映画『ロスト・ハイウェイ』の概要:妻レネエを殺害したフレディは、監獄の中で青年ピートに姿を変える。ピートはレネエに瓜二つの娼婦アリスと恋に落ちる。一連の不可解な現象の原因は何なのか。デヴィッド・リンチの感性が炸裂する、不条理で不思議なミステリー。
映画『ロスト・ハイウェイ』の作品情報
上映時間:135分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:デヴィッド・リンチ
キャスト:ビル・プルマン、パトリシア・アークエット、バルサザール・ゲティ、ロバート・ブレイク etc
映画『ロスト・ハイウェイ』の登場人物(キャスト)
- フレッド・マディソン(ビル・プルマン)
- ロサンゼルスに暮らすサックス奏者。妻レネエとの関係が上手くいかず悩んでいる。
- レニエ・マディソン / アリス・ウェイクフィールド(パトリシア・アークウェット)
- レニエはフレディの妻で、ミステリアスな黒髪の美女。アリスはレニエと瓜二つの金髪美女で、マフィアのエディの情婦。
- ピーター・レイモンド・デイトン(バルサザール・ゲティ)
- 修理工の青年。監獄の中で、フレディはピートになる。
- ミステリー・マン(ロバート・ブレイク)
- 顔を白塗りにした謎の男。不可解な現象の鍵を握っている。
- エディ / ディック・ロラント(ロバート・ロッジア)
- マフィアのトップ。ピートの腕を買い、高級車の整備を任せている。違法ポルノを制作している。
- アンディ(マイケル・マッシー)
- エディ配下のポン引き。フレディやレネエの知人。
- シーラ(ナターシャ・グレグソン・ワグナー)
- ピートの恋人。
- ビル・デイトン(ゲイリー・ビジー)
- ピートの父親。
- キャンディス・デイトン(ルーシー・バトラー)
- ピートの母親。
映画『ロスト・ハイウェイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじ【起】
ある時、サックス奏者のフレディは、謎の男から「ディック・ロラントは死んだ」とインターフォン越しに告げられる。フレディは表を確認するが、誰もいない。フレディは、ロラントが誰かわからない。
その夜、妻のレネエはフレディのステージを観に行かないと言う。レネエの浮気を疑うフレディは、公演後に自宅に電話をかけるが、レネエは出ない。フレディが帰宅すると、レネエはベッドで眠っている。
翌朝、レネエは家の前で無記名の小包を発見する。中身は一本のビデオテープで、フレディ達の自宅の外観が映っている。
その夜、舞台での演奏中、フレディはレネエが知人のアンディと会場を出て行くところを目撃する。
帰宅後、フレディは、最近よく見る悪夢についてレネエに話すうちに寝入ってしまう。夜半過ぎにフレディが目を覚ますと、隣には白塗りの謎の男が横たわっている。レネエに声をかけられ、フレディは正気に戻る。
翌朝、再びビデオテープが届く。今回は、家の中と寝室で眠る二人が映っている。
フレディ達は警察に通報する。事情聴取に訪れた二人の刑事は、監視を強化すると約束して去っていく。
フレディとレネエは、アンディ邸でのパーティーに参加する。フレディは、白塗りの男、ミステリー・マンと出会う。ミステリー・マンは、「以前に会ったことがある、私は今もあなたの家にいる」とフレディに告げる。ミステリー・マンは、携帯電話でフレディに自宅に電話をかけさせ、自分の言葉が正しいことを証明する。
アンディは、ミステリー・マンはマフィアのディック・ロラントの友人だと言う。ロラントが誰か知ったフレディは危機感を覚え、レネエを連れて急いでその場を去る。
帰路、フレディは、アンディと知り合った経緯をレネエに尋ねるが、レネエははぐらかす。
翌朝、再びビデオテープが届く。今回は、フレディが寝室でレネエを惨殺する様子が映っている。
映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじ【承】
レネエ殺害の罪で死刑宣告を受けたフレディは、独房に収監される。フレディはレネエを殺した記憶が無い。
ある夜、フレディは激しい頭痛に見舞われて意識を失う。
翌日、刑務官がフレディの独房を点検すると、中にはフレディとは別人のピートが座っている。ピートには、独房で目覚める前の記憶がない。ピートは両親に付き添われて帰宅する。二人の刑事が、ピートの監視を始める。
数日後、修理工のピートは職場に復帰する。刑事達がピートの監視を続ける。
マフィアのエディがピートの職場を訪れ、点検を兼ねたドライブにピートを連れ出す。ハイウェイを走る最中、一台のセダンがエディが運転するベンツを煽る。逆上したエディはセダンを後ろから追突し、運転手を外に引きずり出して殴りつける。
エディはピートを修理工場まで送り、翌日再び訪問すると告げて去る。刑事達は、エディがディック・ロラント本人であることに気付く。
その夜、ピートは恋人のシーラを自宅まで迎えに行く。刑事達が、車内で睦み合う二人を監視している。
翌日、職場のラジオから流れてきたサックスの曲を聞いた途端、ピートは激しい頭痛に襲われる。
金髪の美女アリスを連れたエディが、修理工場へやってくる。車をピートに託し、エディはアリスと去っていく。ピートはアリスに一目惚れする。
映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじ【転】
その夜、アリスは一人で修理工場を訪れ、ピートをデートに誘う。二人はモーテルでセックスする。刑事達は、引き続きピートの行動を監視している。
ピートとアリスは、エディに隠れて逢瀬を重ねる。ある夜、アリスはピートに電話をかけ、エディが二人の関係に気付いたことを伝える。やるせない気分になったピートは、シーラの元に押しかけて無理やり抱く。
両親は、帰宅したピートに、警察から電話があったことを伝える。警察は、フレディがピートに変わった夜について尋ねてきたという。両親は、例の夜にピートに起こったことについて、何も語ろうとしない。
翌日、エディは修理工場を訪れ、これ以上アリスに近づかないようピートに警告する。
数日後、ピートとアリスはモーテルで逢い引きする。アリスは、エディの情婦になった経緯をピートに告白する。数年前、アリスはアンディに騙され、エディが制作する違法ポルノへの出演を強制された。以降、アリスはエディから逃げられないでいる。
ピートとアリスは、その夜に駆け落ちすることを決意する。アリスは、アンディを誘惑して現金を盗み出す計画を立てる。
映画『ロスト・ハイウェイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ピートが帰宅すると、エディから電話がかかってくる。エディの傍らにはミステリー・マンがいる。ミステリー・マンは、ピートに「以前に会ったことがある」と告げて電話を切る。
アリスは先にアンディ宅へ向かい、アンディを誘惑する。計画通りにアンディの家へ侵入したピートは、勢い余ってアンディを殺してしまう。
アリスは、アンディが身につけていた鍵を奪い、金庫から現金を盗み出す。突如、ピートは激しい頭痛に襲われる。ピートは、エディ、アンディ、レネエ、アリスの4人が写っている写真を目にする。
二人はアンディの車で逃走する。暗いハイウェイを走り抜け、アリスは郊外の牧場へピートを誘導する。牧場の小屋は無人で、アリスは家主の帰りを待つと言う。二人は地面の上で激しく求め合う。
事を終えたアリスは、裸のまま小屋に入っていく。その瞬間、ピートはフレディに変化する。
小屋から出てきたミステリー・マンが、フレディを小屋の中へ誘う。ミステリー・マンは、アリスはレネエだと告げ、ビデオカメラを構えながら「お前は誰だ」とフレディに迫る。フレディは小屋を飛び出し、車に乗って逃げ出す。
ハイウェイ沿いのモーテル『ロスト・ハイウェイ・ホテル』の一室で、レネエとエディが性交している。レネエが去った後、フレディは部屋に残っていたエディを襲って気絶させ、街の外れに連れていく。
フレディはエディを車のトランクから下ろす。フレディの横には、いつの間にかミステリー・マンが立っている。ミステリー・マンは、エディを射殺する。その直後、ミステリー・マンの姿は消え、フレディが銃を手にしている。
警察は、アンディの殺害現場でピートの指紋を検出する。エディ達4人が写っていた写真から、アリスだけが消えている。
ある日、フレディは、自宅のインターフォンに向かって「ディック・ロラントは死んだ」と呟く。近くを張り込んでいた刑事達が、フレディを発見する。フレディは車に乗り込み、警察に追われながら暗いハイウェイを走り抜ける。
映画『ロスト・ハイウェイ』の感想・評価・レビュー
断片的な展開が続き、一度見ても物語の繋がりを理解するのが非常に難しい作品。何度か繰り返しみる事で、自分なりの解釈が少しずつ出来てくる事だろう。とはいえ、監督自体も明確な答えを出しているわけではないので、あくまでもそれぞれの推測で楽しむという所に留めておく方が良いだろう。白塗りのミステリーマンの存在も、フレディの精神が具現化した存在だという説もあるが定かではない。まずは、一度何も考えずに観てみて頂きたい。(男性 30代)
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