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映画『ミスエデュケーション』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ミスエデュケーション』の概要:両親を亡くし熱心なキリスト教徒の叔母と暮らしているキャメロンは、自身がレズビアンであることを隠して生活していた。ある時同性とセックスしていることがバレた彼女は、同性愛を“治療”する矯正施設へと入れられてしまう。

映画『ミスエデュケーション』の作品情報

ミスエデュケーション

製作年: 2018年
上映時間:91分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:デジレー・アカヴァン
キャスト:クロエ・グレース・モレッツ、ジョン・ギャラガー・Jr、サッシャ・レイン、フォレスト・グッドラッグ etc

映画『ミスエデュケーション』の登場人物(キャスト)

キャメロン(クロエ・グレース・モレッツ)
女子高生。交通事故で両親を亡くしてから、保守的な思想を持つ叔母の元で暮らしている。同性のコリーと恋に落ち体を重ねたが彼氏に見つかり、それを知った叔母によって同性愛矯正施設「神の約束」に入ることになる。
リック(ジョン・ギャラガーJr.)
「神の約束」牧師。同性愛者だが、熱心なキリスト教徒でセラピストの姉・マーシュの“治療”によって異性愛者になった。施設職員のベサニーと交際しているが、キャメロンから見れば「無理してる」ように見える。
ジェーン・フォンダ(サッシャ・レイン)
コミューン育ちの少女。名前のジェーン・フォンダはあくまで自称。周囲から浮いている彼女は、アダムと共に裏山で大麻を栽培しては隠れて一服している。
アダム(フォレスト・グッドラック)
先住民。彼らの一族は独自のアニミズムを信仰しており同性愛も許容されているが、近代化が進み父親が議員となったことで、世間体を気にした家族によって施設へ入れられてしまった。マーシュからは民族の伝統的な髪型すら否定されてしまう。

映画『ミスエデュケーション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ミスエデュケーション』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ミスエデュケーション』のあらすじ【起】

1993年。女子高校生のキャメロンは、聖書の授業で出会った同性のコリーと恋に落ちた。二人にはそれぞれフェイクの彼氏がいたが、プロムの日を迎えると隠れて体を重ねた。しかし、キャメロンの彼氏・ジェイミーにそれが見つかってしまい、報告を受けた叔母は泣き崩れた。

キャメロンは「神の約束」への入所が決まった。叔母に送られ施設へと入った彼女は、持参したザ・ブリーダーズのカセットを、神を賛美していないという理由で没収された。同室のエリンは既に“治療”が進んでおり、正しい相手と付き合うことで神に近付いているのを感じるとキャメロンへ語り、マークという生徒に恋をしていると教えてくれた。

授業が始まると、施設長のマーシュ博士がキャメロンの元を訪れた。キャメロンは、自身をキャムという愛称で呼んでほしいと言ったが、笑顔だったマーシュは突然無表情になると「元々男性名であるキャメロンを縮めると、余計に性別の混乱を招く」と叱った。

授業を終えランニングをしていたキャメロンは、貯蔵庫に入ったジェーン・フォンダとアダムが大麻を吸っている場面を目撃した。

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映画『ミスエデュケーション』のあらすじ【承】

キャメロンはリック牧師とベサニーによる面談を受け、氷山の書かれたプリントに同性愛以外の問題も書き出してみようと言われた。同性に惹かれることは大罪であるためそこにばかり焦点が当たるが、背景にある問題を可視化すれば“治療”できると言うのだ。唖然として彼らの話を聞くキャメロンだったが、ベサニーは「同性愛は過ちよ、他の罪と変わらない」「自分を同性愛者と思わないで」などと彼女を励ました。キャメロンは「わたしはわたし」と反論したが、彼女は「あなたはキリスト教徒よ。リックも病気を克服したのよ」と畳みかけた。

何も思い浮かばないキャメロンは、他の生徒の「氷山」を見て回った。それを見たジェーンは、スポーツ経験と親とのふれあいを書けば満足してもらえるとアドバイスをした。周囲と異なる雰囲気の彼女に興味を持ったキャメロンは、貯蔵庫で見たことを打ち明けた。ジェーンはキャメロンを誘ってアダムと三人で裏山へ登ると、栽培している大麻を囲んで主にマーシュへの不満を語り結束を固めた。

キャメロンは、リックに誘われ二人で卓球をした。そこでリックは、かつては自身も施設に入っていたが抜け出してゲイバーへ行き、自分を連れ戻しに来た職員がバーへ乗り込んで来た時に考えを改めたと語った。

映画『ミスエデュケーション』のあらすじ【転】

キャメロンは、打ち解けたジェーンとアダムからコリーだけ施設に入っていないことを指摘され、「あんただけ損してるよ」と彼女を忘れるよう言われたが、想いは断ち切れなかった。そんな折、セラピーの中でコリーについて「完璧な子」と説明したキャメロンは、マーシュから「勘違いよ。恋心ではなくただの憧れ」と言われてしまった。

職員に引率されダイナーで食事をしていたキャメロンは、隙を見てコリーに電話をした。彼女はプロムの夜のことを謝罪したが、コリーは手紙を送ったとだけ答えた。

しばらくして、マーシュの手元で止まっていたキャメロン宛ての郵便物が全て手渡された。ようやくコリーからの手紙を開封したキャメロンは、「友情を利用したあなたを軽蔑するわ。わたしはストレートよ」と書かれた手紙に絶句し、ジェーンとアダムにもそれを見せた。告発したのがコリーだったと知った二人は共に怒り、ジェーンは手紙を破り捨ててくれた。

その夜、キャメロンはこっそりと叔母へ電話を掛けた。「帰りたいと言ったら許してくれる?」と泣き付く彼女へ、叔母は「愛しているからもう少しがんばって」と声を掛け突き放した。

映画『ミスエデュケーション』の結末・ラスト(ネタバレ)

キャメロンは、エリンと共に「ヘヴンビクス」で体を動かすようになった。早朝から共に汗を流し、一層自分と向き合うようになったキャメロンは「氷山」も完成させることができた。そんなある日、コリーとの淫夢を見たキャメロンはエリンに起こされた。彼女はキャメロンの喘ぎ声に欲情しており、二人は体を重ねた。しかし、キャメロンがオーガズムに達した時にエリンは我に返り、慌てて自分のベッドへ戻って行った。

あるセラピーで、マーシュは生徒のマークに彼の父親の話をさせようとした。しかし、帰宅間近だった彼は父親から「今のままでは帰宅を認められない」との手紙を受け取っており、自分を受け入れて貰えずパニックに陥ったマークは錯乱。マーシュはそんな彼を踏みつけた。その夜、マークは浴室で性器を切り刻み自殺しようとした。

マークの自殺未遂を「事故」と説明する施設に対し、第一発見者だったキャメロンはその異常性を再確認した。彼女は、マークの件で施設の教育状況を調査しに来た外部の弁護士へ「自分自身を憎ませる指導は精神的虐待だ」と訴えた。

翌日、キャメロンとジェーン、アダムの三人は、早起きをして裏山へ向かうと「氷山」を燃やした。彼らはそのまま山を抜けて国道へ向かい、ヒッチハイクで捕まえたトラックに乗り施設を後にした。

映画『ミスエデュケーション』の感想・評価・レビュー

宗教によって否定されるLGBTQを描くハードな物語だが、青春映画としての幼くも爽やかな映像描写がその重みを紛らわしてくれる。

施設の人間がしきりに「同性愛は罪」「“治療”すれば改善する」と言い切るのには辟易した。これ以上映画を観るのを辞めようかと思うほど腹立たしかったが、キャメロンとジェーンとアダムはラストで最適な選択をした。話の通じない人間からは離れるのが一番だ。彼らのように、相容れない価値観を自分の側へ矯正しようなどというのは最も愚かな考えである。理解しようとしても叶わないのなら、遠ざかるのが最良の判断だ。(MIHOシネマ編集部)

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