映画『マッチポイント』の概要:『マッチポイント』は、ウディ・アレン監督・脚本のラブ・サスペンス映画。大富豪の妻とセクシーな愛人との間で揺れ動く男の運命を描く。主演はジョナサン・リース=マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン。
映画『マッチポイント』 作品情報
- 製作年:2005年
- 上映時間:124分
- ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
- 監督:ウディ・アレン
- キャスト:ジョナサン・リス・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン、エミリー・モーティマー、マシュー・グード etc
映画『マッチポイント』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『マッチポイント』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『マッチポイント』のあらすじを紹介します。
アイルランド出身の元プロテニスプレーヤー、クリスは、上昇志向の強い野心家である。
ロンドンでテニスクラブのコーチを始め、大富豪のトムと出会うとすぐに親しくなり、彼の家族とも付き合うようになり、妹クロエとは恋仲になった。
クロエはクリスを会社で働かせてやるように父に頼み込み、クリスはコネでどんどん高い地位にのぼっていった。
クリスはクロエに招待されたパーティーで、アメリカ出身で女優を目指しているノラと出会う。一目で恋に落ちたが、ノラはトムの婚約者だった。それでもクリスはノラに夢中で、一度関係を持ってしまう。
クロエと結婚してもノラが忘れられないクリス。トムの婚約者だからと諦めかけていたが、トムの母はノラを激しく嫌ったため、二人の婚約は破綻してしまう。
ある日偶然ノラと再会する。クリスはクロエに隠れて頻繁にノラと会うようになっていた。
クロエは子供を欲しがったが、なかなか恵まれず、二人は不妊治療をしていたが、皮肉なことにノラがクリスの子を身ごもってしまう。
ノラは、妻と別れようとせず煮え切らない態度のクリスに呆れつつも、いつか離婚して自分の元に来てくれると信じていた。
だが、クリスの本心は違っていた。大金持ちの生活を捨てることができないし、ノラへの愛も性愛に過ぎなかったのだ。
映画『マッチポイント』 結末・ラスト(ネタバレ)
クリスは、ノラの存在が邪魔になり、強盗殺人の二次被害に見せかけて猟銃でノラを殺害する。警察はクリスを疑ったが、偶然の運によってクリスへの容疑は晴れるのだった。
クリスは罪の意識に苛まれ、夜中に死んだノラと巻き添えで死んだ老女の幻覚を見るなど苦しむ。
その後クリスとクロエの間には男の子が生まれる。
これから先ずっと罪を抱えて生きていく苦しみの一方で、運に恵まれたクリスには、幸せな人生が続いていくのだった。
映画『マッチポイント』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『マッチポイント』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
人生は全て運によって決まる
冒頭、テニスコートでボールが行き来する映像が流れる。ネットに当たったボールが手前に落ちるか奥に落ちるか、これを左右するのは「運」である。
クリスはナレーションでそう語り、運を信じる彼はまさにその強すぎる運によって人生が変わる。
大富豪の青年と親しくなり、その妹に好かれて結婚、ビジネス界で出世する。これは全てクリス本人の努力によるものではなく、運が良かったからこその結果である。
だが、そんなクリスが窮地に立たされる。愛人ノラが妊娠し、これを妻に知られたらただ事では済まない。立場が揺らぐことを恐れたクリスはノラを殺す。かつてないほどの窮地である。
だが、クリスは強運に恵まれた男である。ノラ殺害のために巻き添えにした老女の家から、強盗に見せかけるために奪った宝石類を、クリスは川に捨てる。しかし老女の結婚指輪は跳ね返ってしまう。
その後、この指輪を拾ったヤク中の男が殺される事件が発生し、クリスの容疑は晴れるのである。
クリスはこうして偶然の運で平穏な人生を保ったのである。
何も悪いことをしていないノラや老女は殺され、人殺しのクリスは幸運で助かる。なんとも皮肉なラストで、いかにもウディ・アレンらしい。
ノラという女性
ノラはセクシーな美女で、男性を虜にする容姿を持つ女性である。演じているスカーレット・ヨハンソンはそのイメージにピッタリな配役だと思う。
一見恵まれているように思えるノラだが、作中一番不運な人物なのである。
婚約者には捨てられ、別の男には都合のいい相手にされ、始末に困り殺されてしまうのだから。
配役とノラのキャラクターだけ見れば、いかにも複数の男性を誘惑して破滅に導く女性というイメージなのだが、実際ノラにそんな所は全くないのだ。確かに美しさで男性を虜にするが、誰も彼女を誠実に愛さず、捨てられる。
目指していた女優という仕事も上手くいかず、ならば容姿を武器に稼ぐかと思えば堅実にブティックで働いて生活する。
彼女はただクリスを愛して側にいてほしいだけの、普通の女性なのである。
『真珠の耳飾りの少女』で素晴らしい演技をしたスカーレット・ヨハンソンが、違った雰囲気の女性を演じています。上昇志向の元テニスプレイヤーのクリス。自分を慕ってくれる、上流階級の女性と、自由奔放で魅惑的な本能を刺激する女性の2人の間で揺れ動く心理が描かれています。恋愛映画かと思いきや、最後は驚きの終焉をむかえます。
スカーレットの官能的な場面が度々登場し、女性が見ても色気を感じます。ウディ・アレン監督作品ということもあり、どこで登場されるか期待しながら観た作品でもあります。(女性 40代)
爽やかな振る舞いとは裏腹に、若さゆえの大きな野望を抱き、達成のために準備も努力も怠らない主人公。いかにも”叶わないタイプ”の人間として描かれており、危うさも醸し出されるものだから、彼の行く先についつい興味を持ってしまう。楽しみに観ていると、とある女性と出会う。そして一気に馬鹿になってしまう。不倫に溺れて一気にクズ男へ。罪を犯すも運良く救われそのままエンディング。まさかのオチに驚かされたが、これがリアルな人生なのであろう。しかし、運が尽きるのも時間の問題か…(男性 20代)
映画『マッチポイント』 まとめ
さすがウディ・アレン作品。ものすごい皮肉で、鑑賞後のダメージは大きい。人生は運に左右される。たとえ悪人でも運が強ければ幸せになれるし、どれだけ善良な人間でも不運ならば人生は不遇となる。だったらどうすればいいのか、と激しく思い詰めてしまうような寝覚めの悪いラストである。
ウディ・アレンはスカーレット・ヨハンソンがお気に入りらしく、よく作品に出演している。ノラの登場シーンは、窓の外の光を浴びた姿が本当にきれいで魅力的だと思った。また、スカーレット・ヨハンソンをノラ役にするなんて、監督は魅せ方をよくわかっているんだなあとしみじみ思った。『それでも恋するバルセロナ』でもそうだが、なぜこれほどまでに完璧な美女スカーレット・ヨハンソンをああいう役にできるんだろう、そして上手く見せられるんだろうと感心するばかりである。
みんなの感想・レビュー
個人的には、ノラ(スカーレット・ヨハンソン)よりも、クロエ(エミリー・モーティマー)の方が好き。こんなにきれいで、性格も良さそうで、金持ちの相手を捕まえたのなら、もう少しうまくやればよかったのに。
それよりも、エミリー・モーティマーのかわいらしさと年齢を見て少し驚き。結構年取ってたんだね。
昨日、ケーブルでマッチポイントを見ましたが、肝心のラストを見損ないましたので
検索しました。ありがとうございました。スカーレットのアンニュイな感じ、男女共に惹きつけられますつうか
嫉妬されますよね
配役がとてもいいし、上手いですね。
映画の中のイギリスの風情も見れて好きな映画です
映画の最後は幸運にも捕まらず、又通常と変わらない日常が始まっていたけれど、いつかは自分から幸せな日常を壊していってしまうような予感がします。又浮気とかして。
誰しも人生においてこのようなことはいくらか体験している。しかし、自分が負けて実は勝っていると思えることも少なくない。スカーレット・ヨハンソンのセクシーさにはいかなる男も心迷う。欲しくなる。だが、大富豪の娘とのおいしい生活は失いたくない。このいい加減さはどの男も持ち合わせていることだ。この結末に納得はできないが、「よくあることなのだ。不条理がまかり通ってしまうこの世の中」セクシーなヨハンソンのからみに興奮し、人生について深く考えさせてくれた。俳優陣がいいし、脚本もいい。