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映画『ミツコ感覚』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ミツコ感覚』の概要:東京の郊外で二人暮らしをする姉妹を中心に、関わりを持っていく人たちとのやり取りを切り取っていく一作。ソフトバンク「白戸家」シリーズなど人気CMを手掛けてきた山内ケンジの長編デビュー作。

映画『ミツコ感覚』の作品情報

ミツコ感覚

製作年:2011年
上映時間:106分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:山内ケンジ
キャスト:初音映莉子、石橋けい、古舘寛治、三浦俊輔 etc

映画『ミツコ感覚』の登場人物(キャスト)

ミツコ(初音映莉子)
写真を専攻する学生。姉のエミと東京の郊外で二人暮らしをしている。父親を嫌い疎ましく思っている。恋人と別れたばかりで無気力な状況。
エミ(石橋けい)
ミツコの姉。会社の上司である松原と結婚を前提に交際しているが、不倫関係であることをミツコに指摘されてしまう。少し抜けているがしっかりして見えるOL。
松原(古舘寛治)
エミの上司であり恋人。妻との関係に終止符を打つ予定で、エミとの結婚を前向きに検討しているが常に他の女性にも目を向けているプレイボーイ気質。
三浦(三浦俊輔)
突然ミツコに河原で声をかけてきた不審な男性。実はミツコを以前から一方的に知っていて好意を持っていた。

映画『ミツコ感覚』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ミツコ感覚』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ミツコ感覚』のあらすじ【起】

河原で黙々と写真を撮るミツコに不審な男が話しかけてきた。学生であるミツコに「プロの方ですか?」と聞いてくる見当違いな男を無視し、ミツコは写真を撮り続ける。しつこく視界に入ってくる男は写真雑誌の編集者だと名乗る。「毎月」新人紹介をしているという男・三浦だが、あやふやな内容にミツコは不信感を抱き逃げるように公園まで向かった。

偶然にも姉・エミと鉢合わせる。互いに三浦に不信感を抱き、その場を去ろうとしたがエミは突然「どこかで会ったことがあるような気がする」と言い出してしまう。中学の同級生だと会話を合わせた三浦だが、エミは思い出すことはできなかった。

お茶でもどうかと誘う三浦を追い払おうとした時、エミの上司・松原が居合わせた。なんとか三浦と別れ、松原も共に家に戻ったがミツコは二人の関係を疑っている。家を父親が売りたがっていることや、姉妹間での話題を松原が知っていることに気分を損ねたミツコは家を出ようとするがエミは深刻な表情で引き留めるのだった。

ミツコは頑なに二人の話を拒絶するが、松原は自分の離婚が成立しそうだと話題を切り出した。父親が不倫していたことで、母を失ったと思っているミツコはエミが不倫関係にあった事実自体を受け入れられずにいる。なだめながらも理解してもらうとするエミだが、ミツコの感情はおさまらなかった。

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映画『ミツコ感覚』のあらすじ【承】

突然チャイムが鳴り三浦が再び訪ねてきた。本当に同級生かわからないミツコは家を知っているはずもないと不審がる。しかし、玄関先からエミの笑い声が響く。様子を見に行こうとする松原を止めるミツコは、感情をぶつけてしまったことを謝罪する。

エミは三浦をリビングに上げ、ミントティーを振る舞った。玄関先で三浦が披露したという学生時代の先生のものまねに何度も笑うエミだが、ミツコは不信感を深めていく。そのとき、松原の妻から連絡が入る。帰宅するという松原を引き留めるエミは玄関先で話し込んでしまった。その矢先、ミツコの悲鳴が聞こえる。なんと三浦はミツコに抱きつこうとしたというのだ。ズボンを脱いでいる三浦を目の当たりにし、警察を呼ぼうとしたエミだが泣きながら詫びる三浦に同情し、大事にせず家から追い払うのだった。

エミとの関係性に悩むミツコは、家を出て近所のスナックで働くことにする。ある日ミツコが帰宅すると、三浦と三浦の姉という女性が家の前で待っていた。ミツコから連絡を受け仕事を抜けて帰宅したエミは、縛り上げられた三浦が姉に叩かれている様子をミツコが写真を撮っているという異様な光景を目の当たりにした。

ミツコに一方的に好意を抱いていた三浦は、いつもミツコと一緒に居た男性がいなくなったことに気付き話しかけたというのだ。話していたことは全て嘘だった三浦は、「もう二度と現れない」と約束し去って行くのだった。

映画『ミツコ感覚』のあらすじ【転】

ミツコの恋人がいなくなったことを知らなかったエミは、どういう状況か聞き出そうとする。さらにスナックで働くことを知りミツコの考えていることが分からなくなるのだった。その後、松原と「話すだけ」といいラブホテルに入ったエミはミツコが働くスナックに偵察に行ってほしいとお願いをした。松原も妻と会ってほしいと本題を済ませ、部屋を出た二人は三浦と三浦の姉と遭遇してしまうのだった。

ミツコが働くスナックに元恋人の同僚が訪ねてきた。スーダンに行ったという恋人は現地の暴動に巻き込まれ命を落としたと知らされ、気を落とすのだった。ママが先に帰ってしまい店の片づけをしていると、偶然にも三浦と三浦の姉がスナックを訪ねてきた。ヤケ酒が進むミツコは朝まで飲み明かすのだった。

エミと松原の関係は社内でも広まっていた。一度松原と関係を持っていたエミの後輩は嫉妬し、松原を誘惑しようとする。そんな事態とは知らず松原の妻と対面する日のために、エミは準備に必死である。しかし、予定とは違う日に松原の妻が突然自宅を訪ねて来たのだった。

映画『ミツコ感覚』の結末・ラスト(ネタバレ)

松原の妻はとても気さくに接してくれる女性であった。安堵しながらも謝罪するエミに対して、「主人の引継ぎのようなものだから」と言い切った。しかし子供について触れたとき妻の表情は一変した。トイレに立った妻は、台所で手首を切り倒してしまうのだった。

その頃、松原はミツコの働くスナックにいた。「義理兄になる予定の人」と常連客に紹介した矢先、妻が病院に運ばれたことを知るのだった。妻は一命を取り留めたものの、松原とエミの予定は進められなくなってしまった。松原との関係を終わらせたエミは失意のまま、「幸せになりたい」と呟く。

その日は父親が再婚相手と自宅に来る予定であった。父親を拒むミツコはチャイムが鳴りパニックになるが、玄関先に居たのは三浦とその姉であった。二人はミツコが撮った三浦の写真が雑誌に掲載されていることを知らせに来たのである。喜ぶミツコとエミ。「お祝いにパーティーしましょう」と誘う三浦とその姉だが、ミツコとエミは声を揃えて「結構です」と断るのだった。

映画『ミツコ感覚』の感想・評価・レビュー

締め方が実に秀逸であった。それまで「いいです」や「大丈夫」といった日本語ならではの曖昧な表現で散々遊んできた展開で、最後だけはきっぱりと断る痛快さ。過度な演出やBGMに頼らず、言葉の間合いと絶妙な表情が物語る気持ち悪さが癖になる人も多いだろう。冒頭から奇妙なやり取りが展開されるが、逃げずに物語に身を委ねていると違和感が心地よくなってくるから不思議なものだ。監督・山内ケンジの手腕に転がされているのだろうが。(MIHOシネマ編集部)

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