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映画『ラスト・フェイス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ラスト・フェイス』の概要:レン・ピーターセンは「世界の医療団(MDM)」の共同設立者だった父の意思を受け継ぎ、精力的に活動を行っていた。そんなある日、リベリア・モンロビアの交戦地帯で、医師のミゲルと出会う。2人は過酷な状況の中、急速に惹かれ合っていった。

映画『ラスト・フェイス』の作品情報

ラスト・フェイス

製作年:2016年
上映時間:131分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ショーン・ペン
キャスト:ハビエル・バルデム、シャーリーズ・セロン、アデル・エグザルコプロス、ジャレッド・ハリス etc

映画『ラスト・フェイス』の登場人物(キャスト)

ミゲル・レオン(ハビエル・バルデム)
養護施設で育ち、逆境を乗り越えて有名大学の医学部を卒業する。救援医師として紛争地域で医療活動を行う。
レン・ピーターセン(シャーリーズ・セロン)
父は「世界の医療団(MDM)」の共同設立者。父の意思を引き継ぎMOMの活動を行うが、なかなか上手くいかずもどかしい思いを抱える。

映画『ラスト・フェイス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ラスト・フェイス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ラスト・フェイス』のあらすじ【起】

2003年に集結したリベリア内戦でも、それから10年後に起こった南スーダンの紛争でも、少年兵が残虐行為に関与していた。世界が痛ましい事件に気づき始めたその陰で、一つの叶わぬ愛が消えた。

レン・ピーターセンの父は「世界の医療団(MDM)」の共同設立者だった。80歳で亡くなるまで、家族と離れて人の命を救うために尽力を尽くしていた。大人になったレンは、父の活動を受け継いだ。そんなある日、ミゲル・レオンと出会った。

南スーダン・マラカル国連基地。銃弾や爆撃音が響く中、救援医師のミゲルは傷ついた人々の治療に当たっていた。国連基地の中は難民によって過密状態になっており、外にいる者は襲撃を受けていた。助けを求める人が押し寄せる中、ミゲルは別の場所で治療を行うために南スーダンPKO(国際連合平和維持活動)のヘリコプターに乗り込んだ。

ミゲルは娘がいる男性の治療に当たっていたが、救うことはできなかった。娘は内戦で母と姉を失っていた。ミゲルはやるせない気持ちを抱える。そんな時、食糧を奪うための襲撃を受ける。ミゲルは父を心配している娘を物陰に隠した。しかし、ヘリコプターやテントが燃やされ、娘も殺されてしまう。ミゲルは遺体に寄り添い、涙を流した。

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映画『ラスト・フェイス』のあらすじ【承】

リベリア・モンロビア。レンは交戦地帯を訪れた。しかし、救援医師や看護婦にとってレンはMDMの設立者の娘に過ぎず、なかなか輪に加わることはできなかった。反政府軍が港を占拠し、治安が悪化していたため現在の病院で活動を続けることは困難だった。レンは保護が必要な人を連れて国境に移動するしかないことを、ブラウン医師に説明した。

病院の近くで迫撃砲が爆発した。モンロビアは数週間で反政府軍に占拠されることになった。外国人医師と難民が荷造りを行う間、レンはいとこのエレンからシエラレオネへ同行する仲間のことを聞いた。ラヴ医師は妻を失い、モンロビアでの救援活動を行っていた。ミゲルは最高の医師で、多くの人から慕われていた。

レン達は移動している途中で襲撃に遭い、車と荷物と衛星電話を奪われてしまう。さらに、仲間の1人も殺された。レン達は暗闇に紛れ、夜を過ごすことになった。そんな時、ミゲルは鉈で襲われた女性を見つける。治療薬がほとんどない状態で治療に当たることになった。女性が妊娠していたため、皆で手分けして傷の治療と帝王切開による出産を行った。女性は助かり、赤ちゃんも無事に生まれた。

治療した女性を板に乗せ、レン達は徒歩で移動した。いつ襲撃を受けるか分からない恐怖の中、レンはミゲルの存在に救われていた。その後、レン達はシエラレオネのマノ川難民キャンプに辿り着いた。

映画『ラスト・フェイス』のあらすじ【転】

レン達はキャンプ地に診療所を設立して活動を行った。最初の医療物資はすぐに国連から届いたため、物資を途切れさせないよう担当者に連絡を入れた。レンは活動が順調に進んでいることを喜んだ。彼女はシエラレオネに来る4日前まで、現場を離れた医学専門家に過ぎなかった。救援活動の一方で、レンとミゲルの関係は親密になっていった。

レンはミゲルから手紙を受け取るが、読まずに別れの言葉と共に突き返した。2人が離れてから10年の月日が経過していた。レンはミゲルの愛を信じることはできず、苦悩しながらも縋る彼を無視して車に乗り込んだ。心が疲弊した彼女は実家へと身を寄せた。そこに、ミゲルが訪ねてくる。レンはミゲルと関係を持ってしまう。

レンはエレンから、ミゲルと関係を持っていたことを教えられる。薬やお酒に嵌るように、女性に嵌るのがミゲルだと言うのだ。エレンはそのことを承知で付き合っていたが、レンは何も知らなかった。エレンはHIV検査で陽性だったため、2人にも検査を行うことを勧めた。レンは話を受け止めきれず、その場を立ち去った。ミゲルはレンを追いかけず、落ち込むエレンを慰めた。

レンとミゲルは検査を行うが陰性だった。エレンはパリに戻り、治療を行うことになった。ミゲルは君を愛しているようにエレンのことは愛していなかったとレンに伝えた。だが、レンはミゲルのことを信じ切ることはできなかった。そんな中、襲撃を受けた村を発見する。襲撃犯の1人がミゲルに銃を向けた。レンはミゲルが殺されてしまうのではないかと恐れるが、襲撃犯は怪我を負っており力尽きて亡くなった。他に襲撃犯はいなかったため、レン達は怪我を負った村人達を車に乗せた。その途中で、レンは気絶して倒れてしまう。

映画『ラスト・フェイス』の結末・ラスト(ネタバレ)

物資は不足しており、輸血できるのは1人だけだった。レンは過酷な状況に耐えられなくなり、戻って現状を伝えるべきだと訴えた。だが、ミゲルも他の医師も目の前にいる彼らを救うため、戻る気はなかった。

レン達は移動し、傷ついた人達の治療に当たった。そこには胸を刺されて亡くなった少年達の遺体が積み上がっていた。反政府軍が人間を盾にしたのだ。レンの心は益々傷つき、人を治療できる状態ではなくなる。レンは周囲の反対を他所に、撤退することを決めた。

レン達は撤退するため、治療が必要な患者を避難させた。そこに、襲撃者が現れる。レン達は襲撃者を刺激しないように大人しくしているが、父親を守るために少年のサムが出てきてしまう。ミゲルはサムを守ろうとして殴られた。襲撃者のボスはサムに父親を殴らせた後、殺すよう命じて銃を持たせた。父親は自分を撃つよう命じるが、サムは撃つことができず自分の頭を撃ち抜いた。レン達の中に深い悲しみが広がった。レン達が立ち去る中、ミゲルはその場に留まった。

ミゲルはレンが戻ってくるのを待っていた。レンもミゲルに会いたかったが、内戦の渦中に戻ることはできなかった。ミゲルも現地に行くのを止め、レンの傍で平穏な暮らしを行うことはできなかった。レンはMDMの資金調達イベントを行い、ミゲルは現地へと旅立った。イベントでのスピーチを終えた後、レンはミゲルからの手紙を読んだ。そこには、レンを愛していることが綴られていた。

飛行機が撃ち落され、乗組員は全員死亡した。そして、ミゲルもそこに乗っていた。レンはミゲルの件が報道されるのを呆然と見ていた。

映画『ラスト・フェイス』の感想・評価・レビュー

「第69回カンヌ国際映画祭」でプレミア上映されたが、上映後ブーイングが飛ぶほど酷評された映画である。自分が視聴した限り、そんな酷評されるほど悪くはなかったと思う。内紛の悲惨さや医師達の辛さがきちんと描かれていて、戦争の過酷さを知る上では良かったと思う。確かに、この作品に恋愛を絡める意味はあったのかと聞かれると微妙なところである。それに、エレンとの関係が描かれていたため、ミゲルがただのだらしない人として映っていたのは残念だった。エレンの件を省いて、内紛によって引き裂かれた悲恋にした方がもっと良かったのではないかと思う。(MIHOシネマ編集部)

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