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映画『マローボーン家の掟』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マローボーン家の掟』の概要:アメリカ、メイン州の屋敷に越して来たマローボーン一家の4兄弟は、心優しい母親が病死した後、5つの掟を守って生活していた。しかし、連続殺人鬼の父が兄弟達を追って来たため、彼らの生活は一変する。

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映画『マローボーン家の掟』の作品情報

マローボーン家の掟

製作年:2017年
上映時間:110分
ジャンル:ホラー、サスペンス
監督:セルヒオ・G・サンチェス
キャスト:ジョージ・マッケイ、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・ヒートン、ミア・ゴス etc

映画『マローボーン家の掟』の登場人物(キャスト)

ジャック(ジョージ・マッケイ)
ローズ・マローボーンの第一子。マローボーン家の長男。ローズが病死した後、彼女が残した掟に従い殺人鬼の父や財産分与を渋る弁護士から兄弟達を守る。地元の少女アリーと心を通わせている。
アリー(アニャ・テイラー=ジョイ)
マローボーン家の隣にある農場の娘。引っ越して来たマローボーンの4兄弟と仲良くなり、末っ子のサムのことは本当の弟のように可愛がっている。ジャックと心を通わせながらも、マローボーン家の相続を請け負う弁護士、ポーターに言い寄られている。
ジェーン(ミア・ゴス)
マローボーン家の長女。ジャックの妹。ローズ亡き後、サムの母親代わりとして彼の面倒を見ている。
ビリー(チャーリー・ヒートン)
マローボーン家の次男。ジャックの弟。母が残した掟を守りながら、自分だけアリーに会いに行くジャックへ不満を募らせている。短気で手が早い。
サム(マシュー・スタッグ)
マローボーン家の末っ子。母を失った悲しみを引きずりつつ、ジェーンやアリーに懐き寂しさを紛らわしている。屋敷に出るお化けを怖がっている。
ポーター(ニコラ・ハリソン)
マローボーン家の遺産相続を担当する弁護士。ローズの生家を正式に彼女の所有地にするため、署名を求めに屋敷を訪れる。しかし、既にローズは病死した後だった。アリーに想いを寄せており、ニューヨークへ誘う。

映画『マローボーン家の掟』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マローボーン家の掟』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マローボーン家の掟』のあらすじ【起】

ジャックは兄弟との思い出を“僕らの物語”と題して絵日記に残していた。1ページ目には、母ローズと兄弟達が30年ぶりに彼女の生家へ戻った日のことが描かれていた。

ローズは、連続殺人の罪で逮捕された夫から子供達を遠ざけるため、アメリカにある自らの生家に戻った。人里離れた山奥にある屋敷に入った彼女は、子供達に「フェアバーンではなくマローボーンという名字になるのよ。今から新しい生活が始まるの」と説明し、父がいつか家族を追って来るかもしれないと怯えるサムを励ました。

兄弟達は母との安全な生活に加え、隣家に住むアリーと仲良くなり幸せな日々を送っていた。しかし、病弱なローズは長旅の疲れから体調を崩してしまい、ジャックに「あなたが21歳になるまで隠れていなきゃダメよ。でないと兄妹と引き離される」と言い残し亡くなった。

ジャックは、ローズが法廷に嘘を吐き、夫から隠していた大金を受け取った。金の入った箱にはローズから兄弟達に宛てた手紙が入っており、母からの遺言を受け取ったジャック達は一層結束を強めた。

母を庭に埋めてから暫く経った頃、マローボーンの屋敷に銃弾が撃ち込まれた。父が家族を追って来たのである。銃を持つ父を確認したジェーンは、大声でジャックを呼んだ。

6ヶ月後。頭に傷跡を残すジャックは、大きな鏡にかけてあった目隠しの布がズレていることに気付き布を掛け直した。その際、鏡にヒビが入る音がしたため見上げると、天井にシミが広がっていた。ジャックは屋根裏へ確認に向かったが、彼は激しい頭痛に襲われてへたり込んでしまった。

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映画『マローボーン家の掟』のあらすじ【承】

買い出しを担当するジャックは、兄弟達を屋敷に残し街へ向かった。商店の主人に「お母さん元気?」と聞かれた彼は、天候の影響で良くないと答えた。

図書館でアリーと落ち合ったジャックは、彼女に「家に遊びに行けたら」と言われ「母が良くなったら」と返した。そこへ、アリーに想いを寄せている弁護士、ポーターがやって来た。ポーターはアリーをニューヨークへ誘い一緒に暮らすことをほのめかしたが、ジャックの存在に気付くと慌てて彼と仕事の話をし始めた。ポーターはジャックへ、相続のために必要な200ドルの小切手を明日取りに行くと言った。

帰宅したジャックが兄弟達へ明日ポーターが来ることを話すと、ビリーは、母が死んだことがバレたら終わりだと吠えた。ジェーンは、そもそも200ドルを用意できないと心配していたが、ジャックは母から譲り受けた父の金を海岸の岩場に隠していると明かし、ビリーが金の入った箱を取りに向かった。

1万ポンドを手にした兄弟は、ポーターが来ても母の死を悟られないよう作戦を練った。ジャックは兄弟を代表して彼に200ポンドを手渡し、渋々納得したポーターは土地を譲渡するための署名を求めた。母の部屋に隠れていたジェーンはローズの筆跡を真似て署名をし、兄弟達はなんとかポーターを騙し家を自分の物にした。

夜になり、作戦の成功を喜ぶ兄弟達はボードゲームを楽しんだが、サムだけは屋根裏の物音を怖がった。屋敷の中で一番大きな鏡の目隠しが落ちたと同時に天井が軋み出し、サムが「おばけが戻ってきた!」と叫ぶと、兄弟達はテントで作った「砦」に逃げ込んだ。ジェーンは「わたしたちが使ったから、あいつは死んでも追い詰める気だわ」と、父の汚れた金に手を出したことを後悔した。

映画『マローボーン家の掟』のあらすじ【転】

翌日、ビリーは屋根裏に繋がる煙突を塞いでいた板を外し、金が入っていた箱を投げ入れた。

ポーターは、街を歩いていたアリーに声を掛け彼女を乗せた。ポーターは「マローボーンの子どもたちと仲いいの?心配なんだ、父親のせいでかわいそうだと思ってね」と、遠回しにジャックとの仲を確認した。

ジャックとアリーは、海の見える丘で落ち合った。ジャックは彼女に父親の話をし、「あいつから離れるためにここへ来た。もう死んだよ」と語った。

帰宅したジャックは、ビリーからアリーと会うために自分だけ屋敷を抜け出していることを責められた。その隙にローズの部屋の鏡にかけてあった布が落ち、サムは幽霊を見てしまった。

「鏡の中のおばけ」は、ジャックやジェーン、ビリーによるでっち上げだった。彼らは、6ヶ月前に襲って来た父を生きたまま屋根裏に閉じ込め餓死させていたのだ。その事実に耐えられなくなったジェーンは、サムの怯えようから、父がまだ生きているのではないかと不安を抱いた。

ポーターは図書館へ赴き、アリーへニューヨーク行きのチケットを渡そうとした。しかし、彼女に拒まれたポーターは、腹いせにジャックにまつわる真相を暴露した。彼は、ジャックの父が13人を殺した殺人鬼であること、ジャックの告発により父が逮捕されたことなどを明かし、マローボーン家に近づかないよう忠告した。

屋敷の掃除をしていたジェーンは、屋根裏からの物音に気付いた。彼女が天井に開いた穴に手を伸ばすと、骨ばった手が伸びてきた。

ジャックが帰宅すると兄弟達の姿はなく、リビングにポーターがいた。彼は、ジャックの父が逮捕された時の新聞に1万ポンドが消えたという記事を見つけ、強請りに来たのだ。

その夜、残りの金を入れた箱を取り戻すため煙突に入ったビリーは、屋根裏に潜んでいた男に腹を切り付けられてしまった。父が生き延びていたと知りパニックを起こしたジャックは、発作を起こし失神した。ジェーンはアリーに助けを求め、モールス信号でいつも遊んでいた洞窟に彼女を呼び出した。

映画『マローボーン家の掟』の結末・ラスト(ネタバレ)

ポーターは、ローズが隠していた金を奪うため、誰もいない屋敷に忍び込んでいた。

洞窟に着いたアリーは、そこに置かれた“僕らの物語”を読みローズの死を知ると同時に、彼らの父親が兄弟達を襲撃した日の詳細を知った。

父親が屋敷に銃弾を撃ち込んだ後、ジャックはジェーンとビリー、サムを屋根裏に隠し一人で金の入った箱を返しに向かった。しかし、彼は自分の金を受け取っただけでは引き返さず、ジャックを岩場から突き落とし失神させると、屋敷にいる兄弟達を殺害した。

頭に大きな傷を残しながらも意識を取り戻したジャックは、慌てて屋敷に戻ったが遅かった。煙突から屋根裏へ侵入した父が兄弟達の死体と共に部屋から出られずにいたので、ジャックは父親諸共屋根裏を封印し、自分の中に殺された3人の人格を構築した。何週間かして、屋根裏からの叫び声や物音は止んだ。

屋根裏をこじ開けたポーターは、異臭に襲われた。窓際に置かれた毛布を捲ると、子供達の死体があった。

真相を知ったアリーはマローボーン家へ急いだ。多重人格のジャックは「砦」で一人、兄弟達を模した人形と会話していた。アリーを確認した“ジェーン”は、「ジャックのことお願い」と言い残し消えた。

アリーは、屋根裏にいるポーターの元へ向かった。彼女はサムを庇うように倒れているジェーンに毛布を掛け直し、側で倒れていたポーターに駆け寄ったが、殺人鬼の父親も背後に迫っていた。アリーはジャックをはじめ、彼の中のジェーンとビリー、サムを呼んだ。彼女の呼び掛けに“ビリー”が目を覚ますと、彼は「ここは僕らの場所だ」と言って父親を撃ち殺した。

正気を取り戻したジャックは、初めて兄弟達の死体を見た。アリーは彼を抱き締めると、その後、彼の精神疾患を改善するため共に生活し始めた。症状が改善しつつあるジャックが庭へ目をやると、彼の元に歩いてくるジェーンと、ビリーに肩車されたサムの幻影が見えた。

映画『マローボーン家の掟』の感想・評価・レビュー

子供達の純粋で美しい姿や豊かな自然に対し、夜に軋む古い屋敷や大きな鏡、広がっていく天井の染みなど、じわじわと恐怖を煽る演出に手に汗握る。

ジャックが多重人格だと気付いたのは、ジェーンがアリーに助けを求めようと提案した時だ。終盤まで全くその可能性を考えられない程、「おばけ」が迫って来る恐怖や父を閉じ込めていたという事実、ローズの死をそれとなく疑い迫るポーターの存在など、不安要素が幾重にも重なっていて緊張感があった。

しかし、邦題の“マローボーン家の掟”については特に明確に公言されることもなく、母の家に伝わるしきたりがあるというわけでもない。単にジャックが兄弟の死を受け入れないようにするためのルールなので、言うなれば“ジャックが決めた掟”である。

「古い伝統に翻弄される現代の子供達」のような展開を予想させるタイトルだったので、その点は納得いかなかった。(MIHOシネマ編集部)

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