映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』の概要:曰くつきの部屋に女の子を連れ込んだ事から起こる恐怖、肝試し番組撮影中に起こった怪異、霊感を持つアイドルが語るあまり怖くない話の、3本のホラーオムニバス映画。監督、脚本は原作本も書いた福谷修。
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 作品情報
- 製作年:2016年
- 上映時間:80分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:福谷修
- キャスト:馬場良馬、末永みゆ etc
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★☆☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★☆☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 あらすじ【起・承】
「お持ち帰り」
新進気鋭の若手映画監督の男性が、女の子を連れて帰宅した。
“出る”と噂の部屋に住む彼は監視カメラを仕掛け、心霊現象を記録しようとしていた。
女の子に頼まれ、手持ちのカメラのスイッチを切ろうとするが、なぜか撮影が止まらない。
そのまま部屋に入ると、突然、クローゼットの中に誰かがいたと騒ぎ始める女の子。
用心のために包丁を手にし、クローゼットの中を見るが、あるのは山積みの段ボールだけ。
男性の背後に人がいる、と言っておかしくなった女の子が襲い掛かってくる。
豹変した男性は女の子を惨殺し、クローゼットの段ボールの中に隠されていた頭蓋骨を眺める。
すると、死んだはずの女の子が襲い掛かってきて、男性は気を失う。
目覚めた男性は、カメラの映像を見て驚く。
記憶にはない、女の子の遺体をクローゼットに隠す自分の姿や、ずっと一緒だと笑う女の幽霊の姿が映っていたのだ。
やがて部屋中で怪奇現象が起こり始める。
刺し殺してしまった女の子が再び襲ってきて、男性はまた気を失う。
カメラを確認すると、自分の耳から体内に入ってくる女性の幽霊が。
そして男性は、誘われるように部屋の窓から飛び降りた。
ビデオには、幽霊の女と連れ込んだ女の子が男性の手を引っ張り、ずっと一緒だと笑う姿が映っていた。
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 結末・ラスト(ネタバレ)
「墓荒らしアイドル」
報道から移動になったプロデューサーの須黒が担当することになった、アイドルグループ「プチ・フレア」の彩音と瑞希の肝試し番組。
墓地での撮影も終わりかけた頃、林の中にあった石の中から「変な音がする」と言う瑞希。
須黒の独断で瑞希が石をどかし、その下に埋まっていた丸い石を掘り起こす。
彩音はその石に付いていた血のようなものを見つけ、瑞希は須黒の背後にいくつもの幽霊の姿を見る。
持っていた石に自らの頭をぶつけ、倒れた瑞希は石のあった場所に引きずり込まれる。
彩音たちが助けようとすると、彼女の下半身だけが残った。
暗闇の中でもがく瑞希は、石の下で助けを求めていた。
撮影も終わりかけた頃、そこにやってきた須黒に、瑞希は「変な音がする」と告げる。
「神隠し」
霊感を持つが公言はしていない、アイドルグループの亜里砂。
古い家でのグラビア撮影に向かうが、そこは一家4人が突然行方不明になったという、曰くつきの家だった。
カメラマンのひとりが家の中を撮影していると、異様な光景を一瞬だけ見る。
撮影の後のインタビューで、霊感の噂を耳にしていた編集者から神隠しの話題を振られる亜里砂。
消えた一家は別の次元にいて、自分たちと同じ部屋にいると語る亜里砂は、“立入禁止”と書かれた部屋の様子がおかしいと入っていく。
そこにあった黒電話を耳にあてた亜里砂は、慌ててキッチンに駆け込むと、歯が混じった血を吐き出した。
彼女は奥歯を数本失い、インタビュー内容は掲載されなかった。
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
「お持ち帰り」
原作とはかけ離れた内容で、若手映画監督の男性が気絶しては女性の幽霊に襲われ、また気絶しては幽霊に襲われ、その様子がすべて記録されているカメラを確認するという繰り返し。
似たようなシーンばかりの繰り返しで、飽きてしまうのがツッコミどころ。
耳から幽霊が入り込む映像は斬新だが、VFX技術がイマイチなのがもったいない。
部屋の段ボールにあった白骨は何だったのか、どうして連れ込んだ女性は豹変して男性も人殺しをしたのか、もともと殺人鬼だったのか、すべて謎のままなので、スッキリしない終わり方だ。
「墓荒らしアイドル」
作中の肝試し番組が、現実にありそうな完成度になっていて現実味がある。
アイドル2人の撮影裏側も、いかにも人気アイドルの裏側のイメージっぽくできている。
隅にある墓石の下を延々とループすることになってしまったアイドルの瑞希と、助けようと引っ張ったら半分だけ残ったという嫌な後味。
下半身だけ残った遺体も、リアル感があってグロテスクだ。
「神隠し」
原作に最も忠実で、語り部のアイドルが“怖くない話”と繰り返すのが印象的。
違う次元に行ってしまった、神隠しにあった一家がいるという設定だが、ホラーというよりもSFっぽい。
書斎のような一室に入ったカメラマンが踏んだ指や手、壁に浮かぶアイドルたちの姿は不気味。
電話を耳に当てた亜里砂が歯茎と奥歯をえぐり取られたと淡々と語るのは、大げさな怖い話よりも不気味さが増す。
その彼女に触れたスタッフのカメラに映った、四角く目のある万華鏡のような謎の映像も含めVFXの完成度が高いが、全体的に謎だらけで意味がわからずスッキリしない内容。
背筋が凍るような怖い話を求めている方には、物足りないかもしれませんが後からジワジワと来る恐怖を感じる作品でした。
3本の作品がオムニバス形式で収録されていますが、どの物語も不気味で気持ち悪さがあります。
個人的には「神隠し」がお気に入りです。ジャパニーズホラー特有の憑かれてしまうような怖さと、ジメッとした雰囲気が余計に恐怖を感じさせてきます。大きな盛り上がりやトラウマ級の怖さはありませんが、ふとした瞬間に思い出してしまうような気味の悪い作品でした。(女性 30代)
映画『恐怖のお持ち帰り ホラー映画監督の心霊実話怪談』 まとめ
ネットから人気に火が付いた「劇場版 心霊写真部」の原作、脚本を務めた福谷修が監督した映画。
自身が執筆した実話怪談本「恐怖のお持ち帰り ~ホラー映画監督の心霊現場蒐集譚~」の中から、「お持ち帰り」、「墓荒らしアイドル」、「神隠し」の3篇を実写化した。
原作と比べ「お持ち帰り」と「墓荒らしアイドル」は、かなり脚色されていて、原作を読んでいる場合は別ものとして見たほうが良い。
「劇場版 心霊写真部」と同様に、クラウド・ファウンティングというシステムで資金を集め、支援者が幽霊の顔として出演したりもしている。
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