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映画『真夜中のゆりかご』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『真夜中のゆりかご』の概要:愛する我が子を亡くした刑事は、正気を失いかけている妻のため、まさかの行動に出る。子供の虐待という社会問題を盛り込んだサスペンスになっており、親の愛情や子供の幸せについても考えさせられる。デンマークの女流監督スサンネ・ビアの作品。

映画『真夜中のゆりかご』の作品情報

真夜中のゆりかご

製作年:2014年
上映時間:102分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:スサンネ・ビア
キャスト:ニコライ・コスター=ワルドー、ウルリク・トムセン、マリア・ボネヴィー、ニコライ・リー・コス etc

映画『真夜中のゆりかご』の登場人物(キャスト)

アンドレアス(ニコライ・コスター=ワルドー)
デンマークの刑事。妻のアナと生後7週間になる息子のアレクサンダーと3人で、湖畔の一軒家に暮らしている。真面目に働き、妻と息子をとても大事にしている。
アナ(マリア・ボネヴィー)
アンドレアスの妻。冷たい両親のもとで育ったせいか、情緒不安定なところがある。
シモン(ウルリッヒ・トムセン)
アンドレアスの同僚。離婚した妻が最近になって再婚して息子とも会えなくなり、酒浸りの生活を送っている。アンドレアスとは長い付き合い。
トリスタン(ニコライ・リー・コス)
以前アンドレアスに逮捕され、刑務所に収監されていた。出所後も薬物依存状態で、内縁の妻のサネや生後7週間になる息子のソーフスを虐待している。
サネ(リッケ・メイ・アンデルセン)
トリスタンの内縁の妻。トリスタンに無理やり薬物を注射され、ソーフスを育児放棄している。しかし、暴力などは振るっていない。

映画『真夜中のゆりかご』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『真夜中のゆりかご』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『真夜中のゆりかご』のあらすじ【起】

刑事のアンドレアスと同僚のシモンは、近隣からの通報を受けて、とあるアパートの一室に向かう。そこにいたのは、以前にアンドレアスが逮捕したことのあるトリスタンという男で、クスリでハイになって暴れていた。トリスタンは内縁の妻のサネに暴力を振るい、2人の間に生まれた生後7週間のソーフスをトイレに放置していた。ちょうど同じくらいの息子がいるアンドレアスは、糞尿まみれで凍えているソーフスを見て、強い怒りを感じる。

アンドレアスはすぐに福祉課へ連絡し、ソーフスを保護してもらう。サネはヒステリックに“息子を返して”と泣き叫んでいた。

帰宅したアンドレアスは、妻のアナに今日の一件を話す。アンドレアスはアナと息子のアレクサンダーを心から愛しており、育児にも協力的だった。アンドレアスは疲れ気味のアナを気遣い、夜泣きをするアレクサンダーを車に乗せて寝かしつける。

保護されたソーフスは、発育状況が良好なので、トリスタンとサラの元へ戻される。アンドレアスはトリスタンの虐待を報告し、彼を逮捕すべきだと主張する。

別れた妻が再婚し、息子と会えなくなったシモンは、酒浸りの日々を送っていた。アンドレアスは親身になってシモンのことを心配し、しばらく休養するように勧める。

アナは冷たい両親に育てられ、情緒不安定なところがあった。アンドレアスは、初めての育児で神経質になっているアナに優しく接し、彼女のことを支えてやる。一方、トリスタンは嫌がるサネに無理やり薬物を注射し、ソーフスの育児放棄を続けていた。

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映画『真夜中のゆりかご』のあらすじ【承】

ある晩、夜中に目を覚ましたアナは、ゆりかごの中でアレクサンダーが冷たくなっているのを発見する。アナの絶叫で目を覚ましたアンドレアスは、アレクサンダーに人工呼吸を施して、必死で息子を救おうとする。しかしすでに手遅れだった。

アンドレアスは救急車を呼ぼうとするが、アナは“通報したら自殺する”とヒステリックに騒ぐ。アンドレアスはとりあえず彼女を睡眠薬で眠らせ、アレクサンダーの遺体を抱いて病院の前まで来る。そこでシモンに電話をするが、クラブで酔いつぶれていたシモンは電話に気づかない。

アンドレアスは悩んだ末、トリスタンの自宅アパートへ向かう。アンドレアスが部屋に忍び込むと、トリスタンとサネは眠り込んでおり、汚物まみれのソーフスがトイレに放置されていた。アンドレアスは泣きながらアレクサンダーの遺体に汚物を塗り、ソーフスとすり替えてトイレの床に置く。アンドレアスは車の中で、ソーフスを抱きしめて泣き崩れる。

翌朝、目を覚ましたアナに、アンドレアスは全てを打ち明ける。アナはまだ現実を受け止めきれないでいた。アンドレアスはアナまで失うことを何よりも恐れており、ソーフスにとっても、この方がいいのだと自分に言い聞かせる。

一方、トリスタンは、アレクサンダーの遺体をソーフスだと思い込み、パニック状態に陥る。アレクサンダーの遺体を見たサネは、“ソーフスじゃない”と泣きわめくが、刑務所行きを恐れるトリスタンは、内密に遺体を始末することに決める。

昨夜の留守番電話を聞いたシモンは、心配してアンドレアスの自宅を訪ねる。しかしアンドレアスは、アナの体調不良を理由に、シモンを追い返す。アンドレアスは、トリスタンがソーフスの死を届け出ないことも気になっていた。

映画『真夜中のゆりかご』のあらすじ【転】

アレクサンダーの遺体を埋めたトリスタンは、ベビーカーに赤ちゃんを乗せたフリをして外へ出て、ソーフスの誘拐事件を偽装する。現場に駆けつけたアンドレアスは、“あの子をどうした!”と取り乱してしまう。シモンはアンドレアスの態度に違和感を感じつつも、サネを尋問することに決める。

警察署で事情聴取を受けたサネは、“あの子は死んでいない、あの子は違う”と繰り返す。アンドレアスだけには、サネの言葉の意味が理解できた。

アンドレアスが帰宅すると、アナは明るい表情で“上手くやれる”と言ってくれる。アンドレアスは安心するが、その夜、アナはソーフスを連れて姿を消す。

アナは湖にかかる高い橋の上で、ソーフスを抱いて佇んでいた。声をかけてくれたトラック運転手に、アナは“子供を車に乗せて”と訴える。アナは運転手に冷え切ったソーフスを押し付け、あっという間に橋の上から暗い湖へ飛び降りてしまう。

アナとソーフスがいないことに気づいたアンドレアスは、彼女の携帯を鳴らし続けていた。着信に気づいた運転手は、電話を取ってアンドレアスに事情を話す。アンドレアスはすぐに現場へ向かい、警察の大規模な捜索が行われる。翌日、アナは死体となって発見される。

事情を聞いて駆けつけたアナの両親は、いきなり葬儀の段取りについて話す。アンドレアスは自分の母親にソーフスの世話を頼み、トリスタンの取り調べを続ける。サネの自白と偽って、子供が死んでいた状況を具体的に話すアンドレアスの様子を見て、シモンはアンドレアスに不信感を抱く。サネは“死んだのはソーフスじゃない”と言い続け、精神病院に入れられていた。

映画『真夜中のゆりかご』の結末・ラスト(ネタバレ)

アンドレアスは、サネもトリスタンと同様のクズだと決めつけていたが、ソーフスの生存を信じ続けている彼女を見て、罪悪感を感じ始める。

アナの葬儀を終え、アレクサンダーもきちんと埋葬してやりたいという想いを募らせていたアンドレアスは、いい加減なことを言い続けるトリスタンに激昂し、取り調べ室で酷い暴力を振るってしまう。これにより、アンドレアスは謹慎処分となる。

トリスタンの勾留期間は延長され、ついにアレクサンダーの遺体が発見される。シモンはすぐにそのことをアンドレアスに伝える。

翌日、アンドレアスは朝一番で病院へ行き、監察医からアレクサンダーの死因を教えてもらう。アンドレアスは乳児突然死だと思い込んでいたが、アレクサンダーの死因は硬膜下血腫による出血だった。それは、アナがアレクサンダーを激しく揺さぶる虐待をしていたという証拠であり、監察医は“これは殺人事件よ”と断言する。

あまりに残酷な現実を知り、アンドレアスは強いショックを受ける。アンドレアスはシモンの制止を振り切って自宅へ帰り、ソーフスを連れて母親の別荘へ身を隠す。シモンは、改めてアレクサンダーの顔写真と事情聴取の録音音声を確認し、アンドレアスが何をしたのかに気づく。

別荘を訪ねてきたシモンに、アンドレアスは全てを打ち明ける。アンドレアスは、アナの心の闇に気づかず、息子を救えなかった事実に打ちのめされていた。そして、サネに心から謝罪したいと願う。シモンは、“職は失うが実刑はないだろう”とアンドレアスを慰める。

アンドレアスはソーフスを連れてサネの病院へ行く。サネはすぐにソーフスに気づき、涙を流して息子を抱きしめる。サネは、謝罪するアンドレアスを責めようとはしなかった。

それから数年後。ホームセンターで働いていたアンドレアスは、サネを見かける。サネと一緒にいたのは成長したソーフスだった。ソーフスの元気な姿を見て、アンドレアスの心は慰められる。

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