映画『ルイの9番目の人生』の概要:9年間という短い人生の中で、9度も死にかけるという体験をした少年にまつわる謎を解き明かしていくミステリー。監督はホラーやミステリー作品を得意とするアレクサンドル・アジャ。
映画『ルイの9番目の人生』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ミステリー、ヒューマンドラマ
監督:アレクサンドル・アジャ
キャスト:ジェイミー・ドーナン、サラ・ガドン、エイデン・ロングワース、オリヴァー・プラット etc
映画『ルイの9番目の人生』をフルで無料視聴できる動画配信一覧
U-NEXT | ◯ |
---|---|
Hulu | × |
Amazonビデオ | ◯ |
dTV | ◯ |
TELASA | ◯ |
TSUTAYA DISCAS | ◯ |
ビデオマーケット | ◯ |
Netflix | × |
※動画の配信情報は2022年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービス(VOD)の公式サイトでご確認ください。
映画『ルイの9番目の人生』の登場人物(キャスト)
- ルイ・ドラックス(エイダン・ロングワース)
- 9度、死にかける少年。感受性が強く、賢いのだが、それ故に周りからはヘンテコと呼ばれて、友達もいない。ラスプーチンと名付けたハムスターを飼っているが、よく殺してしまい、今はラスプーチン三世を飼っている。9度目の事故で昏睡状態に陥る。
- パスカル(ジェイミー・ドーナン)
- 昏睡状態に陥ったルイの担当医。昏睡に関するスペシャリストで本も出版している。妻との仲は冷めきっており、ナタリーと話をするうちに、だんだんと気持ちが移っていく。
- ナタリー・ドラックス(サラ・ガドン)
- ルイの母親。ルイを大切に思っており、何度も事故に遭うことを心配している。男受けする美人。
- ピーター・ドラックス(アーロン・ポール)
- ルイの父親。ルイの本当の父親ではないが、それ以上にルイを愛している。ナタリーとはうまくいかなくなり、現在は別居している。
- ペレーズ(オリバー・プラット)
- ルイのセラピスト。読心術と催眠術を使う。ルイは大人の男を得意としないが、話をしていくうちに、両親以外でもっとも心を開く存在になっていく。
映画『ルイの9番目の人生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ルイの9番目の人生』のあらすじ【起】
ルイ・ドラックスは怪我の多い少年だった。生まれた瞬間から、今の今まで彼の周りには事故や災難が纏わりつき、その度に傷を作り、時には死にかけることもあった。猫は9つの命を持っているという。ルイは現在8歳だ。もし、ルイが猫のように9つの命を持っているとしたら、残りは1回。一年ごとに大きな怪我をして生死の境を彷徨っていたからだ。ルイの母親のナタリーは、どうか9回目が来ませんようにと願うばかりだった。
だが、9回目はやってきた。しかも、ルイの9歳の誕生日に。その日、ルイは父親のピーターとナタリーの三人で、ピクニックに出かけた。幸せな時間が流れていたが、ルイはその後、渓谷から落下して海中へと沈んでしまう。海中で消えゆく意識に、響いてくる声があった。“これは君の9番目の命だ。さあ、一緒に読み解こう”
しばらくして、警察が海からルイを引き上げた。ヘリコプターで病院へと運ばれたが、処置の甲斐もなく、死亡が宣告された。それから2時間後、死体安置室に運ばれたルイは、突然に息を吹き返した。だが、意識は戻らず、昏睡状態になってしまう。覚めるかも分からぬ眠りの中で、ルイは自分の過去を夢に見るのだった。
映画『ルイの9番目の人生』のあらすじ【承】
ルイを担当することになったパスカル医師。子供の頃は夢遊病で、夢中歩行もよく体験したという。そんな彼も、今では昏睡の研究と治療の第一人者だ。パスカル医師は、たとえ脳が傷ついたとしても、心を通わせることは可能だと信じていた。
パスカルは同僚の医師から、ルイは事故で落ちたのではなく、父親のピーターに突き落とされたのだと説明される。事件の後、ピーターは行方不明になっていた。パスカルは昏睡状態のルイに向かって、君は目覚めたくないのかな、と問いかける。そして、ここは安全だと優しく話しかけた。
ルイはさまざまな夢を見ていた。自分を診てくれていたペレーズ医師のこともそのひとつだ。ペレーズは読心術者で催眠術も使いこなすルイのセラピストだった。最初こそ、壁を作っていたルイだったが、次第にペレーズといろいろなことを話すようになった。
意識はなくとも、ルイは自分の身の回りで起きていることを、ちゃんと感じ取っていた。同じ病室にいる別の患者たちの様子や、ベッド脇でずっと語らうナタリーのことなどを。ある時、ルイのベッドのそばに、一人の怪物が現れた。怪物は、“君の話をもっと聞きたい”という。
ルイはピーターと二人だけで、シーワールドという水族館に行った時のことを語りだす。ショーを待っている時、ピーターはある女性と出会った。みるみるピーターの顔色が悪くなったのを見たルイは、彼女が何者なのか尋ねた。ピーターは重い口を開き、あの人は自分の前妻だと答えた。シーワールドから戻ったルイは、前妻に会ったことはナタリーに内緒にしておこうと口止めされていたにも関わらず、ナタリーに話してしまう。そのことで両親は喧嘩を始めてしまった。
映画『ルイの9番目の人生』のあらすじ【転】
パスカルはナタリーから事件発生時のことを詳しく聞いた。彼女の話では、別居中のピーターと三人でピクニックに行ったが、その最中に夫婦で口論になり、ピーターは逃げたルイを追って、渓谷から突き落としたという。不安そうなナタリーに慰めの言葉をかけるパスカル。ふいに、ナタリーにキスされたことで、思わず感情的なり、そのキスに応えてしまう。キスの最中、ナタリーはあるものを見て驚愕する。なんと、動けないはずだったルイがベッドから起き上がり、こちらを見ていたのだ。パスカルとナタリーは大急ぎで駆けつけるが、ルイはうわごとを言って、再び昏睡へと落ちていった。
ある日、パスカルのところにナタリーから電話が入る。ナタリーに不気味な手紙が届いたのだ。二人は手紙を持って警察へと向かった。手紙の内容は、“パスカル先生と関係をもつな。悪いことが起きる。ルイ”と書かれていた。ナタリーはピーターが書いたものだと言って疑わないが、筆跡鑑定をしてみなくては分からないと警察は言った。
家に帰りづらいナタリーに、病院の仮眠室をすすめるパスカル。パスカルには妻がいたが、今や気持ちはナタリーにどんどんと傾いていた。
パスカルはペレーズに会いに行った。ペレーズは最初、ルイの事故の数々は周りの関心を引くための自傷行為だと思っていたが違うという。ナタリーの家に届いた手紙を見せると、この言い回しはルイ本人だと言った。
病院に戻ったパスカルは、そこで妻と遭遇。妻は家に届いた手紙を渡しにきた。怒って帰る妻を尻目に手紙を開くと、ナタリーに届いた手紙と同じ筆跡で、“ぼくのママと関係をもつな。これは警告だ”と書かれていた。
警察から、ナタリーに関するさまざまなことを聞かされたパスカル。ピーターはルイの本当の父親ではなく、ナタリーはルイを養子に出そうと考えていたらしい。そのことについてナタリーを問い詰めると、ルイの父親とは一度きりの関係で、強姦された結果、ルイを妊娠したと告げられる。お互いへの気持ちを抑えられなくなった二人は、とうとう関係を持ってしまった。
映画『ルイの9番目の人生』の結末・ラスト(ネタバレ)
ルイは夢の中で、怪物の正体がピーターだと気がついた。ルイはピーターに死なないでほしいと願うが、現実の世界ではピーターはすでに死んでいた。ピクニックをしていた崖の、すぐ近くの洞窟で発見されたという。
パスカルは久しぶりに夢中歩行を体験する。書き残したメモには毒物の名前が書かれていた。筆跡鑑定の結果、メモの文字はナタリーとパスカルに届いた怪文書の文字と一致した。パスカルは、ルイが自分を操って書かせたのだと推測する。
パスカルは自分の推測を証明するため、ペレーズに協力を仰いだ。ペレーズは催眠術を使い、パルカスを介して、ルイと話をすることに成功する。ルイは、ナタリーとピーターが口論になり、ナタリーに突き飛ばされたピーターが崖から落ちたと言った。そして、ナタリーの望みを叶えるため、自分も崖から落ちたのだと。
今までルイに起きた不幸な事故は、全てナタリーによる仕業だった。食べ物には毒物を入れ、危険な場所では、わざと怪我をするように仕向けていたのだ。ナタリーは、周りから同情され、優しくしてもらうことに喜びを感じていた。ピーターも、それがきっかけでナタリーと結婚したのだ。ナタリーは同情を得るためにルイを利用し、幼少期からそれが当たり前だと思っていたルイは、何も言わずにナタリーの望みを叶えていた。
ナタリーは入院することになった。パスカルは妻と別れ、ナタリーを支えていくことを決意する。ナタリーのお腹の中には、すでに二人の子供が宿っていた。
ルイは、このまま9番目の人生が昏睡状態のままでもよいと思い始めていた。そんな彼の頭の中に、ピーターの声が響く。“未来に興味があれば目覚めるといい。世界にはあらゆる不思議と可能性に満ちている。俺はいつでも、お前の心の中にいる”ピーターの言葉に後押しされたルイは、静かに目を開けて、現実の世界へと戻ってきたのだった。
映画『ルイの9番目の人生』の感想・評価・レビュー
本作は、9年間の人生の中で9回死にかけた少年ルイの運命に隠された秘密を解き明かすサスペンス作品。
ルイの語り口から物語が始まり、その不思議な世界観や設定にじわじわと引き込まれていった。
ラストで、ルイの脳死状態が続いた理由や、9回の事故の真相、家庭環境などが明らかになり、そういった病気のことが知れて現実味を強く感じた。
母親の恐ろしさに驚愕した。それに反して優しい父親との絆に涙なしには観れなかった。切なさの余韻が印象的。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー