴェリキとアフロディータの合同結婚式が改めて催される。ザーレとイーダは、目の前を通過していくドイツの豪華客船に乗り込んで国外へ脱出しようと考える。ザーレはザーリェから金を受け取り、イーダと小舟で客船に渡る。マトゥコ達は、幸せそうな様子で遠ざかっていくザーレとイーダを見送る。

映画『黒猫・白猫』の感想・評価・レビュー

とにかく笑ってしまうお話です。ドタバタコメディという言葉がぴったりな今作は、賭け事が大好きな主人公とその家族のお話。主人公をマトゥコのせいで大変な目に合わされてしまいますが、みんな「なんとかなるさ」精神で乗り切ってしまいます。
最後には合同結婚式まで開かれ、なんでもありの展開です。死んだ人が生き返るなどありえないことばかり起きますが、それが今作の見所でしょう。気軽に見られる楽しい作品でした。(女性 30代)

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