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映画『ミッドナイト・ガイズ』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『ミッドナイト・ガイズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミッドナイト・ガイズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ミッドナイト・ガイズ』の結末までのストーリー
  • 『ミッドナイト・ガイズ』を見た感想・レビュー
  • 『ミッドナイト・ガイズ』を見た人におすすめの映画5選

映画『ミッドナイト・ガイズ』 作品情報

ミッドナイト・ガイズ

  • 製作年:2012年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:コメディ、フィルムノワール、ヒューマンドラマ
  • 監督:フィッシャー・スティーヴンス
  • キャスト:アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン、アラン・アーキン、ジュリアナ・マルグリーズ etc

映画『ミッドナイト・ガイズ』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『ミッドナイト・ガイズ』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『ミッドナイト・ガイズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ミッドナイト・ガイズ』 あらすじ【起・承】

ヴァル(アル・パチーノ)は今日刑務所から出所した。迎えに来ていたのは長年の親友のドク(クリストファー・ウォーケン)。ヴァルにとっては28年ぶりのシャバだった。

ヴァルの希望で売春宿へ行くが、ヴァルは調子が出ない。そこで2人はドラッグストアへ忍び込んであれこれ薬を盗む。ヴァルとドクは元ギャングで、一緒にあらゆる悪さをしてきた仲だった。ヴァルは精力剤を大量に飲み再び売春宿へ行き、久しぶりに楽しむ。

しかしドクはずっと憂鬱だった。彼はギャングのボス・クラップハンズから明朝10時までにヴァルを殺せと命じられていたのだ。ヴァルはあるアクシデントからクラップハンズの息子を殺してしまった。それは彼だけの責任ではなかったがヴァルは一人で罪をかぶって28年も服役した。

ドクはクラップハンズにヴァルは殺せないと言うが聞き入れてもらえない。さらに手下を使い、ドクを追いつめる。大量に飲んだ精力剤のせいでヴァルは体調がおかしくなり、車の中で意識をなくす。ドクは一瞬ヴァルを殺そうかと考えるが、病院へ連れていく。

偶然にも、ヴァルを運んだ病院の看護師・ニナは2人の昔の仲間ハーシュ(アラン・アーキン)の孫だった。彼女の話からハーシュが今老人ホームにいることがわかる。

ヴァルの体調は戻り、2人はドクがお気に入りのアレックスというウェイトレスのいるレストレンへ行く。そこでヴァルは“自分を殺るのはお前だろう?”とドクを問い詰める。そして、ドクも全てを白状する。ドクは逃げろと言うが、ヴァルは今のままでいいと言う。そして残された9時間を楽しもうと考える。

まずは路駐していた高級車を盗難し、2人はハーシュを迎えに行く。肺気腫を患い酸素マスクをしていたハーシュは、2人の姿を見て興奮し、迷うことなく施設を抜け出す。

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映画『ミッドナイト・ガイズ』 結末・ラスト(ネタバレ)

車の運転が得意なハーシュは高級車をぶっ飛ばし、ハイウェイを暴走する。追ってきたパトカーと派手なカーチェイスを繰り広げ、見事に逃げ切る。

“ずっとやりたかったことは何だ?”というヴァルの問いにハーシュは“女2人とヤルこと”と答える。早速売春宿へ行き、ハーシュの希望を叶えてやる。

車に乗り込んだ3人はトランクに裸の女が積み込まれているのを見つける。彼女はシルヴィアと言い、この車の持ち主に拉致され男4人にレイプされたあげく、トランクに積まれ気を失っていたのだ。

アレックスのレストランで彼女の話を聞いた3人は、その男たちを懲らしめに行くことにする。ハーシュは車で待ち、ヴァルとドクは奴らの溜まり場へ乗り込み彼らを縛り上げる。警察に通報した上でシルヴィアを呼び、彼女に復讐させてやる。

ヴァルとドクが車へ戻ると運転席のハーシュは息絶えていた。2人はニナと一緒にそのままハーシュをお墓に埋めてやり、静かに友を弔う。

残り時間は4時間となり、2人はアレックスのレストランで朝食をとることにする。行方が分からないと言っていた孫はアレックスなのだろうとヴァルは言い当てる。ドクはそれを認め、再びクラップハンズに電話をしてヴァルは殺せないと言う。しかし、クラップハンズはアレックスの存在を知っており、彼女を使ってドクを脅す。ドクは店にアレックスへのメモと家の鍵を残しておく。

ヴァルは殺されるつもりで教会へ行き懺悔も済ませる。2人は洋品店に忍び込み、死装束のスーツを選んでいるところへクラップハンズの手下がやってくる。ドクはヴァルに銃を向けた手下を撃ち、自分の邪魔をするなと言う。

正装した2人は固く抱擁を交わす。ドクはアレックスと電話で話し、真実を伝える。そして2人は銃を手にクラップハンズの事務所を襲撃する。

映画『ミッドナイト・ガイズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ミッドナイト・ガイズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

渋々の男の世界

ヴァルが28年ぶりに出所してきて親友のドクと再会してからの濃厚な1日を描いた本作。ヴァルが羽目を外した末に病院送りになったり、老人ホームへ入れられた仲間のハーシュを助け出しパトカーと派手なカーチェイスを繰り広げたりと、あれこれいろんなことがあるのだが、物語の主軸は“ドクがヴァルを殺るのかどうか”にある。

ドクはヴァルがボスの息子を殺したことは事故であり、さらに自分を含めた仲間を彼がかばい続け一人で罪をかぶっていることも全て知っている。逆にヴァルはドクがボスに逆らったらどうなるか、そして彼がどんなに苦しんでいるか理解できるから素直に首を差し出している。もちろんボスへの忸怩たる思いはあるが、どうせ殺られるなら親友のドクに殺られるのが一番いいと思っている。

ドクは殺らないだろうとは思いつつ、裏の世界で生きてきた2人だけにそこが分からない。この世界には独特のルールと価値観がある。最後には孫のアレックスまで使って脅されるドクがどんな選択をするのか。ずっとわからないまま迎えた結末は…かっこよすぎるんですけど〜!くさいけどかっこいい。まさに渋々の男の世界。

不思議と共通点の多い2作品

2012年の撮影時。ヴァルを演じたアル・パチーノは72歳。ドクを演じたクリストファー・ウォーケンが69歳。ハーシュを演じたアラン・アーキンはなんと79歳。はっきり言って3人とも本物のおじいちゃんだ。本作では老いることのおかしさや悲しさと、変わらぬ男の友情をこのベテラン3人をキャスティングしてじっくりと見せている。

2013年11月に公開された「ラストベガス」にもマイケル・ダグラスやロバート・デ・ニーロといったベテラン俳優が集められ老いと友情がコメディちっくに描かれた。そして描き方は異なるが似たような企画の本作「ミッドナイト・ガイズ」の公開が2013年の2月とは、単なる偶然だろうか?

どちらの監督も1963年生まれであり、この名優たちが出演した映画を観て育ち、彼らに憧れてきた世代なのではないかと推測する。憧れの俳優を集結させた映画を撮りたいと思う監督の気持ちは映画ファンとしてよくわかる。自分が一人前になって憧れの人と仕事ができるというのは、どんな世界でも心ときめくことだろう。あくまで推測だが、この2作品がそんな理由でたまたま同時期に製作されたとしたら、夢があって楽しいではないか。

映画『ミッドナイト・ガイズ』 まとめ

アメリカ映画としてはこじんまりした印象だし絵面も地味だが、じわじわ面白くなってくる渋い作品だ。

アル・パチーノとクリストファー・ウォーケンの演技をじっくり見られる演出は個人的には好きだった。28年ぶりにシャバへ戻ったという設定なので、最初はテンションの高いアル・パチーノがストーリーの進行に合わせて少し疲れたようになり、落ち着いていく。この計算された演技によって時間経過がとてもリアルに伝わり、物語もどんどん面白くなる。クリストファー・ウォーケンの抑えた演技も心地いい。

ラストで銃をぶっ放す2人は渋すぎる。特にアル・パチーノはやっぱり最高。もっと観たい!と思うあたりで終わってしまうのも憎い演出だ。映画としての冷静な総合評価はそれほど高くはないが、個人的には枯れ気味のアル・パチーノを堪能できた萌える一本だった。


アル・パチーノとクリストファー・ウォーケンという大御所の共演だけで、すでに期待値は高かったですが、その期待を裏切らない人間ドラマでした。出所したヴァルを待つのは、旧友ドクの“暗殺任務”という皮肉。なのに、その夜はまるで青春の再現のように楽しく、切なく、美しい。最期の銃撃シーンには痺れました。(40代 男性)


老人たちの“最後の夜”が、こんなにロマンティックで哀愁に満ちているとは思わなかった。ドクが葛藤の末にヴァルとの時間を選び、あえて銃を取ったあのラストは、本当の友情とは何かを教えてくれた気がします。若さや暴力の裏にある「人としての矜持」に触れる、切なくも優しい物語でした。(50代 女性)


昔はヤバい仕事をしてた男たちが、年老いてもまだ「筋を通す」ことにこだわってるのがすごく渋い。ヴァルとドクのやりとりはときに笑えて、ときに泣けて、最後の銃撃戦までの24時間が濃厚すぎる。終わったあと、静かにジワっとくる映画でした。老いてなおカッコいいって、こういうことかも。(30代 男性)


アル・パチーノのユーモアと哀愁が光る作品。娼婦を助けたり、車を盗んだり、まるで最後の青春旅行のような一夜だけど、裏には“殺される覚悟”があると思うと切ないです。ドクが選んだ結末は友情か、それとも贖罪か…。銃を持って歩く彼らの背中に、言葉以上のドラマが詰まっていました。(40代 女性)


ヴァルが出所して最初に会ったのが、彼を殺す役目を与えられたドクという皮肉。なのに二人は、まるで何もなかったかのように馬鹿をやって遊び、昔話をして、そして最後に並んで歩く。あの銃を構えるラストシーンの潔さと、静かな覚悟に惚れました。年老いたアウトローたちの、美学の物語。(60代 男性)


ストーリーはシンプルだけど、とにかく登場人物が魅力的。若い頃の罪が、年老いてからも尾を引き、ついに命を懸けた決断を迫られる。その運命に逆らわず、むしろ自分で選ぶという潔さが渋すぎました。派手な演出はないけど、静かに熱い。エンディングは涙と拍手を送りたくなるほど。(30代 女性)


最初はただのクライム映画だと思っていたけど、気づけば“老い”と“友情”について深く考えさせられる作品でした。ドクとヴァルのやりとりが本当に人間くさくて、それがたまらなく愛おしい。命の最後に誰と過ごしたいか――そんな問いを投げかけられてるような気がしました。(20代 男性)


スタイリッシュさよりも、“哀愁”で押してくる作品。全体に流れるブルースのようなテンポと、無駄のないセリフ回しが最高にクール。ヴァルが全てを悟っていて、でもドクを責めないところに、男の友情の本質を感じました。アクション映画というより、心に残る小さな人生劇場です。(60代 女性)


人生の終盤に差しかかる中で、自分の“けじめ”をどうつけるか。そんな問いに正面から向き合った作品でした。銃を向けるべきか、友情を貫くか。最終的にドクが選んだのは、死ぬ覚悟より生きる矜持だったのだと思う。静かな演技と夜の風景が心に沁みました。アル・パチーノ、最高でした。(40代 男性)


冒頭から漂う“別れの予感”がずっと胸に引っかかっていて、ラストにはやっぱり涙が出ました。彼らがしたことは許されることではないかもしれないけれど、彼らの友情と誠意は本物だったと思う。過去と向き合い、最後に笑って終われる人生って、案外すごいことなのかもしれない。大人のための映画です。(30代 女性)

映画『ミッドナイト・ガイズ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミッドナイト・ガイズ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

グラン・トリノ

この映画を一言で表すと?

老いた男の心が動き出す、静かで力強い“贖罪”の物語。

どんな話?

頑固で孤独な元軍人ウォルトは、隣人のアジア系青年タオとの出会いをきっかけに、自分の過去や偏見と向き合い始める。静かに築かれていく絆と、彼が下す最後の選択が観る者の心を打つ感動のドラマ。

ここがおすすめ!

『ミッドナイト・ガイズ』と同様、年老いた男たちの“最期の意地”が描かれています。イーストウッドの名演と不器用な優しさが沁みわたる名作で、年を重ねた男にしか出せない哀愁と強さがここにあります。

レザボア・ドッグス

この映画を一言で表すと?

裏切りと友情の狭間で揺れる、男たちの破滅のバレエ。

どんな話?

強盗団の仲間の中に警察の内通者がいる…血まみれの倉庫で疑心暗鬼に陥る男たちの緊迫した心理戦が展開する。タランティーノ監督の原点にして、セリフの応酬だけで魅せる異色のクライムドラマ。

ここがおすすめ!

『ミッドナイト・ガイズ』と同じく、“信じていた男に銃を向けなければならない”という関係性が切なくも熱い。過去の絆と今の現実のはざまで揺れる男たちのドラマは、スタイリッシュでありながら情感たっぷりです。

ヒート

この映画を一言で表すと?

運命に導かれた男たちの、壮絶で静かな対決。

どんな話?

プロの強盗ニールと、彼を追う刑事ハンナ。犯罪者と捜査官という立場でありながらも、どこか似た孤独を抱える2人が、互いの人生をかけた攻防を繰り広げる。重厚な犯罪ドラマの傑作。

ここがおすすめ!

アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが見せる緊張感のある共演は圧巻。『ミッドナイト・ガイズ』でも描かれた“年齢を重ねた男たちの生き様”と“友情と宿命”が、本作でも濃密に表現されています。

ダーティ・グランパ

この映画を一言で表すと?

破天荒すぎるおじいちゃんが、人生の楽しみ方を教えてくれる!

どんな話?

真面目な孫が、破天荒な祖父に振り回されながらフロリダ旅行に出発。下ネタ全開、でもどこか人生の本質を突いてくるロードムービー的コメディ。笑って泣けて、心が少し軽くなる作品。

ここがおすすめ!

『ミッドナイト・ガイズ』のように、“老いても人生を楽しむ”男の姿が魅力的。笑いの中に、老いと死、家族、愛といったテーマもさりげなく盛り込まれており、軽快ながら深みのある作品です。

サンセット大通り(1950)

この映画を一言で表すと?

栄光の過去に取り憑かれた者の、哀しくも美しい破滅譚。

どんな話?

かつての大女優ノーマと、売れない脚本家ジョーの奇妙な同居生活。過去の栄光に縋り続けるノーマの狂気と孤独が、ゴシック調の雰囲気とともに描かれる。名作として語り継がれる心理ドラマ。

ここがおすすめ!

『ミッドナイト・ガイズ』が描く老いと誇りの物語と重なる部分が多い本作。どこか滑稽で、でも切実で、どうしようもなく人間的。ラストシーンの破壊的な美しさは、映画史に残る名場面です。必見。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. a より:

    ラストで、アルパチーノが勝つところを見たかったです!