映画『マリアンヌ』の概要:ブラッド・ピット、マリオン・コティヤールが共演したラブストーリー。戦時中だからこその切ない愛の物語を、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督が見事な演出で描き上げる。
映画『マリアンヌ』の作品情報
上映時間:124分
ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
監督:ロバート・ゼメキス
キャスト:ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール、ジャレッド・ハリス、サイモン・マクバーニー etc
映画『マリアンヌ』の登場人物(キャスト)
- マックス・ヴァタン(ブラッド・ピット)
- ケベック出身のカナダ人。腕利きの工作員で、モロッコのカサブランカに任務でやってくる。上官への口の利き方が悪く、よく注意される。パーティもあまり得意ではなく、社交的ではない性格。
- マリアンヌ・ボーセジュール(マリオン・コティヤール)
- フランス人の工作員。以前にも別の作戦に参加しており、優秀だと言われている。明るく、チャーミングな性格で、誰からも好かれる社交的な女性。だが、Vセクションからスパイ容疑をかけられる。
映画『マリアンヌ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マリアンヌ』のあらすじ【起】
1942年、フランス領のモロッコに、一人のカナダ人工作員が降り立った。マックスの任務は、ナチス・ドイツの要人である大使を暗殺すること。そのために、フランス人の工作員の女性と落ち合い、夫婦としてパーティに出席することになっていた。待っていたのは、美しく聡明な女性、マリアンヌだった。二人はこれからの数日間、夫婦として過ごすことになる。
マリアンヌはとても魅力的で、男性にも女性にも好かれる美女だった。おしゃべりだけでなく、料理の腕も、銃の腕も見事だった。マックスはどんどんと惹かれていったが、任務だということを忘れず、彼女との一線を越えてしまわないように気をつけていた。
ホバーというドイツ人からパーティの招待状を無事に受け取り、いよいよ暗殺任務が近づいてきた。眠れないというマリアンヌをつれて、マックスは朝日を見に行く。マリアンヌに生存の確率を問われたマックスは、低いと正直に答えた。砂嵐がやってきて、二人は車へと戻った。死を間近に感じた二人は、これが最後かもしれないと、そのまま関係を持ってしまう。
大使館のパーティが始まった。作戦は予定通りに進み、二人は大使やドイツ兵を殺すと、車で逃走。追ってくる者もおらず、作戦は無事に成功した。二人とも生きていることを喜ぶマリアンヌに、マックスが言った。“僕とロンドンへ行き、僕の妻になってほしい”と。
映画『マリアンヌ』のあらすじ【承】
三週間後、マックスはロンドンに戻っていた。待たされていたマリアンヌの入国許可が下り、晴れて二人は結婚。その後、マリアンヌは空襲の中、女の子を出産する。名前はアナと名付けられた。
それから一年後、マリアンヌとアナの三人で平和に暮らしていたマックスのもとに、Vセクションの男がやってくる。その男の話では、マリアンヌはドイツのスパイで、イギリス軍諜報部の情報をベルリンに送っているという。本物のマリアンヌはすでに死亡しており、暗殺した大使も、ヒトラーから殺害命令が出ていた裏切り者だったのだそうだ。
男はマックスにブルー・ダイ作戦を指示した。偽の情報をマックスに流し、マリアンヌに分かるようにしておく。その情報がベルリンへ流出するかどうかを確認するという作戦だ。もし流出すれば、マリアンヌはスパイだということになる。もし、スパイだと確定したならば、マックスの手でマリアンヌを殺せと、男は命令した。
自宅に帰ったマックスは、いつも通りの態度でいようとするが、胸中は穏やかではなかった。夜、偽の情報を告げる電話が鳴る。マックスは電話の内容を電話機の横のメモに書き取り、そのままにしておいた。この情報が流出するかどうかで、全てが変わってくるのだ。
映画『マリアンヌ』のあらすじ【転】
マックスは以前、マリアンヌと組んだことがあるというガイという男を訪ねた。だが、ガイは戦争で負傷し、目が見えなくなっていた。マリアンヌの顔を確認してもらうことはできなかったが、代わりにドラマールという男が、まだディエップで活動しており、彼ならマリアンヌを憶えていると言われる。
マックスはディエップに飛ぶという若手パイロットに、任務だと言ってマリアンヌの写真を渡し、ドラマールに顔を確認してくるように頼んだ。その夜、マリアンヌが開いたパーティにマックスの上司がやってきた。上司はマックスに、パイロットの死亡を告げる。ドラマールに接触したせいで逃げ遅れてしまったのだ。マリアンヌの顔は、またしても確認できずに終わった。
家族三人で平和な休日を過ごしたマックスは、その夜、内密にディエップへと飛んだ。ドラマールに会い、マリアンヌの情報を得るためだ。ドラマールは酔っていたが、マリアンヌはピアノが上手だと言った。マックスはその言葉に動揺する。彼女がピアノを弾いているところなど、今まで一度も見たことがなかったからだ。
翌朝、ディエップから戻ったマックスはマリアンヌを連れてカフェへとやってきた。そして、そこに置いてあるピアノを弾いてくれと言いだす。マリアンヌは動揺するが、やがて静かに鍵盤の蓋を閉じた。マリアンヌはスパイだった。ロンドンまで逃げてくれば、ドイツ諜報員も追ってこないだろうと思っていたが違った。彼らはアナを人質に、マリアンヌに情報を送らせていた。
映画『マリアンヌ』の結末・ラスト(ネタバレ)
マックスは“僕への愛は本物か”と問うと、泣きながら“本物だ”と答えるマリアンヌ。ブルー・ダイ作戦の偽の情報は、すでにマリアンヌが送ってしまったため、Vセクションが感づくのは時間の問題だ。その前に、三人で逃げようとマックスは言う。
マックスはドイツ諜報員の女を殺してアナを取り戻し、マリアンヌに接触していた諜報員も殺すと、飛行場へと向かった。しかし、飛行機のエンジンがなかなか点火せず、その間に、事態に気がついたイギリス軍に追いつかれてしまう。全てを悟ったマリアンヌは、マックスに“愛している”と告げると、ピストルで頭を撃ち抜き、自殺を図った。マックスはその場に泣き崩れるばかりだった。
マリアンヌはアナとマックスに手紙を残していた。その手紙は、彼女のふたりへの愛が本物であったことが伝わるものだった。戦争終結後、マックスは夢だった牧場を手に入れ、アナ共に静かに、平和に暮らしていた。彼女の思い出を胸に、マリアンヌの願い通りに。
みんなの感想・レビュー