映画『ラブレス(2017)』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「ラブレス(2017)」のネタバレあらすじ結末と感想

ラブレス(2017)の概要:離婚することになった夫婦は、どちらが息子を引き取るかで口論になっていた。お互いに、新しい生活に息子は邪魔だと感じていた。だが、ある日、息子が行方不明になってしまう。

ラブレスの作品情報

ラブレス

製作年:2017年
上映時間:127分
ジャンル:サスペンス、ミステリー、ヒューマンドラマ
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
キャスト:マリヤーナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィン、マトヴェイ・ノヴィコフ、マリーナ・ヴァシリヴァ etc

ラブレスの登場人物(キャスト)

ジェーニャ(マルヤーナ・スピバク)
ボリスの妻で美容院を経営している。ボリスとは離婚する予定で、新しい恋人のアントンと再婚するつもりだ。息子のアレクセイには冷たい態度を取っていた。スマートフォンをいじる時間が多い。
ボリス(アレクセイ・ロズィン)
キリスト教を重んじる一流企業で働いている。ジェーニャとは絶縁状態だが、臨月を迎えた恋人がいる。どこか煮え切らない態度を取り、頼りない印象を与える。アレクセイのことを邪魔に感じており、ジェーニャに押し付けたいと考えている。

ラブレスのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ラブレス(2017)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

ラブレスのあらすじ【起】

ジェーニャはマンションを売りに出していた。その理由は夫のボリスとの離婚だった。二人の関係は完全に冷めきっており、顔を合わせれば喧嘩ばかり。二人にはそれぞれ、別のパートナーがいた。ジェーニャには年上で金持ちのアントン、ボリスにはマーシャという若い娘がおり、彼女は臨月を迎えていた。

ジェーニャもボリスも、新しい人と再婚し、幸せの再スタートを切りたいと考えていた。だが、そこにはひとつ問題があった。二人にはアレクセイという息子がいたのだが、お互いに引き取ることを嫌がっていた。

ある夜、二人はアレクセイの親権を互いに押し付けあい、口論となった。ジェーニャは、アレクセイを見るとボリスを思い出すので、新しい生活には連れて行きたくないと言う。ボリスは、子供には母親が必要だと口では言っていたが、面倒くさいというのが本心だった。

二人はアレクセイが寝ていると思っていたが、彼は扉の裏で二人の会話をこっそりと聞いていた。自分が両親のどちらからも愛されていないことを知ったアレクセイは、深い悲しみの中で、息を殺して号泣した。

ラブレスのあらすじ【承】

ジェーニャは恋人と楽しい時を過ごし、帰宅した。翌朝、学校から電話が掛かってくる。アレクセイが二日間も登校していないのだそうだ。ジェーニャはボリスに電話し、アレクセイについて何か知らないか尋ねた。だが、ボリスはマーシャの家で寝泊まりしており、そっちの家にはほとんど行っていないので分からないという。

ボリスの無関心に苛立ちながら、ジェーニャは警察に連絡した。刑事がやってくるが、警察は重犯罪の捜査で忙しいので捜査を開始するのは時間がかかると言われてしまった。すぐに捜索を開始したいなら、ボランティア団体のほうが良いと説明されたジェーニャは、そうすることに決めた。

ボランティアの代表イワンは、アレクセイが親戚の家に行っている可能性があると言いだす。だが、親戚はほとんどおらず、ジェーニャの母だけだった。ボリスとジェーニャはイワンに言われ、母の家を訪ねることになった。

二人は母の家に向かう車中でも喧嘩ばかり。自分本位で、相手が不快になることをわざとやっているようだった。

ジェーニャは母と折り合いが悪かった。母は突然に押しかけられて、いつもより更に機嫌を損ねた。家を隅々まで調べたが、アレクセイはいなかった。母はジェーニャとボリスを罵倒し続け、聞くに堪えなくなった二人は、その場を後にした。

ラブレスのあらすじ【転】

ジェーニャは、ボリスと結婚したのは、あの母親のもとから逃げ出したかったからで、愛していたからではないと言いだす。子供もほしくなかったという。ジェーニャは全てあなたのせいだと言ってボリスを口汚く罵りはじめた。怒ったボリスは、ジェーニャを車から追い出し、一人で帰ってしまった。

ボランティアによる捜索は続いたが、進展がないまま、日にちが過ぎていく。警察も捜査を開始し、監視カメラの映像をチェックするが、どこにも映っていない。アレクセイがカメラを避けて行動していたとは考えにくい。警察は誘拐された可能性もあると言いだし、ボリスは不安になってくる。

イワンはアレクセイの友達に話を聞くことにした。友達の一人から秘密基地のことを聞いたイワンは、そこへ案内してくれないかと頼んだ。

秘密基地は郊外にある廃墟の中にあった。ボリスは捜索隊と共に廃墟へと向かい、秘密基地でアレクセイの上着を発見する。だが、廃屋を隈なく探しても、アレクセイ本人はどこにもおらず、見つかったのは上着だけだった。

ジェーニャは身元不明で保護された子供たちの中にアレクセイがいるかもしれないとイワンに言われ、いつくもの病院を調べて回った。だが、どこも空振りで終わってしまう。

ラブレスの結末・ラスト(ネタバレ)

町中に行方不明のチラシが貼られ、地元民からの有力な情報を待つことになった。そんな時、アレクセイらしき少年の死体が発見されたという知らせが入る。ジェーニャとボリスは本人確認のために死体と対面した。そのむごい状態に二人は泣き始めるが、これはアレクセイではないと言う。

ジェーニャは興奮しだし、何も言わずに立ち尽くすボリスに当たりだすと、あの子を手放すつもりなんてなかった、誰にも渡すつもりはないと泣き叫んだ。ジェーニャが部屋から追い出されると、ボリスはその場に座り込み、声をあげて泣き出した。

売りに出していたマンションは人手に渡り、すっかりと様変わりしてしまった。アレクセイの失踪からずいぶんと時が流れたが、彼は未だに発見されていなかった。

ボリスはマーシャと結婚し、お腹にいた子供は一人で歩き回れるくらい大きくなっていた。ボリスはちょこまかと動き回る子供を邪魔だと感じ、ベビーサークルの中に入れてしまった。

ジェーニャもアントンと再婚したが、二人の間に会話は無くなっていた。不幸なニュースを無表情で眺めるアントン、無言でスマートフォンをいじり続けるジェーニャ。ボリスの時と変わらないような空気が流れていた。違うのは、子供がいないということだけだ。

アレクセイのチラシは、まだ町に数枚残っていた。だが、電信柱に貼られたチラシは色あせ、ボロボロになっていた。人々は、もうすっかり関心を無くしてしまったようだ。

ラブレスの感想・評価・レビュー

映画の前半部分は、とても淡々と進み、それぞれのキャラクターについて描写される。だが、後半は一転して息子の捜索がメインになる。人間の内面が気持ち悪いほど露骨に描かれているのが良い。最後まで救いのない物語だが、それ故に、とても考えさせられる。誰からも関心を持ってもらえないことは、死ぬことよりも辛いことかもしれない。両親に愛されていないと知った時のアレクセイの泣き顔は、とてつもないインパクトを残した。(MIHOシネマ編集部)

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