12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『ロスト・ハイウェイ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロスト・ハイウェイ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ロスト・ハイウェイ』の結末までのストーリー
  • 『ロスト・ハイウェイ』を見た感想・レビュー
  • 『ロスト・ハイウェイ』を見た人におすすめの映画5選

映画『ロスト・ハイウェイ』の作品情報

ロスト・ハイウェイ

製作年:1997年
上映時間:135分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:デヴィッド・リンチ
キャスト:ビル・プルマン、パトリシア・アークエット、バルサザール・ゲティ、ロバート・ブレイク etc

映画『ロスト・ハイウェイ』の登場人物(キャスト)

フレッド・マディソン(ビル・プルマン)
ロサンゼルスに暮らすサックス奏者。妻レネエとの関係が上手くいかず悩んでいる。
レニエ・マディソン / アリス・ウェイクフィールド(パトリシア・アークウェット)
レニエはフレディの妻で、ミステリアスな黒髪の美女。アリスはレニエと瓜二つの金髪美女で、マフィアのエディの情婦。
ピーター・レイモンド・デイトン(バルサザール・ゲティ)
修理工の青年。監獄の中で、フレディはピートになる。
ミステリー・マン(ロバート・ブレイク)
顔を白塗りにした謎の男。不可解な現象の鍵を握っている。
エディ / ディック・ロラント(ロバート・ロッジア)
マフィアのトップ。ピートの腕を買い、高級車の整備を任せている。違法ポルノを制作している。
アンディ(マイケル・マッシー)
エディ配下のポン引き。フレディやレネエの知人。
シーラ(ナターシャ・グレグソン・ワグナー)
ピートの恋人。
ビル・デイトン(ゲイリー・ビジー)
ピートの父親。
キャンディス・デイトン(ルーシー・バトラー)
ピートの母親。

映画『ロスト・ハイウェイ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ロスト・ハイウェイ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじ【起】

ある時、サックス奏者のフレディは、謎の男から「ディック・ロラントは死んだ」とインターフォン越しに告げられる。フレディは表を確認するが、誰もいない。フレディは、ロラントが誰かわからない。

その夜、妻のレネエはフレディのステージを観に行かないと言う。レネエの浮気を疑うフレディは、公演後に自宅に電話をかけるが、レネエは出ない。フレディが帰宅すると、レネエはベッドで眠っている。

翌朝、レネエは家の前で無記名の小包を発見する。中身は一本のビデオテープで、フレディ達の自宅の外観が映っている。

その夜、舞台での演奏中、フレディはレネエが知人のアンディと会場を出て行くところを目撃する。

帰宅後、フレディは、最近よく見る悪夢についてレネエに話すうちに寝入ってしまう。夜半過ぎにフレディが目を覚ますと、隣には白塗りの謎の男が横たわっている。レネエに声をかけられ、フレディは正気に戻る。

翌朝、再びビデオテープが届く。今回は、家の中と寝室で眠る二人が映っている。

フレディ達は警察に通報する。事情聴取に訪れた二人の刑事は、監視を強化すると約束して去っていく。

フレディとレネエは、アンディ邸でのパーティーに参加する。フレディは、白塗りの男、ミステリー・マンと出会う。ミステリー・マンは、「以前に会ったことがある、私は今もあなたの家にいる」とフレディに告げる。ミステリー・マンは、携帯電話でフレディに自宅に電話をかけさせ、自分の言葉が正しいことを証明する。

アンディは、ミステリー・マンはマフィアのディック・ロラントの友人だと言う。ロラントが誰か知ったフレディは危機感を覚え、レネエを連れて急いでその場を去る。

帰路、フレディは、アンディと知り合った経緯をレネエに尋ねるが、レネエははぐらかす。

翌朝、再びビデオテープが届く。今回は、フレディが寝室でレネエを惨殺する様子が映っている。

映画『ロスト・ハイウェイ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『ロスト・ハイウェイ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじ【承】

レネエ殺害の罪で死刑宣告を受けたフレディは、独房に収監される。フレディはレネエを殺した記憶が無い。

ある夜、フレディは激しい頭痛に見舞われて意識を失う。

翌日、刑務官がフレディの独房を点検すると、中にはフレディとは別人のピートが座っている。ピートには、独房で目覚める前の記憶がない。ピートは両親に付き添われて帰宅する。二人の刑事が、ピートの監視を始める。

数日後、修理工のピートは職場に復帰する。刑事達がピートの監視を続ける。

マフィアのエディがピートの職場を訪れ、点検を兼ねたドライブにピートを連れ出す。ハイウェイを走る最中、一台のセダンがエディが運転するベンツを煽る。逆上したエディはセダンを後ろから追突し、運転手を外に引きずり出して殴りつける。

エディはピートを修理工場まで送り、翌日再び訪問すると告げて去る。刑事達は、エディがディック・ロラント本人であることに気付く。

その夜、ピートは恋人のシーラを自宅まで迎えに行く。刑事達が、車内で睦み合う二人を監視している。

翌日、職場のラジオから流れてきたサックスの曲を聞いた途端、ピートは激しい頭痛に襲われる。

金髪の美女アリスを連れたエディが、修理工場へやってくる。車をピートに託し、エディはアリスと去っていく。ピートはアリスに一目惚れする。

映画『ロスト・ハイウェイ』のあらすじ【転】

その夜、アリスは一人で修理工場を訪れ、ピートをデートに誘う。二人はモーテルでセックスする。刑事達は、引き続きピートの行動を監視している。

ピートとアリスは、エディに隠れて逢瀬を重ねる。ある夜、アリスはピートに電話をかけ、エディが二人の関係に気付いたことを伝える。やるせない気分になったピートは、シーラの元に押しかけて無理やり抱く。

両親は、帰宅したピートに、警察から電話があったことを伝える。警察は、フレディがピートに変わった夜について尋ねてきたという。両親は、例の夜にピートに起こったことについて、何も語ろうとしない。

翌日、エディは修理工場を訪れ、これ以上アリスに近づかないようピートに警告する。

数日後、ピートとアリスはモーテルで逢い引きする。アリスは、エディの情婦になった経緯をピートに告白する。数年前、アリスはアンディに騙され、エディが制作する違法ポルノへの出演を強制された。以降、アリスはエディから逃げられないでいる。

ピートとアリスは、その夜に駆け落ちすることを決意する。アリスは、アンディを誘惑して現金を盗み出す計画を立てる。

映画『ロスト・ハイウェイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ピートが帰宅すると、エディから電話がかかってくる。エディの傍らにはミステリー・マンがいる。ミステリー・マンは、ピートに「以前に会ったことがある」と告げて電話を切る。

アリスは先にアンディ宅へ向かい、アンディを誘惑する。計画通りにアンディの家へ侵入したピートは、勢い余ってアンディを殺してしまう。

アリスは、アンディが身につけていた鍵を奪い、金庫から現金を盗み出す。突如、ピートは激しい頭痛に襲われる。ピートは、エディ、アンディ、レネエ、アリスの4人が写っている写真を目にする。

二人はアンディの車で逃走する。暗いハイウェイを走り抜け、アリスは郊外の牧場へピートを誘導する。牧場の小屋は無人で、アリスは家主の帰りを待つと言う。二人は地面の上で激しく求め合う。

事を終えたアリスは、裸のまま小屋に入っていく。その瞬間、ピートはフレディに変化する。

小屋から出てきたミステリー・マンが、フレディを小屋の中へ誘う。ミステリー・マンは、アリスはレネエだと告げ、ビデオカメラを構えながら「お前は誰だ」とフレディに迫る。フレディは小屋を飛び出し、車に乗って逃げ出す。

ハイウェイ沿いのモーテル『ロスト・ハイウェイ・ホテル』の一室で、レネエとエディが性交している。レネエが去った後、フレディは部屋に残っていたエディを襲って気絶させ、街の外れに連れていく。

フレディはエディを車のトランクから下ろす。フレディの横には、いつの間にかミステリー・マンが立っている。ミステリー・マンは、エディを射殺する。その直後、ミステリー・マンの姿は消え、フレディが銃を手にしている。

警察は、アンディの殺害現場でピートの指紋を検出する。エディ達4人が写っていた写真から、アリスだけが消えている。

ある日、フレディは、自宅のインターフォンに向かって「ディック・ロラントは死んだ」と呟く。近くを張り込んでいた刑事達が、フレディを発見する。フレディは車に乗り込み、警察に追われながら暗いハイウェイを走り抜ける。

映画『ロスト・ハイウェイ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

断片的な展開が続き、一度見ても物語の繋がりを理解するのが非常に難しい作品。何度か繰り返しみる事で、自分なりの解釈が少しずつ出来てくる事だろう。とはいえ、監督自体も明確な答えを出しているわけではないので、あくまでもそれぞれの推測で楽しむという所に留めておく方が良いだろう。白塗りのミステリーマンの存在も、フレディの精神が具現化した存在だという説もあるが定かではない。まずは、一度何も考えずに観てみて頂きたい。(男性 30代)


最初から最後まで混乱しっぱなしでしたが、それが逆にクセになる映画。現実と妄想、罪と欲望、アイデンティティの分裂が混在する物語は、まさに“精神の迷宮”そのもの。フレッドが突然ピートになっている展開は理解を拒むようでいて、実は彼の罪悪感と逃避の象徴だと後から気づかされる。観終わった後もしばらく頭の中をぐるぐる彷徨う、不思議な魅力のある作品でした。(20代 男性)


難解すぎて正直一度では理解できなかったけれど、夢と現実、欲望と罪が交錯する独特の構成に圧倒されました。特に印象的なのはミステリー・マンの存在。不気味さと超越的な立ち位置で、現実を壊すスイッチのように感じました。物語が一周して戻る構造や、象徴的なモチーフの多用はリンチ作品らしく、考察欲が刺激されます。何度も見返したくなる作品です。(30代 女性)


ロスト・ハイウェイは、映画というより一つの“体験”でした。映像と音響で観客を不安にさせ、物語は分裂し、登場人物のアイデンティティは曖昧になる。誰が誰で、何が現実なのか分からないけれど、強烈なビジュアルと演出がずっと脳裏に焼きついて離れません。リチャード・プライヤーの静かな演技や、ナイン・インチ・ネイルズの楽曲も最高でした。(40代 男性)


観終わってからもずっと気味の悪さが残る映画でした。謎のビデオテープ、ミステリー・マン、そして変身する主人公。全部が不穏で、論理的な説明をあえて拒否しているように感じます。特にパトリシア・アークエット演じる二つの女性像が印象的で、彼女自身が“男の幻想”と“現実の罪”の両面を象徴しているようでした。恐ろしくも美しい映画。(30代 女性)


理解不能だけど、圧倒的に魅了された。映画の途中で主人公がまるごと変わるなんて前代未聞だし、それを説明もせず強引に見せきる力に脱帽。ラストで再び“ループ”に戻る展開もぞっとする。フレッド=ピートという解釈が正しいかはわからないけれど、罪の否認と破滅的欲望が繰り返される地獄を描いたような気がします。音楽と映像の使い方が最高にクールでした。(20代 男性)


リンチ作品は何作か観てきましたが、『ロスト・ハイウェイ』はその中でも最も悪夢的でした。登場人物の感情がわざと平坦にされていて、だからこそ不安が増幅される。ビデオテープが何を意味しているか、なぜ人物が入れ替わるのか、一見意味不明な展開が実は主人公の精神崩壊を描いているという構造が秀逸です。1回目より2回目、2回目より3回目でどんどん味が出る映画です。(50代 男性)


夢か現実か、幻覚か真実か…という境界が徹底的に壊される映画。とくにミステリー・マンのシーン、あの電話のやり取りは何度観てもゾッとします。何が真実かというより、「観ている自分が何者なのか」とまで問いかけられるような作品で、映像芸術の枠を飛び越えてきた印象。頭ではなく感覚で受け止めるべき映画だと思います。(20代 女性)


完全に難解系ですが、心を鷲掴みにされました。パトリシア・アークエットの二面性、ビル・プルマンの静かなる狂気、そしてリンチらしい抽象的な物語構成。なぜ主人公が別人になるのか、なぜ物語がループするのか。観客に対して「理解しようとするな」と言ってくるような圧がありつつ、それでも深読みしたくなる魅力に溢れています。まさに“記憶に残る悪夢”。(40代 女性)


映画というメディアの枠を広げるような作品でした。時間軸や人物の同一性を意図的にぐちゃぐちゃにして、それでも成立してしまうのがすごい。内容の解釈は自由だけど、個人的には「罪から逃れたい男が作り上げた妄想世界」だと思いました。音響も映像もひたすら不安を煽る演出で、観ていて心地悪いのに目が離せない。そういう映画、好きです。(30代 男性)

映画『ロスト・ハイウェイ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロスト・ハイウェイ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

マルホランド・ドライブ

この映画を一言で表すと?

夢と現実がねじれながら交錯する、美しくも不気味な映像迷宮。

どんな話?

記憶を失った謎の女性と、彼女を助けようとする女優志望の若い女性。2人の関係が次第に変化し、物語は幻想と現実の境界を曖昧にしていく。ロサンゼルスの闇と欲望を背景に描かれる、デヴィッド・リンチの代表作。

ここがおすすめ!

『ロスト・ハイウェイ』と同じく、アイデンティティの分裂や再構成が主題。謎めいた演出と象徴的なイメージに満ちており、何度観ても新たな意味が浮かび上がります。リンチワールドの真髄を味わいたい方に必見です。

パーフェクト・ブルー

この映画を一言で表すと?

現実と虚構の境界が崩れゆく、アニメ史に残る心理スリラー。

どんな話?

アイドルから女優に転身した主人公・未麻が、ストーカーや幻覚に追い詰められ、次第に自分の現実を疑い始める。“自我の崩壊”を鮮烈な演出で描く今敏監督の衝撃作。

ここがおすすめ!

精神的な恐怖とビジュアルの融合は、『ロスト・ハイウェイ』ファンには刺さるはず。観客の視点さえ揺るがす編集の巧みさは圧巻で、ラストの真実に至るまで手に汗握る体験ができます。

ドニーダーコ

この映画を一言で表すと?

時空の歪みと少年の狂気が交差する、青春×サイコSFミステリー。

どんな話?

奇妙なウサギの着ぐるみの幻影に導かれた少年・ドニーが、タイムリープと精神の不安定さの中で、自身の存在と運命に立ち向かう。哲学的要素に満ちた思春期の寓話。

ここがおすすめ!

『ロスト・ハイウェイ』と同様に、時間軸の混乱とアイデンティティの崩壊が主軸。陰鬱な世界観と、何度も見返したくなる多層的な構成がクセになる。理解不能だけど忘れられない映画です。

インランド・エンパイア

この映画を一言で表すと?

映画の中の映画の中で、現実が崩れていく終わりなき迷宮。

どんな話?

女優が新たな映画に出演する中で、自身の役柄と現実の境界が消え、さまざまな次元に迷い込んでいく。リンチが全編デジタルで挑んだ、実験的かつ没入型の3時間超大作。

ここがおすすめ!

解釈を完全に観客に委ねるスタイルと、不穏さに満ちた映像は『ロスト・ハイウェイ』と直結。難解さではこちらが上かもしれませんが、映像表現の自由さと狂気の表現に魅了されるはずです。

ファニーゲーム U.S.A.(またはオリジナル版『ファニーゲーム』)

この映画を一言で表すと?

観る者をも加害者にする、徹底した暴力のメタフィクション。

どんな話?

裕福な一家の別荘に現れた2人の若者が、狂気的な暴力で家族を追い詰めていく。観客の期待や快楽を逆手に取る、鬼才ハネケ監督の問題作。

ここがおすすめ!

『ロスト・ハイウェイ』が現実と幻想の混濁で不安を与えるなら、こちらは“構造”そのもので観客を揺さぶります。不条理で説明のない恐怖、そしてメタ的視点を好む方に強く刺さる1本です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

影山みほをフォローする
サスペンス映画ミステリー映画

みんなの感想・レビュー