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映画『マーニー』あらすじネタバレ結末と感想

映画『マーニー』の概要:ティッピ・ヘドレン主演のサスペンス。幼少期のトラウマから抜け出せないヒロインと無理やり結婚した男。フロイト的心理分析を用いた、ヒッチコックの傑作。共演はショーン・コネリー。1964年米国映画。

映画『マーニー』 作品情報

マーニー

  • 製作年:1964年
  • 上映時間:129分
  • ジャンル:サスペンス、ラブストーリー
  • 監督:アルフレッド・ヒッチコック
  • キャスト:ショーン・コネリー、ティッピー・ヘドレン、マーティン・ガベル、ダイアン・ベイカー etc

映画『マーニー』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

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映画『マーニー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『マーニー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『マーニー』 あらすじ【起・承】

黒髪の女が現れるが、顔は見えない。大事そうにハンドバッグを抱えて、スーツケースも携えていた。同じ頃、ニューヨークのストラット社では1万ドル近い資金の持ち逃げ事件が発生した。

犯人は、ストラット社に勤めていた美人事務員のマリオン・ホランドだった。ストラット社と取引のあるマーク・ラトランド(ショーン・コネリー)も現場に現れた。

マークに社長のシドニーは、マリオンが見つかったら償いをさせると息巻くのだった。一方、黒髪の女マリオンは、ホテルへ向かい、荷物を整理すると自分の身分証をマリオン・ホランドからマーガレット・エドガーへと差し替えた。

そして、黒髪を洗面台で洗うとブロンドの美しい髪に戻った。スーツケースをコインロッカーに預け、鍵を捨てた。乗馬が好きなマーニー(ティッピ・ヘドレン)は、乗馬を楽しんだあと故郷バルチモアへ。

バルチモアには、足の不自由な母親バーニスが1人で住んでいた。バーニスのそばにはいつも遊びにくる少女ジェシーがいて、マーニーはバーニスの愛を受けている少女に嫉妬してしまう。

その後、花瓶に飾っていた赤いグラジオラスを見たマーニーは発作を起こした。そのため慌てて白い菊に差し替えた。母親に甘えたいマーニーは、ミンクの襟巻を母親に贈るが自分はジェシーほど愛されていないと感じるのだった。

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映画『マーニー』 結末・ラスト(ネタバレ)

マーニーは、フィラデルフィアにあるラトランド商会の面接に行った。ラトランド商会の社長マークは、メリー・テイラーと名乗るマーニーを見て、ストラット社でお金を持ち逃げした女だと気づく。

その事実を知っていながら、マーニーに惹かれていたマークは彼女の採用を決めた。マーニーは、会社の経理部長が金庫の金を出し入れするのを注意深く見ていた。経理部長がお金を手渡していたのは、マークの死んだ妻の妹リル。

ある日、マーニーは同僚から赤インクを借りた。しかし、白いブラウスに赤インクを1適だけ誤って落としてしまう。それを見たマーニーに発作が起こり、ブラウスについた赤い染みを落とそうと必死に洗うのだった。

週末にマーニーは、社長マークから残業を頼まれた。マークは社長業をする以前は動物学者だった。今も研究を続けていて、”アマゾンの肉食獣”という論文を執筆中だ。マーニーがその原稿をタイプで打っていると、突然雷が鳴った。

雷に怯えて、赤の恐怖が甦るマーニー。途中で残業を終え、マークに家まで送ってもらう。次の土曜日、マークと共にアトランティック市競馬場へ行ったマーニーは楽しい時間を過ごした。だが、騎手の服に赤い色が入っているのを見てまた発作を起こす。

週末。マーニーは会社の金庫に忍び込んだ。5ケタの暗証番号を覚えていたマーニーにとって盗むのは簡単な事だった。ところが、札束をバッグに入れて部屋から出ようとした時、掃除のおばさんがモップがけしているのに気が付いた。

マーニーは一瞬、凍り付くが慎重に忍び足で歩く。しかし大きな音を立てて靴が床に落ちてしまう。気づかれた!と思ったが、掃除のおばさんは耳が遠く、そのままモップ掛けを続けているのだった。

数日後、バージニアで乗馬を楽しんでいたマーニーのもとに社長マークが来て、彼女の本名や偽名マリオン・ホランドの名前を告げた。ストラッド社やラトランド商会で盗んだことを知っているのだ!

彼女は盗んだ事を素直に認めてお金も返すが、マークはそんな彼女に対してプロポーズをするのだった。マーニーは拒むが、強引に2人は結婚してしまう。

新婚旅行に出かけたマーニーは、心を閉ざしたままだった。マークが体に触れることを許さず、船内で自殺を図った。新婚旅行から戻ったマークは、匿名でストラット社に1万ドルを送金し、社長にもマーニーを起訴しないで欲しいと話を通していた。

そして探偵にマーニーの身辺を探らせた。彼女の母親バーニスが生きていること、マーニーの幼少期に受けた性的トラウマを知るのだった。リルはマーニーを疑い、新婚パーティで精神的に追い詰めていく。

翌日、狩猟が行われ、マーニーも参加するが赤いジャケットを着た男を見たとたん、怖くなって愛馬に乗って逃げようとした。しかし、愛馬が骨折してしまい、泣く泣く射殺するのだった。

マークは、マーニーと共にマーニーの母親バーニスに会いに行った。マークに過去の事件について訊かれたバーニスは怒るが、突然マーニーが子供のように泣き始めるのだった。”ママに乱暴しないで”と。

当時、5才だったマーニーは母親が男を殺した現場を見て恐怖に震えていたようだ。過去のトラウマを知り、ようやく解放されたマーニーはこれからもマークと共に生きる道を選んだ。

映画『マーニー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『マーニー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

母という呪縛~ヒッチコック流異常心理サスペンスの楽しみ方

「マーニー」には、ヒロインの盗み癖や強引な結婚など共感できない部分が多い。しかし、共感しなくてもいい。男女問わず、自分の母親に対して愛情や憎しみを持たない人はいないだろう。

例えば、「サイコ」では殺人鬼ノーマン・ベイツが幼少期から抱く母親への強い愛情や執着心があった。「マーニー」では、盗みを重ねる女性が幼少期から抱く性的嫌悪感や愛情を求める気持ちが物語に沁みだしているのです!

本当の異常性は、ヒロイン、マーニーに対するマークの行動。マーニーが犯罪者である事を知りながら雇ったり、強引に結婚してしまう点にあると思う。マークもまたふつうじゃない女性に惹かれてしまうのだ。

男は全てマザコンだと考える人もいます。犯罪のある、なしに関わらず、好きな女性を自分のものにしたいという要求がこの映画からは感じられます。

それは、撮影当時、ヒッチコックがヒロインを演じる、ティッピ・ヘドレンを気に入り執着していた点からもうかがえます。この映画はそんなヒッチコックの心理状態が投影された作品だといえよう。

「鳥」から「マーニー」へ~ヒッチコック的美人ティッピ・ヘドレンの災難

ヒッチコック作品の中で、恐怖を感じる作品といえば、「サイコ」や「鳥」、などが思い浮かぶと思います。「」と「マーニー」を演じた女優ティッピ・ヘドレンを見ていきましょう。

彼女は、ヒッチコック的美女の最後のヒロインと言われており、実際にヒッチコックに口説かれていたようです。ヒッチコック的美女とは、グレース・ケリーに代表とされるブロンドでゴージャスな美女のこと。

その中でも、ティッピ・ヘドレンはクール・ビューティー。1950年代から1960年代にかけてモデルとして活躍し、ヒッチコックの「鳥」(63)で映画デビューしました。ヒッチコックのティッピへの執念は激しく、妻アルマもあきれる程だったとか。

ヒッチコックの自伝を基にした、「ザ・ガール~ヒッチコックに囚われた女」というドラマが製作され、2013年に日本でも放映されています。このドラマの方が、ヒッチコックの映画よりも怖いかも!

ティッピ・ヘドレンは演技力というよりも根気強い女優だったようです。「鳥」の撮影中には、本物の鳥を用いた撮影で傷だらけになり、一時はドクターストップがかかる程、撮影現場は過酷でした。

そんな忍耐力が、「鳥」の恐怖の源だったんですね。「マーニー」では、ヒッチコックのセクハラに悩んでいたそうです。また彼女の美貌は、娘で女優のメラニー・グリフィスや孫で女優のダコダ・ジョンソンに受け継がれています。


ヒッチコックの心理的トラウマシリーズ(?)の1本。幼少期の忘れたい記憶に無理矢理蓋をしているがために、主人公が奇怪な行動に出る。そして赤色のものを目にするたびに、発作が起きる。その際に画面を赤くする手法はヒッチコックの見せ所のひとつだろう。そして主人公が金庫を開けようとする場面での「引き」の映像。壁の向こうの掃除のおばさんの姿を同時に見せてくれたシーンが面白い。問題はそんな主人公を助けようとした男の行動だ。相当にお金に余裕のある人ならば、ああいう行動もアリなのだろうか…。(男性 40代)

映画『マーニー』 まとめ

「マーニー」に対しての評価は、少し前までつまらないという見方が多かったという。
本作は、ハリウッド時代後期の作品で、「白い恐怖」と物語の類似点(男女の役割を入れ替えれば同じような物語)やフロイトの心理分析を用いる手法が似ていると言われています。

ヒッチコックの全盛期の勢いは過ぎてしまった感はあるかもしれない。しかし、心理状態を上手く切り取るカメラワークやユーモアがあるシーンを観ていると、やはり素晴らしいと思う。

ただマーニーを演じたティッピ・ヘドレンへの愛が強すぎるのだと思う。筆者が好きなのは、マーニーが会社の金庫からお金を盗むシーンで、掃除をしている耳の遠いおばさんと鉢合わせしてしまうところ。

音を立てないようにするのが大変。そんなユーモアとスリルを味わうと、またヒッチコック作品が観たくなるんだよなぁ。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 小原恒一 より:

    >新婚旅行から戻ったマークは、匿名でストラット社に1万ドルを
    >送金し、社長にもマーニーを起訴しないで欲しいと話を通していた。

    このストーリー。
    全編において、リアリティが無さ過ぎる。
    マークのような男は居ない。あり得ない。
    すべては、作家が勝手に頭の中で空想して創作した事というのがわかり過ぎる。
    つまり、ストーリー自体が「荒唐無稽」という言葉がピッタリなのだ。