映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』の概要:ハリウッド俳優エロール・フリンが、俳優になる以前の物語を描く伝記的冒険映画。パプアニューギニアに眠る金を掘り起こすため、仲間と共にシドニーから航海の旅に出たフリンだが、様々な困難に見舞われ…
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』の作品情報
上映時間:98分
ジャンル:アクション、伝記
監督:ラッセル・マルケイ
キャスト:トーマス・コッケレル、ウィリアム・モーズリー、クライヴ・スタンデン、デヴィッド・ウェンハム etc
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』の登場人物(キャスト)
- エロール・フリン(トーマス・コッケレル)
- 実在の俳優。元冒険家。ジャングルにて映画の撮影に同行したことがきっかけで、ハリウッド俳優としてのキャリアをスタートさせる。親が学者であるため、生き物に詳しい。
- レックス / ジャック・レジナルド・ゴフ3世(コーリー・ラージ)
- フリンの友人。賭けボクシングで金を稼いではギャンブルに消えていく。フリンに誘われ、金鉱探しの旅に同行する。
- ドゥーク / アダムス(ウィリアム・モーズリー)
- フリンの友人。貴族。公爵(デューク)を“ドゥーク”と発音してしまうため、そのままあだ名になっている。父親が破産し途方に暮れていた際フリンに励まされ、以降彼を慕っている。
- チャーリー(クライヴ・スタンデン)
- シロッコ号の船長。アル中。戦争中に負傷兵を載せていたシロッコ号を終戦後に買い取り、元の所有者は買い取り料金を受け取らないどころか自分の娘を「いい暮らしをさせろ」と言い渡してくれた。その娘との間に子供を設け、船上で暮らしていたチャーリーだったが、ある日突然アクンに襲われて船を奪われてしまった。船とアクンを追ってシドニーまで辿り着いたところ、フリン達と出会う。
- ローズ(イザベル・ルーカス)
- フリンのかつての恋人。警察に追われていたフリンに捨てられた後、トラバースの隠し財産を横流しして金を得たものの本人に見つかってしまい、彼の元で体を売って金を返している。
- アクン(グレース・ファン)
- 中国の女海賊。手頃なシロッコ号を強引にチャーリーから奪い、アヘンの密輸で財をなす。船を奪ったフリンを追う。
- ジョエル・シュワルツ(ダン・フォグラー)
- 映画監督。秘境での撮影にあたり、冒険家のフリンに道案内を依頼した。
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』のあらすじ【起】
1930年、パプアニューギニア。映画監督のシュワルツは、冒険家のフリンとカメラマン、現地のアシスタントらを連れ、未開のジャングルを突き進んだ。フリンが人工的な通り道に差し掛かると、そこには無残に晒された無数の死体があった。残酷な“警告”を受けつつ進む彼らは、片腕を千切られた新しい死体を目にする。それは金鉱堀の死体だった。
物陰に潜んでいた原住民らは、フリン達に襲い掛かった。フリンはいたる所に仕掛けられた罠にかかる寸前、同行していた現地の少年タブラに助けられた。命からがらボートに戻った一行だったが、タブラはワニに喰われて死んでしまった。
陣営に戻ったフリン、シュワルツ、カメラマンの三人は、撮影の成功を祝った。フリンだけは、タブラが残したペンダントを大事そうに握りしめた。シュワルツは、神妙な面持ちのフリンに案内料を渡し、「映画に出たければ電話をくれ」と声をかけた。
シドニー湾に戻ったフリンは、賭けボクシングで日銭を稼ぐ旧友レックスの元を訪れた。酒場にてレックスがポーカーをしている最中、彼の横に立つフリンは、セピック川の川底に砂金があるという儲け話を持ち掛けた。しかし、レックスが返事をする間もなく彼はポーカーの対戦相手にボロ負けしてしまい、全財産を失うどころか相手へ支払う金を持ちあわせておらずトラブルになった。見かねたフリンは手持ちの1500ドルを相手へ渡したが、半額にも満たない現金に納得しない相手は、容赦なくレックスをカミソリで切り刻もうとした。絶体絶命の中、フリンとレックスは隙をついて乱闘を起こし逃げ出した。
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』のあらすじ【承】
フリンはレックスを連れ中国の女海賊アクンの元を訪れると、船を買うために交渉した。二人に出されたお茶にはアヘンが入っており、意識が混濁しながらも、フリンはレックスを好きなように痛めつけて良いという条件で一隻の船を借りることに成功した。
船にはシロッコ号と書かれていた。フリンはシロッコ号をアクンへ返すつもりがなく、自分の船として整備や片づけを行った。そこへ、地図や羅針盤を持ったドゥークがやって来た。スーツ姿で現れた彼は、航海士としては初心者ながら射撃の腕は一人前だった。船の掃除を手伝うドゥークは、積み荷の中国茶をこっそりと飲み、あまりの不味さに海へ投げ捨てた。
一日がかりで船を整備した三人が一息ついた時、シロッコ号の本当の所有者であるチャーリーが現れ、彼らを縛り上げた。チャーリーは「俺の船でなにしてるんだ?」フリン達を問い詰めた。彼は、アクンによって奪われたシロッコ号を探して旅していたと言う。フリンはパプアニューギニアの金鉱へ向かいたいと正直に告げ、チャーリーは素人ばかりの航海を一蹴し自分も付いていくと言った。
シドニーからブリスベンを経由し航海する一文無しの一行は、水と食料に困った。途中、無人島に上陸して魚を焼くなどして飢えを凌ぐ彼らは絆を深め、フリンを気に入ったチャーリーは「お前は好青年だ、俺みたいになるな。水平線を目指せ」と声を掛けた。
銃の誤射で船底に穴が開きつつも、彼らは一先ずダウンズビルへ到着した。
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』のあらすじ【転】
ダウンズビルへ到着するなり、フリン達は市長であり司祭、港長でもあるトラバースに出迎えられた。息子のルドルフを連れて歩くトラバースは、彼らを旅行客と思い親切に接した。
小さな街の酒場で酒を飲む一行は、フリンが口説いた女性の連れ、通称“山男”とトラブルになった。ボロボロになりながらも“山男”に勝利したフリンだったが、それを目撃したトラバースは憤った。フリンはその後、昔の恋人ローズと再会した。一方、シロッコ号へ戻ろうとしていたチャーリーは、港でアクンを見かけフリンの元へ急いだ。
慌てて船に戻ったフリン達だったが、彼らは港でトラバースとその手下に取り囲まれてしまった。トラバースは、翌日の賭けボクシングに出るはずだった“山男”の穴埋めをしろとフリンへ迫った。羽振りの良い客を大勢呼んでいるため、第3ラウンドで倒れろと八百長を強要するトラバースは、応じなければ殺すと彼らを脅し、フリンは引き受けた。
フリンは、試合中にシロッコ号を取り戻すようローズに頼み、リングへ上がった。トラバースとの約束通り第3ラウンドで倒れたフリンだったが、闘志に火がついたフリンはトラバースの思惑に反し相手を倒してしまった。
トラバースやルドルフ、その手下達から逃れ船に辿り着いたフリン達だったが、シロッコ号はローズの仲間の娼婦達に占拠されており、さらに、アクンも姿を現した。ローズとその仲間達はフリンから全財産を奪って去り、アクンは積み荷のアヘンはどこにあるかと迫る。そこへ船外から様子を伺っていたチャーリーが現れ、一行は這う這うの体で出航した。
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』の結末・ラスト(ネタバレ)
目的地を目指すフリン達は、水不足でいらつき仲間割れしていた。そこでチャーリーは、「死ぬためについてきた」と彼らへ告白した。彼は以前、離婚して家族と別れたと話したが、実際にはアクンに船を奪われた際に妻子が海に投げ出されて亡くなったと打ち明けた。絶望の淵で思い出のシロッコ号を探していたチャーリーはフリン達と出会い、最後の旅をしようと決意していたのだ。「黄金より尊い旅だ」と言うチャーリーの言葉を受け、フリン、レックス、ドゥークは一致団結した。フリンは、お守りとして持っていたタブラの形見をドゥークへ手渡した。しばらくして、パプアニューギニアの大陸が眼前に迫った。
上陸まで間近という距離で、シロッコ号はサンゴ礁にぶつかってしまった。エンジンルームからは火が上がり、フリンとレックス、ドゥークはボートへ移った。しかし、チャーリーは船内に留まり、家族の写真と共に夜の海へ沈んだ。死を覚悟した彼を助けようとシロッコ号へ向かって泳ぎ出したドゥークもまた、もやい紐に足を取られ海底へ沈んだ。
フリンが意識を取り戻すと、彼はレックスと共に病院のベッドにいた。岸に打ち上げられたところを宣教師に救われた二人は一命を取り留め、フリンは海に沈んだ二人を悼んだ。
後日、快復しジャングルを進むフリンの元へシュワルツから「ハリウッドで私の映画に出てほしい」電報が届き、彼はハリウッドへ向かった。
以降エロール・フリンは多くのハリウッド大作に出演し、アクションスターの先駆けとなった。1937年にはアーネスト・ヘミングウェイと共にスペイン内乱の取材へ赴き、二次大戦では軍へ志願したが、パプアニューギニアで患ったマラリアの発症で断念した。
映画『レジェンド・ハンター ハリウッドの秘宝』の感想・評価・レビュー
アクション俳優のパイオニアであるエロール・フリンの冒険活劇。原題は『IN LIKE FLYNN』。豪快な色男を“まるでフリンのよう”と形容するが、本人はどのような半生を過ごしたのか?
恥ずかしながら、私は邦題にまんまと騙されてしまった。『ハムナプトラ』のようなストーリーを予想していたため、目的地に辿りつかない・財宝を見つけない・その後は冒険家を辞めたという展開に驚いてしまった。
あくまでエロール・フリンが経験した冒険を描く物語であり、“映画のような”展開に期待する話ではなかった。(MIHOシネマ編集部)
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