映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』の概要:『エクソシスト』でお馴染みのウィリアム・フリードキン監督作。77年公開当時、北米以外では30分カットされた短縮版しか観ることのできなかった伝説の映画が4Kデジタル・リマスター・オリジナル完全版として約40年振りに蘇る。
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』の作品情報
上映時間:121分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ウィリアム・フリードキン
キャスト:ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル、フランシスコ・ラバル、アミドウ etc
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』の登場人物(キャスト)
- ドミンゲス(ロイ・シャイダー)
- アイリッシュ・マフィア。アメリカで強盗後、車で事故に遭うも逃走。敵対するギャングから追われ、ポルヴェニールへ逃亡。
- セラーノ(ブリュノ・クレメール)
- フランス人投資家。不正取引を追及され、金を工面しようとするが叶わず、フランスから逃亡する。
- マルティネス(アミドゥ)
- アラブ系テロリスト。イスラエルで銀行を爆破後、警察の手から逃れるため、イスラエルから逃亡。
- ニーロ(フランシスコ・ラバル)
- ナチスの残党を追う殺し屋。メキシコでナチスの残党を殺した後、追手から逃れるため、逃亡。
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』のあらすじ【起】
メキシコのベラクルスにあるホテルの一室で男が銃殺される。標的を始末した殺し屋ニーロは現場を後にする。
イスラエルのエルサレムで銀行が爆破される。アジトへ戻ったテロリスト集団を警官が待ち構える。二人は射殺され、一人は捕まり、一人残ったマルティネスだけが逃亡する。
フランスのパリでは不正取引が発覚したセラーノが追及を逃れようと金を工面しようとするが失敗。更にはセラーノと共に不正に関与した義弟が自殺。セラーノはフランスから逃亡する。
アメリカのニュージャージー州エリザベスでアイリッシュ・マフィアが教会を襲撃、神父を撃ち殺してビンゴの売上金を強奪する。ところが、逃走中に車で衝突事故を起こしてしまう。かろうじて事故現場から逃げ出すドミンゲス。
しかし、彼らが射殺した神父がギャングのボスの弟であったため、一人生き残ったドミンゲスはギャングの一味に命を狙われる。友人からの忠告でドミンゲスは南米のポルヴェニールへと高飛びし、身を隠すことを決める。
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』のあらすじ【承】
密林に囲まれた南米ポルヴェニールの小さな村。そこでは訳ありの男たちが身分を偽って暮らしていた。
そして、その村にはアメリカからこの村へと辿り着いたドミンゲス、フランスから逃亡してきたセラーノ、イスラエルから逃亡してきたカッセム、メキシコからやって来たニーロの姿があった。村のバーにたむろする男たちは誰も彼もが何かいわくありげな様子だ。
そんなある日、村から300キロほど離れた場所にある油田で火災が発生する。石油会社の支配人は爆発物の専門家から火を鎮火するためにはニトログリセリンを用い、その爆風を利用して消火するしかないと告げられる。
しかし、倉庫に保管されていたニトログリセリンは保管状態が悪く、僅かな衝撃でも爆発するかもしれないという非常に不安定な状態であった。
とはいえ、ニトログリセリンを使って鎮火する以外に手立ては無く、石油会社はトラック2台でニトログリセリンを運搬することに決める。そして、1人1万ドルの報酬と国外への旅券を提示。トラックで運搬するメンバー4人を募るのであった。
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』のあらすじ【転】
多くの志願者の中から選ばれたのはドミンゲス、セラーノ、マルティネス、そしてカッセムの友人であるマルケスの4人。
しかし、いざ出発の当日朝になってもマルケスが姿を現さない。彼は何者かに殺されていたのだ。殺害されたマルケスに代わり、最後の4人目にはマルケスを殺害したと思しき、ニーロが加わることになった。
ドミンゲスとニーロ、セラーノとマルティネスの2組がそれぞれトラック2台に分かれ、ニトログリセリンをトラックに積み込み、約300キロ離れた油田へと出発する。
崖が迫る車幅ぎりぎりの細道を通過するドミンゲスとニーロ。その後、セラーノとマルティネスはタイヤがはまってしまうが何とか抜け出す。
ほっとしたのも束の間、暴風雨が吹き荒れる悪天候の中、今度は眼前に壊れかけた吊り橋が現れる。怖気づいて逃げようとするニーロをドミンゲスが殴りつけ、ニーロにトラックを誘導させる。左右に激しく揺れ、軋む吊り橋。ドミンゲスは無事、トラックを通過させることに成功。続くセラーノとマルティネスもドミンゲス達以上に吊り橋を渡るのに苦労するがウインチを使ってワイヤーで牽引、強行突破に成功する。
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』の結末・ラスト(ネタバレ)
吊り橋を命からがら渡りきった彼らに新たな障害物が立ち塞がる。彼らのゆく手を巨大な倒木が遮っていたのだ。
成す術も無く、茫然自失する4人。その時、マルティネスが妙案を思いつく。爆弾の扱いに長けたマルティネスがニトログリセリンを使って倒木を爆破しようというのだ。慎重に爆弾を仕掛け、巨大な倒木を爆破することに成功。
ピンチを切り抜け、安心したセラーノとマルティネス。緊張から解き放たれ、車中で談笑していると突如タイヤがパンクし、崖から転落。二人は命を落とす。
爆発したトラックを見て動揺を隠せないドミンゲスとニーロ。しかし、二人は先を急ぐ。すると、地元のゲリラが二人を襲う。ニーロが銃で地元ゲリラを射殺するが、彼もまた撃たれ、傷を負う。
道中、ニーロは息絶え、残るはドミンゲスただ一人。しかし、今度はトラックがガス欠で動かない。意を決したドミンゲスは素手でニトログリセリンを目的地まで運ぶのであった。
任務を達成し、新しい身分と報酬を手にしたドミンゲス。いよいよポルヴェニールを後にしようというまさにその時。彼を追っていたギャングがポルヴェニールに降り立ったのであった。
映画『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』の感想・評価・レビュー
遂に40年の時を経て、オリジナル完全版が観られるということで期待に胸躍った。
暴風雨の中、吊り橋を渡るトラックのシーンは映画史に残る名シーンと言っても過言ではない。まさに我々が求めている映画体験というものがこの作品の中に詰まっている。
スクリーンに映し出されるトラックのタイヤが軋む音、ハンドルを握る登場人物の一挙手一投足に鼓動の高まりを抑えることができない。手に汗を握らずにいられない。伝説の超大作と呼ぶにふさわしい傑作である。(MIHOシネマ編集部)
1953年の『恐怖の報酬』はかなりレトロな雰囲気があり、作品で描かれる恐怖よりも仲間の中にいるクズな男に終始イライラさせられました。この作品はニトロをトラックで運ぶと言う設定は同じものの、その道のりをかなり険しいものにしていて嵐の中吊り橋を渡るシーンは本当にハラハラドキドキしました。
昔の作品では、唯一生き残った者が帰り道に崖から落ちてしまいましたが、今作はラストでギャングに命を狙われる展開で終わります。無事に逃げ切って欲しいと感じました。(女性 30代)
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