映画『LEGO(R) ムービー』の概要:数々の人気作品で知られるクリストファー・ミラーとフィル・ロードのコンビによるアニメーション作品。レゴブロックが動き出すという、ロマン溢れる映像に強いメッセージを込めた意欲作である。
映画『LEGO(R) ムービー』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:100分
- ジャンル:コメディ
- 監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー
- キャスト:クリス・プラット、ウィル・フェレル、エリザベス・バンクス、ウィル・アーネット etc
映画『LEGO(R) ムービー』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『LEGO(R) ムービー』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『LEGO(R) ムービー』のあらすじを紹介します。
エメット(声:クリス・プラット)はすべてがレゴブロックでできた街に住む建設作業員だった。善良なレゴブロックとして、毎日マニュアルに沿って無難な生活を送っていた。しかし、ある日自分の職場である建設現場で不可解な大きな穴が空いていることに気づいたエメットはうっかりその穴に落ちてしまう。
その穴の先にはエメットが住む世界とはまた違う新たな世界が広がっており、その世界は「おしごと大王(声:ウィル・フェレル)」という悪者に支配されていた。
その世界で出会った人々に、救世主であると勘違いされたエメットは、その世界でヒーロー的役割を担うマスター・ビルダー達とともに、不本意ながらもその世界でおしごと大王と戦うための冒険へとくりだすことになってしまうのだった。
映画『LEGO(R) ムービー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『LEGO(R) ムービー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
レゴブロックですべてを表現するという英断
本作では、文字通りエメットが生活する世界と冒険へと旅立つ世界のすべてがレゴブロックで表現されている。驚くべきなのは、海に立つ波や、爆発の際に生じた煙などといった捉えどころのないものまでもがすべてブロックで表現されていることであろう。さらに手の混んだことに、すべてのレゴブロック関連の映像はVFXで作成されているのだ。一見、こまどりアニメのように見えるのだが、それもすべて演出のうちなのだ。
本作のメッセージ
本作では、ラストに突然実写シーンが映し出される。それは、エメットが生活している世界は、すべて男の子のごっこ遊びによるものだったというオチなのだが、このラストに心打たれた人も多いのではないだろうか。子供の頃、レゴブロックで遊ぶとき、私たちはそのブロック世界に住む彼らに思いを馳せていたのではないだろうか。本作は、まさにそんなブロックの世界に住む彼らからのメッセージなのだ。
さらに、秀逸なことに本作で伝えようとしているメッセージは全く押し付けがましいものではない。凡百の監督なら、マニュアル主義を否定するところから始まるが、本作では違う。マニュアル通りに作るという行為を経て始めてクリエイティビティは生まれるのだ、というメッセージに昇華しているのだ。
映画『LEGO(R) ムービー』 まとめ
本作で監督を務めた、クリストファー・ミラーとフィル・ロードのコンビは「21ジャンプストリート」などの成功で知られている実力派である。単にレゴブロックを登場させ、商品を売るためのプロモーションに終止していないのには好感が持てる。子どもが見てもそのロマンのある世界に浸れるであろうし、大人が見ても感慨深いだけでなく襟を正されるような映画体験ができることだろう。
子どものころにレゴブロックで遊んだ経験がある人はもちろん、レゴブロックで遊んだ経験のない人でさえも取り込んで、今一度レゴブロックの魅力を再確認したくなることうけあいである。そういった商才逞しい部分も微笑ましいところなのではないだろうか。
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