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映画『パッセンジャー(2016)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『パッセンジャー(2016)』の概要:新天地へ向かう宇宙船で、ただ一人予定より早くコールドスリープから目覚めてしまったジムは、孤独のあまりにタブーを破り美女オーロラを覚醒させる。ジェニファー・ローレンスとクリス・プラット主演のSFラブストーリー。

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映画『パッセンジャー』の作品情報

パッセンジャー

製作年:2016年
上映時間:116分
ジャンル:SF、ラブストーリー
監督:モルテン・ティルドゥム
キャスト:ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン、ローレンス・フィッシュバーン etc

映画『パッセンジャー』の登場人物(キャスト)

ジム・プレストン(クリス・プラット)
宇宙船アヴァロン号の乗客の一人。地球での職業は技術者。手先が器用で様々な物を自作できる。遊び心のある純粋で前向きな男性。
オーロラ・レーン(ジェニファー・ローレンス)
アヴァロン号のゴールドクラスの乗客。教養溢れる知的な美女で、快活な性格。体を動かすことが好きで、コールドスリープから目覚めた後も積極的に運動をしている。
アーサー(マイケル・シーン)
アンドロイドのバーテンダー。上半身は人間にそっくりに作られており、下半身はローラー型の一本足。客に的確な返答をするようにプログラムされているが、時に的外れな回答をする。
ガス・マンキューゾ(ローレンス・フィッシュバーン)
アヴァロン号の甲板長。屈強な長身の黒人男性。理性的で冷静沈着な人物で、急遽コールドスリープから目覚めた後も、的確な判断を下す。

映画『パッセンジャー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パッセンジャー(2016)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パッセンジャー』のあらすじ【起】

クルー258名、乗客5000名を擁する宇宙船アヴァロン号は、地球からスペースコロニー『ホームステッドⅡ』への航行中、隕石群と衝突する。

アヴァロン号の乗客のジムは、何らかのエラーが原因で、船内でただ一人コールドスリープから覚醒する。ジム以外の人間は、クルー、乗客全員が未だに冬眠状態にある。

ジムは、船内の設備を使って現状を把握する。ホームステッドⅡへ到着するまでにあと90年かかる上に、地球への連絡には19年、その返信を受け取るまでに更に55年かかる。ジムは、目的地に着くまでに自分の寿命が尽きてしまうことを悟る。

ジムは、バーテンダー・アンドロイドのアーサーに出会う。技術士のジムは、自力で冬眠ポッドを修理しようと試みるがうまくいかず、クルー達を覚醒させようにも、一般乗客のIDではクルー専用のキャビンに入れない。

万策尽きたジムは、アヴァロン号の設備で気を紛らわす。スウィートルームを私室にし、ゲームや運動で時間を潰す。一年あまりを自堕落に過ごし、ジムは船内での無為な生活に限界を感じ始める。

ある日、ジムは宇宙服を着込み、宇宙遊泳に挑戦する。初めて体感する宇宙の壮大さに、ジムは感動して涙する。船に戻ったジムは、宇宙服無しで再度外に飛び出して自殺しようと考えるが、ハッチを開く直前で思い留まる。

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映画『パッセンジャー』のあらすじ【承】

ジムは、ポッドで眠る美女オーロラに一目惚れする。乗客情報によると、オーロラは作家で、朗らかで知的な女性である。オーロラのことを知る程に、ジムの思いは募っていく。

ある日、ジムはコールドスリープを強制解除する方法を発見する。ジムはオーロラを覚醒させたいという欲望に駆られるが、オーロラの人生を奪ってしまうことを躊躇って逡巡する。

散々迷った末、ジムはオーロラの冬眠を解く。ジムは、オーロラは何らかの事故によって覚醒してしまったと嘘をつき、自分も同じ経緯で目覚めたと話す。予想外の事態に戸惑うオーロラは、自力でポッドを修復しようとし、クルーを起こそうとするが、どれも不可能だと知って消沈する。

罪悪感に駆られたジムは、自分がオーロラを起こしたことをアーサーに告白する。

現状打破を諦めないオーロラは、執筆活動を再開し、船内でジョギングして活動的に過ごす。

ある日、オーロラは、何故地球を離れる選択をしたのか、ジムにインタビューする。地球では技術者は必要とされなくなっており、ジムはやりがいのある仕事を求めて新天地を選んだと語る。

ある時、オーロラは、120年かけてホームステッド2へ移住した後、1年後に再び120年かけて地球に帰る予定であったと、ジムに話す。作家としての新境地を開くため、オーロラはコロニーを行き来した経験をもとに執筆しようと考えていた。

ジムの心遣いもあり、オーロラは現状を受け止めるようになる。ある日、ジムはオーロラをディナーに誘った後、宇宙遊泳に連れ出す。初めての宇宙空間に感激したオーロラは、貴重な経験を与えてくれたジムに感謝し、二人は相思相愛になる。

映画『パッセンジャー』のあらすじ【転】

無人の船内で寿命が尽きるまで二人きりという絶望的な状況の中で、二人は運命の相手と巡り会ったという幸せを享受する。

ある日、オーロラは、ジムが故意に自分を覚醒させたことをアーサーから聞く。ショックを受けたオーロラはジムを拒絶し、二人の関係は破綻する。ジムはオーロラに謝罪するが、オーロラはジムを許せない。

ある日、甲板長のガスがコールドスリープから目覚める。ガスのIDにより、ジム達はクルー専用エリアに入れるようになる。ガスは、船内の至る所でエラーが多発していることに気付くが、原因がわからない。ポッドを調べたガスは、ジムがオーロラを強制的に冬眠解除したことを知る。

船内の重要なシステムに異常が発生し、ジム達は危険に晒される。ガスは、2年前の隕石群の衝突によって船が電力ダウンし、その際に多大なエラーが発生したことを突き止める。ジムの覚醒も、このエラーによるものであった。

無理な覚醒が原因で、ガスの体は急激に衰弱する。ガスは、ジムとオーロラにIDを託して息を引き取る。

その直後、船内システムに致命的なエラーが発生し、アヴァロン号は停止寸前になる。ジムは、2年前に隕石群と衝突した際に核融合炉が損傷し、炉内が高温になっていることがエラー多発の原因だと突き止める。

映画『パッセンジャー』の結末・ラスト(ネタバレ)

融合炉の温度を下げるには、炉の熱気を外へ排出する必要がある。船の外から放熱シャフトを開くため、ジムは宇宙服を着て船外に出る。

ジムはシャフトの扉を開けるが、エラーのために船の中に戻れない。ジムを心配するオーロラは、熱放出レバーを引くことを躊躇う。ジムは、宇宙船を救うためならば自分は犠牲になると、オーロラを説得する。オーロラがレバーを引くと核炉内の熱が放出され、熱風を受けたジムは吹き飛ばされる。

ジムは宇宙船から離れてしまい、自力で帰艦できない。宇宙服の中の気圧が下がり始め、ジムの意識は遠のいていく。オーロラは宇宙服を着て外へ飛び出し、呼吸が止まったジムを連れ戻す。オーロラはジムを救命装置に入れ、ガスのIDを使ってあらゆる蘇生措置を施す。ジムは息を吹き返す。

アヴァロン号のシステムは正常化する。ジムとオーロラは、ガスの遺体を宇宙空間へ送り出す。ある日、ジムは、救命装置を利用して一人だけコールドスリープに入れる方法を発見する。ジムはオーロラに装置に入るよう勧めるが、オーロラは断る。

ある日、ジムはオーロラにプロポーズする。二人は余生を共に歩むことを決意する。

88年後、乗客より一ヶ月先にクルー達が覚醒する。船内は、ジムとオーロラによって緑で溢れている。

映画『パッセンジャー』の感想・評価・レビュー

不意に起こった隕石の衝突が原因でコールドスリープから目覚めてしまったジムが、孤独に耐えかね、オーロラを故意に目覚めさせるといった展開から始まる。一見すると、ジムの身勝手な行為ともとれるのだが、余生90年余りを一人宇宙船の中で目的も無く過ごすにはあまりに酷だろう。道徳といった部分を攻めるよりも、ジムとオーロラが幸せに生きていたという部分が本当に救われた映画である。将来的にこういった事故が本当に起こるのかもしれないと考えると、ぞっとしてしまう。(男性 30代)


新天地を目指して、宇宙船の冬眠装置の中で眠りにつき120年の旅に出るが90年も早く目覚めてしまったジムとオーロラ…。しーんと静まりかえった宇宙船内に2人だけの絶望的な状態だが、神秘的でロマンティックな雰囲気にグッと惹きつけられる。覚醒させられたオーロラは気の毒だが、もし自分がジムの立場だったら…と考えさせられ、人間にとっての一番の恐怖は孤独である事、そして人間の弱さを見せつけられた。絶望的な状況の中、最大限幸せに生きようとする2人はとても素敵だと思った。(女性 30代)


宇宙を舞台にした映画はたくさんあるが、その中でも異色の作品である。人が生きていくのに必要なものは何かという問いを投げかけてくる。

序盤、宇宙船内を一人で満喫する主人公ジム。一見楽しそうだが、どこか悲しい雰囲気が感じられる。この心が不安定にさせられる独特の感覚が味わえる。宇宙船など、美術のデザインや宇宙の映像の美しさがそれをより際立たせる。どこまでも美しい画に心が一致していない。

SFスリラーとして今までにないものを見せてくれた。(男性 20代)


宇宙に移住するため、目的地に着くまで眠っているはずが、装置の不具合で何十年も早く目覚めてしまう。誰もいない孤独、何もないことへの恐怖、それでももう一人の目覚めで日常が変わっていく。自分が宇宙で死んでいく運命にあるとわかっているのは、なんとも複雑な感情だろう。仲間がいることの大切さが身に染みる。危険が迫る中、眠っている人々を救うために動き、自分が早く目覚めてしまった理由を理解する。この映画を見て感動する人は、とても多いことだろう。(女性 30代)

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