映画『メリダとおそろしの森』の概要:お転婆な王女メリダは、母親である王妃の厳しい教育にうんざりしていた。ある日、メリダは森の奥で魔女と出会い、母親の運命を変える魔法をかけてもらう。だが、魔法は王妃を熊へと変貌させてしまうのだった。母と子の絆を描くディズニーのファンタジーアニメ。
映画『メリダとおそろしの森』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アニメ
監督:マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン
キャスト:ケリー・マクドナルド、ビリー・コノリー、エマ・トンプソン、ケヴィン・マクキッド etc
映画『メリダとおそろしの森』の登場人物(キャスト)
- メリダ(ケリー・マクドナルド)
- 弓の名手。やんちゃでお転婆。型破りの王女。おしとやかとは、かけ離れている性格で、母親の王妃から厳しく躾けられることに鬱憤を貯めている。赤毛で父親にそっくり。3つ子の弟がいる。
- ファーガス王(ビリー・コノリー)
- 勇敢で巨漢の王。娘に甘くて熊嫌い。豪快な性格。
- エリノア王妃(エマ・トンプソン)
- ファーガスの妻で王妃。メリダを立派な王女にするべく、厳しく躾けるも言うことを聞かない娘にやきもきしている。
- 森の魔女(ジュリー・ウォルターズ)
- 森の奥で木彫りに勤しんでいる。白髪のおばあさん。
映画『メリダとおそろしの森』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『メリダとおそろしの森』のあらすじ【起】
ダンブロッホ王国のお転婆で型破りな王女であるメリダは、弓矢の名手。王女らしくおしとやかにしているより、森を駆け回る方が性に合っている。母親のエリノア王妃はそんな娘を王女らしくしようと、口うるさく厳しく躾ていた。だが、メリダには疎ましがられている。
そんなある日、メリダに3領主の子息との結婚話が持ち上がる。メリダはこれに断固反対の意思を示し、エリノアと喧嘩してしまう。
母子は互いの主張をするばかりで、互いの話を聞こうとしない。面と向かい腹を割って話すことすらしないのであった。
いよいよ、領主たちが息子を連れてやって来た。だが、領主たちは自分の息子を推すあまり、あることないことを主張。そのせいで、乱闘騒ぎとなる。父王ファーガスは乱闘を止めるばかりか、参加する始末。静観していた王妃は乱闘を止め、メリダに相応しい夫君を選ぶべく条件を提示した。それは弓矢勝負である。
映画『メリダとおそろしの森』のあらすじ【承】
早速、王国ではお祭り騒ぎが始まり、3人の子息による弓矢勝負が行われた。
3人の子息たちはそれぞれに個性的だったが、メリダにはとても似合わない。彼女は自らが弓を持ち、その腕前を披露。彼女の腕前は素晴らしいものだった。
これにより、憤怒したエリノアとメリダは口論となり、王妃は成り行きでメリダの弓を燃やしてしまう。
母親の仕打ちにショックを受けたメリダは、城を飛び出して森の奥へと迷い込んでしまう。彼女はそこで鬼火を見つけ、追って行くうちに森の魔女の元へと辿り着くのであった。
木彫り師と言い張るおばあさんは、しきりに自分の作品を買えと言う。メリダは身に着けていたメダルと交換で木彫りを全て買い取ることにし、母親の運命を変える魔法を頼んだ。
魔女は意気揚々と魔法を完成させ、1つのケーキを作り上げる。
それを受け取ったメリダは城へ帰り、和解の印と称してエリノアにケーキを食べさせた。王と王妃の計らいで、どうやら婚約の話は破棄されたようだが、挨拶へ向かわなければならない。だが、エリノアは宴会場の手前で突然、体調不良を訴えて寝室へ。横になったエリノアだったが、悶えてベッドから落下。そうして、巨大な熊へと変貌してしまうのだった。
熊になってしまったエリノアは大混乱。メリダは魔法のせいだと言う。熊嫌いのファーガスに見つかれば大事になると察したメリダは、必死にエリノアを城から逃がそうと奮闘。だが、エリノアは意に反して勝手に動き回る。三つ子の弟たちの協力により、エリノアとメリダは城外へと逃亡することに成功する。
映画『メリダとおそろしの森』のあらすじ【転】
森の奥へやって来たメリダとエリノア。魔女の家へ行こうにも鬼火は現れない。とにかく先へ進み、ようやく家を見つけるも廃屋同然の様子。中に入ると仕掛けが作動し、魔女からの伝言を聞くことができた。
話によると魔法を解くには、心の中を見つめ、裂いた絆を繕うことが必要らしい。どういう意味なのか。理解できなかったメリダは、魔女と会えないことに失望してしまう。
熊に変貌し言葉が話せないエリノアとメリダは、とにかく一休みして朝を待つことにした。翌朝、朝食を用意してくれたエリノアだったが、摘んできた木の実には毒が入っていたし、汲んで来た水には虫が入っていた。城外にほとんど出ることのないエリノアには、森を生き抜く知識が皆無なのである。メリダは母親に魚を捕って与えた。
最初は生で食べることを嫌がっていたエリノアだったが、メリダと川で魚を捕ることに夢中となり、母子は心を許し合うようになる。しかし、夕方になってエリノアに異変が現れる。熊の本性が彼女を支配し始めたのだ。
あわや娘を傷つけそうになり、正気に戻ったエリノア。メリダは母親を失う不安に駆られる。辺りが暗くなった頃、再び鬼火に導かれ森の深奥へと向かった2人は、そこで大昔に運命を変えた者の末路を目にする。
崩れた廃城は伝説の4人の兄弟王子の城だった。
その昔、4人の兄弟王子は玉座を巡って競い合っていた。何としても玉座が欲しい長男のモルデューは、魔女に運命を変える魔法を頼み、自らを熊の姿に変貌させ国を滅ぼしたのだ。
熊のモルデューは、メリダの父王ファーガスの宿敵でもあった。
廃城には未だ、モルデューが住んでいる。メリダは野生と化したモルデューに襲われてしまう。命からがら逃げだしたメリダは、エリノアと共に逃走。早く魔法を解かなければ、母親もモルデューのように野生化してしまう。
映画『メリダとおそろしの森』の結末・ラスト(ネタバレ)
メリダとエリノアは城へ戻った。城の大広間では、3領主とファーガスが政権を競って争っていた。奥の部屋へ向かうには大広間を通らなければならない。エリノアとメリダは、身振り手振りでコミュニケーションを取り、奥の部屋へ向かう策を弄した。
メリダは自分が身勝手な行動をして、争いを巻き起こしてしまったことを謝罪し、3領主との争いを治める。メリダの機転により、エリノアを無事に奥の部屋へ。そこには王と王妃、そしてメリダの3人を描いたタペストリーがある。怒りのあまり、タペストリーを切り裂いてしまったメリダ。これを繕えば魔法が解けるはずだと思い、裁縫道具を探そうとする。しかし、ここにきてエリノアが熊の本能に支配されてしまう。
休んでいるはずの王妃の部屋へ向かったファーガス王。エリノアが姿を消していることに驚愕。王妃を探してメリダがいる部屋で熊を発見してしまう。熊と王は戦いを繰り広げ、誤ってメリダを傷つけてしまうエリノア。正気に戻って森へと逃走する。
メリダはファーガスに、熊は王妃だと必死に弁解するも、王は信じず。メリダを部屋に閉じ込めてしまう。
メリダは急いでタペストリーを繕い、三つ子の弟たちと協力して共に森へ走った。実は弟たちも魔法のケーキを食べて熊になっていたのである。
一方、エリノアはとうとう追手に捕まってしまう。そこへメリダが登場。母親を守るべく父王と対峙する。
走り行くメリダを追って現れたモルデューにより、更に場が騒然となった。執拗にメリダを襲うモルデュー。それを見たエリノアは娘を守るため、奮起して荒熊と争い合う。そうして、モルデューは割れた石の下敷きとなって斃れた。
メリダは母親にタペストリーをかけて魔法が解けるのを待った。朝日が昇る。だが、魔法は解けず母親であった熊は、野生と化してしまう。
娘は涙ながらに心から、自分が間違っていたと母親に謝った。熊を抱き締めたメリダを朝日が照らす。すると、彼女を抱き締め返す手が。エリノアの魔法が解けたのだ。そして、弟たちの魔法も解け、家族は互いを理解し絆を深め合ったのだった。
映画『メリダとおそろしの森』の感想・評価・レビュー
ピクサー作品の中では、あまり好きではない作品です。理由はメリダの自己中心的な性格。自分が原因でトラブルが発生しているのに、一向に反省しない姿にストレスが溜まります。最終的には、反省し母と和解するので、メリダの成長譚として観ればいいのかもしれないのですが…。ただ決して悪いだけではなくてスコットランドの文化や魔女のおばあちゃんなど興味深い点もあります。それでも、近年のディズニー作品「塔の上のラプンツェル」や「アナと雪の女王」と比べると弱い気がします。頑張れ、ピクサー。(男性 20代)
王妃がクマになって、メリダと森で過ごすことで二人の気持ちの距離が縮まるのが良かったです。王族としての品格を重要視していた王妃が魚を取ったり、お互いを理解するきっかけができたのだと思いました。たまに野生化してしまう王妃がメリダを傷つけて自分のしたことに驚くシーンは、セリフがないのに感情が伝わってきました。
結婚話を押し付けられて反発する気持ちから、母を変えてほしいという願いは結果として叶ったので、おばあさんの魔法は正しかったのかも?(女性 40代)
配給がディズニーにしては、少し絵のタッチや雰囲気が違う作品だなと感じました。北欧の文化を取り入れているからかとも思いました。ただ、子供が観るにしては少し怖い部分もありました。
主人公の王女が城を飛び出す理由や森に魔女がいて王女と取引をするストーリーなどは、単純過ぎたのではないかとも感じ取れました。(女性 30代)
ピクサー初のプリンセスが主人公の作品だが、恋愛要素はなく母との絆をメインにしたストーリー。偶然にも私はこの映画を母と一緒に見たのだが、お互い「ああ、わかるなぁ」と思うシーンの連続で、最後は2人して感動し泣いてしまった。
親子だからといって、すべてを理解できるわけではない。自分をわかってもらうために思いを伝えること、相手のことを理解しようと歩み寄ることができてからこそ、映画の最後にメリダが言っていたように、自分の中の「運命」と向き合うことができるのかもしれない。(女性 20代)
ディズニーにしては暗く、ミュージカル部分が薄いので人によっては評価が変わる映画。ただ個人的には、母親と娘の微妙な関係に丁寧に切り込んだ作品としてシナリオは評価が高い。
メリダに共感できるかどうかが、楽しめるかどうかの肝になる。リアルにこういう状況ってあるよね、というお話に受け入れられるか、拒絶反応が出るか。「ああ、この年頃の女の子ってこうだよね」と思うか「我儘な娘だな」と思うか。
ある程度大人になって精神的余裕をもってから見た方が理解しやすいかも知れない。(男性 30代)
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